おいしいハウスブレンドを作ろう!

ハウスブレンドの作り方

一昔前のはなし

一昔前は、ハウスブレンドといえばその店の看板ブレンドで、「店側が沢山売りたいブレンド」の代名詞でした。
沢山売りたい・・・というのは、仕入れの都合だったり、焙煎の都合だったり、安い豆(ロブスタ種)を混ぜて利幅が大きくしたり等々。
お客様側も、看板ブレンドの方が回転が速くて新鮮な豆が手に入りやすい、おすすめブレンドだから安心できる、お得に買える、等の利点がありました。
もちろん、当時から看板ブレンドの名にふさわしい「とっておきブレンド」として頑張っているお店もありましたが、主流では無かったと記憶しています。

でも今はどうでしょう?むしろ「看板ブレンドこそ最高のものを!」という傾向があるのではないでしょうか。
個性を前面に出して頑張っているお店が、生き残っていける時代になったのかも知れませんね。
もちろん、当店のブレンド達も店長お勧めの「最高のもの」になっています。

ストレートとブレンド、どっちが良い?

とはいっても、ストレート豆は相変わらず根強い人気があります。特に自宅で焙煎される方は、ストレートで味わいの違いを楽しむ方が多いようです。
一方、焙煎済みの豆を買う方からは「ストレートよりもブレンドの方が安心して飲める」というご意見をよく伺います。理由は「味わいのバランスがとれているから」「複雑な香味を楽しめるから」「そのお店の一押しだから」「選ぶのが面倒だから」等々。
確かに、お気に入りのお店で美味しいハウスブレンドが見つかれば、それが一番安心ですね。

美味しいハウスブレンドを作ろう!

でも、もしピッタリの味わいが見つからなかったら・・・
自分のお家ブレンド(ハウスブレンド)を作ってみてはいかがでしょう?
「興味はあるけど、ブレンドの方法がよく分からない」という方のために、下記の通り簡単なガイドを書いておきますね。よかったらお試し下さい。

【1】遠回りしても「自分好みのオリジナルブレンド」を作りたい場合
(1)お気に入りのお店で、片っ端からストレート豆を試してみる。
(2)好きな順番から2~4種類ほど選んで、色々な配合を試してみる。

最初に配合する時は、一番好きだった豆の配合を一番多くしてみるのがポイントです。
あと少し異なった焙煎加減のものを選ぶと「もうちょっと苦みが欲しい」「もうちょっと酸味が欲しい」という時に、配合を変えるだけで調整ができて楽しいです。また、その日の気分や抽出方法で少しずつブレンドの配合を工夫しても面白いですね。
これは「大好きな豆だけでブレンドしたら、ぜったい美味しいブレンドができる!」法則(勝手に命名)によるブレンド方法です。

【2】簡単に「自分好みのブレンド」を作りたい場合
(1)ブレンドにこだわったお店で一押しのハウスブレンドを買ってみる。
(2)足らない味わいや香りを、他の豆で補う。例えば、苦みが少し足らないなら深煎り豆を1~2割増やしてみる等。
焙煎加減の違うブレンド2種を好みの配合でさらにブレンドしてみても、新しい発見があると思います。

この方法は「お店のこだわりブレンドだったら、よっぽどのことが無い限り失敗は無いだろう」・・・という前提でアレンジするお手軽ブレンドです。
もちろん「こだわりブレンド」を作る店によってこだわる部分が違うので、事前に確認する必要がありますね。

例えば当店の場合なら、無農薬・有機栽培だけを使ったり、ストレート豆の状態で最適な焙煎加減で仕上げてからブレンドしたり、発送日焙煎で鮮度にこだわったり・・・等々、こだわりのポイントがいくつかあります。
他のお店でも、配合豆や焙煎日、おすすめのポイントを聞いてみると、色々教えてくれるのではないでしょうか。

生豆屋のハウスブレンド事情

当店のハウスブレンド「きまめやブレンド」も、もちろん「こだわったブレンド」の一つです。
美味しいオーガニック豆(有機無農薬豆)だけを使用し、それぞれ適正に焙煎した後にブレンド(4種類)、さらに発送日焙煎を徹底しています。
もう販売する側からすると「本当に面倒臭い!」ブレンドになっています。そのため、大量にご注文いただくとスタッフ達の負担が大きくなるので、あまり今週のおすすめ(特価)になりません。
きまめやブレンドを気に入って下さっているお客様には大変申し訳ございませんが・・・。

その他、きまめやブレンド深煎りほろまろさわやかブレンドヨーロピアンブレンド長寿ブレンドが当店のオリジナルブレンドになります。どれも個性的で、こだわりの逸品ですので、この機会に是非お試し下さい。

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーメーカーvsハンドドリップ

ハンドドリップ

安定した味わいが魅力のコーヒーメーカー

コーヒーメーカーは、スイッチひとつで「いつものコーヒー」を作ってくれる優れもの。忙しい朝には、とっても助かりますね。
さて、ここで問題。
機械任せのコーヒーメーカーでは「美味しいコーヒー」を入れることができないのでしょうか?

スイッチひとつで作れるということは、湯温や蒸らし、抽出速度などを工夫することができません。
多少工夫できる機種でも、手でドリップ(ハンドドリップ)するのに比べたら融通がきかないと言えるでしょう。
でもそれが「美味しくないか?」というと、別の問題になります。

まず飲む人にとっての「美味しい」が何を意味するかによって、違ってきます。
「いつでも熱々コーヒー」が飲みたい方なら、コーヒーメーカーで保温できるのが一番ですね。
また「このコーヒーメーカーの味わいがお気に入りで、毎回同じ味わいを楽しみたい」という方にもおすすめです。
珈琲豆と水の分量さえ間違えなければ、「いつものコーヒー」を気軽に飲めるのが魅力ですね。

ハンドドリップだからできること

一方、ハンドドリップだと下記のようなことができます。
(1)焼きたての珈琲豆を購入(または自家焙煎)し、日を追って味わいの変化を楽しめる。
(2)その日の気分や体調、一緒に食べるもの等に合わせて、挽き加減~抽出速度まで変えることができる。
(3)毎日コーヒー豆の鮮度を確かめることができる等々。

普段、上記のようなことを気にしながら抽出している方は「そうそう!」と共感して下さるかと思います。
でも全然気にしていない方は「え~、本当にそんなに違うの?」と疑われるかも知れませんね。

例えば・・・
当店では毎朝&午後の珈琲タイムに、スタッフ達が日替わりで珈琲を入れてくれます。
そのとき、全く同じ豆・器具を使って、別々のスタッフに入れてもらうことがあるのですが・・・予想通り全然違う味わいになります。

挽き加減や豆の量、湯温や湯量、蒸らし時間も同じなのに、一体何が違うのでしょう?
答えは「抽出速度」です。
Aさんは、ゆっくりじっくりとお湯を注ぐので「コクのあるまったりした余韻のある味わい」を作ってくれます。
一方、Bさんは速く注ぐので「あっさりした味わいで、後味スッキリの味わい」を作ってくれます。
どちらも香り豊かで美味しいのですが、抽出速度だけで全然違う味わいになるのが面白いですね。

ちなみに個人的には、コーヒータイムに飲む時はAさんの「コクのある味わい」が好きで、食後に飲む時はBさんの「後味あっさりの味わい」が好きです。
・・・というように、ちょっとした違いで性質の異なる味わいに変わるのがハンドドリップの特徴と言えるでしょう。

一度違いを知ると戻れない

またハンドドリップだと、珈琲の鮮度がよく分かります。
蒸らした時に、どのくらい膨らむか?毎日挽いている方なら、余計はっきりと違いが分かるでしょう。その鮮度によって味わいが違うことを知ると、抽出直前に挽かないと気が済まなくなってしまうかも知れません。
そうなると、私のように旅行にもミル持参・・・という面倒なことになりますので、鮮度が味わいに与える影響については知らない方が良い場合もあります。
これは「ペーパーフィルターの臭いを知ってしまうと、気になって仕方がない!」と同じですね。

でも「新鮮な豆の挽きたての味わい」を、ぜひ皆さまに知って頂きたい!という気持ちは、いつも持っております。それほど、味わいの違いは明らかなので・・・。
ミルが買えない、挽くのが面倒臭い等、いろいろ事情はあるかと思いますが、「とっておきのコーヒータイム」には是非!挽きたての味わいを試して頂きたいと思います。

<参考>
蒸らしで豆を知る
実験!蒸らしの極意
コーヒーの香りと炭酸ガスの関係

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーの香りが全然無い?

紙袋に入れて保存すると・・・

自宅焙煎のお客様から「気候によって、焙煎しても全然香りが出ない場合がありますか?」というお問い合わせをいただきました。

気候によって多少焙煎を調整しますが、香りが大きく影響するとは思えません。
また焙煎直後は香りが少ないのは確かですが、当店の良質な生豆を焙煎して「全然香りが無い」のは不思議です。
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店長:「本当に、全然香りが無いですか?」
お客様:「はい。」

店長:「失礼ですが、焙煎加減はどのような感じでしょう?」
お客様:「深め中煎り程度で、芯まで火が通っていると思います。」

店長:「何か理由があると思うのですが・・・」
お客様:「明日、届けますので時間があったら見て下さい。」
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届けていただいた豆を見た瞬間、全然香りが無い理由が分かりました。
焙煎豆が「紙袋」に入っていたのです。

コーヒー豆は、市販の消臭剤よりも優れた消臭効果を持っています。
つまり、周囲の臭いを吸ってくれる効果が抜群!なのでした。
ですから、紙に入れたら「紙の臭いコーヒー」ができるのは当然ですね。
また紙だと密閉性も無いので、コーヒーの香りもどんどん抜けてしまいます。

では、焙煎直後に香りが感じられなかったのは何故でしょう?
これはあくまで推測ですが、焙煎によってコーヒーの香りが充満し、嗅覚がその香りに慣れてしまっていたのではないかと思われます。

例えば・・・ご来店のお客様から「こんな良い香りに包まれながら仕事できるなんて、いいですね!」と言われることがあります。
でも、私たちの嗅覚は香りに慣れてしまっているので、仕事中はよく分かりません。
そのため店では、朝一番に飲むコーヒーが、一番香り豊かなコーヒー・・・ということになります。
人間の嗅覚というのは、実はあまり頼りにならないものなのでした。


また焙煎直後は、コーヒー豆の性質上香りが少ないのも一因かと思われます。
翌日以降に香りが強くなってくる性質を考慮すると「焙煎直後も、香りが無い!」と思ってしまったのも納得できますね。
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お客様に、その旨お伝えしました。
その後「保存方法に気をつけて、香りを楽しんでいます!」とのご感想をいただき安心した次第です。

コーヒーの香りって、本当に繊細で儚いですね。
でもちょっと保存に気を付けるだけで、素晴らしい香りを楽しむことができます。ぜひ下記リンクを参考にして、素敵なコーヒータイムをお楽しみ下さい。

<参考>
焙煎豆の保存方法
生豆の保存方法
コーヒー焙煎豆の飲み頃
コーヒーの香りと嗅覚

きまめや
生豆屋(きまめや)

あの味を求めて(カフェオレ秘話)

本場カフェオレの味を求めて。

本場カフェオレとの出会い

十数年前、フランスのパリに行った時のこと。
貧乏学生だった私は、美術館巡りをするために小さなホテルに泊まりました。朝食付きの格安ホテルです。
フランス語は「ぼんじゅーる」「めるしー」くらいしか言えなかったので、身振り手振りで何とか宿泊手続きをしました。

外食できるほどお金が無かったので、とりあえず買ってきたものを部屋で食べていると、掃除係の人がきて怒り始めました。
「○×△□!」
・・・・とフランス語で、ホウキを振りながら滅茶苦茶怒っています。

いくら怒られても意味がサッパリ分からないのでポカーンと口を開けていると、諦めて部屋から出て行きました。
たぶん「部屋で食べちゃダメじゃない!」と言いたかったのかも知れません。
今となっては、分かりませんが・・・。


翌朝、「昨日怒られたし、何か気まずいな~」と思いならが朝食の席につくと、クロワッサンとカフェオレが運ばれてきました。
「朝ご飯は、これだけ?」と思いつつ、パンをひとくち食べた後カフェオレを飲んでみると・・・

「美味しい!!」

なぜこんなに美味しいの?
何が違うの?
とにかく美味しい!!

全く期待していなかった朝食でしたが、そのカフェオレが生涯忘れられない味わいになったのでした。

あの味を求めて・・・

当時、自分がコーヒー豆屋になるとは夢にも思っていませんでしたので、伝説の味わい(?)も、思い出の一つに収まっていました。
しかし。いざコーヒー豆屋を始めるとなると、どうしても「あの味わい」を再現したくなるものです。

一体、何が違ったのでしょうか?
いろいろと調べたところ、下記のような違いが考えられました。

(1)水が違う(フランスは硬水、日本は軟水が多い)
(2)ミルクが違う
(3)豆が違う(豆の挽き加減が違う?焙煎が違う?)

かなり大雑把な分類で、実際には違うところもあるかと思います。
しかし実験の結果、(3)の焙煎加減だけは譲れないポイントだと確信しました。

なぜなら、実際にごく深煎り豆でカフェオレを作ったところ、近い味わいを再現することができたからです。
まさに伝説のカフェオレ!

伝説のカフェオレのポイントは、やはりパンチの効いた強い苦味のあるコーヒー豆を使うこと。繊細な苦味や微かな酸味は、ミルクの打ち消されてしまいます。
深煎りに適した数種類の豆を使い、フレンチからイタリアンローストの間で焙煎すれば大丈夫です。

そして、挽き加減はいつもより細かめに。濃い味わいになりますが、ミルクと合わせるとちょうど良いコクに変わります。
※当店の豆では、「ヨーロピアンブレンド」が最適です。

さらに硬水を使って抽出すれば、もっと近い味わいになるかも・・・。硬水は軟水よりも苦味が前面に出て、酸味は感じられなくなりますからね。よろしかったらお試し下さい。

伝説を再現したら、また本場のカフェオレが飲みたくなりました。今度は、もっとしっかりフランス語を勉強してから行きたいです。
怒られたら、ちゃんと謝れるように・・・。

有機栽培(無農薬)ヨーロピアンブレンド

きまめや
生豆屋(きまめや)

硬度別に実験「軟水・硬水・超硬水」

ミネラルウォーター

水の硬度別に実験

以前、硬度の違う水(軟水・硬水)によって、コーヒーの味わいがどのように変化するかをレポートしたことがありました。
それに関連してある出版社から「軟水・硬水」の取材依頼がありましたので、先日再度「水の実験」を行いました。

今回の取材で使用した水は、市販ミネラルウォーターで「軟水」「硬水」「超硬水」の3種類。コーヒー豆は、酸味と苦みのバランスがとれた「有機栽培ガテマラ(中煎り)」を使用。
硬度によって、どのように味わいが違うかを比較してみました。

【水の硬度・豆知識】
※硬度とは:水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量を、これに相当する炭酸カルシウムに換算して数値で表したもの。

※軟水・硬水とは:硬度が高い水を「硬水」、低い水を「軟水」という。

※硬度は水源の種類に大きく影響され、一般的に地下水の方が河川水などに比べて高い。欧米では硬水が殆どだが、日本のように地中での滞留時間や河川延長が短い場合、硬度は低くなる。そのため、国内の水道水は殆ど「軟水~中硬水」である。

※実験で使用したミネラルウォーター
軟水:国産
硬水:フランス産(エビアン evian)
超硬水:フランス産(コントレックス Contrex)
 

実験の結果

苦味:硬水(硬度が高い)ほど、苦味が強く感じられた。
酸味:軟水は適度な酸味があり、硬水(硬度が高い)ほど酸味が消えた。
渋味:軟水は適度な渋味があり、硬水・超硬水はあまり渋味を感じなかった。
風味:軟水(硬度が低い)ほど、複雑な香りやまろやかさが感じられた。
—–
「超硬水」は、硬度1500程度でかなり強烈な苦味を感じました。
もし、何も知らないで飲み比べたら・・・同じ豆を使用したとは、絶対に気付かないでしょう。
「もっと刺激的な苦味を!」という方には、ピッタリの水かも知れませんね。

一方「硬水」は、苦味がきいていて「まろやかさ」が少なかったですが、比較的飲みやすかったです。

そして「軟水」は、いつもの「まろやかで香りとコクがあり、適度な酸味があるガテマラ」と同じでした。
国産のこの味わいに慣れているせいか、取材の方々や当店スタッフ達も「軟水が一番良い」という意見が多かったです。


ミネラルウォーター使用時の注意

まず、選ぶ時には硬度に注意をしましょう。上記の実験結果のように、硬度が違えば味わいも全然違うものになってしまいます。

あとペーパードリップ時に意外と大変なのが、ペーパーフィルターの湯通し(紙の臭い消し)です。
頑張って水にこだわったのに、出来上がったコーヒーが紙臭いと残念ですね。かといって、ミネラルウォーターを臭い消し用に使うのは勿体ないですし・・・。
そういう時は、湯通し用に別途水道水を沸かしておくのがおすすめです。「そんな面倒な事できない!」という方は、湯沸かしのお湯などで湯通しして、少し置くだけでも紙臭さがだいぶ抜けます。
もちろん、ネルなど抽出後の香りに影響を与えにくいものなら問題無いですね。

<参考>
水の実験「軟水・硬水・水道水」
ペーパーフィルターの臭いを消す方法
無漂白と酸素漂白、どちらが良い?(ペーパーフィルター)

きまめや
生豆屋(きまめや)

実験!オーブン焙煎に挑戦

以前から気になっていた「オーブンでコーヒー生豆を焼くこと」。
名づけて「オーブン焙煎」。
なんとなくムラ焼けしそうな気がして躊躇していたら、10年も経ってしまいました。
そして、とうとう「挑戦してみよう!」と思い立ち、自宅のガスオーブンで焙煎してみました。

すると意外にも・・・おいしい!
これならもっと早くやっておけば良かった、と思いました。

焙煎は面倒だけど、焼きたての新鮮なコーヒーを飲んでみたい方、
一度に多めに焼きたい方、
下記の要領で、ぜひ一度お試し下さい。


<オーブン焙煎の方法>

これからご紹介するのは、オーブン温度200℃中煎りコースです。深煎りは途中から210~220℃に変更します。
自宅にあるガスオーブン(大きめ)を使用し、室温は22~24℃でした。

(1)オーブンを200℃に温める。
※温めが足らないと、時間がかかります。

(2)天板に、できるだけ重ならないようにコーヒー生豆(今回は有機栽培コロンビア260g)を並べる。
※生豆同士がくっついても大丈夫です。
生豆を並べる


(3)(2)をオーブンに入れて焼く。

※中煎りで30分が目安です。深め中煎り~ごく深煎りが良い場合は、さらに様子を見ながら焼いて下さい。

10分経過。焙煎特有の甘い香りが漂い、豆が薄茶色になってきます。
10分経過

20分経過。浅めで酸味が強い状態です。
ほろ苦さを前面に出すなら、様子を見ながらさらに焼きましょう。
20分経過

30分経過。20分と殆ど色が変わらないですが、中まで火が通ってきました。かすかな酸味の中煎りがお好きな方は、ここで終了して下さい。
さらに苦みを前面に出すなら、温度を210℃に変更して続けて焼きましょう。
30分経過


40分経過。やや深めの焙煎になりました。
もっと苦くしたい方は、220℃に変更して続けて焼いてみましょう。
40分経過


50分経過。フレンチロースト程度で終了します。
50分経過


(4)
お好みの焙煎加減になったらオーブンから出し、完全に冷めたら手でモミモミして豆の薄皮を外します。
それをザルに入れて、うちわで仰いで薄皮を飛ばせば出来上がり!

写真は、40分焼いて「やや深煎り」にしたコロンビアです。
写真左は、薄皮が付いた状態。写真右は、うちわで仰いで薄皮を飛ばした後の状態。
薄皮付きの、やや深煎りのコロンビア やや深煎りコロンビアの薄皮無しの状態

<ポイント>
●上記の方法は、ガスオーブンを使用した場合の目安です。お使いのオーブンや、室温によっても火の通り方が全く違ってくると思いますので、適当に時間・温度を調整して下さい。
※途中経過では上記の写真を目安にし、色合いが異なる場合は調整してみましょう。
※オーブンによっては、天板の場所によってムラ焼けする場合があります。オーブンの特徴をつかむまでは、こまめに焙煎のすすみ具合をチェックし、焦がしすぎないように注意しましょう。

●焙煎が足らないと、酸味が強い、または青臭く感じることがあります。その場合は、再度オーブンで焼いてみて下さい。

●温度が低いと、さらに時間がかります。高いと、早く終了します。お使いのオーブンでは、どのくらいの時間をかけるとベストか、色々と研究をしてみましょう。
※自宅オーブンで180℃だと、中煎りまでに1時間以上かかりました・・・。

●(4)の手でモミモミ・・・・は、シジミを水洗いする要領でやってみて下さい。簡単に豆表面の薄皮がはがれます。
なお、うちわで仰ぐと周囲が薄皮で散らかりますので、予めご了承下さい。
※薄皮が気にならない方は、(4)はやらなくてもOKです。

●部屋中に、焙煎の香り(臭い?)が充満します。しばらく独特の香りが漂い続けますので、予めご了承下さい。
※ガスオーブンをご使用の際は、必ず換気をしましょう。

●生豆は、カビ豆などの欠点豆・異物があったら焙煎前に取り除いておいて下さい。
※当店の生豆でしたら、カビ豆などの欠点豆・異物等を除去してから袋詰めされていますので、そのままご使用いただけます!

—-
オーブンや室温によって火の通り方が全然違うと思いますので、自分好みの味わいを研究してみるのも楽しいですね。
ぜひお試し下さい。

※生豆屋では、生豆でご注文いただくと3割増量サービスしております!詳しい生豆のご注文方法は、こちら

きまめや
生豆屋(きまめや)

ロイヤルミルク珈琲の作り方

ロイヤルミルクティーからロイヤルミルク珈琲

私は、牛乳と一緒に紅茶を煮て作る「ロイヤルミルクティー」が好きです。
この「ロイヤル」の響きが、いかにも「英国王室で親しまれている紅茶」という感じで、高貴な雰囲気がありますね。
実はこの「ロイヤル」+「ミルクティ」は、日本人が作った和製英語(造語)だそうです。
煮出す方法は英国式ではなく、むしろインド式のミルクティー(チャイ)が源流だとか。

なるほど。牛乳で抽出した珈琲を「ロイヤルミルク珈琲」と名付けようと思ったのですが。
むしろ「チャイ風珈琲」と呼んだ方が、良さそうですね。でも何となく「ロイヤル・・・」の方が慣れているので、そのまま行き たいと思います。
 

ロイヤルミルク珈琲の作り方

牛乳とコーヒーだけで作るので、とてもコクがあります。茶こしで濾すので、少しコーヒー粉がカップに残りますが、細かいこと は「気にしない♪」のが最大のポイント。
よろしかったらお試し下さい。
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<材料 1人分>
牛乳 160cc
新鮮な深煎りのコーヒー粉10g(中挽き)
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<作り方>
1.鍋に牛乳を入れて弱火にかけ、沸々してきたら火を止めてコーヒー粉を入れる。
2.スプーンで10秒ほど混ぜた後、1~3分置く。
3.茶こしで濾しながらカップに注げば、出来上がり!
—————–
<ポイント>
※牛乳を温めるのは、電子レンジでもできます。鍋を洗うのが面倒な時はお試し下さい。
※10秒混ぜるのは、コーヒー粉と牛乳を混ぜ合わせるためです。混ぜずにコーヒー粉が浮いたままだと、十分抽出できませんのでご注意下さい。
※長く置くと濃くなります。置く時間は、お好みで調整して下さい。
※お好みで、砂糖を加えてお召し上がり下さい。
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カップの底にコーヒー粉が残るため、後半は「ロイヤル」というよりもむしろ「ワイルド」という言葉がピッタリの味わいになります。
ということで「ワイルドミルク珈琲」の方が、良いかも知れませんね。
あと、火を付けたままコーヒー粉を煮出すと上品な味わいが消えてしまうので、あまりおすすめではありません。
珈琲の香りは繊細なので、くれぐれもお気を付け下さい。

きまめや
生豆屋(きまめや)

簡単!美味しい!コーヒーかんの作り方

寒天について

以前、ゼラチンを使った簡単!美味しい!コーヒーゼリーの作り方をご紹介しましたね。
今日ご紹介するのは、海草由来の寒天を使った作り方です。
寒天は、食物繊維が豊富でほとんどカロリーが無く、また腸内での油・糖分の吸収を妨げるため、ダイエット食品や健康食品としても注目されています。
しかしゼラチンに比べると、食感が固めで敬遠されがちです。また、鍋で1~2分煮る必要があるので、珈琲に直接寒天を入れると香りが飛んでしまいます。

珈琲かん
でも、ちょっと工夫すれば・・・
コーヒーの香りが豊かで、ゼラチンに負けない「ぷるぷる、つるん!」とした清涼感のある食感に仕上げることができます。
下記レシピで、ぜひお試し下さい。

ひと手間かけて、美味しく!

原材料は、コーヒー、水、そして粉寒天だけ。
甘みを加えた方が召し上がりやすいですが、ブラックのままでも新鮮な深煎り珈琲をドリップすれば美味しく出来ます!

<作り方> 約700cc分(5~6人分)
(1)鍋に粉寒天2gと水150ccを合わせて火にかけ、かき混ぜながら煮溶かす。沸騰したら弱火にして、1~2分間煮た後に火を止める。

寒天を煮溶かす 

(2)新鮮な深煎り豆50gを使って、コーヒーを550cc抽出する。
※甘味をゼリーに付けたい時は、ここで砂糖を適量入れて溶かす。
深煎り珈琲を抽出する 

(3)(2)を(1)の中に入れてよく混ぜる。
※写真は、寒天の鍋に抽出した深煎り珈琲を入れているところ。
寒天にコーヒーを入れる

(4)型に注ぎ入れて粗熱を取り、冷蔵庫で冷やして出来上がり!
型に注ぐ
 
 
型から外して出来上がり!
※型から外す時は、お湯で少し温めると外れやすいです。

面倒くさがり屋な私でも、コーヒーかん作りは苦になりません。なぜなら「室温で固まってくれる」からです。
ゼラチンだと何時間も冷蔵庫に入れないと固まらないですが、寒天は室温でも固まります。ですから、冷蔵庫では冷やすだけでOK!
短時間でできるので、私みたいなせっかちな人にはピッタリですね。

○注意事項
・2gずつに小分けされている粉寒天を使用したため、合計700ccとなりました。半分の量で作ることもできますが、その場合は粉寒天を正確に半分(1g)になるよう計量して下さい。
粉寒天の量が多いと固くなり、「ぷるぷる、つるん!」の食感ではなくなってしまいます。

・粉寒天を煮た後に、コーヒーの抽出を開始して下さい。そうすると、抽出している間に粉寒天の温度がコーヒー抽出後と同じくらいになり、香りが飛びません。
※煮立った寒天にコーヒーを入れたり、コーヒーも一緒に煮てしまうと、香りが飛んでしまうのでご注意下さい。

・冷やしすぎて凍らすと、水分が抜けてボソボソした食感になってしまいます。くれぐれも冷やしすぎないようにお気を付け下さい。

・お好みにより、純生クリーム(植物性は×)をかけて下さい。 植物性クリームをおすすめできない理由は、コーヒークリーム(フレッシュ)の実態をご覧下さい。  

・ガムシロップを添えたい時には、手作りしてみましょう!
砂糖と水を同量ずつ耐熱容器に入れ、よく混ぜてから電子レンジで温めます。(長期保存する場合は、砂糖の方を多めにして下さい)
砂糖と水を混ぜる

沸騰してきたらすぐに止めて、冷ますだけでOKです。
写真は「きび砂糖」で作ったので、茶色のガムシロップになっています。

ガムシロップ出来上がり!

先日、「研究のため!」と市販の某コーヒーゼリーを買って食べました。味わいは・・・ご想像におまかせします・・・。
なお原材料は、糖類(砂糖・異性化液糖・水飴・ぶどう糖)、コーヒー、ゼラチン、食塩、ゲル化剤(増粘多糖類)香料、ph調整剤が入っていました。
本当は、コーヒー、ゼラチン(または寒天)、砂糖だけで十分なのですけど。
流通経路が長い上に、原料代を安価に済ませようとすると、どうしても食品添加物が多くなってしまうのでしょうね。

・秘伝!美味しいコーヒーの入れ方は、こちらから。

きまめや
生豆屋(きまめや)

簡単!美味しいコーヒーゼリーの作り方(ゼラチン編)

コーヒーゼリー

ゼラチンについて

コーヒーをゼリー状に固めるには、いくつか方法があります。
今日ご紹介するのは、鍋で煮る必要が無くて手軽にできるゼラチンを使った作り方です。
ゼラチンは、コーヒー抽出後の温度でも十分溶かすことができるので、香りをそのまま封じ込めることができます。
また、柔らかくて口溶けの良い仕上がりになるので、市販のゼリーに近い食感に。

しかしゼラチンは、以前問題になったことがありましたね。
そう、牛皮・牛骨から作られるため狂牛病(牛海綿状脳症:BSE)感染の恐れが指摘されたことがありました。
現在は牛由来であっても、狂牛病の牛を使用しない、または特定危険部(脳、脊髄、眼球等)を使用しない、無害になるよう処理を施す等により「問題無い!」という意見が多いようです。
しかし念のため、ここでは「豚由来」のゼラチンを使いたいと思います。
※寒天を使った簡単!美味しい!コーヒーかんの作り方もご覧下さい。


とにかく簡単!美味しい!

コーヒーゼリーの作り方は、とっても簡単。 だからこそ、素材の善し悪しで、大きく味わいに差が出てきます。
 新鮮で美味しい深煎りコーヒーをドリップすれば、名パティシエでも真似のできない味わいに・・・!

<作り方> 約240cc分(2~3人分)

(1)ゼラチン小さじ2杯弱を、大さじ3杯の水でよく溶いておく。
ゼラチンをふやかす

(2)新鮮な深煎り豆を使って、コーヒーを200cc抽出する。
※甘味をゼリーに付けたい時は、ここで砂糖を適量入れて溶かす。
深煎り珈琲を抽出する

(3)(1)を(2)の中に入れてよく混ぜる。
※写真は、コーヒーサーバにゼラチンを入れているところ。
コーヒーにゼラチンを入れる
 

(4)型に注ぎ入れ、冷蔵庫で3時間以上冷やして出来上がり!
型に注ぐ
  
型から外して出来上がり!
※型から外す時は、お湯で少し温めると外れやすいです。 

朝のコーヒーを多めに作ったら、冷めないにうちにゼラチンを溶かし入れて冷蔵庫に入れておくと・・・
夜には美味しいコーヒーゼリーを楽しめます!
面倒だったら、カップや耐熱グラスに入れたままで固めても面白いですね。
ぜひ、お試し下さい。

注意事項
・ゼラチンは、種類によって水に溶いておく(ふやかす)時間や加え方が異なります。袋や箱に書いてある説明をよく読みましょう。
#水に溶かす必要のないゼラチンもありますが、一応溶かした方がダマになりにくくおすすめです。

・冷蔵庫内の温度によって、ゼリーが固まるまでの時間が異なります。特に暑い時期は長くかかる場合がありますので、ご注意下さい。

・お好みにより、純生クリーム(植物性は×)をかけて下さい。 植物性クリームをおすすめできない理由は、コーヒークリーム(フレッシュ)の実態をご覧下さい。  

・ガムシロップを添えたい時には、手作りしてみましょう!
砂糖と水を同量ずつ耐熱容器に入れ、よく混ぜてから電子レンジで温めます。(長期保存する場合は、砂糖の方を多めにして下さい)

砂糖と水を混ぜる

沸騰してきたらすぐに止めて、冷ますだけでOKです。
写真は「きび砂糖」で作ったので、茶色のガムシロップになっています。

ガムシロップ出来上がり!

砂糖控えめにすれば、糖質の少ない素敵なデザートになります。ぜひお試し下さい。
 

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒー豆 スプーン1杯何グラム?

深煎りの方が豆が大きくなる

お客様から、「中煎りと深煎りの豆を注文したけど、深煎りの方は沢山入っていたみたい。これはサービス?」とお問い合わせがありました。
当店では、すべてのお客様が同じ条件で購入できることを目指していますので、一部のお客様に増量サービス・・・ということは行っていません。
それでは、なぜ同じ重さなのに深煎りは沢山入っていると感じたのでしょう?

スプーン一杯何グラム?

それは、浅煎りよりも深煎りにした方が、体積が増えるためです。
コーヒー豆は深く炒ると、水分が蒸発したり成分が気化して軽くなる一方、体積は増えていくのでした。
軽くなって体積が増えるといえば・・・ポップコーンを思い出していただければ分かりやすいかと思います。

ふつう珈琲豆屋では「焙煎後」の重さをはかって販売するので、同じ重さだと深煎りの方が袋の中身(豆の容積)が増える訳です。
具体的には、中煎りは生豆の1.3~1.4倍、深煎りなら1.5~1.7倍程度に体積が増えるそうです。

カリタ製のドリッパーについている計量スプーンだと、すり切り1杯で中煎りなら10g~11gくらい。深煎りなら、9~10gくらいになります。
1杯あたりだと誤差範囲ですが、500g袋になるとだいぶ違って見えます。もちろん、粒の大きさによって、どのくらい粒ぞろいかによっても、多少違いはあるかと思いますが。

ちなみに珈琲一杯(120cc)で使用する豆は、器具メーカーによって推奨する量が違います。
でも、「このメーカーだから、この量で」と厳密に計量する必要はありません。自分好みの味わいが見つかれば、それが一番ではないでしょうか。
※メーカー別一杯あたりのコーヒー豆量
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カリタ 10g(3つ穴)
メリタ 8g(1つ穴)
ハリオ 12g(円錐形、1つ穴)
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最後に、生豆と中煎り、深煎りをそれぞれ10gをはかったとき、カリタ製計量スプーンだとどのくらいの量になるか、写真でご紹介したいと思います。
写真上から、生豆、中煎り豆、深煎り豆 各10gずつです。

生豆10g
中煎り10g
深煎り10g

きまめや
生豆屋(きまめや)