新型肺炎コロナウイルスについて2「ちょっと待って!抗生物質」

前回は、新型肺炎コロナウイルスについて「コーヒーと免疫力の関係」についてお話ししましたね。
できるだけ免疫力を高めること、そしてコーヒーはその効果を高めるかも知れないことをお話ししました。

今回も引き続き「新型肺炎コロナウィルスについて(その2)」についてお話ししたいと思います。

その抗生物質、ちょっと待って!

新型肺炎のコロナウイルスに、抗生物質は予防にも治療にも効果が無い。」という記事を見つけました。

風邪もウイルスによるものが殆どなので・・・・「抗生物質は風邪には効かないかも?」
細菌性の肺炎にも、予防の効果は無いので・・・「抗生物質と肺炎予防は関係ないかも?」
抗生物質は、万能薬ではありません。

効かないだけならまだ良いのですが・・・
むしろ逆効果の恐れがあるかも?

前回お話ししましたが、人間を病気から守る免疫細胞の7割は腸に集まっていて、腸内フローラを良好に保つことで免疫力を発揮できます。
しかし抗生物質を使いすぎると、関係のない腸内細菌を殺す影響で腸内フローラのバランスが崩れる危険もあるそうです。

だから、「ちょっと風邪気味だな。前に病院でもらった抗生物質が残ってるから飲んでおこう。」というように 自己判断で飲まないようにくれぐれもお気を付け下さい。

抗生物質が有効な肺炎の種類は?

細菌性肺炎や、マイコプラズマなどによる非定型肺炎には、抗生物質が有効だそうです。そのため、原因となっている病原体(細菌やウイルスなど)が何なのかを見極めることがとても大事だとか。

またコロナウイルスによる肺炎でも、冒頭でお話ししましたように「抗生物質で治療」も、 「肺炎が重症化した場合」に限りありえるそうです。そのため、医師の判断がとても大事になってくると思われます。

新型肺炎コロナウイルスに負けない対策

しかし現時点では、精度の高い検査方法が確立されていませんし、すぐに検査を受けられる訳でもありません。
肺炎になってもコロナウイルスによるものか、細菌性か、判断が難しいです。
そのため、とにかく・・・

(1)予防につとめる(とくに免疫力の低い高齢者・持病のある方など)
(2)健康維持のため免疫力を高める(コロナウイルス対策の実践、コーヒーも楽しみましょう!)
(3)風邪薬代わりに自己判断で抗生物質を飲まない(腸内フローラを大切に!)、医師の判断を仰ぎましょう

ことが大事かと思います。
かつては、風邪の重症化を防ぐためという理由で、または肺炎予防という理由で、抗生物質を処方する医師も多かったようです。
でも、今は違います。
「風邪やインフルエンザには効かないかも」、
「自己判断では飲まない、医師に相談する」ことを、よく覚えておきましょう。

もちろん、やみくもに抗生物質を否定している訳ではありません。
持病や術後の感染症を防ぐ等のために、抗生物質が必要な場合もありますね。
たとえば感染症がきっかけとなって起きる「敗血症」は、命に関わる病気ですので絶対に防がなくてはなりません。
ということで、抗生物質を飲む場合は医師の指示に従い、決められた期間にしっかり飲むようにしましょう。

店長の考察

高齢の母のことが心配で色々と調べているうちに、その内容を皆さまにもお知らせしたくなりました。
当の本人はケロッとしていて、よくマスクも付け忘れていますが。

コロナウイルスについては確定した情報が少なく、
 現在世界保健機関(WHO)がパンデミックではないと強調しながらも、世界各国の首脳陣が相当慌てているので、実はまずいのでは?
・・・という不安も確かにあります。

でも、心配しすぎてもストレスになりますね。心配で寝不足になったら、免疫力も下がってしまいますし。

ということで、仮にかかっても軽症(できれば無症状)で済むように、免疫力アップを目指して日々できることから始めましょう!

2020年4月14日追記
イブプロフェンなどの抗炎症薬の服用は症状を悪化させる可能性がある」という説もありました。イブプロフェンは解熱鎮痛剤の主剤ですね。
発熱時の安易な解熱剤の使用は身体を守る免疫反応を抑えてしまい、かえって症状を悪化させてしまう可能性があります。まず、十分な休養と栄養、水分の摂取、そして寒気が強い場合は体を温めること、熱が出てきたら腋(わき)の下や首の後ろを冷やすことなどが大切です。
比較的安全に使える解熱剤はアセトアミノフェンという成分だそうです。
自己判断での薬の服用には、くれぐれもご注意下さい。

<参考リンク>
新型肺炎コロナウイルスについて「コーヒーと免疫力」
新型肺炎コロナウイルスについて3「感染後の発症を防ぐ?」
新型肺炎コロナウイルスについて4「若い人の重症化」
新型肺炎コロナウイルスでマスクが必要と思われる理由

新型コロナでコーヒーの香りが分からない?

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒー豆に住む害虫の秘密

害虫ブロッカの生息地

2015年9月現在、ネパールとパプアニューギニア以外の全てのコーヒー生産国で生息していると言われる害虫ブロッカ(スペイン語名:Broca、英語名:Coffee Berry Borer)。
この2~3mmの小さな害虫のおかげで、世界中でどれだけの経済的な損失と農薬による環境汚染が広まったのか・・・計り知れません。

私が2008年にハワイ島コナへ行ったときには、まだブロッカは上陸していませんでした。しかし、現在は残念ながら生息地となっています。
当時、ハワイコナ農園主が「コナではどこの農園も、農薬は不要」と言っていたのが遠い昔のことのようです。

ところで、なぜブロッカは強いコーヒー豆のカフェインにも負けずに繁殖を続ける事ができるのでしょうか?
実はブロッカ以外の虫は、カフェインが強すぎてコーヒー豆の中で成長することができません
この「カフェインに負けない理由」が、最近の研究から明らかになりました。

コーヒー豆のカフェインに負けない虫の秘密

The Lawrence Barkeley国立研究所の Javier Ceja-Navarro が、ブロッカの腸内に「カフェインを無毒化する細菌」が存在することを発見しました。
この細菌のおかげで、ブロッカはカフェインを分解することができるという訳です。

これは、抗生物質をブロッカに投与して腸内細菌を殺した際に、そのブロッカがカフェインを分解できなくなったことから判明しました。
カフェインを分解できないブロッカは、生き残っても繁殖することが出来なかったということです。

さて、今回の発見から各国のブロッカ対策はどのように変わっていくのでしょうか?
「抗生物質をコーヒー農園で大量に蒔く」という恐ろしいこと(※)が起こらないと良いのですが。

※細菌感染症から人類を救った抗生物質は、現在の医療等ではその使用量が度を超しているために、抗生剤の耐性菌を生み出し、また使用過多による体内の有益菌までも死滅させることがあると言われています。

【本レポートの参照元】
Gut microbiota mediate caffeine detoxification in the primary insect pest of coffee(NATURE COMMUNICATIONS)
抗生物質の多用で、薬物耐性菌の数・死亡者数が増加(THE WALL STREET JOURNAL)
抗生物質が効かなくなったらどうすればよいのか(TED)

<参考>
コーヒー豆屋を始めた理由(コーヒー嫌いだったのに)

きまめや
生豆屋(きまめや)