コーヒーサーバーとは?

一人分だけ抽出でも必需品

ドリップしたコーヒーを受ける、ガラス製の容器のことです。
カップに直接抽出すれば不要ですが、2人分以上抽出する場合はコーヒーサーバーに一度抽出してから各々のカップに注ぐ方が味わいが安定します。
詳しくは、実験!前半と後半をご覧下さい。

カリタ・コーヒーサーバー
1人分しか抽出しない場合でも、コーヒーサーバーの目盛りに合わせて抽出し、温めたカップに注げば、いつも安定した味わいを楽しめます。
「一人分だけなのに、面倒臭い!」という時は、カップのどの辺で抽出を止めるか決めておくと良いでしょう。(お湯の量については、コーヒー豆量と湯量の関係をご覧ください)
・・・
なぜ面倒くさがり屋の私が、味わいの安定のためにこだわるかというと。いつも同じ条件で抽出することで、コーヒー豆の味わいの変化を楽しむことができるからです。

コーヒー豆は、焙煎日~焙煎後2週間くらいまで味わいの変化を楽しむことができます。
焙煎日当日が一番透明感のある味わい、2~3日後が一番香りが強くなり、その後ゆっくり時間をかけて変化をしていきます。詳しくはコーヒー焙煎豆の飲み頃をご覧ください。
せっかく味わいの変化を楽しめるのに、意識しないで抽出するなんて勿体ないですね。だから面倒くさがり屋の私でも、コーヒーサーバーは必需品なのでした。

長く使うために

コーヒーサーバーは普通、耐熱ガラスでできています。メーカーによっては直火OKのものや、電子レンジOKのものもありますので、購入時にはチェックしておきましょう。温め直しができるコーヒーサーバーですと、冷めてしまった時に便利ですね。
※底に水滴がついていたり、小さなヒビのある場合は、温め直しの際に割れる恐れがありますのでご注意下さい。
※温め直しや保温をすると、香り・味わいが格段に落ちてしまいます。酸化も進みますので、できるだけ抽出したての新鮮なものを飲みましょう。

なお耐熱ガラスは、強化ガラスではありません。他のガラス製品同様、衝撃に弱く、小さな傷が付けば割れやすくなります。
そのため、洗浄の時も金属タワシは使わずに、スポンジ等で優しく洗ってあげて下さい。
※一方、強化ガラスは急激な温度変化に弱いです。破損のおそれがあるので、強化ガラスを使ってコーヒーを抽出するのは避けましょう。

もう一点。
耐熱ガラスは、熱さには強いですが急冷にはとても弱いです。直火で使った熱々のコーヒーサーバーを冷水に浸すようなことは避けましょう。
・・・
ガラス製で壊れやすいコーヒーサーバーですが、ドリップには欠かせません。上手に管理して、長く使っていただければと思います。

きまめや
生豆屋(きまめや)

ペーパーフィルターの湯通し効果

あれ・・・紙臭い?

新入荷のコーヒー豆の焙煎加減を決めるために、いろいろな焙煎加減を試していた時のこと。
スタッフ達と浅めの焙煎加減を試飲したら、なぜか違和感がありました。
「あれ・・・紙臭い?」

私が抽出すると紙臭さが気にならないのですが、某スタッフが入れたコーヒーは何故か気になりました。 (※口うるさい店長で恐縮です)
早速抽出方法について確認したところ、湯通しに使う湯の量が少ないことが判りました。でも今まで気にならなかったのに、なぜ突然紙臭く感じたのでしょう?

焙煎加減で違いがわかる

浅い焙煎加減で紙臭かったということは・・・。
「焙煎加減によって、感じ方が違うのかも?」と思いつき、さっそく実験してみました。
以下は、湯通し無しのペーパーと、十分湯通ししたペーパーの味わいの違いについての結果です。
——
1)中煎り豆(ミディアムロースト)使用の場合
湯通し無し:かすかに紙臭さがあり、酸味・苦味が強く感じられた。
湯通し有り:豆本来の香りで、まろやかな酸味・苦味が感じられた。

2)ごく深煎り豆(イタリアンロースト)使用の場合
湯通し無し:苦味が強く、紙の臭いは無し。
湯通し有り:苦味が強いが、比較的まろやかな口当たり。紙の臭いは無し。
——
以上のことから、紙臭さは浅めの焙煎の方が感じやすいことが分かりました。
深煎り豆は強い苦味・コクが前面に出て濃い味わいになるので、紙臭さを感じにくくするようです。
ちなみに、ごく深煎り豆の場合でも、サーバに残ったコーヒー液の香りを調べたら・・・湯通し無しの方は「これは紙臭い!」という意見で一致しました。冷めると、深煎りでも紙臭さが感じられるようです。
※湯通し有りの方は両方とも、冷めても紙臭さはありませんでした。

あと、意外なことも判明しました。
それは「十分湯通しすると、まろやかな味わいになる」ということです。
その理由はよく分かりませんが、湯通しすることでペーパーの繊維が膨張し、よりまろやかな口当たりになるのかも・・・知れません。
この味わいの違いについて、また何か分かりましたらお知らせしたいと思います。

<実験の条件>
・中煎り豆、ごく深煎り豆 各48g(細め中挽き)で、それぞれ4人分抽出(1人分は120cc)。
・抽出時の蒸らし時間は1分間。湯温は90℃とした。
・ハリオドリッパー&無漂白ペーパーフィルター(円錐形)使用。
・「湯通し有り」は、約600ccの熱湯で行い、1分間湯気を蒸発させた後にコーヒー粉を入れて抽出開始した。
・「湯通し無し」は、ドリッパーを湯で温める時もペーパーを外し、抽出開始まで一切湯がかからないように注意した。

湯通しをしているところ。

<参考>
ペーパーフィルターの紙臭さを消す方法
ペーパーフィルターの無漂白と酸素漂白、どちらが良い?


きまめや
生豆屋(きまめや)

ペーパーフィルター無漂白・酸素漂白、どちらが良い?

酸素漂白と無漂白ペーパーフィルター
酸素漂白と無漂白ペーパーフィルター

皆さんがいつも使っているペーパーフィルター。
次のような疑問を持ったことはありませんか?

・なぜ無漂白の方が、酸素漂白より値段が高いの?
・なぜ無漂白の方が、酸素漂白より紙の臭いが強いの?

私もずっと気になっていたのですが、先日製紙メーカーさんからお話を伺うことができましたので、ここでご紹介したいと思います。

無漂白が高い理由

「無漂白は、漂白していないから安いはずなのに・・・。」
そう思うのも無理ありませんね。

実は、紙臭さの正体は「リグニン」と呼ばれる樹木の成分で、それを水だけで長時間かけて除去するため、かえって費用がかかってしまうのでした。
※漂白剤を使えば、時間も短縮できる上、紙臭さもすぐに取れるので、安くできます。

無漂白で手間暇かけても、酸素漂白に比べるとどうしても紙の臭いが残ってしまう、ということでした。樹木成分の臭いなら、仕方ないですね。

どっちが良いの?

では、酸素漂白に使われる漂白剤って、どんなものなのでしょう?
酸素系漂白剤でダイオキシンも出ず、漂白剤も残留しないから安心!ということでした。

でも、当店のお客様の中には、化学物質過敏症で苦しんでいる方々も多いです。そういう方々は、ほんのわずかな化学物質に反応してしまうのですが、本当に漂白剤は残留していないですか?
そう尋ねた所「そういうケースでは、やはり無漂白の方が無難かと・・・」ということでした。
どっちが良いかは好みの問題ですが、安全を追求するなら無漂白の方が良いかも知れませんね。紙臭さは、コーヒー粉を入れる前によく湯通しすれば、問題無いでしょう。
※もちろん、ネルドリップが一番安全なのは、皆さんご存知の通りです。

< 参考 >
ペーパーフィルターの臭い対策
有機栽培製ネルのススメ

きまめや
生豆屋(きまめや)

氷カフェオレの作り方

コクのあるアイスカフェオレに。

勝手に「氷カフェオレ」と命名しましたが、珈琲液を氷らせたものにミルクを合わせたものと考えていただければと思います。
市販品もありますが、ご自宅で作る方が安心・美味・安上がりなので、よろしかったらお試し下さい。

<用意するもの>
1)牛乳
2)氷らせたコーヒー
※甘くする場合は、あらかじめ砂糖を加えておく。

氷カフェオレの作り方

氷らせたコーヒーに、牛乳を注いで出来上がり!

ミルクを注いで出来上がり!
氷カフェオレ。氷が溶けていくと、だんだんアイスカフェオレに近くなります。
小さく氷らした珈琲
砂糖をたっぷり入れると、シャーベットに近い食感になりそのまま食べても美味しいです。

氷カフェオレのポイント

1)コーヒーは深煎り豆で
牛乳と合わせる場合は、強い苦みと香ばしさがある「深煎り豆」を使うのがオススメです。
牛乳の濃い味わいにも負けないように、また時間の経過による酸味が出ないように、できるだけ「深め~ごく深煎り」の焙煎豆を選びましょう。

2)小さく氷らす
小さい形に氷らす(または小さく砕く)と、牛乳とよく混ざって美味です。小さい氷ができる製氷器をお持ちでしたら、そのままアイスコーヒー(冷ましたコーヒーも可)を注いで冷凍庫へ入れればOKですね。

3)砂糖を入れてシャリシャリ感
ブラックコーヒーを氷らすと、普通の氷と同じようにカチコチに固まりますが、砂糖を入れるとまるでシャーベットのような歯触りに。
これは、水の中に不純物(ここでは砂糖)が多いほど、氷点が下がるからだそうです。
もし砂糖を摂っても健康上差し支え無い場合は、ぜひお試し下さい。
砂糖の量は、後から牛乳で薄まる分、ホットに入れる量の1.5~2倍くらいを目安にしましょう。

4)ブラックの場合
ブラックコーヒーを氷らすと牛乳に溶けにくくなりますが、ゆっくり味わいの変化をお楽しみいただけます。
また、牛乳ではなくアイスコーヒーと合わせれば、氷が溶けても薄まらないのでオススメです。

暑い季節にはピッタリの氷カフェオレ、良かったお試し下さい。

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生豆屋(きまめや)

ペーパーフィルターの紙臭さを消す方法

ペーパーフィルターの臭い消し
ペーパーフィルターの紙臭さを消す方法

紙臭いペーパーフィルターは?

「ペーパーフィルターの臭いが気になる。どのメーカーのものが良い?」というお問い合わせがありました。
各メーカーで長所・短所があるようですが、多少紙の臭いが出てしまうのは仕方がないですね。
とりあえず、無漂白のペーパー(茶色)の方が、酸素漂白(白色)のものよりも「紙臭い」ようです。じゃあ、酸素漂白の方が体に良いか?と聞かれると・・・
漂白の方法が企業秘密になっているため、判断できませんでした。ペーパーフィルターのメーカーさんには、製造過程で何の薬品をどのように使用しているのか、ぜひ公開していただきたいものです。

簡単!紙の臭いを消す方法

ペーパーフィルターを使う時は、次の方法を試してみてください。
1)購入後、袋から出して保管する。
簡単なことですが、かなり効果はあります。袋から出して、できれば少し広げて(干す感じで)置くと早く臭いが飛びます。

2)ドリッパーに敷いたペーパーフィルターへ、2~3回湯通しする。
袋から開けてすぐに使いたい時や、念入りに臭いを消したい時は、たっ ぷりお湯を沸かして湯通しします。できれば、1回にカップ2杯程度の湯を通し、少し待ってからまた同じことを繰り返す、という方法がおすすめです。
※念入りにやりすぎて、紙が破れないようにご注意下さい。

他にも何か、良い方法があるかも知れません。また見つかりましたら、お知らせしたいと思います。
有機栽培製ネルをペーパーフィルター代わりに使うことも、この機会にご検討下さい。

<参考>
ペーパーフィルター無漂白・酸素漂白どちらが良い?

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何から揃える?コーヒー器具

必要最低限の器具

どの器具から揃えるのが正解?

「コーヒーは初心者だけど、本当に美味しいコーヒーを入れてみたい!」
そんなご要望をいただくことが、最近とても多くなりました。私の文章を読んでいると「意外と簡単かも?」という気持ちになっていただけるからでしょうか。
その通り、何も難しいことはありません。
要は「必要最低限の器具」と「美味しいコーヒー豆」、味わいに悪影響を及ぼさない「湯(水)」があればOKなのです。

それでは、「必要最低限の器具」を考えてみましょう。
日本で主流になっている「透明感のあるコーヒー」を目指すなら、コーヒー粉を布か紙で濾す(こす)必要がありますね。つまり、ネル(布)かペーパーフィルター(紙)が必要になります。
#コーヒー産地で主流になっている「濁ったコーヒー」でよければ、鍋や茶こしがあればOKです。

次に、ネルかペーパーフィルターを支えるための容器が必要です。カップの底に穴が空いている形の「ドリッパー」が主流ですが、ネルなら「茶こし」や「味噌こし」でも代用可能です。
※詳しくは有機栽培製ネルのすすめをご覧下さい。

必需品は細口ポット?ミル?

さぁ、これで抽出用の器具は揃いましたね。次は何を揃えましょう?
抽出する時の格好良さから「細口ポット」を入手する方が多いのですが、ここはグッとこらえて「ミル(豆を挽く道具)」を選びます。
#ヤカンでも、美味しく抽出することができますので。

どんなに新鮮で美味しい豆でも、店で挽いてしまったら一気に香りが飛んで鮮度が落ちてしまいます。鮮度が落ちると酸化が進み、コーヒー本来の甘みやまろやかな口当たりも消えていきます。
そのため、安価なプロペラ式電動ミルでも、店で挽くよりはずっと良いのです。ここは思い切って、ミルを調達しましょう。

できれば揃えよう

最後に、コーヒー液を受ける「サーバー」があると便利ですね。ちゃんと抽出量をはかることで、安定した味わいを出すことができます。
また、私のようにいつもコーヒーの味わいを分析している方には、サーバーは必需品になります。
もちろん、ご予算に余裕のある方は「細口ポット」も調達していただければと思います。これがあれば、気分も味わいもプロ並み?になるかも知れません。

抽出方法の詳細は、秘伝!美味しい珈琲の入れ方をご覧下さい。

<参考>
最適なコーヒー焙煎豆の保存場所
最適なコーヒー焙煎豆の保存容器

きまめや
生豆屋(きまめや)

ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(2)

穴の面積の違い

前回、ドリッパーの形と味わいの違いについてお話ししましたね。今日は、どうして違ってくるか?について検証してみたいと思います。

リブ(凸部)の形が違うとどうだとか、色々と意見はあるようですが。 とりあえず、思いっきり味わいに影響しそうな「穴の面積」について比較してみました。
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カリタ(陶器製):直径4ミリの穴×3つ・・・計 37.68ミリ平方メートル
ハリオ(磁器製):直径20ミリの穴×1つ ・・計314.00ミリ平方メートル
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単純に比較しても、ハリオは、カリタの8倍以上の面積ということになります。ここまで大きさが違うと、味わいに影響してくるのは当然ですね。見た目では分からなかったので、私もビックリしました。
※ハリオ製の穴の形はギザギザになっているので、正確にはもうちょっと面積が大きくなります。

ちなみに、プラスチック製では穴の面積の差がさらに広がり、ハリオはカリタの10倍以上の大きさになります。
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カリタ(プラ製):直径3ミリの穴×3つ・・・計 21.20ミリ平方メートル
ハリオ(プラ製):直径17ミリの穴×1つ ・・計226.87ミリ平方メートル
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どちらもプラスチックの方が面積が小さくなっていますね。やはり、焼き物で小さい穴を作るというのは難しいからでしょうか。

味わいへの影響を検証

面積が8~10倍違うと、味わいにはどのように影響するのでしょうか。中がよく見えるよう、透明なプラスチック製ドリッパーで比較してみまし た。
蒸らし1分+抽出3分で、次のようなことが判明しました。
——————–
カリタ:
穴が小さいため、注湯中は下から0.5~1cmくらいの所まで湯が貯まっている。

ハリオ:
穴が大きいので、注湯中でも湯は貯まらず、そのまま落ち続ける。
——————–
つまり、同じ速度で抽出すると、カリタ(3つ穴)の方が湯とコーヒー豆の接触時間が長くなるということです。湯に浸る時間が長ければ、当然苦み・酸味も強くなりますね。

一方、ハリオ(1つ穴・円すい形)の方はネルドリップのように湯が貯まることなく落ち続けるので、比較的あっさりまろやかな味わいに仕上がると考えられます。 この辺が「ネルドリップの味わいに近い」と言われる理由かも知れません。

<参考>
ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(1)

きまめや
生豆屋(きまめや)

ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(1)

まずは形の違い

ハリオドリッパーの画像カリタドリッパーの画像
ハリオ製は大きな1つ穴で、円錐形(写真左)。
カリタ製は3つ穴で、定番の形(写真右)。

カリタは陶器製、ハリオは磁器製で、ハリオの方がお値段が高いです。どちらもプラスチック製のものがありますが、私は殆ど使いません。
余談ですが、プラスチック製は安いだけでなく、壊れにくく軽いという点でも評価できると思います。また磁器製だと大きいサイズに焼くのが難しいですが、プラスチックならどんなサイズでも失敗無く作れるそうで、形の自由度が高い点でも優れていますね。
ただ、プラスチック製造時に使われる可塑剤のことを考えると、熱湯で抽出するのはちょっと心配です。私がプラスチック製のドリッパーを使うのは、旅行で持ち歩く時くらいでしょうか。

味わいの違いは?

カリタ製は「中挽き」「一杯あたりコーヒー豆10g」
ハリオ製は「細め中挽き」「一杯あたりコーヒー豆12g」推奨ですが、今回の実験では「やや細め中挽き、一杯あたり11g」で統一しました。
使用した豆は、有機栽培コロンビア(中煎り)33g(3杯分)。蒸らし時間は1分、90℃抽出で、味わいの違いは下記の通りです。

・・・・・
カリタ製:「メリハリのある味わい」
苦み・酸味・甘み・渋み等コーヒーのすべての味わいが前面に出ていて、しっかり抽出されている感じがしました。コーヒーの味わいをしっかり堪能したい方には、こちらがオススメです。

ハリオ製:「まろやかな味わい」
まろやかな口当たりで、渋みは殆ど感じられません。ネルドリップに近い味わいという宣伝文句に納得できます。
美味しい所だけ堪能したい方には、こちらがオススメです。

・・・・・
どちらが美味しく感じるか?は、個人の好みによると思います。 今回は、同じ条件のもとで実験しましたが、カリタ製でよりまろやかにする方法や、ハリオ製でよりメリハリのある味わいにする方法もご紹介できればと思います。

また、どうして味わいが違うのか?についても、私なりに考察したいと考えております。データ収集に時間がかかりますので、今しばらくお待ち下さい。

<参考>
ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(2)


きまめや
生豆屋(きまめや)

有機栽培(オーガニック)ネルのすすめ

今日は、ちょっと洗うのが手間だけど、とってもまろやかで美味しいコーヒーができる「有機栽培製ネル」についてお話したいと思います。

有機栽培製(オーガニック)ネルの良い所

味噌こしネルドリップ

市販のネルドリップも良いですが、当店では有機栽培製ネルを「味噌こし」や「ドリッパー」に敷いて、ペーパーフィルター代わりに使うことをおすすめしています。
その理由は?

(1)何度も使えて洗いやすい
使い捨てではないので、何度も洗って使うことができます。だから、環境にも優しく、とっても経済的。
また、市販の立体的なネルドリップと違って一枚の布(縫い目無し、切りっぱなし)なので、コーヒー粉を落としやすく、保管もしやすいです。
保管方法は「水に浸して冷蔵庫保存」という方法が一般的ですが、熱めのお湯でよーく洗って干しておくのも、冷蔵庫の肥やしにならなくておすすめ。縫い目が無くて、ハンカチのようにヒラヒラしてますので、乾きも早いです。

ただ、市販のネルと同様、使っているうちに目詰まりしてきますので「最近ちょっと、コーヒーが濃すぎるかな?」と思ったら交換してください。「2ヶ月くらい使い続けると、ちょうど良い濃さになる」というご意見もありますので、自分好みの濃さを見つけるのも良いですね。

(2)薬品臭が無い
当店のネルは、化学肥料、殺虫剤、除草剤、落葉剤等を使わず、手間暇かけて安全な有機栽培(オーガニック)で育てられたコットンを使用しています。
コットンが生来持っている油分が残っていますので、初めて使用する時だけは数分煮沸するか、熱湯に浸した方が良いでしょう。

有機栽培のコットン収穫量は、世界の収穫量の0.2%という少なさだそうです。希少価値の高いネルを、大切に長く使っていただければとても嬉しいです。
一方、市販のネルは有機栽培ではありませんし、加工段階で薬品処理も施されています。もし市販のネルを使用する場合は、たっぷりのお湯で20分以上煮沸し、薬品類をしっかり落として下さい。
そうすれば、最初から美味しいネルドリップのコーヒーをお楽しみいただけると思います。

ネルを「味噌こし」と「ドリッパー」で

味噌こし(大)でネルドリップ
1-2人分用の味噌こし(直径7cm)だと、サーバの注ぎ口に収まるのですが、3~6人用の味噌こし(直径10cm)だと、はみ出て不安定になりやすくなります。
そのため、左手で味噌こしを押さえながら右手で湯を注ぐ(写真上)という技を使うことになりますが、不慣れな方や蒸らし時間を利用して他のことをしたい方には下記の方法がおすすめです。

写真(下)は、ドリッパーと有機栽培製ネルの組み合わせたものです。ペーパーフィルター用にデザインされたドリッパーですが、ネルを代わりに敷いても全然問題ありません。

ハリオドリッパーでネルドリップ

安定感もあり、蒸らしている間に他の作業ができて楽!と、ご好評いただいております。味わいも、本格的なネルドリップと遜色ないのが嬉しいですね。

有機栽培製ネルをストックしておき、ペーパーフィルターが切れた頃に試してみてはいかがでしょう?
有機栽培製ネルは、当店のコーヒー豆と一緒にこちらからご購入いただけます。

< 参考 >
茶こし(味噌こし)布ドリップ法
ネルドリップ
ネル再考
正統派ネルの保管方法

きまめや
生豆屋(きまめや)

水出し珈琲と挽き加減

色々な茶葉で実験

珈琲だけでなく、紅茶・緑茶・ほうじ茶等々。色々な茶葉で「水出しの実験」を行ったところ、新しい発見がありました。
まず、細かい茶葉と、大きな茶葉では、抽出速度や味の濃さが全然違うことが分かりました。どちらが早くて濃かったかということ、意外にも大きな茶葉の方でした。
ということは・・・。
もしかすると、コーヒーも粗く挽いた方が抽出が早いのかも?

「ホットコーヒー」は、細かく挽いた方が濃くなるけど・・・。 「水出しコーヒー」は逆に、粗く挽いた方が濃くなるかも知れない!
そう思ったらジッとしていられず、すぐに水出しコーヒーで実験してみました。

挽き加減を変えて実験!

抽出方法は下記の2種類で、当店の深煎り豆を使用。(1)は2日間抽出、 (2)は24時間抽出しました。
味わいの違いがはっきりと分かるように、それぞれの方法で「極粗挽き」 と「極細挽き」で抽出して比較してみました。

(1)水出しコーヒーバッグ
(2)水出しコーヒーポット

結果と考察

(1)(2)とも、下記の通り同じ結果となりました。
極「細」挽き:苦みが少なく、まろやかな味わい。優しい喉ごし。
極「粗」挽き:苦みが強く、濃い味わい。刺激的な喉ごし。

ということで。予想通り「水出しコーヒー」では、粗挽きの方が苦みが強く、濃くて刺激的な味わいに仕上がりました。濃い、といっても味わいだけの話で、コーヒーの色は殆ど違って見えませんでした。
細挽きと粗挽き、どちらが美味しいか? は、個人の好みによると思います。まろやかな味わいが好きな方は、細挽きで。強い苦みが好きな方は、粗挽きにしてみてはいかがでしょうか。ブラックなら細挽き、ミルクで割るなら粗挽き、という風に分けても良いですね。
ちなみに、当店で挽くときは(1)コーヒーバッグは細挽き、(2)コー ヒーポットはメーカー推奨の細め中挽きにしております。

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