鮮度と味わいの関係

鮮度と味わいをリンクさせる

「焙煎してから何日たった?」
「ミルで挽いてから何分・何秒たった?」

美味しいコーヒーを入れる上で、とても大事なポイントですね。特に「コーヒーの香り・まろやかさ」が鮮度により大きく変わってきますので、ぜひ観察してみてください。

ハンドドリップ(ペーパーやネル)やプランジャー(フレンチプレス)だと、抽出中にその鮮度が目に見えて分かるため、抽出されたコーヒーの味わいとリンクできて楽しいですね。
具体的には「焙煎後何日目→蒸らした時の膨らみ加減→抽出後の味わい」という感じで、頭の中で整理できます。

一方、電動コーヒーメーカーやマキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)では、コーヒーの鮮度は見えにくいです。蒸らしている状態が見えないので、分かりにくいですね。
でも鮮度が見えなくても、香りは絶対裏切りません。
例えコーヒーメーカーで抽出過程が分からなくても、香りから十分に鮮度を予測できます。

そしてその香りを知るには、どうしてもミルが必要です。まだミルをお持ちでない方は、安価なプロペラ式ミルでも十分ですので、ぜひご検討下さい。
挽きたての味わいは「全く別物」ですから・・・

一番鮮度が分かるエスプレッソ

さらにカフェで使われる業務用エスプレッソマシンだと「挽いてから何秒経ったか?」でクレマ(泡)の量が明かに変わります。
特にエスプレッソやアメリカーノ(エスプレッソをお湯で薄めたもの)は、コーヒー表面のクレマが命(と私は思っています)なので、「挽いたらすぐ抽出!すぐ提供!」が鉄則です。ミルクを入れないので、誤魔化しがきかないのです。

特にエスプレッソは、抽出後、刻一刻と味わいが変化していきます。
新鮮な豆の入れたてエスプレッソは、何とも言えない深みのあるまろやかでコクのある味わいです。
しかし、時間の経過とともに苦味酸味渋みが強くなり、まろやかさはすぐに消えてしまいます。
エスプレッソは抽出も早いですが、劣化も本当に早いのです。
花の命は短くて・・・ですね。
※イタリア語でエスプレッソ(ESPRESSO)=「急行列車、速い」の意味。

エスプレッソメニューを作る順番

一人しかバリスタ(コーヒーを作る人)がいなくてラテとエスプレッソの注文が同時にあったら、作る順番はまずはラテ、その後にエスプレッソです。エスプレッソは繊細なので、作ってすぐに出せるよう、順番は一番最後になります。
エスプレッソの注文が数杯同時にある時は、出来たところからお客様に持って行きます。
もちろんカウンターでお客様にすぐ出せるようになっていれば、一番楽ですね。

つまり、イタリアのバール(カフェ)のように「カウンターでエスプレッソを受け取ったらすぐに砂糖を入れて1分以内に飲み終える」のがベストだと思います。
バリスタの素早い抽出と、お客様の素早い飲み込み(摂取?)が、エスプレッソの醍醐味と言えるでしょう。

でも、私が行ったイタリア・ローマのバールでは、クレマのあるエスプレッソには殆ど出会えませんでした。
いつもカウンターで飲んでいたので「抽出後すぐ!」ではあったのですが、豆自体が古過ぎました。
そのため、まろやかでコクのあるエスプレッソは殆ど無かったです。
もう十年前のお話です。今は自家焙煎のお店も増えて、鮮度にこだわったバールも増えたかも知れませんね。
またいつか、行ってみたいです。

きまめや
生豆屋(きまめや)

焙煎時に大事なポイント1「豆肌」

命名「豆肌」

(1)豆肌シワシワ色濃い目→(2)豆肌が伸びて色薄め。→(3)焙煎終了

私達(生豆屋とニュージーランド姉妹店の焙煎担当スタッフ達)が焙煎するとき、この「豆肌」という言葉が飛び交っています。

「豆肌どう?」
「もう少し豆肌のばしたい」
「豆肌が伸びたら、また色が薄くなるから」など。

豆肌は、コーヒー豆の表面のことです。
私が名づけました。豆の肌なので、豆肌。
この言葉は、豆がどのくらい縮れてシワシワしているか、つや加減がどうか、を見るときに使います。
焙煎を習い始めた日に知るべき、とても大事な言葉です。

もちろん、豆を見ないで焙煎する場合(自動で焙煎する場合)は、その大切さに気付かないかも知れませんね。
手動で焙煎するなら豆との対話(状況によって臨機応変に対応すること)が大事ですし、それが焙煎の醍醐味とも言えるでしょう。

豆肌が語ること

コーヒー豆の中までしっかり均一に火が通っていないと、豆肌のツヤが無く縮れたままになります。このような豆を挽くと青臭かったり、コーヒーが本来もっている香りが出なかったりします。
新鮮な豆なのに香り無いと、挽いた瞬間にがっかりしてしまいますね。

シワシワ加減は、豆の産地だけでなく精製方法が水洗式(ウォッシュド)か、自然乾燥式(ナチュラル)かなどによっても異なります。
そのため、どんな加減だと良いか?は一概には言えません。
様々な条件で何度も焙煎して、最適な加減を見つけ出すのが大事です。

また豆肌が縮んだままでいると、その分焼き色が濃く見えることもあります。
「あれ?焙煎が深いかも?」と思っても単に縮れて濃くみえてただけで、焙煎がすすんでふっくらすると、また薄くなったりします。

ということで、焙煎するときには、色だけで無く「豆肌がどういう状態か?」をよく見る必要があります。
そして豆肌を伸ばすため(ふっくら焙煎するため)には、どのように火を入れたらよいかも、大きなポイントです。
ずっと同じ強さの火で焙煎し続けるよりも、強弱があった方がふっくらする場合も多々あるからです。
この火力の影響について、ご自宅で手焙煎されている方は、すでに気付いている方も多いのではないでしょうか。

豆肌をしっかり見るには

豆肌をしっかりチェックできるよう、自宅焙煎には網状の「ぎんなん炒り」をお勧めしています。
さらに、多少チャフ(薄皮)が散らかっても、ぎんなん炒りの「フタを開けたまま」焙煎すると、よく観察できて良いです。

そして、照明も大事です。
もし焙煎する場所が暗いようなら、別にライトを用意しましょう。ライトは「昼光色」か「昼白色」がおすすめです。
「電球色」だと暖色系でオレンジっぽくなるため、色を正確に見るのが難しく、あまりおすすめできません。
とりあえず大事なのは、いつも同じライトを使って、色と豆肌をよく覚えることです。
豆の状態と、抽出後の味わい・香りがリンクできれば、自在に味わいの違いを楽しむことができますね。

上の写真は、私が今日焙煎したコロンビアの「(1)焙煎開始後のシワシワ豆→(2)豆肌が伸びて色が薄くなった豆→(3)焙煎終了時の豆」を撮ったものです。
最初のシワシワ豆の方が色が濃く見え、焙煎がすすむとふっくらして色が少しだけ薄くなり豆肌が伸びているのが分かると思います。
この(2)の状態で終了すると、香り少なめ・酸味が強いコロンビアになります。胃が丈夫で酸味・浅煎りが大好きな方用になります。
胃へ負担をかけずコロンビアの豊かな香り・コク・かすかな酸味を楽しみたいなら(3)の焙煎加減(当店推奨)がお勧めです。

きまめや
生豆屋(きまめや)

新型コロナについて4 若い人の重症化

若い人の重症化が問題に

新型コロナについて、嫌なニュースを聞くようになりました。
基礎疾患の無い、若い人達の重症化です。
若い人は免疫力も高く、基礎疾患が無ければ重症化することは殆ど無いと言われていましたが、そうとは限らないようです。新型コロナウイルスにより血栓ができて、血管が詰まるという症状についても報道されていました(※1)
血栓が、血管の細いつま先や指先に行くと、しもやけのような状態になるそうです。具体的には、発熱後に「コロナのつま先」と呼ばれる症状が出たら、要注意なんだとか(※2)
末端の血管が詰まれば、最悪の場合は切断することになるかも知れません。4月末には、アメリカの俳優が新型コロナ闘病中に、血栓により右足を切断したというニュースもありました。他にもアメリカでは、新型コロナ感染が原因とみられる川崎病に似た疾患により、70人以上の子どもが重症化し、中には死亡したケースもあったと今朝のニュースで見ました。
川崎病は、主に子どもがかかる原因不明の疾患で、血管壁に炎症が生じ、発熱や皮膚の剥離、関節痛を引き起こしたりしますが、治療を受ければ治る場合が多いそうです。ヨーロッパでも川崎病に似た疾患の若い患者が確認されています。新型コロナによる血栓や川崎病に似た疾患については、炎症が影響していると研究者達が指摘しています(※3)

深煎りと浅煎りの両方。

深煎りコーヒーには動脈硬化や血栓の予防効果があるそうです(※4)
そのため血栓による脳梗塞などが心配なら「深め焙煎のコーヒー豆」を選んでみてはいかがでしょうか?
これは深煎りコーヒーだけに沢山入っている「ナイアシン(ビタミンB3)」が、血液をサラサラにして血管を柔らかくする効果があるからだそうです。

そして、免疫力を高めるには浅め焙煎のコーヒー豆が良いそうです。
これは、浅煎りコーヒーだけに入っている「コーヒーポリフェノール・クロロゲン酸」が、免疫細胞が集まっている腸内フローラを改善するという研究結果によります(※5)

上記についてはもう何度かお話ししていますが、大事なことなので、もう一度言います。
「浅煎りと深煎りの両方」です。焙煎加減によって成分が異なるなんて、本当にコーヒーは奥が深いですね。ぜひ焙煎加減も意識して飲んでいただきたいと思います。

店長からの提案

私の父が脳梗塞で大変だったのを思い出して、本当に心配になりました。
新型コロナウイルスは、次々と心配事を増やしていきますね。本当に腹立たしいです。

とりあえず私達ができるのは、まず「免疫力を上げること」でしょうか。
そして今回の情報から、もう少しだけ提案させてください。
今回の血栓のお話は、炎症が関係しているとお話ししましたね。
そして「糖質と炎症」は密接な関係にあり、糖質を摂りすぎると炎症が悪化しやすいそうです
ですから・・・

(1)「白い炭水化物」を少し控えてみませんか?
白いご飯、白いパン、白い麺・・・を少し控えて、玄米や全粒粉・ライ麦パンやソバなど代わりにいかがでしょう。
いまちょうど小麦粉不足ですし、1日1回主食を抜いて、代わりに野菜をたっぷり摂るのも良いですね。

(2)糖質の多いスイーツやスナックも、食べる回数を減らしませんか?
「ながら食べ」をやめて、決まった時間(3時のおやつ等)にコーヒーと楽しむのも良いですね。今は低糖質のお菓子の作り方も、沢山インターネットで見つけられますし、私の「低糖質」レシピでよろしければ「モカの時間」でも紹介しています。

とにかく、これからは様々な「炎症」を防ぐため、血糖値スパイク(※6)を防ぐような食生活に変えていく必要があると強く思いました。

皆さんの楽しみを奪うようなことを書いてしまい、本当にどうもすみません。
でも、ちょっと日々の生活で気をつけるだけで、簡単に健康維持(炎症予防・免疫力アップ)が出来るのも確かです。
バランスのとれた食事で、昔ながらの発酵食品(ぬか漬け、味噌・しょうゆ、納豆)、食物繊維たっぷりの野菜・玄米など腸内フローラを改善するようなものを積極的に摂るように。
質の良い睡眠をとれるよう、食べ過ぎない、夜遅くに食べないように。
そして自己判断で抗生物質や市販薬を飲まないように(薬によっては悪化の恐れあり)。
あと忘れてはいけないのは「マスクの着用!」。
そんなちょっとした日々の選択は、新型コロナにかからないようにするだけでなく、「かかった後に重症化しないため」でもあると私は考えています。

そしてコーヒーについても・・・
まだデータは何も出ていませんが、十年くらい経った頃に「あのときコーヒーを飲んでいた人は重症化率が少なかった」と言われる日が必ず来るのではないかと思っています。十年先のことなんて誰にも分からないですけど・・・。

つい力強く書いてしまいましたが、心配し過ぎもストレスになるので良くないですね。
ちょっと力を抜いて、美味しいコーヒーでも作って飲みたいと思います。

皆さまも、くれぐれも無理なさらないようお気を付け下さい。

<参考動画>
「コロナのつま先」についての動画
(※2)「軽症・無症状」が脳梗塞に 30~40代相次ぐ 合併症か FNN Prime

<参考記事>
(※1)脳梗塞発症 新型コロナ感染による血栓が原因か 米研究グループ NHK News Web
(※3)新型コロナ、ウイルス感染で免疫系が過剰反応 命の危険も AFP
感染力も毒性も突然変異する新型コロナ「強毒種は270倍のウイルス量」中国の研究 Yahoo ニュース
(※4)血栓を作りにくい?コーヒーの不思議(全日本コーヒー協会)
(※5)Could More Coffee Bring a Healthier Microbiome?(HealthDay)

(※6)「血糖値スパイク」とは:食後の短時間に血糖値が急上昇する状態。放置しておくと動脈硬化が進み、炎症や酸化ストレスを起こりやすくなり、心筋梗塞、脳梗塞、がん、認知症などのリスクが上昇する。

<参考>
新型肺炎コロナウイルスについて1「コーヒーと免疫力」
新型肺炎コロナウイルスについて2「ちょっと待って抗生物質」
新型肺炎コロナウイルスについて3「感染後の発症を防ぐには」
新型肺炎コロナウイルスでマスクが必要な理由
新型コロナでコーヒーの香りが分からない?

きまめや
生豆屋(きまめや)

素朴な疑問(ペーパードリップ編)

ドリッパー断面。中央(A)の方が、ペーパーフィルターの近く(B)よりずっとコーヒー粉の層が厚いですね。一番厚いところで注いでコクを出しましょう。

質問1:ドリッパーにお湯を注ぐとき、円を描くようにグルグル注ぐの?

答え:円を描く必要はありません。
細口ポットなら、蒸らす時だけ中心から円を描くように注いで全体を湿らせても良いです。
ヤカンの場合は、ちょんちょんと湯を少しずつ落として、全体が湿るように蒸らして下さい。無理に円を描くと、ドバッとお湯が出てしまい上手に蒸らせません。要は、全体が湿ればOKなのです。

蒸らしている時に、注ぎすぎたお湯が下からポタポタ落ちたりしますね。このコーヒー液は、コクも無いし香りも少なく、あまりオススメの味わいではありません。 でも「ポタポタ」がコーヒー全体が湿った証拠でもありますので、数滴落ちるくらいを目安に挑戦してみましょう。

30秒から1分間くらい蒸らし終わったら、中心部分(ドリッパーの穴が空いている部分)だけに注ぎ続ければ大丈夫です。下からコーヒー液が落ちる量と、注ぐ湯の量を同じくらいにすれば、コクのある味わいに仕上がります。
※ドリッパーは、中心部分(上図 A)が一番コーヒー粉の層が厚くなるように設計されています。ペーパーフィルタ近く(上図 B)は層が薄くなりコクが出ないので、円を描くのではなく「円の中心で注ぐ」のが正解です
もしどうしても気になるなら、時々ペーパーフィルター近くも注いでOKです。

質問2:ペーパーフィルターはあらかじめ湯通しする?

答え:ペーパー臭を消すため、十分に湯通しして下さい。
ペーパーがお湯で濡れると独特の臭いが出るため、以前はできるだけ濡れたペーパーとの接触時間が短くなるよう湯通ししない方法をおすすめしておりました。
しかし、その後の実験で「たっぷりのお湯」を使って湯通しすれば、臭いが殆ど消えることが分かりました。
具体的な臭い対策については、ペーパーフィルターの臭い対策をご覧下さい。

質問3:ペーパーの臭いなんて分からないけど?

答え:ネル(布)ドリップと比べていただければ、良く分かると思います。また、ペーパーを湯通ししたときに落ちる、お湯の臭いを確認してみてください。独特の紙の臭いが分かります。
「一度臭いが分かってからは、どうしても気になってしまう!」という方もいらっしゃいます。これからも湯通しをせずにペーパーを使い続ける予定なら、どんな臭いか知らない方が良いのかも知れません・・・。

< 参考 >
秘伝!おいしいコーヒーの作り方
実験! 蒸らしの極意

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒー抽出後の飲み頃

泡立てたミルクがのっていると、コーヒーが保温されて美味しさ長持ち。

抽出後は速やかに

コーヒーを抽出したら・・・
あらかじめ温めたカップに注ぎ、速やかにすすめましょう。そのためには、カップやソーサ、スプーン、砂糖・クリーム等を事前に準備しておく必要があります。

なぜそんなに速やかにする必要があるのでしょう?
答えは簡単。コーヒーは紅茶と違って、冷めたら不味くなるからです。
温め直しても、香りは飛ぶし、まろやかな口当たりも消えます。どんなに高品質で美味しい豆を使っても、冷めてしまってはガッカリ。酸化もすすみ、体にも優しくありません。

という訳で、くれぐれも時間の経過にはお気を付け下さい。何らかの事情で、冷めたコーヒーを温め直さなければならない時は、沸騰させないように気をつけて、80℃前後の温度ですすめましょう。

コーヒーの保温

電動コーヒーメーカーには保温機能が付いている場合が多いですね。いつでも温かいコーヒーが飲めて、重宝している方も多いと思います。 しかし、時間の経過とともに酸化はすすみ、香りやまろやかさも消えてしまうのは前述した通りです。
やっぱり「美味しいコーヒーが飲みたい!」なら、保温機能に頼らず、できるだけ早くすすめるようにしましょう。

エスプレッソの場合

エスプレッソの場合は、さらに速やかにすすめる必要があります。ご自分でエスプレッソを作る方はご存じかと思いますが、刻一刻と味わいが変化していきます。
冷めたエスプレッソは、もう飲めたもんじゃ・・・いえ、別モノです。

立ち飲みカウンターで「抽出したてのエスプレッソに、砂糖を入れてクイッと飲む。」これが本場イタリアでのエスプレッソの飲み方だそうですが、味わいの劣化速度を考えると納得できる方法ですね。

一方、エスプレッソにスチームドミルク(蒸気で温めたミルク)やフォームドミルク(蒸気で温めつつ泡立てたミルク)を合わせたカプチーノ等の場合は、それほど時間の経過は影響しません。ミルクでエスプレッソの味わいが薄まり、さらに泡立てミルクをのせることで、カップ全体の保温効果が期待できるからです。
つまり、せっかちなエスプレッソもミルクと出会うことで、ゆっくりと楽しんでもらえる訳ですね。
ゆっくり味わうという意味では、日本のお茶を楽しむ感覚と似ていますね。
※日本でのエスプレッソブームの背景には、ミルクという陰の主役がいることを覚えておきましょう。

きまめや
生豆屋(きまめや)

水出しコーヒー徹底比較

水出しコーヒー
深煎り豆で作っても、水出しコーヒーだとまろやかな苦味に。

店長おすすめの「水出し珈琲」3種について、味わいの徹底比較をしてみたいと思います。

水出し珈琲バッグ(3日間抽出)・・・以下「バッグ」と省略
水出し珈琲ポット(24時間抽出)・・・以下「ポット」と省略
ウォータードリップコーヒーサーバー(2時間抽出)・・・以下「ドリップ」と省略

一番「まろやか」な口当たりなのは?

第1位 バッグ
第2位 ポット
第3位 ドリップ

1位と2位は甲乙付けがたく、殆どまろやかさに差は無かったです。ただ「バッグ」の方が、少しだけやわらかな口当たりでした。
「ドリップ」も十分まろやかですが、長時間抽出の「バッグ」と「ポット」にはかなわなかったです。

一番「香り」が強いのは?

第1位 ドリップ
第2位 ポット
第3位 バッグ

香りは「ドリップ」が、ダントツ1位です。やはり短時間抽出なので、豆本来の香りがしっかり残っていました。
2位、3位と、抽出時間が長くなるにつれて香りも少なくなってきます。

一番「環境に優しい」のは?

第1位 ドリップポット
第3位 バッグ

「ポット」と「ドリップ」は、何度も使えるフィルター付き。
「バッグ」は使い捨てなので、後かたづけがとってもラク。

一番「苦み」が強いのは?

第1位 ドリップ
第2位 ポット
第3位 バッグ

キリッとした苦みを堪能できるのは、「ドリップ」です。
「ポット」と「バッグ」はオブラートに包んだような感じのやわらかな苦みになります。

店長の考察

フィルターの目が一番粗いのが「ドリップ」。次に「ポット」。そして一番細かいのが「バッグ」になります。
フィルターが細かいほど抽出時間がかかりますが、まろやかな味わいに仕上がります。フィルターが粗いと、短時間抽出なので香りが残り、メリハリのある味わいに仕上がります。
同じ水出し珈琲でも、こんなに味わいが違うのは面白いですね。あなたは、どんな味わいがお好みですか?

注)水出し珈琲ポットはメーカー推奨の作り方ではなく、当店推奨の作り方で比較検討しました。作り方はこちら

きまめや
生豆屋(きまめや)

水出しコーヒー色々

水出しコーヒー

水出しコーヒーとは、その名の通り「水で抽出するコーヒー」のこと。高温抽出とは違う、まろやかな味わいを楽しめるのが特徴です。
当店でおすすめしている水出しコーヒーにも色々あり、大きく分類すると下記の3種類になります。

浸透式・水出しコーヒー

コーヒー粉と水を一緒にして、長時間おいてから濾す方法ですね。最初からメッシュの袋や容器に入った「水出しバッグ」「水出しポット」なら、濾す必要も無く片づけも簡単。十数時間~3日ほどかけて抽出すれば、長時間抽出ならではの、まろやかな味わいに仕上がります。

「バッグ」は作り方も後かたづけも、とっても簡単。抽出時間は2~3日。
「ポット」は何度も使えて環境にやさしい。抽出時間は12時間~1日。
どちらも抽出時間を変えて、濃さを調節することができます。

ドリップ式・水出しコーヒー

当店でオススメしているのは「ウォータードリップコーヒーサーバー」。
本格的な水出しコーヒーを手軽に楽しみたい方に、おすすめ。コーヒー粉にポタポタ水を落としならがゆっくりドリップする方法で、2時間程かけて抽出します。
フィルター不要で、環境にやさしい設計です。

チャカチャカ攪拌式?水出しコーヒー

香りアイスコーヒーは、私が考え出した面白い抽出方法。作り方が浸透式に似ていますが、チャカチャカ混ぜてから1時間以内のスピード抽出なので、苦みの強いスッキリした味わいに仕上がります。
注)水出しコーヒーだけど、まろやかには仕上がりません。

浸透式・水出しコーヒーは、多少抽出時間がオーバーしても問題ありません。少し苦みが強くなる程度です。ドリップ式・水出しコーヒーも、放っておけば勝手に抽出を終えてくれるので、難しいコツは要りません。
ポイントは、新鮮な「深煎り豆」を使うこと!
あと、水出しコーヒー長時間抽出でコーヒー成分がしっかり抽出されるので、安心のオーガニック(無農薬・有機栽培)のコーヒー豆を使うことをお勧めしたいと思います。

時間的に拘束されない水出しコーヒーは、忙しい人や忘れっぽい人(私)には、ピッタリな飲み物かも知れませんね。

きまめや
生豆屋(きまめや)

新型コロナについて3 感染後の発症を防ぐ?

とにかく免疫力を上げる

新型コロナ対策1対策2でもお話ししましたが、新型コロナを生き抜くためには免疫力がとても大事とのことです。
有効な薬とワクチンがまだ無いなかで、重症化するかしないか、重症化したあと命を落とすかどうかは、みなさんが持っている免疫力で決まると言っても過言ではないと思われます。

ということで今日は、免疫力アップのための重要なポイント「睡眠」について掘り下げたいと思います。

ウイルス感染・発症するのは「睡眠中」が多い

朝起きた時に「のどが痛い」「だるい」「風邪気味」と感じることはありませんか?寝る前まで元気だったのに。
これは睡眠中に体の免疫力が落ちるためだそうです。

寝ている間は、免疫細胞も活発に働けません。
また、口で呼吸している人は、鼻や喉の粘膜が乾きやすくウイルスが貼り付き増殖しやすくなるとか。

逆に粘膜が湿っていると、ウイルスが増殖しにくいそうです。
これは、湿度を50%以上に保つと、ウイルスの95%は活動できなくなるためです。
新型コロナウイルスも同じで、湿度が50%・気温23度以上で、活動が収まると言われています。

ではどうしたら良いでしょうか。
とりあえず・・・寝るときにもマスクをしませんか?

N95のウイルス対応マスクである必要はありません。
息苦しくならない布マスクで十分(湿度95%)ですし、コロナ対策でマスクをする理由(ページ一番下のリンク先)で紹介した「ハンカチでできる簡単マスク」でOKです。
目的は、湿度と温度を上げるためなので。

マスクが嫌な方は、寝室の湿度を上げるのはいかがでしょうか?
加湿器も役立つかも知れません。

睡眠の質と量が悪いと免疫力が落ちる

・悪い睡眠とは:中途覚醒や浅い睡眠が多い。睡眠時間が5時間以下、または9時間以上
・良い睡眠とは:深い眠りが多い。睡眠時間が5-9時間。

悪い睡眠だと、免疫力が落ちると言われています。
睡眠不足はもちろんダメですが、長く眠りすぎるのも良くないのですね。

とりあえず良い睡眠にするには、どうしたら良いでしょうか?
色々なアイデアがあるかと思いますが、ここではコーヒー(緑茶・紅茶も含む)についてお話ししたいと思います。

ご存知の通りコーヒーにはカフェインが入っていますね。
このカフェインには様々な健康効果があるのは、いままでお話しした通り。
でも「カフェイン耐性が弱い人」がコーヒーを寝る前に飲むと・・・
眠れなくなってしまう可能性があります。

また利尿作用で、寝ている間にトイレに行きたくなってしまうかも知れません。
トイレのために睡眠が中断されるのは、とても残念ですね。

これはコーヒーだけに限らず、緑茶や紅茶でも同じ事が言えます。
特に抹茶は、エスプレッソと同じくらい強く作用する
と考えてもらって良いかと思います。

もちろん、コーヒーも色々な濃度がありますね。
自分でコーヒーを作る方なら、「これくらいの濃度なら大丈夫」という基準をすでに持っている方も多いと思います。
免疫力を高める(腸内フローラの改善を助ける)コーヒーの効果を十分取り入れつつ・・・
睡眠にも影響を及ぼさないように、上手にお付き合いいただければと思います。

店長の考察

睡眠時間は、食事量や運動量も大きく関係するので、一概に何時間寝るべきか、とは言えませんね。
私は一日2食(たまに1食)しか食べないので、胃腸の仕事が少なく、必要睡眠時間は6時間くらいです。
その他、一日中パソコンの前に座っていると、運動不足で寝付きが悪くなります。
また日光に全然当たらないと、なかなか眠れないです・・・・光合成が必要なのでしょうか(植物系?)

とりあえず「睡眠」が免疫力を左右する重要なポイントになっているのは確かです。

・睡眠中は免疫力が下がる(ウイルスに弱くなる)。
・良質な睡眠が免疫力を上げる。

「睡眠中は免疫力が下がるけど、ウイルス防御&熟睡できれば免疫力アップ!」
と、覚えておいていただければと思います。

参考:

新型肺炎コロナウイルスについて1「コーヒーと免疫力」
新型肺炎コロナウイルスについて2「ちょっと待って抗生物質」

新型肺炎コロナウイルスについて4「重症化を防ぐ」
新型肺炎コロナウイルスでマスクが必要な理由

新型コロナでコーヒーの香りが分からない?

いま、免疫力を高めよう~新型コロナ、感染へのそなえ~(NHK)
風邪を引くのは睡眠中 免疫低下に加湿&安眠で対抗
日経Gooday
空気感染しない新型コロナ、換気なぜ必要?
(Asahi.com)

きまめや
生豆屋(きまめや)

春のキャンペーン遅延(または中止)のお詫び

例年この時期は「春のキャンペーン」を実施し、春の香りブレンドを新発売している頃ですが、現在私(店長)の判断で見送っております。

その理由として、ひとつは只今ご注文が多いためリピーターさまをさらにお待たせしてしまう可能性が高いこと。
もうひとつは、新型コロナが心配されるなか、スタッフ達に過度の負担をかけたくないこと、があげられます。

一日に発送できるコーヒー豆の数量が限られているため、ご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ございません。
またキャンペーンや春の香りブレンドを楽しみにしていて下さったリピーター様には、心よりお詫び申し上げます。

また状況が変わりましたら、ご報告させていただきます。
恐れ入りますが、今しばらくお待ち下さいますようお願い致します。


※発送できるコーヒー豆の数量が限られている理由については、焙煎時間・鮮度・欠点豆除去と味わいの関係をご覧下さい。


きまめや
生豆屋(きまめや)

モカの時間

自作モカチーノ。エスプレッソ&チョコパウダーにフォームミルクを注ぎ、チョコパウダーを上からかけます。

モカ=コーヒーの代名詞だった

コーヒーの名前は、産地(原産国)で呼ばれることが多いです。
例えば、コロンビア、ブラジル、メキシコ、ペルー、エクアドル等々。

でも「モカ」という国はありませんね。
「モカ」はどこの国のコーヒー豆を指すのでしょうか?

昔コーヒー豆はイエメンの港町「モカ」から積み出されていました。そのため、「モカ」近辺(エチオピア、イエメン)でとれるコーヒー豆をまとめて、「モカ」と呼ぶようになったそうです。

エチオピアがコーヒーの原産地なので、モカはコーヒー発祥の地ということになりますね。
当時はモカ経由のコーヒーしかなかったため、人々がコーヒーのことをモカと呼んでいたそうです。

大変栄えたモカ港は、1869年のスエズ運河開通とともに、港としての役割を終えました。
150年前に閉鎖された港の名前が、今なおコーヒー豆の呼び名として使われているのは感慨深いですね。

ちなみに弊社姉妹店があるニュージーランドでは、モカといえば「モカチーノ」のこと。
エスプレッソ&チョコレートにフワフワミルクを混ぜ込んだ、ほろ苦くて甘いコーヒーで大人気です。
そしてエチオピア産のコーヒー豆はモカではなく、そのまま「エチオピア」と呼ばれています。

入手困難な時期も

覚えている方もいらっしゃるかも知れませんが・・・
2008年に日本で、エチオピア産コーヒー生豆から基準値を超える農薬成分が検出、
輸入が規制され、日本国内では非常に手に入りにくくなりました。(エチオピア産コーヒー豆の有機塩素系殺虫剤残留について

安全なオーガニック・モカは一気に希少価値が高まり、価格が高騰し過ぎて、当店でも販売を断念した時期がありました。
あの時は、モカ好きのお客様のご要望にお応えできず、本当に辛かったです。
未だにオーガニック・モカは大変貴重ですが、2020年3月31日現在当店では販売しております(モカ・ナチュラル)。

モカの時間

実は今ご覧いただいているウェブサイトは、コーヒーを楽しみながらゆっくり読んでいただけることを目指して作ったものです。
タイトルは「モカの時間」。モカ=コーヒーとすると、「コーヒーの時間」ですね。

なぜわざわざモカにしたかというと・・・

昭和の純喫茶時代の懐かしい響き
モカチーノのほろ苦さと優しい甘さ
モカを浅めに焙煎した時の、特有のフルーティな香り
モカを深めに焙煎した時の、甘い香りとコク・・・

そんな印象が全部混ざり、私の中では「モカ」という響きが特別なものになっているから、かも知れません。

これからどんどん記事を増やしていきますので、ぜひまたお越し下さい。

きまめや
生豆屋(きまめや)