本場エスプレッソの味わいは・・・
「どうだったの?」ということは、まず日本のカフェ、それもエスプレッソが飲めるシアトル系カフェと比較した方が良いですね。
答えは、当たり前ですが「バールによる」です。
日本でも、美味しいカフェもあれば「あれ?」な味わいのカフェもありますね。それはローマでも全く同じだと思います。
ただ全体的な印象としては、やはり本場の方が一枚上手で「エスプレッソ」そのものの味わいを楽しめる、と感じました。
まず日本では、「ミルクたっぷり入りエスプレッソ」が基本なので、「エスプレッソ」単品で注文する人は少ないですね。店内を見回しても、小さなデミタスカップで「エスプレッソ」を飲んでいる人は殆ど見かけません(少なくとも私は見たことがありません)。
そもそも「エスプレッソ」がメニューにない場合もあり、「エスプレッソできます?」と聞くと「え?!」と動揺する店員さんもいました(某最大手シアトル系カフェにて)。
このことから、カフェの方も滅多に「エスプレッソ」単品で出さないのだろう、ということが想像できます。
一方、ローマのバールでは「コーヒー=エスプレッソ」で、客も当たり前のように「エスプレッソ」を注文します。バール内を見回しても、デミタスカップを持っている人が多く、日本のカフェとは全然違う光景でした。 バリスタさんも「エスプレッソ」の味わいに自信を持って作ってくれるので、安心して楽しむことができました。
その辺の技術や意識の違いが、「一枚上手」という印象を引き出しているのかも知れません。
自分がいれるエスプレッソと比べると?(個人的な感想)
私はコーヒー豆屋なので、どうしても「クレマの下のエスプレッソ液の味わい」を最優先でチェックしてしまいます。さらにルール違反を承知で「砂糖無し」で飲むので、私の意見はあまり参考にならないかも知れません。
ただ、今回の旅行で大収穫があったのは確かです。
それは、手前味噌で大変恐縮ですが「当店の豆でいれたエスプレッソ」より右に出る味わいは無かった、ということです。
本当にずうずうしい発言ですが、これが判ったことが一番の収穫でした。むしろこれを調べるためにイタリアへ行った、といっても過言ではありません。
帰国後、エスプレッソ用の豆をご入り用のお客様に、自信を持ってオススメすることができるようになりました。自信を持てる、ということは私にとってとても大切なことなのです。
エスプレッソの味わいを決める要素は沢山あります。それは高性能のミルだったり、立派なエスプレッソマシーン、抽出技術、厚いクレマ、素敵なデミタスカップ、お店の雰囲気、そしてバリスタさんとの楽しいお話だったり・・・。
でも「クレマの下のエスプレッソ液の味わい」だけは、コーヒー豆次第です。
豆の鮮度(焙煎後・挽いた後の経過時間)と品質が一発で判る「エスプレッソ」。ミルクで誤魔化せないからこそ、違いが分かって魅力的なのかも知れませんね。
大規模店舗の規制に守られて
ところで、「ローマにシアトル系カフェがあったか?」というと、全然ありませんでした。
シアトル系カフェのようなチェーン店は全然見あたらないし、デパート等の大規模店舗もありません。
これは、イタリアでは大規模店舗参入に対する政治的抵抗が非常に強く、小さな店舗が優遇されているから、ということでした。
観光地なのに、見慣れた店が無いなんて・・・と最初はビックリしましたが、少しずつ馴染みの店を開拓していくうちにその方が良いことに気付きました。
だから市場に人が集まるし、小さな雑貨店やバールが繁盛するし、町全体が活気付くのだな、と。
日本の商店街にしてみれば、羨ましい限りですね。
でも、なぜかマクドナルドはありました。どうしてマクドナルドだけOK??
私としては、イタリアのバールは均一化されないまま、個性的なままで居て欲しいなと思います。
世界に一つだけしかないお気に入りのバールって、良いですよね。
日本でも、そんな素敵なカフェが増えて欲しいです。