ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(2)

穴の面積の違い

前回、ドリッパーの形と味わいの違いについてお話ししましたね。今日は、どうして違ってくるか?について検証してみたいと思います。

リブ(凸部)の形が違うとどうだとか、色々と意見はあるようですが。 とりあえず、思いっきり味わいに影響しそうな「穴の面積」について比較してみました。
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カリタ(陶器製):直径4ミリの穴×3つ・・・計 37.68ミリ平方メートル
ハリオ(磁器製):直径20ミリの穴×1つ ・・計314.00ミリ平方メートル
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単純に比較しても、ハリオは、カリタの8倍以上の面積ということになります。ここまで大きさが違うと、味わいに影響してくるのは当然ですね。見た目では分からなかったので、私もビックリしました。
※ハリオ製の穴の形はギザギザになっているので、正確にはもうちょっと面積が大きくなります。

ちなみに、プラスチック製では穴の面積の差がさらに広がり、ハリオはカリタの10倍以上の大きさになります。
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カリタ(プラ製):直径3ミリの穴×3つ・・・計 21.20ミリ平方メートル
ハリオ(プラ製):直径17ミリの穴×1つ ・・計226.87ミリ平方メートル
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どちらもプラスチックの方が面積が小さくなっていますね。やはり、焼き物で小さい穴を作るというのは難しいからでしょうか。

味わいへの影響を検証

面積が8~10倍違うと、味わいにはどのように影響するのでしょうか。中がよく見えるよう、透明なプラスチック製ドリッパーで比較してみまし た。
蒸らし1分+抽出3分で、次のようなことが判明しました。
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カリタ:
穴が小さいため、注湯中は下から0.5~1cmくらいの所まで湯が貯まっている。

ハリオ:
穴が大きいので、注湯中でも湯は貯まらず、そのまま落ち続ける。
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つまり、同じ速度で抽出すると、カリタ(3つ穴)の方が湯とコーヒー豆の接触時間が長くなるということです。湯に浸る時間が長ければ、当然苦み・酸味も強くなりますね。

一方、ハリオ(1つ穴・円すい形)の方はネルドリップのように湯が貯まることなく落ち続けるので、比較的あっさりまろやかな味わいに仕上がると考えられます。 この辺が「ネルドリップの味わいに近い」と言われる理由かも知れません。

<参考>
ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(1)

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