モカの時間

自作モカチーノ。エスプレッソ&チョコパウダーにフォームミルクを注ぎ、チョコパウダーを上からかけます。

モカ=コーヒーの代名詞だった

コーヒーの名前は、産地(原産国)で呼ばれることが多いです。
例えば、コロンビア、ブラジル、メキシコ、ペルー、エクアドル等々。

でも「モカ」という国はありませんね。
「モカ」はどこの国のコーヒー豆を指すのでしょうか?

昔コーヒー豆はイエメンの港町「モカ」から積み出されていました。そのため、「モカ」近辺(エチオピア、イエメン)でとれるコーヒー豆をまとめて、「モカ」と呼ぶようになったそうです。

エチオピアがコーヒーの原産地なので、モカはコーヒー発祥の地ということになりますね。
当時はモカ経由のコーヒーしかなかったため、人々がコーヒーのことをモカと呼んでいたそうです。

大変栄えたモカ港は、1869年のスエズ運河開通とともに、港としての役割を終えました。
150年前に閉鎖された港の名前が、今なおコーヒー豆の呼び名として使われているのは感慨深いですね。

ちなみに弊社姉妹店があるニュージーランドでは、モカといえば「モカチーノ」のこと。
エスプレッソ&チョコレートにフワフワミルクを混ぜ込んだ、ほろ苦くて甘いコーヒーで大人気です。
そしてエチオピア産のコーヒー豆はモカではなく、そのまま「エチオピア」と呼ばれています。

入手困難な時期も

覚えている方もいらっしゃるかも知れませんが・・・
2008年に日本で、エチオピア産コーヒー生豆から基準値を超える農薬成分が検出、
輸入が規制され、日本国内では非常に手に入りにくくなりました。(エチオピア産コーヒー豆の有機塩素系殺虫剤残留について

安全なオーガニック・モカは一気に希少価値が高まり、価格が高騰し過ぎて、当店でも販売を断念した時期がありました。
あの時は、モカ好きのお客様のご要望にお応えできず、本当に辛かったです。
未だにオーガニック・モカは大変貴重ですが、2020年3月31日現在当店では販売しております(モカ・ナチュラル)。

モカの時間

実は今ご覧いただいているウェブサイトは、コーヒーを楽しみながらゆっくり読んでいただけることを目指して作ったものです。
タイトルは「モカの時間」。モカ=コーヒーとすると、「コーヒーの時間」ですね。

なぜわざわざモカにしたかというと・・・

昭和の純喫茶時代の懐かしい響き
モカチーノのほろ苦さと優しい甘さ
モカを浅めに焙煎した時の、特有のフルーティな香り
モカを深めに焙煎した時の、甘い香りとコク・・・

そんな印象が全部混ざり、私の中では「モカ」という響きが特別なものになっているから、かも知れません。

これからどんどん記事を増やしていきますので、ぜひまたお越し下さい。

きまめや
生豆屋(きまめや)