コーヒーの木に農薬が必要な理由(シェードツリーvs農薬)

シェードツリーとは?

日陰用の樹木のことです。
ご自宅で育てている方はご存知かと思いますが、コーヒーの木は直射日光に当たり続けると葉が日焼けしてしまいます。
そのため、産地の農園ではバナナやマンゴー等の背の高い樹木をコーヒーの木と一緒に植えて、適度な日陰をつくっています。

でもシェードツリーと一緒に植えると、単位面積当たりの収穫量が少なくなり、コーヒーの実の収穫にも大変手間がかかります。
なぜなら、シェードツリーと混在しているため安易に機械を使うことができず、手摘みで収穫することになるからです。

とても手間がかかる作業ですが、農園には様々な樹木が茂り、昆虫や鳥も沢山生息していて自然環境には最適です。
そして、シェードツリーの落ち葉は良質な肥料となり、力強い土壌を作ってくれます。
生豆屋のコーヒー豆達は、シェードツリーと一緒に育てられています。

単一栽培の落とし穴

一方、市場に出回っている多くのコーヒーは、シェードツリーの要らない品種に改良されたものになります。直射日光に強いため、他の木々と一緒に植える必要がありません。
広大な森林を伐採して作られた大規模なプランテーションで単一栽培され、単位面積当たりの収穫量も多いです。
そこでは余計な樹木等はすべて排除されるので、機械を使って容易に収穫でき、手間もかかりません。

しかし、森林伐採により土地は枯れていきました。
単一栽培のため、大量の農薬と化学肥料を投入する必要もでてきました。
その結果、自然環境は破壊され、小さな生物達も激減してしまったのです。
#単一栽培だとコーヒーの木が弱くなるため、病害虫による全滅を避けるために大量の農薬を使用する必要があります。

大量生産を目指した結果、自然環境が破壊され、生産者達の健康をも脅かす状況になっているそうです。
現実は、厳しいですね。

<参考>
コーヒー豆屋を始めた理由(コーヒー嫌いなのに)
店長の紹介
モカの有機塩素系殺虫剤検出
コーヒー豆に住む害虫の秘密

きまめや
生豆屋(きまめや)