キリマンジャロコーヒーの実体

Kilimanjaro=キリマンジャロ=キリマ(山)+ンジャロ(名前)=「ンジャロ山」
Kilimanjaro=キリマンジャロ=キリマ(山)+ンジャロ(名前)=「ンジャロ山」の意味。
このンジャロ山で採れたコーヒー豆だけがキリマンジャロと呼べるはずなのに、日本ではなぜか・・・

奇妙な現象

キリマンジャロは、赤道直下にありながら万年雪に覆われている山の名前(ンジャロ山)で、タンザニアという国にあります。

そしてキリマンジャロと呼ばれる豆は、国際的にはキリマンジャロ地区でとれたものに限られます。
でも何故か日本だけは、タンザニア全土(一部地域を除く)の豆をすべて「キリマンジャロ」と呼ぶことができます。
その結果、実際に輸入されているキリマンジャロの何倍、何十倍ものキリマンジャロ(偽)が日本で販売されているという奇妙な現象が起きています。
 

日本は変

なぜそんなことが起きているのでしょう?
理由は簡単。「キリマンジャロ」という名前を付けると売れるからです。
同じ豆でも「タンザニア」と名付けると全然売れないから「キリマンジャロ」って呼んでも良いよーってことになったとか。

この奇妙な現象を、富士山の湧き水でたとえてみましょう。
富士山の湧き水を「富士の名水」と名付けて売ったとします。
あまりにもよく売れるので、日本中の水を全部「富士の名水」と呼んでもいいよ、と決めました。

・・・そんなバカな! と言いたくなりますね。
そう、キリマンジャロ地区の人々も、「そんなバカな!」って言っているそうです。

もちろん、こんな決まりを作ったのは日本だけ。
欧米の人々が首をかしげてしまうのは当然かもしれませんね。

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーの「コク」の話

「コク」を考える

よくお客様から「コクのあるコーヒーってどれ?」と聞かれます。
コク・・・はコーヒーの味わいの中でも重要視されるポイントの一つですね。でも実は「コク」というのは、皆さん共通の感覚ではないのです。 だから、お答えするときにちょっと困ってしまうこともあります。

「苦い」「酸っぱい」は、ほとんど共通の感覚といっても過言では無いでしょう。
例えば思いっきり「深煎り」の豆で「酸っぱい!」という人は居ないはずです。なぜなら、深煎りになるほど酸味が消えていくからです。

でも「コク」は違います。浅めの焙煎で「コク」と感じる人と、深めの焙煎で「コク」と感じる人と、両極端です。
これはもう、どっちが正解?ということではなくて、飲む人の感覚の問題になります。例えば深煎りの「コク」が好きな人に、浅めの焙煎の「コク」をいくら強調しても、全く理解できない場合がよくあります。

自分の好きな「コク」を見つける

とりあえず、同じ種類の豆で2種類の焙煎度合いを試してみると良くわかります。 当店の豆だと「きまめやブレンド」&「きまめやブレンド深煎り」、「コロンビア」&「コロンビア深煎り」等です。
これらを比較すれば、どちらが「コク」を感じるかだいたい分かります。自宅焙煎の方だったら、もっと色々な焙煎度合いで試せますね。

次に、コーヒーの濃度も多少影響してきます。どうも濃くいれた方が「コク」を感じる、という人が多いようです。「濃く(こく)」と「コク」で似ているから、という訳ではありませんが・・・。

あと、豆の挽き加減についても、大きく好みが分かれます。
粗く挽いて多めに豆を使うことで引き出す「コク」と、細かく挽くことで引き出す「コク」。 同じコクでも全然違ってきます。
ちょっと意識して、自分好みの「コク」探してみてはいかがでしょうか。

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生豆屋(きまめや)

焙煎日と賞味期限

皆さんにとって「(飲める)コーヒー」とは、どんなものでしょう?
色が黒ければコーヒー、苦ければコーヒーという人もいれば、
焙煎してから1週間以内のものだけがコーヒー、
挽きたてを抽出してから5分以内のものだけがコーヒー、オーガニックのものだけがコーヒーという人まで様々です。
今日は、こだわりの一つ「鮮度」に関するお話です。

賞味期限って?

当店の焙煎豆を通信販売でお買いあげいただくと、焙煎日(発送日)と保存方法が書いてある紙が同梱されてきます。そこには、賞味期限は焙煎後6ヶ月間とも書かれています。
この賞味期限とは品質保持期限のことで「ちゃんと保存方法に従ってくれれば十分保存できますよ」ということを意味しています。

ただ、コーヒーを美味しく飲める期限かどうかは、全く別の問題になります。「美味しさの期限」は、飲む人の価値観によって決まるからです。その判断材料の一つとして、「焙煎日」がとても大事になってくるのです。

でも、すでに焙煎してある豆を購入すると、焙煎日の表示義務が無いため「いつ焙煎したか分からない」という場合が殆ど。これじゃあ、どのくらい古いのか分からないですね。
自家焙煎のお店で買うなら「いつ焙煎したの?」と思い切って聞いてみましょう。良心的な店ならば正直に教えてくれるかも知れません。

おすすめの飲み頃

店長おすすめの飲み頃は、以前お話しした通り「焙煎直後~翌々日」くらい。そこから1~2週間くらいかけて味の変化を楽しむのもまた良いですね。
※詳しくは「コーヒーの飲み頃」からご覧ください。

ちなみに「当店の豆を半年冷凍保存した豆」と「他店の焼きたて豆」なら、どっちが良い? と聞かれれば、迷わず「当店の冷凍豆!」と元気に答えるでしょう。
自分の豆を信頼しきっている店長は、殆ど親ばか状態かも知れませんね。
※でも「あんしん・おいしい・新鮮」にこだわるなら、当店の豆達は絶対にオススメです!

当店のように味わいに直接影響してくる「鮮度」や「安全性」「欠点豆の除去」にこだわるのも一つ。
徹底的に低価格にこだわるのも一つ。
十人十色、色々な好みがあって良いと思います。

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生豆屋(きまめや)

有機栽培(オーガニック)コーヒー豆に害虫が見つかったら?

お国の事情

以前、有機JAS認定を受けた「有機栽培(オーガニック)コーヒー豆」は輸入時の消毒処理(くんじょう)が施されていません、というお話をしました。
消毒(燻蒸・くんじょう):コーヒー豆に害虫が見つかると、豆ごと薬品で消毒処理されること。

「じゃあ、有機栽培コーヒー豆に害虫が見つかっても消毒しないの?」というお問い合わせがありましたので、ちょっとお話させていただきます。

日本に生息しない害虫が見つかった場合に、消毒するかどうかは「有機栽培」とは関係ありません。 日本の食物検疫所が「この害虫が入国すると、国産農作物が危ない!」と判断すれば、どんな豆だろうと消毒されます。
もちろん、その処理自体が人体に有害かどうかも問題外。あくまで虫を入れないための処理です。

つまり、いくら現地の生産者が頑張って「有機栽培」豆を作っても、輸入時に消毒されたり、日本で保管・販売時に消毒されたりすると「有機栽培」では無くなってしまうのです。

4段階の有機JAS認定

そういう訳で、有機JAS法が定められてから本当に「有機栽培」かどうかをしっかりと区別するようになりました。
コーヒー豆輸入では、有機JAS認定が次の4段階で必要になります。

1.生産者が認定    :現地の農園
    ↓
2.輸入業者が認定   :輸入商社など
    ↓
3.小分け業者が認定  :コーヒー豆問屋など
    ↓
4.製造業者が認定   :自家焙煎の小売店
    ↓
   消費者へ

当店ではのJAS認定を受けており、将来的には輸入業者の認定も受ける予定です。
この4段階を全てクリアした豆だけが「有機栽培(オーガニック)コーヒー豆」として日本で販売できます
もし、この過程で「消毒」された場合は、もちろん「有機栽培(オーガニック)」として販売することはできません。

でも「無農薬栽培」としては販売可能です。
ここが「有機栽培」との大きな違いで、何の認定が無くても販売できるのが「無農薬栽培」コーヒー豆です。
※「有機栽培コーヒー」であれば、「有機栽培(無農薬)コーヒー」の表示も可能です。 しかし、「無農薬コーヒー」は「有機栽培コーヒー」を名乗ることができません。

無農薬栽培というと安心な響きですが、もし「無農薬」だけしか書いてなかった場合は「オーガニックとは認められない」ので要注意です。「有機栽培」であれば「オーガニック」と同じ意味になります。

有機栽培=オーガニック(無農薬の認証あり)
無農薬栽培=オーガニックじゃない(無農薬の認証無し)


有機JAS認証団体も「無農薬」表示は認めないと言っていますが、現時点で法的な強制力は無いようです。

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その3 燻蒸による残留基準は無し
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その5 安全な燻蒸?
燻蒸その6 産地燻蒸の話 
意外と知られていない有機栽培の意味(無農薬・減農薬表示はダメ)


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生豆屋(きまめや)

コーヒーの農薬「除草剤」

コーヒーの農薬

以前、コーヒーには沢山農薬が使われるというお話をしましたが、具体的にはどんな農薬が使われているのでしょうか。もちろん、国や地域によって種類や使用量も異なってきます。

農薬の種類を大別すると、収穫前は除草剤・殺菌剤・殺虫剤が使われ、収穫後にも、輸入時に消毒(燻蒸処理)が施される場合があります。消毒(燻蒸処理)は、日本に害虫を持ち込まないための処置で、ポストハーベストの一種とも言えます。

さらに国内の倉庫で保管している間に殺虫剤で燻蒸されたり、店に運ばれた後に「ゴキブリが出ると困るから」と殺虫剤をまかれると、さらに薬剤の洗礼を受けることになります。

いくら有機栽培(オーガニック)の豆でも、店で殺虫剤使ったら何も意味がないですね。
#当店ではもちろん殺虫剤厳禁です。→夏は蚊に刺されっぱなしです。
 

草の拒食症・・・除草剤

収穫前に比較的多く使用されるのは「除草剤」です。
ところで「除草剤」って一体何でしょう?

当店が直輸入している有機栽培ハワイコナの農園では、「除草剤」が使えないために大変苦労しているということでした。
具体的には、次々と生えてくる雑草との闘いで、労働力だけが頼りになるということです。

ここでは、農園主のお話を一部抜粋したいと思います。
——
除草剤を散布すると、それを吸収した草が「自分は十分栄養を取っている」と勘違いして栄養を取らなくなり、結果的に死ぬのだそうです。わかりやすく言えば、「草の拒食症」を作り出す薬だということです。

多くの農園で除草剤を使っていて「有機ではないけど有害でもない」とみなし、これを使っている農園では「ケミカルフリー」と表示するところもあるそうです。

除草剤を使わないと何が大変なのかというと・・・雑草取りがとても大変です。
コナには蔓系の物凄い丈夫な雑草があって、これがドンドン木に絡み付いてしまい、コーヒーの生育に大変な影響がでてしまうのです。
——-

農薬を使っていながら「ケミカルフリー」と表示して問題にならない所は、日本の「無農薬」や「減農薬」表示と良く似ていますね。
除草剤を使わず、雑草を頑張っている農園の皆さんを、ぜひこれからも応援したいと思っています。

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生豆屋(きまめや)

水の実験「軟水・硬水・水道水」

3種類の水で実験

「硬水」と「軟水」では、コーヒーの味が全く異なることについてお話ししました。これを自宅で実験するとなると、コーヒー豆だけでなく細口ポットや器具を水の種類分用意して同時に抽出する必要がありますので、結構大変です。
そこで、私が実験してみましたのでご報告したいと思います。

抽出条件
有機栽培ガテマラ(中煎り、酸味系)各25gを中挽きにして、ペーパーフィルター で抽出。湯の温度は90度Cで、それぞれ250cc抽出。濃いめに作ってみました。
使用した水は、比較的入手しやすかったヴォルビック(軟水)、エビアン(硬水)、そして水道水(軟水)です。

結果と考察

(1)軟水(ヴォルビック):
口に含んだ時に、まろやかな感じ。喉ごしはガテマラ特有のキリッとした酸味が感じられた。人肌程度に冷ますと、強い酸味を感じた。

(2)軟水水道水、神奈川県相模原市一戸建て):
酸味が(1)よりも若干強く感じられ、雑味があった。基本的には(1)と同系統の味わいだが、まろやかさが劣る。

(3)硬水(エビアン):
酸味はほとんど感じられず、舌には刺激的な苦み。喉ごしも強い苦みが感じられた。人肌程度に冷ますと、かすかな酸味を感じた。

一般的には、カフェインやタンニンといったコーヒーの主成分がしっかり抽出される「軟水」の方がコーヒーに適していると言われています。まろやかで、香り豊かに仕上がる点も「軟水」の長所。
ただ、カフェインが少ない方が良いとか、強い苦みが大好きな方には、むしろ「硬水」の方がおすすめです。
日本の水道水は軟水になりますが、そのまま使うとやはり雑味が感じられました。できれば浄水器や濾過器を使用した方が、より美味しく召し上がれると思います。

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くんじょう(燻蒸)ってどんなもの?

具体的にどんなもの?

皆さんの身近なもので、「燻蒸(くんじょう)」に非常によく似て いるものは何でしょうか?  
ダニやゴキブリ退治の時に使用する「バルサン」等、煙がモクモク出てくる家庭用殺虫剤が、よく似ています。 

こういった殺虫剤は、部屋を閉め切って薬剤を充満させることによって 
虫を退治します。 
もちろん、「食品や布団、おもちゃ等に薬剤がかからないように」と 
指示されているので、対象はあくまで家具等に隠れたゴキブリ達です。 

一方、コーヒー豆の「燻蒸(くんじょう)」はどうでしょうか? 
燻蒸(くんじょう)用の倉庫の中にコーヒー豆を麻袋ごと入れて、バルサンよりも 
毒性が強い臭化メチルやリン化アルミニウムで殺虫します。 

しかも、 
「薬剤がかからないように・・・」ではなくて 
「薬剤が浸透して豆の中の虫まで殺せるように」 
という前提で行われます。 
つまり対象はコーヒー豆そのものになるわけです。 

コーヒーを飲む人の健康を考えたら、こういうことはやらないで欲しい 
ところですが。 
どうして、燻蒸(くんじょう)する必要があるのでしょうか? 
 

燻蒸(くんじょう)の必要性

燻蒸は国内の農産物を守るのが目的なので、臭化メチル、リン化アル 
ミニウム、青酸ガス(バナナ等に多用)、など強力なものが使われます。 

問題なのは、国内の「植物」を病害虫から守るために行われているので 
あって、決して「人への安全(健康)」のためでは無いという点です。 

もちろん、国内の農作物を守る必要があるので、今の状態で突然 燻蒸を廃止するわけにはいかない、ということもわかります。 
だからといって、このままの状態で安心してコーヒーが飲めるのでしょうか。

もしかしたら私は心配しすぎなのかも知れません。
でも私みたいな心配症の方でも安心して飲める、本当に安全で新鮮なコーヒーを日々生豆屋からお届けできたらと思っています。

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その3 残留基準は無し
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その5 安全な燻蒸?
燻蒸その6 産地燻蒸の話
有機栽培(オーガニック)豆に害虫が見つかったら?

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コーヒーに適した水「軟水・硬水」

第一条件: 湯冷ましで美味しい水

以前、コーヒーに適した水として「湯冷ましで美味しい水」というお話をしました。人肌程度の温度が一番味が分かりますので、その温度で美味しければ第一条件はクリアしていると言えます。
コーヒー抽出液の約97%は水分ですから、水が不味ければコーヒーが不味いのは当たり前ですね。ただ、この当たり前のことを実行せずに「コーヒーって美味しくない」と思っている方もいらっしゃるかも知れません。
もしいつも水道水を使うなら、一度は沸騰させて塩素とカルキ臭を飛ばしましょう。いったん沸騰させた水を、抽出用の細口ポットに移せば温度も適温の90℃前後になって美味しくいれられます。
そして、一度沸騰したお湯はできるだけ使い切るようにし、何度も沸騰させて不純物が蓄積することが無いように気をつけましょう。

第二条件: 軟水と硬水

さらに自分好みのコーヒーをいれるために水を選ぶとしたら、どのようなポイントがあるのでしょうか。
日本の水(水道水を含む)は「軟水」、ヨーロッパ、アメリカの水の殆どは「硬水」であると言われています。先日お問い合わせいただいた韓国在住の方の話ですと、韓国も「硬水」だそうです。
そういう訳で、当店の豆に関するコメントは日本の水「軟水」でいれた場合を基準に書かれています。
ところで、軟水と硬水ではコーヒーの味が異なるのでしょうか?

答えは「全く違う!」です。
「軟水」でコーヒーをいれると「まろやか」で「酸味」が出やすく、
「硬水」でいれると、「苦み」が強調されます。

自分の好みや、その日の気分に合わせて水を選ぶのも楽しいですね。
軟水で入手しやすいミネラルウォーターは「ヴォルビック」や「南アルプスの天然水」、硬水では「エビアン」「ヴィッテル」等があります。 ミネラルウォーターを購入する際は、一括表示部分をチェックして水の硬度(※)を調べてみると良いですね。

※軟水と硬水
水のなかに含まれるカルシウムとマグネシウムの合計量を数値化したものを「硬度」と呼びますが、この数値が高いものを硬水、低いものを軟水と呼びます。
つまり、カルシウムとマグネシウムがたくさん入っている水が硬水、少ない水が軟水ということです。

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コーヒーの色

カラメルシロップ食べても大丈夫なので・・・
カラメルシロップ食べても大丈夫なので、コーヒーも・・・

コーヒーを飲むと肌が黒くなる?

以前、「黒々とした色合いから、コーヒーが体に良くないという誤解が生まれているのでは?」というお話をしました。
それについて「どうして黒くなるの?」というお問い合わせがありました。

私はコーヒーの色を見ても、美味しそう! としか思わないのですが、中には「あんな黒い飲み物を飲むと、肌が黒くなる!」と真面目に考えている方もいるそうで・・・ビックリしました。
 

コーヒー色の正体

自宅で焙煎する方はよくご存じかと思いますが、焙煎する前の生豆は、白っぽい緑色をしています。もちろん、豆の種類や採れた時期・場所によって多少色合いは変わってきます。

その生豆が、焙煎することによって茶色になり、深く焙煎するほど黒っぽい色合いになってくる訳です。

化学的には、生豆成分中のショ糖が焙煎によってカラメル化するために茶色になってくる訳ですが、厳密には複雑な構造になっていて、まだ未解明の部分があるということです。

「未解明」とか書くと、「やっぱり怖い」となりそうですが、よく口にするカラメルシロップも未解明な部分があるくらい複雑な構造だそうです。
 

「プリンのカラメル」を食べても、肌の色は黒くなりませんね?
それと一緒で、コーヒーを飲んでも何も問題はありませんのでご安心ください。

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美味しいアメリカンコーヒーの作り方

アメリカンコーヒーとは?

コーヒー豆の焙煎度合いは、8段階に分けて表示されることが多いです。大まかにいうと、下記の通りです。
ライトロースト・・・・ごく浅煎り 
シナモンロースト・・・浅煎り   
ミディアムロースト・・やや浅めの中煎り  
ハイロースト・・・・・中煎り   
シティロースト・・・・やや深めの中煎り
フルシティロースト・・やや深煎り
フレンチロースト・・・深煎り
イタリアンロースト・・ごく深煎り

「アメリカンコーヒー」は、ミディアムロースト(浅めの中煎り)の豆をたっぷりのお湯でいれたコーヒーのことで、お湯で割って薄くしたコ ーヒーのことではありません。

・・・という説明文を良く見かけます。
しかしお湯をたっぷり注ぐアメリカン珈琲は、「コーヒーのお湯割り」にかなり近いものがあります。
そういう訳で、日本のカフェ・レストランではよくお湯で薄めた「アメリカンコーヒー」なるものが出されるのです。

お湯割り一つ!

アメリカン珈琲は、お湯をたっぷり注ぐ方が良いのでしょうか。それとも和風アメリカンでお湯割りの方が良いのでしょうか。
私は、むしろ和風「お湯割りコーヒー」アメリカンの方が美味しく召し上がれると思います。
なぜならドリップで抽出する場合、薄くするために沢山お湯を注ぐよりも、通常通りの湯量で入れてからお湯で割った方がずっと美味しいからです。

抽出しすぎ(抽出オーバー)は、特に浅めの焙煎だとイヤな渋みや酸味が出やすくなります。ですから、浅煎り、中煎り程度の豆を使う時は、濃いめに入れるくらいのつもりで抽出する方がおすすめです。
そして薄い味わいが好きなら、堂々と「お湯割り一つ!」で行きましょう。

<参考>
薄いコーヒーに合う豆
コーヒー豆量と湯量
好みのコーヒーに出会うためには(挽き加減)
挽き加減で七変化

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