コーヒーの健康効果(海外の研究から)

成人病リスクを減らす効果

Harvard Medical Schoolの科学者Dr. Frank Huが、1976年から20年間、約21万人の人々を対象にコーヒーが人体に与える影響について研究しました。
その結果、心臓血管病や神経変性疾患(筋萎縮性側索硬化症 ALS、パーキンソン症候群、アルツハイマー病など)だけでなく、自殺行為のリスクを減らす効果があることを発見しました。

「コーヒーはとても複雑な飲み物。何百何千もの生理活性化合物を含んでおり、それぞれの化合物や化学物質がどう影響しているかを見つけるのは、ほぼ不可能でしょう。
コーヒーの健康効果は、いくつかの化合物からだけ引き出されるのではなく、沢山の化合物やミネラル、抗酸化物質の”相乗効果”によるものと思われます。
そしてコーヒーと言えばカフェインですが、デカフェ(カフェインレス、カフェイン抜き)コーヒーでも血液疾患や糖尿病についてはカフェインを含むレギュラーコーヒーと同じ効果が見られました。」

一方で、Hu教授はコーヒーと健康に関する研究の難しさも指摘しています。
「コーヒーを常飲する人のうち、沢山の人がタバコを吸っています。そして、タバコを吸わない人だけのグループではさらに明白に健康効果が見られました。
つまり喫煙は、コーヒーの潜在的な健康効果を消してしまうので、コーヒーと喫煙は分けて考察する必要があります」

さらにHu教授の新しい研究では、上記疾患の他、肝臓ガンを含む肝疾患や鬱病のリスク減少、血糖の新陳代謝を助けインシュリンの感受性を改善し、炎症も抑える働きもしてくれることが分かっています。

Hu教授は、全員に同じようにコーヒーの効果が現れる訳では無いとし、自分の健康状態に合わせて適度にコーヒーを飲むことを勧めています。

日本の研究結果と類似

上記の記事を読んだとき、日本で行われた研究結果と類似していると思いました。
コーヒーと様々な病気予防については、沢山お知らせしましたね。詳しくは秘蔵!コーヒー豆知識の「コーヒーと健康・・・病気の予防やダイエット効果など」にまとめて掲載されておりますので、興味のある方は是非ご覧下さい。

なおALSと鬱病・自殺予防については、私も知りませんでした。
また何か研究結果を見つけたら、お知らせしたいと思います。

<参考>
BUSINESS INSIDER VIDEO(Nov. 25, 2015)
A Harvard scientist who’s studied coffee for 20 years explains why the drink is amazing

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーを飲むと目眩(めまい)が起きる?

コーヒーと目眩(めまい)の関係

コーヒーと目眩の関係について書かれている記事をいくつか見つけました。それらの記事では、主な原因として下記があげられていました。

1)カフェインによる影響(カフェイン過敏症を含む)
カフェイン過敏症の人だけでなく、免疫力が低下している時や胃腸が弱っている時などにコーヒーを飲むと、カフェインの刺激で気分が悪くなったり、動悸、発汗、手の震え、脱力感等の症状が出ることがある、とのことです。 つまり、カフェインが目眩を起こしている、という説です。

2)脳や神経などの別の異常
コーヒーをやめても目眩が改善しない人は、身心の別の異常の可能性がある、とのことです。つまり、コーヒーのせいだと思っていたら、別の病気のせいだった、という説です。

以上です。確かに、そういうことも考えられますね。
でも、コーヒーに入れる「砂糖」も原因になりうることが、全く書かれていなかったのが不思議でした。
砂糖の糖質と、コーヒーの何らかの成分(恐らくカフェイン)の効果で、血糖値が急上昇するのは以前お話ししましたね。 その後に急降下した際に発汗、動悸、手の震え、脱力など低血糖の症状が起きることがあります。特に空腹時は、急降下しやすいです。

飲んだ直後の急上昇の時は「力が沸いてきた~!!」となるのですが、急降下の時には強い空腹感とともに「ふらふら~」となってしまう訳です。
これはカフェインと糖質がたっぷり入っている「エナジードリンクや栄養ドリンク」も全く同じですね。

このように血糖値が急上昇・急降下しやすい人は、意外と多いと言われています。
一説によると、日本人の2人に1人が低血糖症ではないかと言われているほど潜在的患者がいるとか。ちなみに私も、そのうちの一人です。
甘いものを肌身離さず持っていないとダメという人は、もしかしたら私と同じ体質かも知れません。

以前は、体調が悪くてフラフラしているのかと思っていましたが、血糖値が急上昇しない食生活に変えたら大幅に改善されました。 ここ数年、低血糖の症状は全く出ていません。

もちろん「たっぷり砂糖を入れても全然問題無い!」という体質の人も沢山いますので、一概に砂糖が悪いとは言えません。ただ私のような体質の人は、少し工夫して「甘いコーヒー」を楽しむことをお勧めします。

甘いコーヒー飲んでもフラフラしないために

コーヒーに砂糖を入れる人が多いのは、やはり苦みを相殺するためでしょうか。
そんな甘党の方ができる対策としては・・・

(1)ミルクやクリーム・豆乳等を入れて味わいをまろやかにして、砂糖の量をできるだけ減らす(ミルク等は糖質が低いので血糖値があがりにくいです)。

(2)一緒に食物繊維の多いものを食べる(食物繊維を一緒に摂ると、血糖値の上昇・下降がゆるやかになります)。

(3)砂糖以外の低糖質な甘味料を使う(※副作用があるものもあるので、ご注意下さい)。

たとえば、私は空腹時にエスプレッソに砂糖を入れて飲むと、30分~1時間後には必ず強い脱力感に襲われフラフラします。 コーヒーに限らず、コーラ系、コーヒー紅茶系の甘いソフトドリンク、栄養ドリンクを空腹時に飲んでもダメです。
あと濃い抹茶&甘い和菓子の組み合わせも苦手です。すごく美味しい組み合わせなので、本当に残念ですけど。

甘いコーヒーのお話をしましたが、私は「甘くないコーヒー」の方が好きです。
コーヒー本来の味わいを楽しめますし、一緒に食べるスイーツの味わいもグッと引き立ちますね。

甘党の方も、新鮮なコーヒーを入手できたら是非「砂糖無し」でお試し下さい。
きっと新しい発見があるに違いありません。

きまめや
生豆屋(きまめや)

ソイラテ(2)調整・無調整と大豆イソフラボンについて

豆乳の種類

豆乳には大きく分けて2種類あります。
「調整豆乳」と「無調整豆乳」で、どちらを選ぶかも重要なポイントになります。

調製豆乳
味わいが牛乳に近い風味な場合が多く、初めて試す方にも飲みやすいと思います。
またコーヒーと合わせた時に分離しにくく、それほど温度等を気にせずに気軽に作れるのも魅力ですね。
ただ、風味良くするため、または品質を安定させるために、乳化剤、糊料、香料などの食品添加物や砂糖(!)が入っており、気になる方は要注意です。
大手カフェで使われている豆乳は、特に表示が無い限りは調製豆乳を使っていると考えて良いと思います。

無調整豆乳
私のようにお豆腐の香りが好きで、食品添加物が気になる方におすすめです。
でも熱々のコーヒーと合わせると、主成分のタンパク質が固まって分離してしまう恐れがあるので気をつけてください。
またコーヒーと混ぜる前に豆乳だけ温める場合は、人肌よりも少し熱いくらいで止めましょう。約63℃を過ぎると分離・凝固しやすくなります。
※ドリップしたコーヒーに冷たい豆乳または人肌程度に温めた豆乳を加える程度なら、あまり心配しなくても大丈夫だと思います。ドリップし終わった段階で、コーヒーの温度も適度に冷めていますので。

無調整豆乳をカフェで出すのは難しいかも知れません。やはりお豆腐感がかなり強くなりますので、一般ウケはしないと思います。
もし出すなら「無調整(無添加)」をアピールしないと、「ここのソイラテは不味い」と誤解が生じる可能性も。
私は逆に、砂糖を入れていないのに「甘くてミルキィなソイラテ」を飲むと「大丈夫これ?」と心配になりますが・・・。


大豆イソフラボンは摂るべき?控えるべき?

豆乳や大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、フラボノイドの一種です。これは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをし、また抗酸化作用があるため、健康維持や美容に大きな効果があると言われています。

その一方で、体への作用が強いため過剰摂取への注意も聞かれるようになりました。日本人は元々、お豆腐や納豆、みそ・醤油など昔から大豆を日常的に摂取していますので、耐性があるような気もしますが。それでさらに過剰摂取になってしまっているかも?と考えると・・・少し心配ですね。

どのくらい飲んでも大丈夫?と言われてもお答えするのが難しいですが、一日に何度もソイラテを飲まずに1回飲んだら次は他のものを飲もう!という感じで良いのではないでしょうか。
農林水産省は大豆イソフラボンについて、特に妊婦さんと小さいお子さんは摂りすぎ注意と言っています。また、まだ研究段階でその影響が良く分かっていない、とも。

とりあえず「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということで。
焙煎したての新鮮なコーヒーなら、ブラックでも十分美味しいですよ!

<参考>
ソイラテ(1)豆乳コーヒーとの出会い

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生豆屋(きまめや)

ソイラテ(1)豆乳コーヒーとの出会い

お豆腐のイメージが強すぎて・・・

コーヒー豆に携わって18年近くになりますが、つい最近までソイラテ飲んだことがありませんでした。それ以前に、豆乳自体を飲んだことが無かったのです。

お豆腐は大好きで、おからも大好き。でも豆乳だけは・・・お豆腐味の飲み物なんて、ありえない!!そんな先入観があり、うん十年も敬遠してきました。
なんて頭が固いのでしょう。

転機は意外にも、海外で訪れました。
よく滞在するオークランド(ニュージーランド)には、街中にカフェが沢山あり、老若男女(中性の方々も)集っています。そこで友達とお茶することになったのですが、店員さんが誤って友達のソイラテを私に運んでしまいました。

見た目は私が注文したカフェラテと見分けがつかないので、そのまま飲むと・・・
「ん?何か違う。懐かしい風味で・・・美味しい!」

これがソイラテとの初めての出会いでした。
ちょっとショックでしたね。もっと早く飲んでおけば良かったと、心から思いました

ちなみにニュージーランドでは、カフェの珈琲といえばエスプレッソ。
でもイタリアと違いエスプレッソのまま飲む人はほとんど居なくて、フラットホワイト(Flat White)やラテなどミルクと合わせて飲みます。
つまり、ミルク&コーヒー=コーヒーですね。

エスプレッソ単品だと人気が無いのは、日本のシアトル系カフェと同じです。
ドリップコーヒーに比べると、味わいが強いからでしょうか。


意外に人気の豆乳(Soy Milk)

大豆製品なら日本が一番普及しているはず!と思っていたのですが、豆乳についてはオークランドのカフェの方が沢山使われている気がしました。
0.5ドル追加すると「牛乳から豆乳に変更可」という表示もよく見かけます。
マックカフェでも全てのコーヒーメニュー(ミルク入り)が豆乳に変更可ですし、スーパーでも色々なメーカーの豆乳が販売されています。
「豆乳=健康的で美味しい」というイメージが、しっかり定着しているようです。

確かに、豆乳の糖質は牛乳より低く、最近注目を浴びています。
ただしメーカーや種類によって糖質量は異なるので、持病で糖質制限中の方やダイエット中の方は成分表示をしっかりチェックしましょう。

個人的には「コーヒーはブラックが一番!」と思っておりますが、疲れた時や小腹が空いた時など、豆乳のようなタンパク質・食物繊維がしっかり入っているものと一緒に飲むと、お腹が落ち着いて良いですね。

次回は、調製豆乳と無調整豆乳、コーヒーと混ぜるときのポイント、大豆イソフラボンの影響等についても考察したいと思います。

———
※ここでは、「ソイラテ」=コーヒーと豆乳を混ぜたものとしてお話ししました。
「ソイ(Soy)は英語で大豆、ラテ(Latte)はイタリア語で牛乳なので、厳密に言うと「大豆牛乳」でコーヒーと無関係になります。
でも少なくとも、日本とニュージーランドではソイラテ(Soy Latte)で通じます。
もし他の国でもSoy Latteで通じるようでしたら、ぜひ教えてください。

<参考>
ソイラテ(2)調整・無調整と大豆イソフラボンについて

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コーヒーと糖質制限(炭水化物ダイエット)

糖質が低い食材。
糖質が低い食材。

糖質制限って何?

以前は、ダイエットといえば「カロリー制限」が主流でしたが、最近になって糖質制限という考えも台頭してきました。これは、糖質の過剰摂取によって、余った糖質(ぶどう糖)が、さまざまなトラブルを引き起こすことが分かってきたためです。肥満はもちろん、動脈硬化や2型糖尿病の進行、それによる心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしやすくなる等々。

では糖質は具体的にどんな食べ物に多く含まれるのでしょうか?
甘いお菓子、甘いジュース、ごはん、パン麺などの小麦粉製品、甘い野菜・フルーツなど。

逆に少ないのは?
肉、魚、卵、野菜(種類による)、大豆(豆腐、おからを含む)、海藻、油などなど。
「ダイエットに肉?」とピンと来ない方もいるかもしれませんが、肉魚は糖質ほぼゼロです。

もちろん、糖質制限(炭水化物抜きダイエットとも呼ばれる)については賛否両論がありますので、始める際には是非ご自身で色々調べていただく方が良いかと思います。特に持病がすでにある方は、必ず担当の医師に相談しましょう。

さて。前置きが長くなりましたが、今日は糖質制限に興味がある方のために「コーヒーの糖質」についてお話ししたいと思います。


コーヒーの糖質

結論から言いますと、抽出した「ブラックコーヒー」の糖質は100gあたり0.7gで、ほぼゼロに近いです。
糖質制限(ダイエット)中の方も、安心してお召し上がりください。

あと一緒に入れるミルク系の糖質は、だいたい下記の通りです(100gあたり)。
メーカーや種類による誤差がかなりありますので、各商品の成分表示をしっかりチェックしましょう。
※炭水化物とだけ書いてある場合もあります(炭水化物=糖質+食物繊維)
——-
豆乳 3g
ココナッツミルク 3g
乳脂肪生クリーム 3g
牛乳(普通) 5g
ココナッツクリーム 5g
スキムミルクパウダー(脱脂粉乳)53g
練乳 56g
——-

ちなみに、糖質制限中の1日の糖質摂取量の目安はだいたい下記の通りだそうです。
————
・ゆるい糖質制限:140g以下
・厳しい糖質制限:60g以下
・すごく厳しい糖質制限:20g以下
————
※白米ご飯1膳(150g)には約55gの糖質が含まれています。


落とし穴に注意

(1)砂糖は糖質
ほぼ100%糖質、入れた分だけ糖質が増えると考えた方が良いでしょう。
本格的に糖質制限するなら、ちょっと考えた方が良いかもしれません。残念ですが。

(2)コーヒー豆をバリバリ食べ過ぎない!?
コーヒー豆(抽出液ではない)をバリバリ食べる人は、そんなには居ないと思いますが・・・
コーヒー豆(コーヒー粉)の糖質は、100gあたり43gと高め。
どんなにコーヒー好きでも、豆ごと食べ過ぎるのにはご注意ください。

(3)市販の甘いコーヒーは糖質がいっぱい
ペットボトル(500ml)に入った甘いコーヒーだと、だいたい1本あたり35g~65g程度の糖質が入っています。
1本飲んだら、あとの食事がかなり苦しくなってしまう量ですね。
糖質制限をするのでしたら、避けた方が良さそうです。


もちろん糖質制限に全く興味の無い方も、沢山いらっしゃると思います。
でも、病気の克服・予防や減量のために日々制限している人がいらっしゃるのも事実。

日本は糖質制限についての情報が豊富ですし、インターネットで賛否両論を調べることが簡単にできると思いますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。

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ギリシャコーヒー(3)焙煎加減と濃度

ギリシャコーヒー(Boiled Greek coffee)の焙煎加減

長寿の秘訣として注目されているギリシャコーヒーでは、ライトロースト(ごく浅煎り)豆を使うという意見とイタリアンロースト(ごく深煎り)豆を使うという意見がありました。

さて、そこで質問です。
高齢者の皆さま、特に90歳を超える方々が、何十年も安定した焙煎加減のコーヒーを飲んでいたと思いますか?

何十年も前から焙煎技術が優れていたとは・・・失礼ですが考えにくいです。そうなると、コーヒーの焙煎には焼ムラがあって当たり前だったのではないでしょうか。
つまり、そんなに厳密にライトロースト!イタリアンロースト!などと分かれてはいなかったのでは?と勝手に想像しました。

そう考えると、その研究結果にも納得がいきます。
なぜかというと、血液サラサラ&血管に弾力を持たせる作用が期待できるのは、焙煎が深い「ごく深煎り」の方。
これは焙煎が深いほど、効果的な「ニコチン酸(タバコと無関係)」が増えるからです。
※詳しくは、心筋梗塞&脳梗塞予防にコーヒーをご覧下さい。

また、抗酸化作用(老化防止)が期待できるのは「ライトロースト」の方。
これは焙煎が浅い方が、コーヒーポリフェノール「クロロゲン酸」が多く含まれるからです。

結論として、もしコーヒー豆自体に効果があるとすれば・・・あまり上手に焙煎しないで「深煎りと浅煎りが混ざった豆」でギリシャコーヒーを作るのが一番効果的なのかな?と思いました。

深煎りと浅煎りのブレンド・・・ということは、当店の「長寿ブレンド」がピッタリですね!良かったらお試し下さい。

コーヒーの濃度に注意!

さて、濃い味のギリシャコーヒーを紹介した後で恐縮ですが、コーヒーの濃度には十分お気を付け下さい。

お茶の文化を持つ日本やアジアの国々では、ご先祖様は濃いエスプレッソやギリシャコーヒーのような飲み物にはあまり慣れていなかったと思われます。
だから、日本の皆さんも「濃いコーヒーが合うかどうか?」様子を見た方が良いでしょう。

これは私がイタリアでエスプレッソを飲み歩いた時にも感じたことですが、濃いコーヒーを飲む時は必ず一緒に水を飲まないと、血糖値が急に変動したり、胃の調子が悪くなったりしました。カプチーノやカフェラテはミルクで薄まるので全然問題無かったのですが。

他にも「濃いコーヒーはちょっと苦手」というお客様のご意見もよくいただくので、「体に良いはず!」と決して無理して飲まないようにお気を付け下さい。
苦手と感じたら、水と一緒に楽しむ・・・くらいがちょうど良いと思います。ギリシャでも、水と一緒に供されると聞きましたので。

いつかギリシャのイカリア島(Ikaria)に行って、どんな豆が使われているのか?どんな抽出なのか?自分の目で確かめてみたいです。
もし現地で飲んだことがある方がいらっしゃったら、ぜひ教えて下さい。

※ギリシャコーヒーの作り方
以前紹介したターキッシュコーヒーと同じと考えて大丈夫です。
詳しい作り方はターキッシュコーヒーの作り方からご覧いただけます。専用の抽出鍋が無くても小鍋でできますので、よろしかったらお試し下さい。

※すでに持病がある方、お薬を飲んでいる方は、必ず担当の医師にコーヒーを飲んでも大丈夫か相談しましょう。現在服用している薬との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

<参考>
ギリシャコーヒー(1)長寿の秘訣?
ギリシャコーヒー(2)浅煎り?深煎り?

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ギリシャコーヒー(2)浅煎り?深煎り?

ギリシャコーヒー(Boiled Greek coffee)の焙煎加減は?

いろいろな意見がありますが、どうも「ライトロースト」が主流なようです。
ライトローストというのは、最も浅い焙煎加減で日本語で表現すると「ごく浅煎り」といった所でしょうか。
具体的には、1回目の爆ぜ(はぜ)が始まった数秒後に焙煎を終える感じです。「爆ぜる前に終了する」という意見もありますが、私は爆ぜた後の方が焙煎が安定して良いと思います。

なおライトローストの豆は、日本のコーヒー豆店で購入するのは難しいです。
弊社でも販売しておりません。なぜなら、はっきり言って「あまり美味しくない」からです。

香りもコクも少ない上に、酸味が強く、さらに青臭くて刺激もあり、胃の弱い人だと胃が痛くなってしまいます(私は痛くなります)。
特に日本の水は「軟水」なので、ライトローストでコーヒーを作ったら青臭くて酸っぱくて・・・あまり美味しくないコーヒーが出来てしまうでしょう。
※軟水だと酸味が出やすく、硬水だと苦味が出やすいです。

もちろん人の味覚は十人十色ですから「ライトローストが一番美味しい!」という方もいらっしゃいます。あのワイルドな味わいがたまらない!・・・と。
弊社にもライトローストがお好きなお客様がいらっしゃいますが、ご自宅で焙煎されることをお勧めしています。
その理由は・・・

(1)焙煎がかなり浅いため、手焙煎(ぎんなん炒り焙煎)でもすぐに焼き上げることができるから。

(2)鮮度が落ちると嫌な酸味が出るため、自宅焙煎してできるだけ新鮮なままコーヒー豆を使っていただきたいから・・・です。

私はライトローストが苦手ですが、もし興味がある方がいらっしゃったら是非お試し下さい。味わいはきついですが、コーヒーポリフェノール・クロロゲン酸は、焙煎が浅い方が多く含まれているのは確かですので。
※自宅焙煎については、店長の手焙煎実演からご覧下さい。

ギリシャで飲むと美味しいかも

そんな青臭くて酸っぱいコーヒーも、ギリシャで飲んだら美味しいのかも知れません。なぜなら、ギリシャの水は「硬水」だからです。

「硬水」だと、抽出直後ならそれほど酸味は感じられません。抽出してまだコーヒーが熱々の状態でしたら、まろやかな口当たりも楽しめます。でも少しでも冷めると、きつい味わいに変化するので要注意です。
軟水で入れた時ほどではありませんが、やはり酸味が強く青臭くなります。
ただし砂糖をタップリ入れれば、あまり気にならないかも知れません。
それが健康的かどうかは、よく分かりませんが・・・

味わいは深煎りがおすすめ

さて。主流でない焙煎加減では「イタリアンロースト」という意見もありました。こちらは日本語で言うと「ごく深煎り」なので、前述のライトローストと全く逆の焙煎加減ですね。
個人的には、焙煎が深め~ごく深煎りの方が美味しいギリシャコーヒーができると思いますが、どうでしょう?

今回のギリシャコーヒーと長寿に関する研究では、高齢者の皆さんを対象に調査したのですが、残念ながらその焙煎加減までは詳しく調べていません。
さらに詳細な調査が今後行われることに、期待したいと思います。

※次回は、ギリシャコーヒーに関する店長の考察とコーヒー濃度についてお話ししたいと思います。

※ギリシャコーヒーの作り方
以前紹介したターキッシュコーヒーと同じと考えて大丈夫です。
詳しい作り方はターキッシュコーヒーの作り方からご覧いただけます。専用の抽出鍋が無くても小鍋でできますので、よろしかったらお試し下さい。

※すでに持病がある方、お薬を飲んでいる方は、必ず担当の医師にコーヒーを飲んでも大丈夫か相談しましょう。
現在服用している薬との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

<参考>
ギリシャコーヒー(1)長寿の秘訣?
ギリシャコーヒー(3)焙煎加減と濃度

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ギリシャコーヒー(1)長寿の秘訣?

ギリシャコーヒーは、ターキッシュコーヒーと同じように作ることができます。

ギリシャコーヒー(Boiled Greek coffee)が長生きの秘訣かも

ギリシャのイカリア島(Ikaria)では、90歳以上の人口の割合が他のヨーロッパの国々と比べて10倍も多く、また健康な状態で長生きする人の割合も多いそうです。今まで多くの科学者達が、その原因を探るためイカリア島の研究をしてきました。

そして2013年、アテネ大学のStefanadis教授とSiasos教授が率いるチームが、その原因はイカリア島で飲まれている「ギリシャコーヒー(Boiled Greek coffee)」ではないか?と発表しました。
高齢者の健康、特に血管内皮機能に良い影響を及ぼしているのではないかということです。
最近の研究では、適度にコーヒーを飲むことは心筋梗塞などの冠状動脈性心疾患のリスクを減らす可能性が指摘されており、今回の研究結果にも同じような傾向が見られました。

ポリフェノールと抗酸化物質が豊富

調査は、イカリア島に永住している65歳以上の人からランダムに男女それぞれ71人ずつ選んで行われました。
その結果、87%の人がギリシャコーヒーを飲んでいることが判明。さらに主にギリシャコーヒーを飲んでいる人の方が、他の種類のコーヒーを飲んでいる人よりも血管内皮機能が良好なことが分かりました。

ギリシャコーヒーは、ポリフェノールと抗酸化(老化防止)物質が比較的豊富に含まれ、カフェインも控えめになるので、他のコーヒーに比べて健康的なのではないかと結論付けています。
もちろん気候風土などの違いもありますので、今後の研究でまた新しい結果が出るかもしれませんね。

ギリシャコーヒーの作り方

作り方は、以前紹介したターキッシュコーヒーと同じと考えて大丈夫です。ただコーヒー豆の焙煎加減については色々と意見があるようなので、次回考察したいと思います。とりあえず、お好きなコーヒー豆で作ってみてはいかがでしょう?

詳しい作り方はターキッシュコーヒーの作り方からご覧いただけます。専用の抽出鍋が無くても小鍋でできますので、よろしかったらお試し下さい。

※すでに持病がある方、お薬を飲んでいる方は、必ず担当の医師にコーヒーを飲んでも大丈夫か相談しましょう。現在服用している薬との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

【本レポートの参考元】
Does Greek coffee hold the key to a longer life?(Vascular Medicine, published by SAG March 18, 2013)

<参考>
ギリシャコーヒー(2)浅煎り?深煎り?
ギリシャコーヒー(3)焙煎加減と濃度

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長寿ブレンドの作り方

コーヒーの成人病予防効果について再確認!

まずは最近注目されている成人病予防効果が期待できる成分について、サッと復習してみましょう。

1)浅煎りであるほど含まれる有効成分(深煎りには含まれない):クロロゲン酸・・・抗酸化作用(老化防止)、2型糖尿病の予防など

2)深煎りであるほど含まれる有効成分(浅煎りには含まれない):ニコチン酸(タバコとは無関係です)・・・心筋梗塞や脳梗塞の予防など

3)どちらの焙煎でも含まれる有効成分:カフェイン・・・パーキンソン病や2型糖尿病の予防など。他成分との相乗効果アリ。
——-
他にも香りの成分など色々あるかと思いますが、とりあえず予防効果が評価されている代表的なものを書いてみました。

上記から、一番効果的にコーヒーを摂取するなら・・・
やはり「浅煎り&深煎りのブレンドが一番!」ではないかと考えました。

配合は、まず半分半分(50%ずつ)がお勧めです。そこから、もっと苦みを減らしたい(増やしたい)というお好みに合わせて微調整してみても良いですね。
※深煎りが多いと苦みが増えます。

もし予防したい病気が限定されているなら、それに合わせればOKです。
例えば脳梗塞などの血管に関する病気だったら深煎りの方を多くするのも良いですし、老化防止に期待したいなら浅煎り多くしてみてはいかがでしょうか。

長寿ブレンドを作るときの注意点

焙煎が浅すぎると、コーヒーの香りが無く酸味の強い(一般的に流通しているアラビカ種の場合)味わいになり、刺激も強く胃痛の原因にもなります。

また焙煎が深すぎると、炭のようにカラカラになりコーヒー本来の香りは消えて炭臭くなってしまいます。いくら成分を追求しても、コーヒーの豊かな香りと味わいが無くなってしまったら勿体ないですね。

だから配合する際は、「コーヒーを楽しめる焙煎加減の範囲内でブレンド」するようにしましょう。
せっかくのコーヒーを「不味い!」と言いながら無理してガブガブ飲むよりも、「美味しい!」と言いながら最高の一杯を飲む方が、ストレス解消効果も期待できますね。

焙煎加減以外でも、健康のために「カビ豆」などの欠点豆をしっかり除去すること、できるだけ回転の早いお店で新しい豆を入手することも大事です。

なお「そういう細かいことを考えるのが面倒!」
「とにかく美味しい長寿ブレンドを楽しみたい!」・・・と言う方は、当店の「有機(無農薬)栽培 長寿ブレンド」がお勧めです!
「成人病予防効果を追求、かつ香り豊かに美味しく仕上げること」をテーマに、丁寧に焙煎・配合しました。
よろしかったらお試し下さい。

※すでに持病がある方、お薬を飲んでいる方は、必ず担当の医師にコーヒーを飲んでも大丈夫か相談しましょう。現在服用している薬との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

【関連記事】
長寿ブレンド秘話
手焙煎で健康コーヒー(病気予防に)

【参考記事】
コーヒー摂取による生活習慣病予防効果のメカニズム -アディポサイトカインを介した影響(愛知職域コホート)

アディポネクチンと糖尿病・心血管病の分子メカニズム(第128回日本医学会シンポジウム)

Niacin therapy in atherosclerosis(英文、Curr Opin Lipidol. 2004 Dec;15(6):659-65.)

血栓をつくりにくい?コーヒーの不思議な力。(社団法人全日本コーヒー協会)

Nicotinic acid in the management of dyslipidaemia associated with diabetes and metabolic syndrome: a position paper developed by a European Consensus Panel(英文、Current Medical Research and Opinion,?2005, Vol. 21, No. 5 : Pages 665-682)

脂質異常症の最新情報 ニコチン酸とHDL(ドクターサロン57巻7月号-6. 2013)

コーヒーのポリフェノール(秘蔵!コーヒー豆知識)

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超善玉ホルモン・アディポネクチン(2)タバコとコーヒーの関係

タバコを吸う→コーヒー好き?

「タバコを吸う方にコーヒー好きが多い」という話は、開店当初からよく聞きます。理由は「コーヒーがあると、よりタバコが美味しく感じられるから」、「タバコを吸うと嫌な後味が残るけど、コーヒーを飲めば口がサッパリするから」等々。

また、コーヒーにはリラックス&ストレス解消効果があるので、ちょうど一服するには最適な組み合わせのかも知れませんね。
私はタバコを吸わないので、よく分からないのですが・・・

あと、お客様のお好みのコーヒーを伺って気付いたのは、タバコ好きな方は「深煎りの苦いコーヒーが好き」という傾向があるということ。
もちろん「浅煎り好き」なヘビースモーカーの方もいたので一概には言えませんが、ギフト贈答先の方がタバコを吸う場合は、とりあえず「一番深煎り」をお勧めするようにしています。

喫煙によるアディポネクチンの低下をコーヒーで補う

さて、以前お話しした「アディポネクチン」について、覚えていますか?
「超善玉ホルモン」とも呼ばれていて、血中濃度が高くなると成人病にかかりにくいというお話しでしたね。
そして、コーヒーにはアディポネクチンを増やす働きがあり、コーヒーを飲む量が多いほど血中アディポネクチンも多くなる傾向がありました。

一方最近の研究で、タバコを吸うと血中アディポネクチンが低下し、一日に吸う本数が多いほど血中濃度が低くなる傾向があることが分かりました。また女性よりも男性の方が血中アディポネクチンが低いため、「喫煙する男性」は要注意と言えます。
※禁煙すると、血中アディポネクチン濃度が回復し、20年以上禁煙を続ければ初めから吸わない人と同程度に戻るそうです。

ということは・・・
喫煙する人は「減ったアディポネクチンを増やすためにコーヒーを飲みたくなるのかも?」と勝手に想像してみました。健康を維持するために、自然と体が必要なものを欲することはよくあることですので。

例えば、お酒を飲んだ後にコーヒーを飲みたくなるのも、コーヒーによってアルコールが分解される効果が期待できるからでは、という考察をしたことがありましたね。
※コーヒーに含まれるカフェインには、肝臓でのアルコール分解を促す働きがあり、さらに利尿作用もあるので、アルコール分解後の老廃物も体外へ排出されやすくなります。

もちろん、健康のためにはタバコを吸わないのが一番良いかと思います。
タバコを吸う方は、くれぐれもお体にお気を付け下さい。

【参考】
Smoking status and adiponectin in healthy Japanese men and women.(英文 Prev Med. 2007 Dec;45(6):471-5. Epub 2007 Jul 14.)
喫煙は血中アディポネクチンを低下させる(愛知職域コホート)
超善玉ホルモン・アディポネクチン(1)
アルコール性肝硬変とコーヒー(秘蔵!コーヒー豆知識)

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