コーヒーの消臭効果

コーヒーかす(だしがら)再利用

コーヒーかす
コーヒー抽出後のコーヒーかすは、優れた消臭効果があります。

焙煎した珈琲豆の表面は、多孔質で表面積が広く、臭いを吸着しやすい成分を含むため「消臭効果」が抜群です。
コーヒー抽出後に残る「コーヒーかす」でも十分に効果があるので、良かったらお試し下さい。

作り方は簡単。「コーヒーかす」を乾燥させて、通気性のある布袋・容器に入れれば出来上がり!ジャムなどの空きビンに入れて、フタの代わりに薄い布をかぶせてゴムで止めるのも手軽でおすすめです。
#ゴムの上からリボンを結ぶと、見た目もかわいくなります。

冷蔵庫の消臭、トイレの消臭、車内の消臭、靴箱の消臭などに幅広く利用できます。市販の消臭剤(活性炭など)に劣らない効果が期待できるのが、嬉しいですね。
※「コーヒーかす」にカビが付かないように、しっかり乾燥させるのがポイント。お皿やトレーの上に広げて干すと、早く乾燥します。
※灰皿に入れる場合は、乾燥させないで大丈夫です。消臭だけでなく、残った水分でタバコの火を消すのにも役立ちます。

ここに注意!

消臭といっても、臭いを魔法のように消す訳ではありません。「コーヒーかす」の表面に、臭いを吸着させているだけのことです。
つまり抽出後の「コーヒーかす」だけでなく、抽出前の「コーヒー豆」も臭いを吸着してしまいます。
そのため、「コーヒー豆」を冷蔵庫や冷凍庫のような食品臭が強い場所で保存する場合は、必ず密閉容器に入れるようにして下さい

また、意外と盲点なのが喫煙スペースのあるカフェ・レストランです。以前、嗅覚疲労で同じ系統の臭いは感じにくくなるというお話をしましたね。タバコ臭は喫煙者には感じにくいですが、吸わない人には敏感に感じられます。
不特定多数の方にコーヒーを提供するカフェ・レストランでは、タバコ臭が移らないように保存場所にも注意した方が良いでしょう。

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーの香りと嗅覚

なぜ香りが分からない?

ご来店のお客様に、よく「本当に良い香りですね。一日中この香りの中で仕事できるなんて、うらやましいです。」と言われます。
でも実は、私達はあまりコーヒーの香りを分かっていないのでした。
朝10時に店を開けますが、その頃にはバンバン焙煎している最中で店の中はコーヒーの香りだらけ。それなのに、なぜ私達は香りを感じないのでしょう?
それは、嗅覚疲労のためです。

嗅覚疲労(嗅覚順応)

嗅覚は他の感覚に比べると、一番疲労しやすいと言われています。
疲労というのは、ある一種類の臭いを嗅ぎ続けると、数分以内にその臭いに対する感度が落ちることを意味します。つまりコーヒー豆を焙煎すると、店中がコーヒーの香りで満たされて、香りを感じにくくなるという訳です。
また、体調を崩したり、疲れたりしても嗅覚が鈍くなります。満腹の時も、空腹時に比べると格段に嗅覚が鈍くなるのことは、経験的にご存知ですね。
これらを考慮すると、コーヒーの香りを十分堪能するための条件は、次のようになります。

(1)朝(疲れていない時)
(2)空腹時
(3)コーヒーの香りが満たされていない空間

偶然にも条件が整ってました

私は仕事がある日は、朝ご飯を食べません。
さらに仕事(焙煎等)を始める前には、必ずスタッフ達とコーヒーを飲む日課になっています。
つまり(1)~(3)を満たすとっても良い条件で、毎朝コーヒーを飲んでいたことになります。確かに、仕事の前のコーヒーは、味わいをじっくり堪能できて美味しいですね。
朝ご飯を食べる方でも、「朝のコーヒーが、美味しい!」という方は多いのではないでしょうか?
「コーヒーは絶対に食後!」派の方も、たまにはコーヒーを主体にして食前に香りを楽しむのも良いですね。

きまめや
生豆屋(きまめや)

有機JAS法から学ぶこと

大変な日々の作業

当店では有機JAS法が施行される以前から、有機栽培(オーガニック)コーヒー豆を専門に販売しておりました。
当時は有機JASマークというものも無く、生産地で有機認証を受けたコーヒーであれば「有機栽培(オーガニック)」をうたうことができたのです。
しかし、有機JAS法という法律によって「マークを貼らないと、有機栽培(オーガニック)コーヒーって言っちゃダメ!」ということになりました。そこで当店ではいち早く「有機JAS認証」を取得し、堂々と「有機栽培コーヒー豆専門店」と名乗れるようなりました。

この認証は、取得後も検査や管理が大変ですが、実は日々有機JASマークを添付・処理する方がもっと大変な作業になります。
マークを貼るのこと自体が大変、という訳ではありません。マークを貼るためには、付随してやることが沢山あるという意味です。
有機JASマークについてはこちら

日々の作業をすべてここに書くと、とても長い文章になるので省略させていただきます。でも、有機JASを真面目に導入したおかげで、良かったことを1つご紹介したいと思います。

入荷から配送まで

皆さんのお手元に届く、当店のコーヒー豆達。
何気なく袋詰めされているようですが・・・。

実は、いつどこから入荷した豆で、誰が焙煎して、誰が欠点豆を除去+袋詰め+シール添付して、誰が発送用書類を作って、誰が梱包作業をしたか?が全部記録で残っています。
つまり、すべての作業点で責任者が存在するということです。
だから、もしAさんから「○○を○グラム注文したけど、ちょっと・・・」とクレームがあった場合、すぐに誰が担当した豆で、どの時点で問題が派生したかが分かるようになっています。

こんなにしつこく記録しているのは、元々は有機JAS法のためでした。 でも、結果として私達も責任をもって作業ができるようになり、今ではそれが自分達のコーヒー豆への自信につながっているように思います。

有機JAS導入を振り返って

有機JASマークを添付するようになって作業量は増えましたが、コーヒー豆の値上げはしませんでした。 なぜなら、マークを添付したからといって味わいが変わる訳ではないからです。
お客様にしてみれば「マークが付いて値上げなら、マーク要らない!」というお気持ちだろうなぁ・・・と。

「お値段据え置き」という強引な決断のおかげで、最初は薄利になり本当に大変でした。でも、少しずつ口コミでお客様が増えてきたので、何とかここまで続けることができました。
これも、当店の豆達を気に入ってくださっているお客様のおかげです。

これからも、焼きたてや品質にこだわって「自分達が本当に欲しいものだけを提供していく!」という姿勢を、貫いていきたいと思います。

<参考>
有機栽培豆に害虫が見つかったら?

意外と知られていない有機栽培の意味(無農薬・減農薬表示はダメ)
有機JASマークとは

きまめや
生豆屋(きまめや)

ペーパーフィルターの紙臭さを消す方法

ペーパーフィルターの臭い消し
ペーパーフィルターの紙臭さを消す方法

紙臭いペーパーフィルターは?

「ペーパーフィルターの臭いが気になる。どのメーカーのものが良い?」というお問い合わせがありました。
各メーカーで長所・短所があるようですが、多少紙の臭いが出てしまうのは仕方がないですね。
とりあえず、無漂白のペーパー(茶色)の方が、酸素漂白(白色)のものよりも「紙臭い」ようです。じゃあ、酸素漂白の方が体に良いか?と聞かれると・・・
漂白の方法が企業秘密になっているため、判断できませんでした。ペーパーフィルターのメーカーさんには、製造過程で何の薬品をどのように使用しているのか、ぜひ公開していただきたいものです。

簡単!紙の臭いを消す方法

ペーパーフィルターを使う時は、次の方法を試してみてください。
1)購入後、袋から出して保管する。
簡単なことですが、かなり効果はあります。袋から出して、できれば少し広げて(干す感じで)置くと早く臭いが飛びます。

2)ドリッパーに敷いたペーパーフィルターへ、2~3回湯通しする。
袋から開けてすぐに使いたい時や、念入りに臭いを消したい時は、たっ ぷりお湯を沸かして湯通しします。できれば、1回にカップ2杯程度の湯を通し、少し待ってからまた同じことを繰り返す、という方法がおすすめです。
※念入りにやりすぎて、紙が破れないようにご注意下さい。

他にも何か、良い方法があるかも知れません。また見つかりましたら、お知らせしたいと思います。
有機栽培製ネルをペーパーフィルター代わりに使うことも、この機会にご検討下さい。

<参考>
ペーパーフィルター無漂白・酸素漂白どちらが良い?

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒークリーム(フレッシュ)の実態

コーヒーフレッシュ

何からできている?

ファストフードやカフェ等で、使い放題のコーヒークリーム。なぜ沢山使ってもいいの?不思議だなぁ・・・と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
答えは簡単。安いからです。
では、なぜ安いのでしょう?

以下、その理由をそのまま抜粋します。
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植物油に水を混ぜ、添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたもの。それがあの小容器の「コーヒーフレッシュ」の正体なのです。
植物油を使うことで、牛乳や生クリームを使用するよりもはるかに安くできる。だから「使い放題」にできるのです。
そしてそれは、ちゃんと「裏」を見ればわかります。「植物性油脂、乳化剤、増粘多糖類、pH調整剤、着色料、香料」そこにはそんな表示があり、「牛乳(生乳)」とは一言も記載されていないはずです。
よく見れば、容器にも「ミルク」とは謳っていない。「コーヒー用クリーム」「コーヒーフレッシュ」などと表示されています。
「裏」の原材料表示を見ればわかると書きましたが、これは小容器を詰めた大袋のみに書かれていて、容器そのものには書かれていません。
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安部司著『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)p106~107より抜粋。

食品添加物の役目

「サラダ油+水 → コーヒークリーム」となるためには、どうしても食品添加物が必要になります。
水と油を混ぜるために「乳化剤」を使い、成分が沈殿しないように「pH調整剤」を添加。クリームっぽくとろみを付けるために「増粘多糖類」を入れて、ミルクフレーバーの「香料」を入れれば味わいはOK。あと、見た目をよりクリームっぽくするために「カラメル色素」も添加します。確かに、純生クリームは真っ白じゃなくて「クリーム色」でしたね。
そうやって創意工夫して出来上がった「コーヒークリーム」は、まるで本物の生クリームのように使われている訳です。

店長の考察

食品添加物がすべて悪い!とは思いません。
本物の純生クリームだと、すぐに賞味期限切れになってしまって保存が難しいのも確かです。ブラックでは飲めないために、クリームのストックが必要な方も多いでしょう。
でも食品添加物を摂らなくて済むなら、やっぱりその方が良いですね。

油と水と食品添加物を持ってきて「混ぜたらクリームになりますから、いくらでもコーヒーに入れて下さい。」って言われたら・・・「えー、気持ち悪いからヤダ。」と、私だったら言ってしまうと思います
コーヒーが出てきたら、まずはブラックで飲んでみましょう。新鮮なコーヒーなら、ブラックでも十分美味しいと思います。
ちょっと無理だなぁ、という時にはお砂糖を少しずつ足してみましょう。それでもダメなら、牛乳や、スキムミルクを水で溶いたものを足しても良いですね。
外出先だと難しいですが、家でコーヒーを飲むなら色々と工夫できると思います。

< 参考 >
コーヒークリームの話
コーヒー香料の必要性
カフェオレの話(コーヒーの着色料について)

きまめや
生豆屋(きまめや)

何から揃える?コーヒー器具

必要最低限の器具

どの器具から揃えるのが正解?

「コーヒーは初心者だけど、本当に美味しいコーヒーを入れてみたい!」
そんなご要望をいただくことが、最近とても多くなりました。私の文章を読んでいると「意外と簡単かも?」という気持ちになっていただけるからでしょうか。
その通り、何も難しいことはありません。
要は「必要最低限の器具」と「美味しいコーヒー豆」、味わいに悪影響を及ぼさない「湯(水)」があればOKなのです。

それでは、「必要最低限の器具」を考えてみましょう。
日本で主流になっている「透明感のあるコーヒー」を目指すなら、コーヒー粉を布か紙で濾す(こす)必要がありますね。つまり、ネル(布)かペーパーフィルター(紙)が必要になります。
#コーヒー産地で主流になっている「濁ったコーヒー」でよければ、鍋や茶こしがあればOKです。

次に、ネルかペーパーフィルターを支えるための容器が必要です。カップの底に穴が空いている形の「ドリッパー」が主流ですが、ネルなら「茶こし」や「味噌こし」でも代用可能です。
※詳しくは有機栽培製ネルのすすめをご覧下さい。

必需品は細口ポット?ミル?

さぁ、これで抽出用の器具は揃いましたね。次は何を揃えましょう?
抽出する時の格好良さから「細口ポット」を入手する方が多いのですが、ここはグッとこらえて「ミル(豆を挽く道具)」を選びます。
#ヤカンでも、美味しく抽出することができますので。

どんなに新鮮で美味しい豆でも、店で挽いてしまったら一気に香りが飛んで鮮度が落ちてしまいます。鮮度が落ちると酸化が進み、コーヒー本来の甘みやまろやかな口当たりも消えていきます。
そのため、安価なプロペラ式電動ミルでも、店で挽くよりはずっと良いのです。ここは思い切って、ミルを調達しましょう。

できれば揃えよう

最後に、コーヒー液を受ける「サーバー」があると便利ですね。ちゃんと抽出量をはかることで、安定した味わいを出すことができます。
また、私のようにいつもコーヒーの味わいを分析している方には、サーバーは必需品になります。
もちろん、ご予算に余裕のある方は「細口ポット」も調達していただければと思います。これがあれば、気分も味わいもプロ並み?になるかも知れません。

抽出方法の詳細は、秘伝!美味しい珈琲の入れ方をご覧下さい。

<参考>
最適なコーヒー焙煎豆の保存場所
最適なコーヒー焙煎豆の保存容器

きまめや
生豆屋(きまめや)

ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(2)

穴の面積の違い

前回、ドリッパーの形と味わいの違いについてお話ししましたね。今日は、どうして違ってくるか?について検証してみたいと思います。

リブ(凸部)の形が違うとどうだとか、色々と意見はあるようですが。 とりあえず、思いっきり味わいに影響しそうな「穴の面積」について比較してみました。
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カリタ(陶器製):直径4ミリの穴×3つ・・・計 37.68ミリ平方メートル
ハリオ(磁器製):直径20ミリの穴×1つ ・・計314.00ミリ平方メートル
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単純に比較しても、ハリオは、カリタの8倍以上の面積ということになります。ここまで大きさが違うと、味わいに影響してくるのは当然ですね。見た目では分からなかったので、私もビックリしました。
※ハリオ製の穴の形はギザギザになっているので、正確にはもうちょっと面積が大きくなります。

ちなみに、プラスチック製では穴の面積の差がさらに広がり、ハリオはカリタの10倍以上の大きさになります。
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カリタ(プラ製):直径3ミリの穴×3つ・・・計 21.20ミリ平方メートル
ハリオ(プラ製):直径17ミリの穴×1つ ・・計226.87ミリ平方メートル
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どちらもプラスチックの方が面積が小さくなっていますね。やはり、焼き物で小さい穴を作るというのは難しいからでしょうか。

味わいへの影響を検証

面積が8~10倍違うと、味わいにはどのように影響するのでしょうか。中がよく見えるよう、透明なプラスチック製ドリッパーで比較してみまし た。
蒸らし1分+抽出3分で、次のようなことが判明しました。
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カリタ:
穴が小さいため、注湯中は下から0.5~1cmくらいの所まで湯が貯まっている。

ハリオ:
穴が大きいので、注湯中でも湯は貯まらず、そのまま落ち続ける。
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つまり、同じ速度で抽出すると、カリタ(3つ穴)の方が湯とコーヒー豆の接触時間が長くなるということです。湯に浸る時間が長ければ、当然苦み・酸味も強くなりますね。

一方、ハリオ(1つ穴・円すい形)の方はネルドリップのように湯が貯まることなく落ち続けるので、比較的あっさりまろやかな味わいに仕上がると考えられます。 この辺が「ネルドリップの味わいに近い」と言われる理由かも知れません。

<参考>
ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(1)

きまめや
生豆屋(きまめや)

ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(1)

まずは形の違い

ハリオドリッパーの画像カリタドリッパーの画像
ハリオ製は大きな1つ穴で、円錐形(写真左)。
カリタ製は3つ穴で、定番の形(写真右)。

カリタは陶器製、ハリオは磁器製で、ハリオの方がお値段が高いです。どちらもプラスチック製のものがありますが、私は殆ど使いません。
余談ですが、プラスチック製は安いだけでなく、壊れにくく軽いという点でも評価できると思います。また磁器製だと大きいサイズに焼くのが難しいですが、プラスチックならどんなサイズでも失敗無く作れるそうで、形の自由度が高い点でも優れていますね。
ただ、プラスチック製造時に使われる可塑剤のことを考えると、熱湯で抽出するのはちょっと心配です。私がプラスチック製のドリッパーを使うのは、旅行で持ち歩く時くらいでしょうか。

味わいの違いは?

カリタ製は「中挽き」「一杯あたりコーヒー豆10g」
ハリオ製は「細め中挽き」「一杯あたりコーヒー豆12g」推奨ですが、今回の実験では「やや細め中挽き、一杯あたり11g」で統一しました。
使用した豆は、有機栽培コロンビア(中煎り)33g(3杯分)。蒸らし時間は1分、90℃抽出で、味わいの違いは下記の通りです。

・・・・・
カリタ製:「メリハリのある味わい」
苦み・酸味・甘み・渋み等コーヒーのすべての味わいが前面に出ていて、しっかり抽出されている感じがしました。コーヒーの味わいをしっかり堪能したい方には、こちらがオススメです。

ハリオ製:「まろやかな味わい」
まろやかな口当たりで、渋みは殆ど感じられません。ネルドリップに近い味わいという宣伝文句に納得できます。
美味しい所だけ堪能したい方には、こちらがオススメです。

・・・・・
どちらが美味しく感じるか?は、個人の好みによると思います。 今回は、同じ条件のもとで実験しましたが、カリタ製でよりまろやかにする方法や、ハリオ製でよりメリハリのある味わいにする方法もご紹介できればと思います。

また、どうして味わいが違うのか?についても、私なりに考察したいと考えております。データ収集に時間がかかりますので、今しばらくお待ち下さい。

<参考>
ドリッパー比較・カリタvsハリオ(台形vs円すい形)(2)


きまめや
生豆屋(きまめや)

有機栽培(オーガニック)ネルのすすめ

今日は、ちょっと洗うのが手間だけど、とってもまろやかで美味しいコーヒーができる「有機栽培製ネル」についてお話したいと思います。

有機栽培製(オーガニック)ネルの良い所

味噌こしネルドリップ

市販のネルドリップも良いですが、当店では有機栽培製ネルを「味噌こし」や「ドリッパー」に敷いて、ペーパーフィルター代わりに使うことをおすすめしています。
その理由は?

(1)何度も使えて洗いやすい
使い捨てではないので、何度も洗って使うことができます。だから、環境にも優しく、とっても経済的。
また、市販の立体的なネルドリップと違って一枚の布(縫い目無し、切りっぱなし)なので、コーヒー粉を落としやすく、保管もしやすいです。
保管方法は「水に浸して冷蔵庫保存」という方法が一般的ですが、熱めのお湯でよーく洗って干しておくのも、冷蔵庫の肥やしにならなくておすすめ。縫い目が無くて、ハンカチのようにヒラヒラしてますので、乾きも早いです。

ただ、市販のネルと同様、使っているうちに目詰まりしてきますので「最近ちょっと、コーヒーが濃すぎるかな?」と思ったら交換してください。「2ヶ月くらい使い続けると、ちょうど良い濃さになる」というご意見もありますので、自分好みの濃さを見つけるのも良いですね。

(2)薬品臭が無い
当店のネルは、化学肥料、殺虫剤、除草剤、落葉剤等を使わず、手間暇かけて安全な有機栽培(オーガニック)で育てられたコットンを使用しています。
コットンが生来持っている油分が残っていますので、初めて使用する時だけは数分煮沸するか、熱湯に浸した方が良いでしょう。

有機栽培のコットン収穫量は、世界の収穫量の0.2%という少なさだそうです。希少価値の高いネルを、大切に長く使っていただければとても嬉しいです。
一方、市販のネルは有機栽培ではありませんし、加工段階で薬品処理も施されています。もし市販のネルを使用する場合は、たっぷりのお湯で20分以上煮沸し、薬品類をしっかり落として下さい。
そうすれば、最初から美味しいネルドリップのコーヒーをお楽しみいただけると思います。

ネルを「味噌こし」と「ドリッパー」で

味噌こし(大)でネルドリップ
1-2人分用の味噌こし(直径7cm)だと、サーバの注ぎ口に収まるのですが、3~6人用の味噌こし(直径10cm)だと、はみ出て不安定になりやすくなります。
そのため、左手で味噌こしを押さえながら右手で湯を注ぐ(写真上)という技を使うことになりますが、不慣れな方や蒸らし時間を利用して他のことをしたい方には下記の方法がおすすめです。

写真(下)は、ドリッパーと有機栽培製ネルの組み合わせたものです。ペーパーフィルター用にデザインされたドリッパーですが、ネルを代わりに敷いても全然問題ありません。

ハリオドリッパーでネルドリップ

安定感もあり、蒸らしている間に他の作業ができて楽!と、ご好評いただいております。味わいも、本格的なネルドリップと遜色ないのが嬉しいですね。

有機栽培製ネルをストックしておき、ペーパーフィルターが切れた頃に試してみてはいかがでしょう?
有機栽培製ネルは、当店のコーヒー豆と一緒にこちらからご購入いただけます。

< 参考 >
茶こし(味噌こし)布ドリップ法
ネルドリップ
ネル再考
正統派ネルの保管方法

きまめや
生豆屋(きまめや)

水出し珈琲と挽き加減

色々な茶葉で実験

珈琲だけでなく、紅茶・緑茶・ほうじ茶等々。色々な茶葉で「水出しの実験」を行ったところ、新しい発見がありました。
まず、細かい茶葉と、大きな茶葉では、抽出速度や味の濃さが全然違うことが分かりました。どちらが早くて濃かったかということ、意外にも大きな茶葉の方でした。
ということは・・・。
もしかすると、コーヒーも粗く挽いた方が抽出が早いのかも?

「ホットコーヒー」は、細かく挽いた方が濃くなるけど・・・。 「水出しコーヒー」は逆に、粗く挽いた方が濃くなるかも知れない!
そう思ったらジッとしていられず、すぐに水出しコーヒーで実験してみました。

挽き加減を変えて実験!

抽出方法は下記の2種類で、当店の深煎り豆を使用。(1)は2日間抽出、 (2)は24時間抽出しました。
味わいの違いがはっきりと分かるように、それぞれの方法で「極粗挽き」 と「極細挽き」で抽出して比較してみました。

(1)水出しコーヒーバッグ
(2)水出しコーヒーポット

結果と考察

(1)(2)とも、下記の通り同じ結果となりました。
極「細」挽き:苦みが少なく、まろやかな味わい。優しい喉ごし。
極「粗」挽き:苦みが強く、濃い味わい。刺激的な喉ごし。

ということで。予想通り「水出しコーヒー」では、粗挽きの方が苦みが強く、濃くて刺激的な味わいに仕上がりました。濃い、といっても味わいだけの話で、コーヒーの色は殆ど違って見えませんでした。
細挽きと粗挽き、どちらが美味しいか? は、個人の好みによると思います。まろやかな味わいが好きな方は、細挽きで。強い苦みが好きな方は、粗挽きにしてみてはいかがでしょうか。ブラックなら細挽き、ミルクで割るなら粗挽き、という風に分けても良いですね。
ちなみに、当店で挽くときは(1)コーヒーバッグは細挽き、(2)コー ヒーポットはメーカー推奨の細め中挽きにしております。

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生豆屋(きまめや)