燻蒸による残留基準は無し(燻蒸その3)

残留しててもフリーパス?

コーヒー豆の害虫を殺すために燻蒸(くんじょう)(消毒)する場合もある、という話を以前しましたね。
その燻蒸で使用される「臭化メチル」の残留基準は、残念ながらありません。
米と小麦についてだけは、燻蒸による臭素(有毒)残留を調べるために、無機臭素の基準が決められていますが・・・。
つまりコーヒー豆に関しては基準もなく、フリーパスで市場に出回っているのが現状のようです。

どんな形で残留するか

臭化メチルは気化しやすいので「作物中には残留しません」 と言われてきました。
しかし実際には、作物中の成分である水分やタンパク質と反応してしまい、別の物質として残留することが知られています。
ここで、コーヒー生豆の成分を調べると・・・・
水分‥‥‥‥12~15%程度、
タンパク質‥11%程度、を含んでいるそうです。

つまり、燻蒸されたコーヒー豆の中にも、臭化メチルが別の物質として残っている可能性が考えられます。具体的には、臭化メチルの「臭素」部分は、有機臭素塩として「メチル」部分は、メタノールやメチル化合物として残るそうです。

ところで、先進諸外国では「臭化メチル」は
農作物に薬害が出やすく、
発ガン性疑惑があり、
さらにオゾン層を破壊する物質であるために、
使用が激減しています。

日本でも、段階的に使用を減らしてはいますが、まだまだ食物検疫の消毒では 遅れをとっているのが現状です。

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その5 安全な燻蒸?
燻蒸その6 産地燻蒸の話
燻蒸ってどんなもの?
有機栽培(オーガニック)豆に害虫が見つかったら?

きまめや
生豆屋(きまめや)