簡単!美味しい!コーヒーかんの作り方

寒天について

以前、ゼラチンを使った簡単!美味しい!コーヒーゼリーの作り方をご紹介しましたね。
今日ご紹介するのは、海草由来の寒天を使った作り方です。
寒天は、食物繊維が豊富でほとんどカロリーが無く、また腸内での油・糖分の吸収を妨げるため、ダイエット食品や健康食品としても注目されています。
しかしゼラチンに比べると、食感が固めで敬遠されがちです。また、鍋で1~2分煮る必要があるので、珈琲に直接寒天を入れると香りが飛んでしまいます。

珈琲かん
でも、ちょっと工夫すれば・・・
コーヒーの香りが豊かで、ゼラチンに負けない「ぷるぷる、つるん!」とした清涼感のある食感に仕上げることができます。
下記レシピで、ぜひお試し下さい。

ひと手間かけて、美味しく!

原材料は、コーヒー、水、そして粉寒天だけ。
甘みを加えた方が召し上がりやすいですが、ブラックのままでも新鮮な深煎り珈琲をドリップすれば美味しく出来ます!

<作り方> 約700cc分(5~6人分)
(1)鍋に粉寒天2gと水150ccを合わせて火にかけ、かき混ぜながら煮溶かす。沸騰したら弱火にして、1~2分間煮た後に火を止める。

寒天を煮溶かす 

(2)新鮮な深煎り豆50gを使って、コーヒーを550cc抽出する。
※甘味をゼリーに付けたい時は、ここで砂糖を適量入れて溶かす。
深煎り珈琲を抽出する 

(3)(2)を(1)の中に入れてよく混ぜる。
※写真は、寒天の鍋に抽出した深煎り珈琲を入れているところ。
寒天にコーヒーを入れる

(4)型に注ぎ入れて粗熱を取り、冷蔵庫で冷やして出来上がり!
型に注ぐ
 
 
型から外して出来上がり!
※型から外す時は、お湯で少し温めると外れやすいです。

面倒くさがり屋な私でも、コーヒーかん作りは苦になりません。なぜなら「室温で固まってくれる」からです。
ゼラチンだと何時間も冷蔵庫に入れないと固まらないですが、寒天は室温でも固まります。ですから、冷蔵庫では冷やすだけでOK!
短時間でできるので、私みたいなせっかちな人にはピッタリですね。

○注意事項
・2gずつに小分けされている粉寒天を使用したため、合計700ccとなりました。半分の量で作ることもできますが、その場合は粉寒天を正確に半分(1g)になるよう計量して下さい。
粉寒天の量が多いと固くなり、「ぷるぷる、つるん!」の食感ではなくなってしまいます。

・粉寒天を煮た後に、コーヒーの抽出を開始して下さい。そうすると、抽出している間に粉寒天の温度がコーヒー抽出後と同じくらいになり、香りが飛びません。
※煮立った寒天にコーヒーを入れたり、コーヒーも一緒に煮てしまうと、香りが飛んでしまうのでご注意下さい。

・冷やしすぎて凍らすと、水分が抜けてボソボソした食感になってしまいます。くれぐれも冷やしすぎないようにお気を付け下さい。

・お好みにより、純生クリーム(植物性は×)をかけて下さい。 植物性クリームをおすすめできない理由は、コーヒークリーム(フレッシュ)の実態をご覧下さい。  

・ガムシロップを添えたい時には、手作りしてみましょう!
砂糖と水を同量ずつ耐熱容器に入れ、よく混ぜてから電子レンジで温めます。(長期保存する場合は、砂糖の方を多めにして下さい)
砂糖と水を混ぜる

沸騰してきたらすぐに止めて、冷ますだけでOKです。
写真は「きび砂糖」で作ったので、茶色のガムシロップになっています。

ガムシロップ出来上がり!

先日、「研究のため!」と市販の某コーヒーゼリーを買って食べました。味わいは・・・ご想像におまかせします・・・。
なお原材料は、糖類(砂糖・異性化液糖・水飴・ぶどう糖)、コーヒー、ゼラチン、食塩、ゲル化剤(増粘多糖類)香料、ph調整剤が入っていました。
本当は、コーヒー、ゼラチン(または寒天)、砂糖だけで十分なのですけど。
流通経路が長い上に、原料代を安価に済ませようとすると、どうしても食品添加物が多くなってしまうのでしょうね。

・秘伝!美味しいコーヒーの入れ方は、こちらから。

きまめや
生豆屋(きまめや)

簡単!美味しいコーヒーゼリーの作り方(ゼラチン編)

コーヒーゼリー

ゼラチンについて

コーヒーをゼリー状に固めるには、いくつか方法があります。
今日ご紹介するのは、鍋で煮る必要が無くて手軽にできるゼラチンを使った作り方です。
ゼラチンは、コーヒー抽出後の温度でも十分溶かすことができるので、香りをそのまま封じ込めることができます。
また、柔らかくて口溶けの良い仕上がりになるので、市販のゼリーに近い食感に。

しかしゼラチンは、以前問題になったことがありましたね。
そう、牛皮・牛骨から作られるため狂牛病(牛海綿状脳症:BSE)感染の恐れが指摘されたことがありました。
現在は牛由来であっても、狂牛病の牛を使用しない、または特定危険部(脳、脊髄、眼球等)を使用しない、無害になるよう処理を施す等により「問題無い!」という意見が多いようです。
しかし念のため、ここでは「豚由来」のゼラチンを使いたいと思います。
※寒天を使った簡単!美味しい!コーヒーかんの作り方もご覧下さい。


とにかく簡単!美味しい!

コーヒーゼリーの作り方は、とっても簡単。 だからこそ、素材の善し悪しで、大きく味わいに差が出てきます。
 新鮮で美味しい深煎りコーヒーをドリップすれば、名パティシエでも真似のできない味わいに・・・!

<作り方> 約240cc分(2~3人分)

(1)ゼラチン小さじ2杯弱を、大さじ3杯の水でよく溶いておく。
ゼラチンをふやかす

(2)新鮮な深煎り豆を使って、コーヒーを200cc抽出する。
※甘味をゼリーに付けたい時は、ここで砂糖を適量入れて溶かす。
深煎り珈琲を抽出する

(3)(1)を(2)の中に入れてよく混ぜる。
※写真は、コーヒーサーバにゼラチンを入れているところ。
コーヒーにゼラチンを入れる
 

(4)型に注ぎ入れ、冷蔵庫で3時間以上冷やして出来上がり!
型に注ぐ
  
型から外して出来上がり!
※型から外す時は、お湯で少し温めると外れやすいです。 

朝のコーヒーを多めに作ったら、冷めないにうちにゼラチンを溶かし入れて冷蔵庫に入れておくと・・・
夜には美味しいコーヒーゼリーを楽しめます!
面倒だったら、カップや耐熱グラスに入れたままで固めても面白いですね。
ぜひ、お試し下さい。

注意事項
・ゼラチンは、種類によって水に溶いておく(ふやかす)時間や加え方が異なります。袋や箱に書いてある説明をよく読みましょう。
#水に溶かす必要のないゼラチンもありますが、一応溶かした方がダマになりにくくおすすめです。

・冷蔵庫内の温度によって、ゼリーが固まるまでの時間が異なります。特に暑い時期は長くかかる場合がありますので、ご注意下さい。

・お好みにより、純生クリーム(植物性は×)をかけて下さい。 植物性クリームをおすすめできない理由は、コーヒークリーム(フレッシュ)の実態をご覧下さい。  

・ガムシロップを添えたい時には、手作りしてみましょう!
砂糖と水を同量ずつ耐熱容器に入れ、よく混ぜてから電子レンジで温めます。(長期保存する場合は、砂糖の方を多めにして下さい)

砂糖と水を混ぜる

沸騰してきたらすぐに止めて、冷ますだけでOKです。
写真は「きび砂糖」で作ったので、茶色のガムシロップになっています。

ガムシロップ出来上がり!

砂糖控えめにすれば、糖質の少ない素敵なデザートになります。ぜひお試し下さい。
 

きまめや
生豆屋(きまめや)

エチオピア産コーヒー豆(モカ)の有機塩素系殺虫剤残留について

有機塩素系殺虫剤が検出

平成20年(2008年)5月9日付けで、エチオピア産コーヒー豆検査命令の実施が発表されました。
これは、基準値を超える有機塩素系殺虫剤γ-BHC(リンデン)、クロルデン、ヘプタクロルが、エチオピア産コーヒー生豆から検出されたため、だそうです。
厚生労働省:輸入食品に対する検査命令の実施について(報道発表資料)

以前、ブラジル産コーヒー豆の残留農薬・ジクロルボスが発覚した時は、ニュースで大変な騒ぎになりましたね。
今回は何故か静かで・・・知らない人の方が多いのでは?と思い、とりあえずお知らせしました。
なお、イエメン産コーヒー豆についても残留農薬が検出された事例があり、モニタリング検査強化が実施されているということです。
※エチオピア産、イエメン産コーヒー豆: モカ(+α)の名で呼ばれているコーヒー豆

不思議な数字

上記報道発表資料で、ちょっと不思議に思ったのは下記の部分。

注7) 日本人の一日当たりのコーヒーの摂取量は、コーヒー豆(生豆)に換算すると2.6gです。

毎日レギュラーコーヒーを1杯飲めば、生豆換算で13gくらい消費してしまいます。日本人の一日当たりの消費量2.6gだとすると・・・0.2杯(5分の1杯)分ですね。
でもカップ1/5杯だけを毎日飲む人は、たぶんとても少ないでしょう。
この中途半端な2.6gという数字は、子供も大人も全部混ぜて平均した、ということでしょうか?そうだとすると、あまり意味の無い数字だなぁ、と思いました。

とりあえず、「体重60kgの人が当該違反のコーヒー豆を毎日飲んでも、健康に及ぼす影響はありません。」とのことです。

一昔前(私がコーヒー豆屋を始めた頃)は、「モカ系は有機栽培じゃなくても、農薬使ってないから大丈夫!」というのが定説でした。しかし今は、そう言えなくなってしまったようですね・・・残念なことです。

<コーヒーの農薬について>
γ-BHC(リンデン)
毒性の強いβ-BHCの残留性が問題となり、現在は多くの国で殺虫剤としての使用が禁止されている。農薬として使用した場合、動物が食物から摂取して、脂肪、肝臓、腎臓などに蓄積する危険がある。
(日本では1971年に失効)


クロルデン・ヘプタクロル
かつて殺虫剤、シロアリ防蟻剤として用いられていたが、現在は製造・輸入が禁止されている。非常に高い残留性を持っており、環境ホルモンとしての疑いがもたれている。
(日本では1968年に失効)

<参考>
モカの時間

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒー豆 スプーン1杯何グラム?

深煎りの方が豆が大きくなる

お客様から、「中煎りと深煎りの豆を注文したけど、深煎りの方は沢山入っていたみたい。これはサービス?」とお問い合わせがありました。
当店では、すべてのお客様が同じ条件で購入できることを目指していますので、一部のお客様に増量サービス・・・ということは行っていません。
それでは、なぜ同じ重さなのに深煎りは沢山入っていると感じたのでしょう?

スプーン一杯何グラム?

それは、浅煎りよりも深煎りにした方が、体積が増えるためです。
コーヒー豆は深く炒ると、水分が蒸発したり成分が気化して軽くなる一方、体積は増えていくのでした。
軽くなって体積が増えるといえば・・・ポップコーンを思い出していただければ分かりやすいかと思います。

ふつう珈琲豆屋では「焙煎後」の重さをはかって販売するので、同じ重さだと深煎りの方が袋の中身(豆の容積)が増える訳です。
具体的には、中煎りは生豆の1.3~1.4倍、深煎りなら1.5~1.7倍程度に体積が増えるそうです。

カリタ製のドリッパーについている計量スプーンだと、すり切り1杯で中煎りなら10g~11gくらい。深煎りなら、9~10gくらいになります。
1杯あたりだと誤差範囲ですが、500g袋になるとだいぶ違って見えます。もちろん、粒の大きさによって、どのくらい粒ぞろいかによっても、多少違いはあるかと思いますが。

ちなみに珈琲一杯(120cc)で使用する豆は、器具メーカーによって推奨する量が違います。
でも、「このメーカーだから、この量で」と厳密に計量する必要はありません。自分好みの味わいが見つかれば、それが一番ではないでしょうか。
※メーカー別一杯あたりのコーヒー豆量
———————————
カリタ 10g(3つ穴)
メリタ 8g(1つ穴)
ハリオ 12g(円錐形、1つ穴)
———————————
最後に、生豆と中煎り、深煎りをそれぞれ10gをはかったとき、カリタ製計量スプーンだとどのくらいの量になるか、写真でご紹介したいと思います。
写真上から、生豆、中煎り豆、深煎り豆 各10gずつです。

生豆10g
中煎り10g
深煎り10g

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生豆屋(きまめや)

コーヒーサーバーとは?

一人分だけ抽出でも必需品

ドリップしたコーヒーを受ける、ガラス製の容器のことです。
カップに直接抽出すれば不要ですが、2人分以上抽出する場合はコーヒーサーバーに一度抽出してから各々のカップに注ぐ方が味わいが安定します。
詳しくは、実験!前半と後半をご覧下さい。

カリタ・コーヒーサーバー
1人分しか抽出しない場合でも、コーヒーサーバーの目盛りに合わせて抽出し、温めたカップに注げば、いつも安定した味わいを楽しめます。
「一人分だけなのに、面倒臭い!」という時は、カップのどの辺で抽出を止めるか決めておくと良いでしょう。(お湯の量については、コーヒー豆量と湯量の関係をご覧ください)
・・・
なぜ面倒くさがり屋の私が、味わいの安定のためにこだわるかというと。いつも同じ条件で抽出することで、コーヒー豆の味わいの変化を楽しむことができるからです。

コーヒー豆は、焙煎日~焙煎後2週間くらいまで味わいの変化を楽しむことができます。
焙煎日当日が一番透明感のある味わい、2~3日後が一番香りが強くなり、その後ゆっくり時間をかけて変化をしていきます。詳しくはコーヒー焙煎豆の飲み頃をご覧ください。
せっかく味わいの変化を楽しめるのに、意識しないで抽出するなんて勿体ないですね。だから面倒くさがり屋の私でも、コーヒーサーバーは必需品なのでした。

長く使うために

コーヒーサーバーは普通、耐熱ガラスでできています。メーカーによっては直火OKのものや、電子レンジOKのものもありますので、購入時にはチェックしておきましょう。温め直しができるコーヒーサーバーですと、冷めてしまった時に便利ですね。
※底に水滴がついていたり、小さなヒビのある場合は、温め直しの際に割れる恐れがありますのでご注意下さい。
※温め直しや保温をすると、香り・味わいが格段に落ちてしまいます。酸化も進みますので、できるだけ抽出したての新鮮なものを飲みましょう。

なお耐熱ガラスは、強化ガラスではありません。他のガラス製品同様、衝撃に弱く、小さな傷が付けば割れやすくなります。
そのため、洗浄の時も金属タワシは使わずに、スポンジ等で優しく洗ってあげて下さい。
※一方、強化ガラスは急激な温度変化に弱いです。破損のおそれがあるので、強化ガラスを使ってコーヒーを抽出するのは避けましょう。

もう一点。
耐熱ガラスは、熱さには強いですが急冷にはとても弱いです。直火で使った熱々のコーヒーサーバーを冷水に浸すようなことは避けましょう。
・・・
ガラス製で壊れやすいコーヒーサーバーですが、ドリップには欠かせません。上手に管理して、長く使っていただければと思います。

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ペーパーフィルターの湯通し効果

あれ・・・紙臭い?

新入荷のコーヒー豆の焙煎加減を決めるために、いろいろな焙煎加減を試していた時のこと。
スタッフ達と浅めの焙煎加減を試飲したら、なぜか違和感がありました。
「あれ・・・紙臭い?」

私が抽出すると紙臭さが気にならないのですが、某スタッフが入れたコーヒーは何故か気になりました。 (※口うるさい店長で恐縮です)
早速抽出方法について確認したところ、湯通しに使う湯の量が少ないことが判りました。でも今まで気にならなかったのに、なぜ突然紙臭く感じたのでしょう?

焙煎加減で違いがわかる

浅い焙煎加減で紙臭かったということは・・・。
「焙煎加減によって、感じ方が違うのかも?」と思いつき、さっそく実験してみました。
以下は、湯通し無しのペーパーと、十分湯通ししたペーパーの味わいの違いについての結果です。
——
1)中煎り豆(ミディアムロースト)使用の場合
湯通し無し:かすかに紙臭さがあり、酸味・苦味が強く感じられた。
湯通し有り:豆本来の香りで、まろやかな酸味・苦味が感じられた。

2)ごく深煎り豆(イタリアンロースト)使用の場合
湯通し無し:苦味が強く、紙の臭いは無し。
湯通し有り:苦味が強いが、比較的まろやかな口当たり。紙の臭いは無し。
——
以上のことから、紙臭さは浅めの焙煎の方が感じやすいことが分かりました。
深煎り豆は強い苦味・コクが前面に出て濃い味わいになるので、紙臭さを感じにくくするようです。
ちなみに、ごく深煎り豆の場合でも、サーバに残ったコーヒー液の香りを調べたら・・・湯通し無しの方は「これは紙臭い!」という意見で一致しました。冷めると、深煎りでも紙臭さが感じられるようです。
※湯通し有りの方は両方とも、冷めても紙臭さはありませんでした。

あと、意外なことも判明しました。
それは「十分湯通しすると、まろやかな味わいになる」ということです。
その理由はよく分かりませんが、湯通しすることでペーパーの繊維が膨張し、よりまろやかな口当たりになるのかも・・・知れません。
この味わいの違いについて、また何か分かりましたらお知らせしたいと思います。

<実験の条件>
・中煎り豆、ごく深煎り豆 各48g(細め中挽き)で、それぞれ4人分抽出(1人分は120cc)。
・抽出時の蒸らし時間は1分間。湯温は90℃とした。
・ハリオドリッパー&無漂白ペーパーフィルター(円錐形)使用。
・「湯通し有り」は、約600ccの熱湯で行い、1分間湯気を蒸発させた後にコーヒー粉を入れて抽出開始した。
・「湯通し無し」は、ドリッパーを湯で温める時もペーパーを外し、抽出開始まで一切湯がかからないように注意した。

湯通しをしているところ。

<参考>
ペーパーフィルターの紙臭さを消す方法
ペーパーフィルターの無漂白と酸素漂白、どちらが良い?


きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーの木に農薬が必要な理由(シェードツリーvs農薬)

シェードツリーとは?

日陰用の樹木のことです。
ご自宅で育てている方はご存知かと思いますが、コーヒーの木は直射日光に当たり続けると葉が日焼けしてしまいます。
そのため、産地の農園ではバナナやマンゴー等の背の高い樹木をコーヒーの木と一緒に植えて、適度な日陰をつくっています。

でもシェードツリーと一緒に植えると、単位面積当たりの収穫量が少なくなり、コーヒーの実の収穫にも大変手間がかかります。
なぜなら、シェードツリーと混在しているため安易に機械を使うことができず、手摘みで収穫することになるからです。

とても手間がかかる作業ですが、農園には様々な樹木が茂り、昆虫や鳥も沢山生息していて自然環境には最適です。
そして、シェードツリーの落ち葉は良質な肥料となり、力強い土壌を作ってくれます。
生豆屋のコーヒー豆達は、シェードツリーと一緒に育てられています。

単一栽培の落とし穴

一方、市場に出回っている多くのコーヒーは、シェードツリーの要らない品種に改良されたものになります。直射日光に強いため、他の木々と一緒に植える必要がありません。
広大な森林を伐採して作られた大規模なプランテーションで単一栽培され、単位面積当たりの収穫量も多いです。
そこでは余計な樹木等はすべて排除されるので、機械を使って容易に収穫でき、手間もかかりません。

しかし、森林伐採により土地は枯れていきました。
単一栽培のため、大量の農薬と化学肥料を投入する必要もでてきました。
その結果、自然環境は破壊され、小さな生物達も激減してしまったのです。
#単一栽培だとコーヒーの木が弱くなるため、病害虫による全滅を避けるために大量の農薬を使用する必要があります。

大量生産を目指した結果、自然環境が破壊され、生産者達の健康をも脅かす状況になっているそうです。
現実は、厳しいですね。

<参考>
コーヒー豆屋を始めた理由(コーヒー嫌いなのに)
店長の紹介
モカの有機塩素系殺虫剤検出
コーヒー豆に住む害虫の秘密

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ペーパーフィルター無漂白・酸素漂白、どちらが良い?

酸素漂白と無漂白ペーパーフィルター
酸素漂白と無漂白ペーパーフィルター

皆さんがいつも使っているペーパーフィルター。
次のような疑問を持ったことはありませんか?

・なぜ無漂白の方が、酸素漂白より値段が高いの?
・なぜ無漂白の方が、酸素漂白より紙の臭いが強いの?

私もずっと気になっていたのですが、先日製紙メーカーさんからお話を伺うことができましたので、ここでご紹介したいと思います。

無漂白が高い理由

「無漂白は、漂白していないから安いはずなのに・・・。」
そう思うのも無理ありませんね。

実は、紙臭さの正体は「リグニン」と呼ばれる樹木の成分で、それを水だけで長時間かけて除去するため、かえって費用がかかってしまうのでした。
※漂白剤を使えば、時間も短縮できる上、紙臭さもすぐに取れるので、安くできます。

無漂白で手間暇かけても、酸素漂白に比べるとどうしても紙の臭いが残ってしまう、ということでした。樹木成分の臭いなら、仕方ないですね。

どっちが良いの?

では、酸素漂白に使われる漂白剤って、どんなものなのでしょう?
酸素系漂白剤でダイオキシンも出ず、漂白剤も残留しないから安心!ということでした。

でも、当店のお客様の中には、化学物質過敏症で苦しんでいる方々も多いです。そういう方々は、ほんのわずかな化学物質に反応してしまうのですが、本当に漂白剤は残留していないですか?
そう尋ねた所「そういうケースでは、やはり無漂白の方が無難かと・・・」ということでした。
どっちが良いかは好みの問題ですが、安全を追求するなら無漂白の方が良いかも知れませんね。紙臭さは、コーヒー粉を入れる前によく湯通しすれば、問題無いでしょう。
※もちろん、ネルドリップが一番安全なのは、皆さんご存知の通りです。

< 参考 >
ペーパーフィルターの臭い対策
有機栽培製ネルのススメ

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冷めても美味しいコーヒー

熱過ぎ注意

以前「大腸ガン予防とコーヒー」についてお話しした際、「熱い物を飲むと食道ガンになるリスクが高くなる」こともご紹介しましたね。
その後いろいろと調べていくうちに、熱い物の摂取で胃ガンのリスクも高くなることが分かりました。
「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」と言いますが、残念ながら食道や胃は忘れてくれないようです。

でも、最初は美味しく感じたコーヒーが「冷めたら不味くて飲めない」という経験はありませんか?
これは、抽出後少しずつ酸化が進み、酸化による酸味や渋みを感じやすくなるためです。

冷めても美味しいコーヒー

「冷めたら美味しい!」という訳には、なかなかいきませんが。
「冷めてもまだ美味しい!」というのは可能だと思います。

もちろん、抽出直後の適温ほどの美味しさはありませんが、十分妥協できる美味しさにすることはできます。そのポイントは、下記の通りです。

1)新鮮な焙煎豆!
一番大事なのは、やはり焙煎豆の鮮度。
いくら保存や抽出に工夫しても、焙煎後何ヶ月も経った豆では「冷めてもまだ美味しい!」は難しいです。
オールドビーンズもあるくらいですから、「生豆」が新鮮な必要はありません。でも一度焙煎したら、できるだけ新鮮なうちに使い切るようにするのがポイントです。

2)焙煎加減は、やや深め~がおすすめ。
浅めの焙煎ですと、酸化による酸味も強く感じられます。
もし酸化による酸味が苦手なら、浅めの焙煎は避けて深め~深煎りの焙煎加減を選びましょう。

ゆっくり飲む幸せ

いくら体に良いといっても、運ばれてきたコーヒーが最初から冷めていたら「これ古いの?」と聞きたくなりますね。最初はちょっと熱めで、それを冷ましながら飲んでいく・・・というのが理想的ではないでしょうか。

予めコーヒー抽出器具やカップを温め、適温の90℃程度でドリップすれば、香りも飛びにくく抽出後はちょうど良い「ちょっと熱め」の温度になります。それを、少しずつ冷ましながらゆっくり最後まで楽しめたら、幸せな気持ちになれますね。

※90℃にする目安:ヤカンで沸騰させたお湯を、抽出用の細口ポットに移すと温度が適度に下がります。もちろん、気候や湯量によっても異なりますので、一度温度を測ってみることをおすすめします。

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氷カフェオレの作り方

コクのあるアイスカフェオレに。

勝手に「氷カフェオレ」と命名しましたが、珈琲液を氷らせたものにミルクを合わせたものと考えていただければと思います。
市販品もありますが、ご自宅で作る方が安心・美味・安上がりなので、よろしかったらお試し下さい。

<用意するもの>
1)牛乳
2)氷らせたコーヒー
※甘くする場合は、あらかじめ砂糖を加えておく。

氷カフェオレの作り方

氷らせたコーヒーに、牛乳を注いで出来上がり!

ミルクを注いで出来上がり!
氷カフェオレ。氷が溶けていくと、だんだんアイスカフェオレに近くなります。
小さく氷らした珈琲
砂糖をたっぷり入れると、シャーベットに近い食感になりそのまま食べても美味しいです。

氷カフェオレのポイント

1)コーヒーは深煎り豆で
牛乳と合わせる場合は、強い苦みと香ばしさがある「深煎り豆」を使うのがオススメです。
牛乳の濃い味わいにも負けないように、また時間の経過による酸味が出ないように、できるだけ「深め~ごく深煎り」の焙煎豆を選びましょう。

2)小さく氷らす
小さい形に氷らす(または小さく砕く)と、牛乳とよく混ざって美味です。小さい氷ができる製氷器をお持ちでしたら、そのままアイスコーヒー(冷ましたコーヒーも可)を注いで冷凍庫へ入れればOKですね。

3)砂糖を入れてシャリシャリ感
ブラックコーヒーを氷らすと、普通の氷と同じようにカチコチに固まりますが、砂糖を入れるとまるでシャーベットのような歯触りに。
これは、水の中に不純物(ここでは砂糖)が多いほど、氷点が下がるからだそうです。
もし砂糖を摂っても健康上差し支え無い場合は、ぜひお試し下さい。
砂糖の量は、後から牛乳で薄まる分、ホットに入れる量の1.5~2倍くらいを目安にしましょう。

4)ブラックの場合
ブラックコーヒーを氷らすと牛乳に溶けにくくなりますが、ゆっくり味わいの変化をお楽しみいただけます。
また、牛乳ではなくアイスコーヒーと合わせれば、氷が溶けても薄まらないのでオススメです。

暑い季節にはピッタリの氷カフェオレ、良かったお試し下さい。

きまめや
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