超善玉ホルモン・アディポネクチン(1)コーヒーを飲んで増やす

アディポネクチンとは?

アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで血中に豊富に存在しています。別名「超善玉ホルモン」とも呼ばれ、下記のような特徴があります。

1)内臓脂肪が増えると、アディポネクチン血中濃度が低くなる。
 →アディポネクチンの減少は、メタボリックシンドロームと深く関係。

2)アディポネクチン血中濃度が低いと、将来の2型糖尿病発症リスクが高くなる傾向。

3)アディポネクチン血中濃度が低いと、高脂血症(脂質異常症)や心筋梗塞の発症との関連も指摘。

4)女性より男性の方が、アディポネクチン濃度が低い傾向。
——–
アディポネクチンという言葉自体が分かりにくいかも知れませんね。
とりあえず、「アディポネクチンの血中濃度が、高いと安心。低いと心配。」という解釈で大丈夫だと思います。

しかし、脂肪細胞から分泌されるホルモンなのに「脂肪が増えると(肥満になると)減る」というのは変な感じですね。あと、逆に脂肪が少なすぎても減るそうです。つまり、太りすぎ&痩せすぎだと、アディポネクチンが減ってしまうということですね。

コーヒーを飲むとアディポネクチンが増える!

最近の研究で、アディポネクチン血中濃度はコーヒー摂取量に伴って増加することが分かりました。
また、全身の炎症の指標である高感度CRP、中性脂肪、肝機能マーカーは、コーヒー摂取量が増えると、それぞれ減少することが分かりました。

つまり、コーヒー摂取量が増えるとアディポネクチンも増え、それを介して中性脂肪と炎症反応の減少、肝機能マーカーの減少をもたらす可能性を示したことになります。

コーヒーが2型糖尿病や高脂血症、心筋梗塞等の予防になることについて、以前からお話ししていますね。
その研究結果が、このアディポネクチンと関係しているのか、それともまた他に要因があるのか?私の勉強不足のせいかも知れませんが、未だに不明です。
また何か情報がありましたら、お知らせしたいと思います。


コーヒーの摂取量について

なお、「コーヒー摂取量が増えるとアディポネクチン増える」・・・についてですが、飲めば飲むほど良いか?については不明です。
この研究では、「一日4杯以上飲む人」が一番良い結果が出ていますが、それが4杯なのか5杯なのか、それとも10杯なのかは分かりません。

あと、この研究では最後に「因果関係を証明するには、さらなる研究が必要」とし、「現時点では無理してコーヒーを飲む量を増やす必要は無い」と言っています。でも「コーヒーを飲みながらほっと一息つく時間をとるのは、心身共に良い効果が期待できる」と。

私も同感です。
コーヒーは無理して飲んでも美味しくありませんね。
飲みたい時に美味しいコーヒーを飲んで、一息つく。この幸福感が一番大切ではないでしょうか。

ところで、男性よりも女性の方が、アディポネクチンの血中濃度が高いのは興味深いですね。
「だから女性の方が平均寿命が長いのかな??」とちょっと思いました。
男性方も、美味しいコーヒーを飲んでリラックスするついでに、アディポネクチンを増やしてみてはいかがでしょう?

※すでに持病がある方、お薬を飲んでいる方は、必ず担当の医師にコーヒーを飲んでも大丈夫か相談しましょう。現在服用している薬との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

【本レポートの参照元】
コーヒー摂取による生活習慣病予防効果のメカニズム -アディポサイトカインを介した影響(愛知職域コホート)
アディポネクチンと糖尿病・心血管病の分子メカニズム(第128回日本医学会シンポジウム)

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心筋梗塞&脳梗塞予防にコーヒー

血栓を作りにくくするコーヒー

心臓に血液を送る血管に血のかたまりが詰まると心筋梗塞に、脳の血管に詰まると脳梗塞になる恐れがあります。
どちらも組織に十分な酸素が行き渡らなくなって起きる病気ですが、コーヒーを飲むことで何か効果を期待できるのでしょうか?

2010年8月、東海大学医学部の後藤信哉教授の研究グループが、マウスを用いた実験でコーヒーを飲むことで血のかたまりが血管に詰まり(血栓)にくくなることを示しました。
その効果はあきらかで、心筋梗塞の再発を防止するアスピリンという薬よりも、コーヒーの効き目の方が断然強かったそうです。

以前は、コーヒーは心筋梗塞に悪い影響を与えると言われていましたが、これはコーヒーと一緒にタバコを吸う人が多かったためで、タバコと分けて研究した結果は「コーヒーを飲んでいる人のほうが心筋梗塞になりにくい」と結論付けています。
なお後藤教授の研究結果では、血栓予防に有効なコーヒー成分を特定するに至っていません。

有効成分はニコチン酸?

他の研究で、コーヒーに含まれる唯一のビタミン「ビタミンB3」が作用しているのでは?というものがありました。
これはナイアシンとも呼ばれ、コーヒーに含まれているのはその中の「ニコチン酸」という物質です。
※ニコチンという名前が入っていますが、タバコのニコチンとは無関係です。

2004年12月、カリフォルニア大学医学部のMeyers CDらの研究により、このニコチン酸を多めに摂ることで、血液がサラサラになり、血管の弾力が増すと結論付けています。
もちろん、この成分だけが影響しているとは言い切れませんが、もしニコチン酸を積極的に摂りたいならどんなコーヒーを選べば良いでしょう?

ニコチン酸をたっぷり摂るなら深煎り

ニコチン酸は、深煎りコーヒー豆の方が多く含まれます。具体的には、中煎り程度から増え始め、ごく深煎りが一番多くなります。
そのため当店のコーヒーですと「きまめやブレンド深煎り」のように「○○深煎り」と書いてあるものや、メキシコ・シエラモレーナ(深煎り)、ヨーロピアンブレンド(ごく深煎り)もおすすめです。

これからアイスコーヒーが美味しい季節になりますが、アイスには深煎り豆が一番合いますね。
病気予防も兼ねて、糖分タップリのソフトドリンクの代わりに、美味しいアイスコーヒーはいかがでしょう?
焙煎したての深煎りコーヒーを使ったアイスコーヒーは、透明感のある味わいで市販のアイスコーヒーとは比べものにならない味わいです。
ぜひお試し下さい。

【注】持病がある方は、必ず担当の医師に相談しましょう。現在服用している薬との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

【参考】
美味しいアイスコーヒーの作り方
長寿ブレンドの作り方
長寿ブレンド秘話
手焙煎で健康コーヒー(病気予防に)

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コーヒーは体を冷やす?温める?

「体を冷やす」という根拠は?

よく「コーヒーは体を冷やす」と聞きますが、その根拠をたどると「南国で収穫されるから」というのが一番の理由のようです。
確かに赤道付近の国で収穫されますが、コーヒーの産地は標高が高く平均気温は15℃~24℃程度。寒暖の差が大きいのが特徴で、その寒暖の差があるからこそ、美味しいコーヒー豆が出来る訳です。

そう考えると、それほど暑い場所で栽培された訳ではありません。むしろ日中は少し暑いけど、夜は寒いくらいの場所で育っていると言えるでしょう。

「体を温める」という根拠は?

色々調べると、体を温めるという根拠の方が沢山ありました。
まずは、カフェインによる「血行促進作用と興奮作用」。これだけを見ても、体温が上がるような気がしますね。

次に「利尿作用」。体内の過剰な水分は冷えを起こすと言われるため、利尿作用はむしろ体を温めてくれる効果が期待できます。

そして、何故か「寒い国で沢山のまれている」という事実!もし本当に体が冷えるなら、寒い国ではきっと飲みたくないですね・・・。

その他、コーヒーポリフェノールに血管拡張作用が期待できる等いろいろあります。
だからといって「コーヒーは体を温めるんだ!」とは言い切れませんが、とりあえず私の経験上からも「あったかいコーヒーを飲むと体があたたまる」ということで問題無いと思います。

ただ一つだけ気をつけたいのが「砂糖」。
グラニュー糖や白砂糖は、体に入るとすぐに血液中に吸収されて血糖値が急上昇します。その後インスリンが大量に分泌されることで低血糖になり、手足が冷える原因にも。
砂糖の入れすぎには、ご注意下さい。

なお鮮度と品質にこだわった「焼きたて挽きたてコーヒー」だったら、甘味を入れなくても十分美味しいです。
ぜひ「焙煎日発送」の生豆屋のオーガニックコーヒーをお試し下さい。

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成人病予防なら濁りコーヒーが一番?

成人病予防のためのコーヒーの条件

コーヒーを飲みたい理由は、いろいろありますね。美味しいから、香り豊かだから、だけではありません。気分転換のため、目を覚ますため、食後のひとときを楽しむため、口臭を消すため等々。
そして、日本では成人病予防のために飲んでいる方も多いのでは無いでしょうか。

なぜ日本では・・・と書いたかというと、一つは成人病予防効果に関する研究が積極的に行われ発表されていること。
そして歴史ある「お茶文化」を持つのため、ブラック(砂糖を入れない)で飲む人が多いことがあげられます。 やはり成人病予防ですから・・・イタリア人がエスプレッソを飲む時のようにドバドバ砂糖を入れてしまうと効果が半減してしまう恐れがあるのはご理解いただけるかと思います。

さらに「ブラックで美味しく飲める環境」が他国に比べて整っていることも重要なポイントです。
新鮮な焼きたてコーヒー豆店がご近所に無くても、通信販売で簡単に購入することができます。
当店の場合でしたら、離島以外なら「焙煎日の翌々日」までにはお届けできるシステムになっており、これは宅配網が充実しているおかげと言えるでしょう。
また自宅で焙煎する方も年々増えており、十数年前に比べると鮮度に対する意識が格段に向上してきました。
これだけの環境・意識があれば「日本は世界一美味しい・体に良いコーヒーが飲める国」と言っても過言では無いでしょう。

なおブラックで美味しく飲むためには、「鮮度や品質」が大事なのは言うまでもありません。なぜなら、それらを満たしていないとブラックで飲んでも胃が痛くなるだけだからです。
もちろん「胃が頑丈だから鮮度や品質なんか気にしない!」という人や「胃が痛くなって食欲減退→ダイエットできる!」のが目的な人なら問題無いですね。

「濁りコーヒー」は、成人病予防の味方?

さて。成人病予防効果について様々な研究が行われていますが、皆さまご存知でしょうか。主な研究結果については秘蔵!コーヒー豆知識「コーヒーと健康・・・病気の予防やダイエット効果を検証」でも紹介しておりますので、よろしかったらご覧下さい。

ところで成人病予防には、コーヒー豆のどの成分が貢献しているのでしょう?
実際にはハッキリと分かっていないのですが、恐らくコーヒーポリフェノール「クロロゲン酸」がその一つだろうと言われています。
そして、その「クロロゲン酸」が「浅め~中煎り豆(深煎りではない豆)」に多く入っていること、コーヒー豆を挽いたときの微粉に沢山含まれていることも、以前お話しした通りです。

そこで、微粉ごと一緒に飲んでしまう「濁りコーヒー」は、実は一番効果的なのでは?と気付きました。
ペーパーフィルターで濾さないと透明感も無いし、深煎りじゃないと渋みも感じやすくなるけど、その渋みがまさに「クロロゲン酸」の正体!だったら、丸ごと一緒に飲んでしまっても良いでは?

もちろん味の好みは十人十色なので、無理して慣れない「濁りコーヒー」を飲む必要はありません。ペーパーフィルターで濾しても渋みを感じることはできます。
コーヒーは、やはり「美味しい!」と感じることが一番大切ですから・・・。
せっかくストレス解消できる機会なのに、嫌いな抽出方法でストレスためたら勿体ないですね。

【注意】医師からコーヒーを控えるように言われている場合は、その指示に必ず従って下さい。処方されている薬の成分との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

【参考】
心筋梗塞&脳梗塞予防にコーヒー
深煎りコーヒーに含まれる成人病予防成分について
長寿ブレンド秘話

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食後にコーヒーが飲みたくなる理由

以前お話ししたようにコーヒーは「口臭予防効果」があるせいか、食後に飲むと口の中がサッパリします。
特に、ミルクやクリームを入れないで飲むとサッパリ感が増すような気がします。

また食事と一緒にお酒を飲んだ場合は、最後にコーヒーを飲むと効果的です。
コーヒーに含まれるカフェインには、肝臓でのアルコール分解を促す働きがあり、さらに利尿作用もあるので、アルコール分解後の老廃物も体外へ排出されやすくなるそうです。
詳しくは「アルコール性肝硬変とコーヒー」からご覧下さい。

その他「もう一品欲しい時に、コーヒーを飲むと食欲が落ち着く」という意見や、お腹一杯の時に「これで食べ終わり!」と締めくくるのにも役立つという意見もよく伺います。

また「食後には甘いモノを食べないと気が済まない!」という方は、お菓子の甘味を引き立たせるために苦味のあるコーヒーを選ぶことも多いです。
食後のコーヒーの理由は、本当に色々とありますね。

<参考>
コーヒーのダイエット効果(血糖値を抑える)
コーヒーと糖尿病 その1(色々な研究結果)
コーヒーと糖尿病 その2(予防と飲むときの注意)
コーヒーと糖尿病 その3(発症後に楽しむ方法)

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コーヒー成分クロロゲン酸と水の硬度

硬度によってクロロゲン酸量が変わる?

以前、水の硬度によってコーヒーの味わいがどうかわるかについて、実験・レポートしましたね。
実験結果から、硬度が高い(硬水)ほど苦味が強く、低い(軟水)ほど酸味やまろやかさが出る・・・ということでした。

今日は、「コーヒー成分のクロロゲン酸は、硬度によって抽出されやすくなるのか?」について考察したいと思います。
クロロゲン酸といえば・・・近年成人病予防に効果アリという研究結果が多く出ている、気になる成分ですね。

味わいの好みでコーヒーを選ぶ方だけでなく、病気予防のために・・・
という方もいらっしゃるかと思いますので、参考までにご報告させていただきます。

酸味とクロロゲン酸の関係

日本調理科学会誌で発表された論文(※)によると、クロロゲン酸量は硬水で抽出するよりも、軟水で抽出した方が多くなると報告されています。
さらに、酸味が強いとクロロゲン酸量も多くなる傾向があるということでした。

つまり同じコーヒー豆で抽出した場合では、軟水で抽出した方がクロロゲン酸が多く抽出されるということになります。
軟水は酸味が出やすいので、酸味と連動するクロロゲン酸が多くなるのは納得できますね。

それでは、硬水だとクロロゲン酸を摂取できないか?というと・・・
コロンビア産豆の実験でクロロゲン酸量が、硬水39mg/100mlに対して軟水41ml/100mlと、わずか2mgの違いとなっています。
他の豆の実験でも10mg/100mlも違わないので、あまり神経質になる必要は無いと思います。
強い苦味が好きならやっぱり硬水がおすすめですし、少し多めにコーヒーを飲めば同じ量を摂取できると考えられます。

ちなみに、日本の水道水は殆ど軟水なので、そのままご利用いただければクロロゲン酸が抽出されやすいということになります。
あと、コーヒー豆は焙煎が深くなるほどクロロゲン酸が減っていきますので、もし積極的に摂取したい場合は深煎りを避けた方が良いでしょう。

(※)日本調理科学会誌Vol.41 No.4 257~261(2008)
「コーヒーの味に及ぼす抽出条件およびクロロゲン酸量の影響」

<参考>
コーヒーのダイエット効果(血糖値を抑える)
心筋梗塞&脳梗塞予防にコーヒー

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コーヒーの渋味は健康的な味。

渋みの正体

コーヒーの渋み成分は、何でしょう?
コーヒーポリフェノール「クロロゲン酸」が主な渋味の成分になります。そしてその多くは、生豆表面の薄皮(シルバースキン)部分に存在しているそうです。

クロロゲン酸は、生豆の状態で非常に多く含まれており、焙煎が深くなるにつれて減少していきます。
そのため、浅めの焙煎豆(中煎り~深め中煎り)では渋みを感じやすく、深煎りの焙煎豆(やや深煎り~ごく深煎り)では感じにくくなります。
#コーヒー成分による渋味の他に、ミルの性能によっても微粉が出て渋み・苦味が比較的強く感じられる場合もあります。

渋みから生まれる効果

渋味の原因であるクロロゲン酸ですが、実はアンチエイジング効果や様々な成人病予防効果があると言われています。
例えば、2型糖尿病や肝疾患、高血圧や大腸がん予防等々。「この予防効果を期待してコーヒーを飲んでいる!」という方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

最近は、いろいろと処理を施して薄皮を排除し「渋くないコーヒー」を求める傾向もあるようです。せっかく健康的なのに、勿体ないですね。

浅め焙煎のかすかな渋味も、複雑なコーヒーの香味と厚みのある絶妙な味わいを演出してくれます。「コーヒーの渋味は、ちょっと苦手」という方も、健康維持も兼ねて渋味と仲良くなってみてはいかがでしょうか。
深煎りとはまた違った美味しさに気付いていただけると思います。

注)浅め焙煎の場合は、できるだけ抽出する直前に挽きましょう。挽いてから時間が経つと、酸化による酸味が強く出てしまうためです。

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冷めても美味しいコーヒー

熱過ぎ注意

以前「大腸ガン予防とコーヒー」についてお話しした際、「熱い物を飲むと食道ガンになるリスクが高くなる」こともご紹介しましたね。
その後いろいろと調べていくうちに、熱い物の摂取で胃ガンのリスクも高くなることが分かりました。
「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」と言いますが、残念ながら食道や胃は忘れてくれないようです。

でも、最初は美味しく感じたコーヒーが「冷めたら不味くて飲めない」という経験はありませんか?
これは、抽出後少しずつ酸化が進み、酸化による酸味や渋みを感じやすくなるためです。

冷めても美味しいコーヒー

「冷めたら美味しい!」という訳には、なかなかいきませんが。
「冷めてもまだ美味しい!」というのは可能だと思います。

もちろん、抽出直後の適温ほどの美味しさはありませんが、十分妥協できる美味しさにすることはできます。そのポイントは、下記の通りです。

1)新鮮な焙煎豆!
一番大事なのは、やはり焙煎豆の鮮度。
いくら保存や抽出に工夫しても、焙煎後何ヶ月も経った豆では「冷めてもまだ美味しい!」は難しいです。
オールドビーンズもあるくらいですから、「生豆」が新鮮な必要はありません。でも一度焙煎したら、できるだけ新鮮なうちに使い切るようにするのがポイントです。

2)焙煎加減は、やや深め~がおすすめ。
浅めの焙煎ですと、酸化による酸味も強く感じられます。
もし酸化による酸味が苦手なら、浅めの焙煎は避けて深め~深煎りの焙煎加減を選びましょう。

ゆっくり飲む幸せ

いくら体に良いといっても、運ばれてきたコーヒーが最初から冷めていたら「これ古いの?」と聞きたくなりますね。最初はちょっと熱めで、それを冷ましながら飲んでいく・・・というのが理想的ではないでしょうか。

予めコーヒー抽出器具やカップを温め、適温の90℃程度でドリップすれば、香りも飛びにくく抽出後はちょうど良い「ちょっと熱め」の温度になります。それを、少しずつ冷ましながらゆっくり最後まで楽しめたら、幸せな気持ちになれますね。

※90℃にする目安:ヤカンで沸騰させたお湯を、抽出用の細口ポットに移すと温度が適度に下がります。もちろん、気候や湯量によっても異なりますので、一度温度を測ってみることをおすすめします。

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コーヒーと糖尿病 その3

以前、コーヒーは2型糖尿病(以下、糖尿病と略します)の予防に効果的、というお話をしました。
今日は、糖尿病を「すでに発症している人」はコーヒーとどう付き合ったら良いかについて、提案したいと思います。
※2型糖尿病:遺伝的な要素に、過食や運動不足、ストレスなどの生活習慣が加わって発病するタイプの糖尿病。

「予防」と「発症後」の違い

糖尿病の「予防」として、コーヒーを飲むのは効果的であるという研究結果がいくつか発表されています。

その理由として、コーヒーに含まれるカフェインが、脂肪の燃焼を助けて体重増加を防ぐからとか。
または、コーヒー成分のクロロゲン酸が作用して間接的に血糖値をコントロールしているのでは? 等々いろいろな説がありますが、まだハッキリとは解明されていません。

一方、「予防」ではなく「すでに発症している人」は、どうでしょう?
色々調べたところ、コーヒーを「たっぷり飲む」のは控えた方が無難のようです。
大量にコーヒーの「カフェイン」を摂取すると、炭水化物の利用効率が悪くなり血糖値が高くなる恐れがあるからです。

予防で沢山飲んでOKでも、発症したら要注意とは・・・
コーヒーの成分が複雑に影響しているため、なかなか難しい所のようですね。

糖尿病発症後のコーヒーの飲み方

発症すると、食後の血糖値コントロールがとても大事になります。
コーヒーのカフェインによる影響を抑えるため、発症している人は食事中や食後のコーヒーは控えた方が良いでしょう。
#コーヒーだけでなく紅茶や緑茶、清涼飲料に含まれるカフェインも要注意です。

「でも、やっぱりコーヒーが飲みたい!」
そんな時は、空腹時・食間に飲むことをオススメします。嬉しいことに、空腹時にコーヒーを飲んでも血糖値の変動は殆ど見られないそうです。

さらに、アラビカ種の豆を選び、できれば抽出はアメリカン(薄め)で。そうすればカフェイン量も減り、より安心ですね。
※当店でお取り扱い中の豆はすべてアラビカ種ですので、ご安心下さい。

もちろん、服用中の薬や体質との相性もあるかと思います。コーヒーを飲むときは、必ずかかりつけの医師に相談してからにしましょう。

アラビカ種:カフェイン量がロブスタ種の半分。

<参考>
コーヒーと糖尿病1(色々な研究結果)
コーヒーと糖尿病2(予防と使用上の注意)
アメリカンコーヒーの作り方

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コーヒーと糖尿病 その2

1日10杯で8割減?!

「コーヒーを1日数杯飲む人は、糖尿病のリスクが3割近く下がる」という調査結果を、フィンランドの研究機関が発表しました。(※)
35~64歳の約1万4600人を調査した結果、1日3~4杯のコーヒーを飲んだ場合、飲まない人に比べ女性で29%、男性で27%糖尿病にかかる率が減少。
1日10杯以上飲んだ場合、女性で79%、男性で55%の減少となったそうです。

しかし。いくら効果的と言っても「1日10杯以上」はなかなか難しいですね。どうやって10杯以上飲む人を集めたんだろう? と疑問に思った所・・・
フィンランドの「コーヒー豆の1人当たり年間消費量」は世界一で、何と約11kg! 
1日9杯飲むのが平均だというから驚きです。なるほど。だからコーヒーに対する意識も高く、調査報告も多い訳ですね。

アメリカなどでも最近、同じような研究報告がされていますが、どうしてコーヒーが効果的なのかは未だに判明していないそうです。

※フィンランド国立公衆保健研究所が、2004年3月10日発行の米医師会誌(JAMA)に発表しました。

無理しないように注意

ここで知っておいていただきたいのは、どの研究機関も「あくまで適量を飲むこと」をすすめている、ということです。
「そうか!効果的なのか!」と言いながら、無理してガブガブ飲まないよう、お気を付け下さい。

私が思うに「あー、コーヒーが飲みたい!」と思った時に、新鮮で体に優しいコーヒーを飲むのが一番ではないでしょうか。
飲みたいときに美味しいコーヒーを飲むと、体にスッと入っていきますし、胃ももたれません。
しみじみ美味しくて、幸せな気持ちになれます。
当店のお客様でも「コーヒータイムがストレス解消!」という方がとても多いです。

あと、お砂糖&ミルクをたっぷり入れて1日何杯も飲むと逆効果の恐れもありますので、ご注意下さい。
また「コーヒーなら何でもいいかな」と「糖分タップリ缶コーヒー」を何本も飲んだりしないように、くれぐれもお気を付け下さい。

<参考>
コーヒーと糖尿病1(色々な研究結果)
コーヒーと糖尿病3(予防と発症後の違い)
悪魔の飲み物「缶コーヒー」

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