ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(1)

まずは形の違い

ハリオドリッパーの画像カリタドリッパーの画像
ハリオ製は大きな1つ穴で、円錐形(写真左)。
カリタ製は3つ穴で、定番の形(写真右)。

カリタは陶器製、ハリオは磁器製で、ハリオの方がお値段が高いです。どちらもプラスチック製のものがありますが、私は殆ど使いません。
余談ですが、プラスチック製は安いだけでなく、壊れにくく軽いという点でも評価できると思います。また磁器製だと大きいサイズに焼くのが難しいですが、プラスチックならどんなサイズでも失敗無く作れるそうで、形の自由度が高い点でも優れていますね。
ただ、プラスチック製造時に使われる可塑剤のことを考えると、熱湯で抽出するのはちょっと心配です。私がプラスチック製のドリッパーを使うのは、旅行で持ち歩く時くらいでしょうか。

味わいの違いは?

カリタ製は「中挽き」「一杯あたりコーヒー豆10g」
ハリオ製は「細め中挽き」「一杯あたりコーヒー豆12g」推奨ですが、今回の実験では「やや細め中挽き、一杯あたり11g」で統一しました。
使用した豆は、有機栽培コロンビア(中煎り)33g(3杯分)。蒸らし時間は1分、90℃抽出で、味わいの違いは下記の通りです。

・・・・・
カリタ製:「メリハリのある味わい」
苦み・酸味・甘み・渋み等コーヒーのすべての味わいが前面に出ていて、しっかり抽出されている感じがしました。コーヒーの味わいをしっかり堪能したい方には、こちらがオススメです。

ハリオ製:「まろやかな味わい」
まろやかな口当たりで、渋みは殆ど感じられません。ネルドリップに近い味わいという宣伝文句に納得できます。
美味しい所だけ堪能したい方には、こちらがオススメです。

・・・・・
どちらが美味しく感じるか?は、個人の好みによると思います。 今回は、同じ条件のもとで実験しましたが、カリタ製でよりまろやかにする方法や、ハリオ製でよりメリハリのある味わいにする方法もご紹介できればと思います。

また、どうして味わいが違うのか?についても、私なりに考察したいと考えております。データ収集に時間がかかりますので、今しばらくお待ち下さい。

<参考>
ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(2)


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生豆屋(きまめや)

有機栽培(オーガニック)ネルのすすめ

今日は、ちょっと洗うのが手間だけど、とってもまろやかで美味しいコーヒーができる「有機栽培製ネル」についてお話したいと思います。

有機栽培製(オーガニック)ネルの良い所

味噌こしネルドリップ

市販のネルドリップも良いですが、当店では有機栽培製ネルを「味噌こし」や「ドリッパー」に敷いて、ペーパーフィルター代わりに使うことをおすすめしています。
その理由は?

(1)何度も使えて洗いやすい
使い捨てではないので、何度も洗って使うことができます。だから、環境にも優しく、とっても経済的。
また、市販の立体的なネルドリップと違って一枚の布(縫い目無し、切りっぱなし)なので、コーヒー粉を落としやすく、保管もしやすいです。
保管方法は「水に浸して冷蔵庫保存」という方法が一般的ですが、熱めのお湯でよーく洗って干しておくのも、冷蔵庫の肥やしにならなくておすすめ。縫い目が無くて、ハンカチのようにヒラヒラしてますので、乾きも早いです。

ただ、市販のネルと同様、使っているうちに目詰まりしてきますので「最近ちょっと、コーヒーが濃すぎるかな?」と思ったら交換してください。「2ヶ月くらい使い続けると、ちょうど良い濃さになる」というご意見もありますので、自分好みの濃さを見つけるのも良いですね。

(2)薬品臭が無い
当店のネルは、化学肥料、殺虫剤、除草剤、落葉剤等を使わず、手間暇かけて安全な有機栽培(オーガニック)で育てられたコットンを使用しています。
コットンが生来持っている油分が残っていますので、初めて使用する時だけは数分煮沸するか、熱湯に浸した方が良いでしょう。

有機栽培のコットン収穫量は、世界の収穫量の0.2%という少なさだそうです。希少価値の高いネルを、大切に長く使っていただければとても嬉しいです。
一方、市販のネルは有機栽培ではありませんし、加工段階で薬品処理も施されています。もし市販のネルを使用する場合は、たっぷりのお湯で20分以上煮沸し、薬品類をしっかり落として下さい。
そうすれば、最初から美味しいネルドリップのコーヒーをお楽しみいただけると思います。

ネルを「味噌こし」と「ドリッパー」で

味噌こし(大)でネルドリップ
1-2人分用の味噌こし(直径7cm)だと、サーバの注ぎ口に収まるのですが、3~6人用の味噌こし(直径10cm)だと、はみ出て不安定になりやすくなります。
そのため、左手で味噌こしを押さえながら右手で湯を注ぐ(写真上)という技を使うことになりますが、不慣れな方や蒸らし時間を利用して他のことをしたい方には下記の方法がおすすめです。

写真(下)は、ドリッパーと有機栽培製ネルの組み合わせたものです。ペーパーフィルター用にデザインされたドリッパーですが、ネルを代わりに敷いても全然問題ありません。

ハリオドリッパーでネルドリップ

安定感もあり、蒸らしている間に他の作業ができて楽!と、ご好評いただいております。味わいも、本格的なネルドリップと遜色ないのが嬉しいですね。

有機栽培製ネルをストックしておき、ペーパーフィルターが切れた頃に試してみてはいかがでしょう?
有機栽培製ネルは、当店のコーヒー豆と一緒にこちらからご購入いただけます。

< 参考 >
茶こし(味噌こし)布ドリップ法
ネルドリップ
ネル再考
正統派ネルの保管方法

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生豆屋(きまめや)

水出し珈琲と挽き加減

色々な茶葉で実験

珈琲だけでなく、紅茶・緑茶・ほうじ茶等々。色々な茶葉で「水出しの実験」を行ったところ、新しい発見がありました。
まず、細かい茶葉と、大きな茶葉では、抽出速度や味の濃さが全然違うことが分かりました。どちらが早くて濃かったかということ、意外にも大きな茶葉の方でした。
ということは・・・。
もしかすると、コーヒーも粗く挽いた方が抽出が早いのかも?

「ホットコーヒー」は、細かく挽いた方が濃くなるけど・・・。 「水出しコーヒー」は逆に、粗く挽いた方が濃くなるかも知れない!
そう思ったらジッとしていられず、すぐに水出しコーヒーで実験してみました。

挽き加減を変えて実験!

抽出方法は下記の2種類で、当店の深煎り豆を使用。(1)は2日間抽出、 (2)は24時間抽出しました。
味わいの違いがはっきりと分かるように、それぞれの方法で「極粗挽き」 と「極細挽き」で抽出して比較してみました。

(1)水出しコーヒーバッグ
(2)水出しコーヒーポット

結果と考察

(1)(2)とも、下記の通り同じ結果となりました。
極「細」挽き:苦みが少なく、まろやかな味わい。優しい喉ごし。
極「粗」挽き:苦みが強く、濃い味わい。刺激的な喉ごし。

ということで。予想通り「水出しコーヒー」では、粗挽きの方が苦みが強く、濃くて刺激的な味わいに仕上がりました。濃い、といっても味わいだけの話で、コーヒーの色は殆ど違って見えませんでした。
細挽きと粗挽き、どちらが美味しいか? は、個人の好みによると思います。まろやかな味わいが好きな方は、細挽きで。強い苦みが好きな方は、粗挽きにしてみてはいかがでしょうか。ブラックなら細挽き、ミルクで割るなら粗挽き、という風に分けても良いですね。
ちなみに、当店で挽くときは(1)コーヒーバッグは細挽き、(2)コー ヒーポットはメーカー推奨の細め中挽きにしております。

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スパークリング・コーヒーの作り方

本当に不味いの?

大手が売り出している「スパークリング・カフェ(コーヒー入り炭酸飲料)」が話題になっている、と友人が買ってきてくれたので試してみました。
飲んだ感想はこちら
正直、かなり苦しい味わいだった訳ですが(ごめんなさい)、本当に炭酸とコーヒーの相性は悪いのか? という疑問が残りました。

市販の「スパークリング・カフェ」は微炭酸だったので、アイスコーヒー&炭酸水を合わせればちょうど同じような感じになるはず!
ということで、早速当店の深煎りコーヒー豆で入れたアイスコーヒーと炭酸水を合わせて、特製「スパークリング・コーヒー」を作ってみました。

スパークリングコーヒーの作り方

<用意するもの>
・深煎りコーヒー豆で濃いめに作ったアイスコーヒー
・市販の炭酸水(無糖・無香料)
※炭酸水は、天然炭酸入りミネラルウォーターを使用しましたが、 無糖・無香料なら何でも大丈夫です。

作り方は、とっても簡単。
アイスコーヒーと炭酸水を半量ずつ合わせたら、出来上がり!
味の決め手となるアイスコーヒーは、新鮮な深煎り豆で作ること。そして、それぞれ良く冷やしてから合わせることが、ポイントです。
※氷を入れて冷やしても良いですが、炭酸が多少抜けて味も薄くなりますのでご注意下さい。

スパークリング・コーヒーを「美味しいコーヒー」で作ったら?

ハッキリ言って、美味しいです。某大手の「スパークリング・カフェ」とは、 比べものになりません(本当にごめんなさい)。
新鮮なアイスコーヒーで、ぜひ作ってみて下さい!

でも、味わいはコーヒーとはちょっと違う感じですね。
ほろ苦くてピリピリとした微炭酸・・・むしろビールの味わいに近いと思います。ただ、私はビール通では無いので、ビール好きの方が飲んだら違う感想になってしまうかも知れません。
ちなみに私は、ビールよりも特製「スパークリング・コーヒー」の方が美味しいと思いました。単に、アルコールが苦手だからかも知れませんが。

残念な砂糖との相性

「スパークリング・コーヒー」にガムシロップも入れてみましたが、イマイチでした。私のような甘党でもイマイチと感じてしまうには、理由があります。
何故か炭酸に甘味を合わせると、酸味が強く感じられてしまうからです。
お好みによりますが、スッキリとした後味なら断然「無糖(ブラック)」がオススメ! もちろん、夏バテ予防や健康のためにもブラックが一番ですね。

「爽やか!スパークリング・コーヒー」の詳しい作り方はこちら

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コーヒー入り炭酸飲料の感想

某大手の「コーヒー入り炭酸飲料」というのが話題になっている、ということで友人が買ってきてくれました。
早速、私とスタッフ達のアンケート結果をお知らせします。
———————-
Q1 一言でいうと?
A1 薬風

Q2 コーヒーの味と香りは?
A2 人工的なものが少々

Q3 どんな感じ?
A3 酸っぱ甘い感じ。

Q4 食品添加物について思うことは?
A4 カラメル色素、香料、酸味料、カフェインは分かりますが、シリコーンは何のため?

Q5 また飲みたい?
A5 斬新な味わいでしたが、しばらくは遠慮させていただきます。
———-
コーヒー色ですが、コーヒーとはほど遠い感じの魅惑的?な味わいでした。
でも、普通の深煎りコーヒー(薄め)に砂糖を入れて炭酸にしたら、もっとちゃんと美味しいのでは?というのが正直なところ。

ということで、美味しいアイスコーヒーを使ってスパークリングコーヒーを作ってみました!よかったらお試し下さい。

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有機JASマークとは

有機JASマークってどんなもの?

簡単に言うと、化学的に合成された肥料、農薬を原則として使用しない農産物や農産物加工食品につけられるマークのことです。
このマークが無いと、「有機栽培○○」「有機○○」「オーガニック○○」と呼ぶことができません。

有機JAS法施行当時はほとんど見かけませんでしたが、最近は様々な加工食品や農産物についています。これは、有機栽培に対する消費者の意識が高まってきた証拠ではないでしょうか。
有機加工農産物(有機栽培コーヒー豆)の製造に携わっている者としては、嬉しい限りです。

ところで、有機JASマークがどんな形かご存知ですか? 生豆屋(きまめや)ウェブサイトの一番上、少し右寄りに貼ってある雲の形みたいなマーク(中にJASと書いてある)です。よろしかったらご覧下さい。
このマークは、太陽・雲・植物をイメージして作られたそうです。
言われてみれば、左の○が太陽、右のくっついた2つの○が雲、真ん中の葉が植物・・・に見えてきますね。たぶん。
とりあえず上記の有機JASマークをクリックすると、弊社の有機JAS認定証を確認することができます。

生豆と焙煎豆は別認定

弊社の有機認定証を見ると、小分け業用と製造業用の2つあるのが分かりますね。小分け業は「生豆」用、製造業は「焙煎豆」用になります。

「焙煎の有無だけの違いでは?」と私も思うのですが、法律ではキッチリ分かれていて、別々に認定を受ける必要があります。
#もちろん、認定料も2倍になります(泣)。

さらに当店では、海外の有機認証のみを受けているガラパゴスも取り扱っているため、それらの豆と区別する必要もあります。
例えば、保管場所は有機JAS認証豆としっかり分ける等々。細かく規定で決められていて、それを守らなくてはなりません。
その他にも、有機認定ならではの大変な作業が沢山ありますが、また次の機会にでもご紹介できればと思います。

<参考>
有機栽培豆に害虫が見つかったら?

意外と知られていない有機栽培の意味(無農薬・減農薬表示はダメ)
有機JAS法から学ぶこと

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焙煎時間・鮮度・欠点豆除去と味わいの関係

時間をかけてじっくり焙煎

焙煎が終わってコーヒー豆を冷ましているところ。
焙煎が終わって、コーヒー豆を冷ましているところ。

以前2台目の焙煎機を購入したお話をしましたね。おかげさまで、新しい焙煎機も毎日フル回転で焙煎しております。
その焙煎機を導入するときに焙煎機屋さんと話す機会があり、いくつか分かったことがありました。
そのうちの一つは、当店では比較的長い時間をかけて、じっくりと焙煎しているということ。私は「このくらいの時間をかけるのは当たり前」という感覚だったのですが、他店平均に比べると長いそうです。
早く焙煎することも可能なのに、どうしてじっくりと焙煎するのでしょうか?

「上品さ」「まろやかさ」の追求

火力を強くすれば当然、短い時間での焙煎も可能です。効率良く焙煎して利益を上げることだけを考えれば、ガンガン焙煎した方がずっと良いですね。
当店では・・・

「大忙しだ!」と言いながらも、じっくりと焙煎し、
「今日もギリギリだ!」と言いながらも毎日焼きたてにこだわり、
「もう時間が無い!」と言いながらも、時間をかけて欠点豆を除去しています。

端から見ていたら、非効率的だと思われそうですね。でも、
じっくりと焙煎すると「上品でまろやかな味わい」を出すことができ、焼きたてにこだわると「コーヒー本来の甘味」を堪能することができます。
そして、欠点豆(カビ豆など)を丁寧に除去することで、より健康的で優しい味わいを追求することができるのです。

では、短時間焙煎が悪いか? というと。そういう訳ではありません。浅めの焙煎で美味しくするのは難しいですが、深煎りなら短時間でもちゃんと芯までしっかり火が通り、青臭くありません。
また、短時間では「まろやかさ」に欠ける分、「豆の個性」がストレートに出やすいと言えるでしょう。豆の個性を十分に堪能したい方は、短時間の方がピッタリかも知れませんね。

どっちが美味しいかは、十人十色なので何とも言えません。
ただ当店の場合は、店長(私)の好みにより「上品でまろやかな味わい」系で、さらに欠点豆の除去や鮮度へのこだわりも続けていきたいと考えております。
自分が飲みたいと思えるコーヒーだけを、お客様に販売したいので・・・。

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コーヒーの濁り(にごり)

「濁っているコーヒー」と「濁ってしまったコーヒー」

この二つ、似ているようで実は全然違います。
「濁っているコーヒー」とは、金属フィルターやプレス式(プランジャー)、煮沸後に濾すパーコレータや濾さないままで飲むターキッシュコーヒー、エスプレッソ等のことです。
世界的に見ると、実は不透明な「濁っているコーヒー」を飲んでいる人達の方がずっと多いと思います。

ペーパーフィルターが主流になっている日本では、あまり馴染みが無いコーヒーですね。私達がよく飲むペーパーで濾したコーヒーは、溶け出した成分が少なくなるため透明感のあるコーヒーに仕上がりますね。
※ただし、極細挽きで熱湯抽出した場合や豆の品質(古い、欠点豆が多い)によっては、ペーパーでも初めから濁っている場合もあります。

一方、「濁ってしまったコーヒー」とはどういうものでしょう?
お馴染みのペーパーフィルターで抽出し、初めは透明感があるのに・・・時間の経過とともに濁ってしまった「あまり美味しくないコーヒー」のことです。では、どうして濁ってしまうと美味しく無いのでしょうか。

濁りの正体?

時間が経つとだんだん濁ってくるのは、コーヒー主成分の一つ「油脂類」の仕業では?と言われています。その「油脂類」が時間の経過によって酸化すると、濁りやイヤな酸味を伴ったりするそうです。
油脂は約15%(焙煎豆中)含まれていますが、不溶物のためほとんど抽出液には出てきません。そのため、油脂の多くはコーヒーかすの方に残っていることになります。
※ブラックコーヒーだったら、カロリーもほどんどありません。

つまり、極少量の油脂がコーヒー液中に存在していて、濁りに影響しているのでは?ということです。
でも、この油脂はそんなに悪者という訳ではありません。
コーヒーの焙煎段階では、香りや味わいに変化を持たせる役割を果たしたり、エスプレッソのクレマ(きめの細かい泡)を演出してくれたりもします。

「どうしたら濁らないか?」と考えるよりも。
一番大事なのは、抽出したての美味しい時に飲むことかも知れませんね。

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珈琲の香りと臭いの違い

コーヒーの香り? それとも・・・

以前、ペーパーフィルターによっては紙の臭いが出やすい、というお話をしました。 そのお話をして以来、8名の方から「紙の臭いなんて分からないけど?」とお問い合わせをいただきました。(内、3名はカフェ経営者様です)

確かに、いつも同じように抽出していると紙の臭いなんて分かりませんね。でも、一度気が付いてしまうと、気になって仕方なくなってしまう・・・それが紙の臭いの特徴です。
というわけで。今日は紙の臭いを知るための方法を、もう一度おさらいしたいと思います。
注意) もし知りたく無い方は、試さないようにして下さい。

体験!紙の臭い

普通にペーパーをドリッパーにセットしていただき、コーヒー粉を入れずにお湯だけ通して下さい。
#できれば「蒸らし」と同じ状態になるように、最初にペーパーを湿らせて1分ほど置いてから、お湯を注いでみて下さい。

コーヒー粉が無いので、あっという間に抽出(?)されますが、そのままカップに注いで飲んでみましょう。嗅覚が鈍い状態でなければ、この方法で紙の臭いを感じていただけると思います。
#満腹時や、喫煙時、飲酒時、ニンニクや柑橘系等の香りの強いものを食べた時は、嗅覚が鈍くなります。

コーヒーの香りとは全然違う、紙の臭い。
深煎りの強烈な香ばしさがあれば感じない場合が多いですが、中煎りの繊細な味わいだと良く分かってしまいます。
また蒸らし時間が長いほど、抽出をゆっくりすればするほど臭いがハッキリしてきます。

もし臭さが気になって仕方が無い!状態になってしまったら・・・ ペーパーフィルターを湯通しすると、とっても効果的です。
また、当店推奨の味噌こし布ドリップ法や、有機栽培製ネルをペーパー 代わりにドリッパーに敷くのもおすすめです。 もちろん、市販のネルドリップを使うのも良いですね。ぜひお試し下さい。

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市販の豆は、なぜ膨らまない?の回答

当店掲示板「店長のお茶会」でお客様からいただご質問「市販の豆は、なぜ膨らまない?」について、私の回答を、抜粋・掲載します。

——–以下、掲示板「店長のお茶会」より抜粋(一部変更)——–

まず、コーヒー粉を蒸らした時に膨らむ条件として、鮮度があります。
しかし「新鮮なコーヒー」の定義が店(メーカー)によって全然違うように思います。例えば、焙煎後1ヶ月以内なら新鮮だ!と主張する所もあれば、半年以内なら新鮮だと言う所もあり、
当店のように、焙煎後すぐ発送しないと!と言う所もあります。

また焙煎日を表示しているメーカーは殆ど無いので、新鮮かどうかの判断は難しいですね。
もしメーカー側に鮮度を尋ねる場合は、「賞味期限は何ヶ月間を設定しているか」を聞いてみましょう。
そうすれば、袋の賞味期限から逆算して袋詰め日を確認することができます。
でも、ここで気をつけなくてはならないのは、あくまで袋詰めした日であるということです。
それが焙煎日と一致するかどうかは、分かりません。

例えば、焙煎後すぐに袋詰めすると、豆から出るガスで袋はパンパンにふくれてしまって、穴を開けないと破裂してしまうかも知れません。でも、穴を開ければ袋に入れたままの長期保存には向かなくなります。
そうなると、焙煎後しばらくガス抜きをするために放置しておく必要があります。放置することで、真空パック詰めにしたり、1杯ずつの小分けパックにしたりすることが可能になる訳ですね。

つまり袋詰め時点ですっかりガスが抜けているので、当然抽出した時にも泡(ガス)が出ない=膨らまない・・・ということになります。

蒸らした時の泡立ちや、コーヒーの豊かな香りは「鮮度のバロメーター」です。
そして、その鮮度を楽しむためには、焼きたて豆を入手したり、挽きたてを抽出したり、と大変手間がかかるのも確かです。

便利さを求めて妥協するか。鮮度や美味しさを求めてこだわるか。
どちらを選ぶかは、お客様のお好み次第なのかも知れませんね。

<参考>
蒸らしで豆を知る
焙煎日と賞味期限
鮮度?それとも真空パック?

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