長寿ブレンド秘話

突然介護が必要になった父

11年前の夏のある日のこと。
定年退職した父が、私の仕事を手伝うためにいつも通り店にやってきました。
そして私の顔を見るなり、「指がうまく動かない」と言い出しました。
よく見ると、ワイシャツのボタンが外れて、エプロンのヒモも結べないでいました。

何かおかしいと感じた私は、すぐに母に連絡して病院に連れて行くように頼みました。
母はすぐに地元のクリニックへ連れて行きましたが、そのまま大きな病院へ行くように言われました。
でも救急車で搬送されなかったので、結局3時間以上待たされ・・・・
医師に診てもらえた時には、父はぐったりとして立ち上がることもできなかったそうです。

脳梗塞でした。
高次脳機能障害があったため、その日から父は一人で生活できなくなってしまいました。
その前日までは、とても元気だったのに・・・

後悔の日々

指がうまく動かなくなった時点で、救急車を呼ぶべきでした。
脳梗塞という病気についてよく知らず、その初期症状についても知識がありませんでした。
私にもっと知識があれば、後遺症がなかったかも知れません。

また救急車で運ばれた患者の方が優先されるので、どんなに近所でも救急車を呼ぶべきでした。
脳梗塞は一刻を争う病気ですから、歩けるから大丈夫・・・などという理由で
家族が病院に連れて行ってはいけなかったのです。

また、暑い中あまり水分補給ができていなかったのかも知れません。
もっと水分補給をするように伝えていれば・・・。

深煎りコーヒーを飲んでもらえれば良かった

もう一つの後悔が、毎日飲んでいたコーヒーです。
いつも浅めの焙煎のコーヒーを飲んでいた父。
あの時、深煎りのコーヒー豆をもっと勧めていたら、脳梗塞になる時期を遅らせることが出来たかも知れない・・・
そう思うと、悔やまれます。

深煎りのコーヒー豆には「ナイアシン(ビタミンB3)」が沢山含まれています。
深い焙煎により生成される「ナイアシン」は血液循環の促進、脂質異常症を改善して動脈硬化・
心血管疾患を予防、冠動脈疾患、脳出血、脳梗塞の発生率を下げることがわかっています。

一方、浅煎りのコーヒー豆には「クロロゲン酸(ポリフェノール)」が沢山含まれています。
「クロロゲン酸」は2型糖尿病の予防やアンチエイジング効果があり、こちらも大切な成分です。

父の場合は脳梗塞でしたから、浅めの焙煎コーヒーばかりを飲むのではなく、
深煎りコーヒーの方を積極的に飲むべきでした。

その後の闘病生活についても、ああすれば良かった、こうすれば良かったと、今でも母とよく話します。
でも最期まで母が愛情一杯の看病をしてくれたので、父は幸せだったのかな・・・とも思います。

長寿ブレンドを作った理由

自分自身や大切な人が、将来どんな病気にかかるか予測することは難しいですね。
もちろん遺伝的なものもありますが、成人病だったら加齢とともに誰でもかかる可能性がある訳です。

そこで「とにかくコレさえ飲んでおけば一安心!」と思えるスペシャルブレンドを作ろうと決心しました。
それが「長寿ブレンド」です。

脳血管疾患・心血管疾患予防に効果がある「深煎り豆」
2型糖尿病予防やアンチエイジングに効果がある「浅煎り豆」

その2種類を、コーヒー成分が最も効果的に摂取できるよう独自に配合。
特有の豊かな香りと深い苦みをお楽しみいただけるよう、時間をかけてじっくり焙煎し丁寧にブレンドしました。

もちろん発がん性物質が含まれる農薬を使わない、有機無農薬(オーガニック)認定コーヒー豆100%です。
コーヒー自体にも様々なガン予防効果がありますので、これでだいたいの成人病の発病を遅らせることができる・・・
そう信じています。

長寿ブレンドは、配合するのに合計6回焙煎する必要があり、大変手間がかかります。
でも、どうしても沢山の方に飲んでいただきたくて、できるだけ今週のおすすめ(特価)になるように設定しています。

父にも、この長寿ブレンドを飲んで欲しかったです。
「少しでも健康な時間が、長く続きますように・・・」
そんな気持ちで、日々長寿ブレンドをお届けしています。

【参考】
長寿ブレンドの作り方
手焙煎で健康コーヒー(病気予防に)

【参考記事】
コーヒー摂取による生活習慣病予防効果のメカニズム -アディポサイトカインを介した影響(愛知職域コホート)

アディポネクチンと糖尿病・心血管病の分子メカニズム(第128回日本医学会シンポジウム)

Niacin therapy in atherosclerosis(英文、Curr Opin Lipidol. 2004 Dec;15(6):659-65.)

血栓をつくりにくい?コーヒーの不思議な力。(社団法人全日本コーヒー協会)

Nicotinic acid in the management of dyslipidaemia associated with diabetes and metabolic syndrome: a position paper developed by a European Consensus Panel(英文、Current Medical Research and Opinion,?2005, Vol. 21, No. 5 : Pages 665-682)

脂質異常症の最新情報 ニコチン酸とHDL(ドクターサロン57巻7月号-6. 2013)

コーヒーのポリフェノール(秘蔵!コーヒー豆知識)

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーと糖尿病 その3

以前、コーヒーは2型糖尿病(以下、糖尿病と略します)の予防に効果的、というお話をしました。
今日は、糖尿病を「すでに発症している人」はコーヒーとどう付き合ったら良いかについて、提案したいと思います。
※2型糖尿病:遺伝的な要素に、過食や運動不足、ストレスなどの生活習慣が加わって発病するタイプの糖尿病。

「予防」と「発症後」の違い

糖尿病の「予防」として、コーヒーを飲むのは効果的であるという研究結果がいくつか発表されています。

その理由として、コーヒーに含まれるカフェインが、脂肪の燃焼を助けて体重増加を防ぐからとか。
または、コーヒー成分のクロロゲン酸が作用して間接的に血糖値をコントロールしているのでは? 等々いろいろな説がありますが、まだハッキリとは解明されていません。

一方、「予防」ではなく「すでに発症している人」は、どうでしょう?
色々調べたところ、コーヒーを「たっぷり飲む」のは控えた方が無難のようです。
大量にコーヒーの「カフェイン」を摂取すると、炭水化物の利用効率が悪くなり血糖値が高くなる恐れがあるからです。

予防で沢山飲んでOKでも、発症したら要注意とは・・・
コーヒーの成分が複雑に影響しているため、なかなか難しい所のようですね。

糖尿病発症後のコーヒーの飲み方

発症すると、食後の血糖値コントロールがとても大事になります。
コーヒーのカフェインによる影響を抑えるため、発症している人は食事中や食後のコーヒーは控えた方が良いでしょう。
#コーヒーだけでなく紅茶や緑茶、清涼飲料に含まれるカフェインも要注意です。

「でも、やっぱりコーヒーが飲みたい!」
そんな時は、空腹時・食間に飲むことをオススメします。嬉しいことに、空腹時にコーヒーを飲んでも血糖値の変動は殆ど見られないそうです。

さらに、アラビカ種の豆を選び、できれば抽出はアメリカン(薄め)で。そうすればカフェイン量も減り、より安心ですね。
※当店でお取り扱い中の豆はすべてアラビカ種ですので、ご安心下さい。

もちろん、服用中の薬や体質との相性もあるかと思います。コーヒーを飲むときは、必ずかかりつけの医師に相談してからにしましょう。

アラビカ種:カフェイン量がロブスタ種の半分。

<参考>
コーヒーと糖尿病1(色々な研究結果)
コーヒーと糖尿病2(予防と使用上の注意)
アメリカンコーヒーの作り方

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーと糖尿病 その2

1日10杯で8割減?!

「コーヒーを1日数杯飲む人は、糖尿病のリスクが3割近く下がる」という調査結果を、フィンランドの研究機関が発表しました。(※)
35~64歳の約1万4600人を調査した結果、1日3~4杯のコーヒーを飲んだ場合、飲まない人に比べ女性で29%、男性で27%糖尿病にかかる率が減少。
1日10杯以上飲んだ場合、女性で79%、男性で55%の減少となったそうです。

しかし。いくら効果的と言っても「1日10杯以上」はなかなか難しいですね。どうやって10杯以上飲む人を集めたんだろう? と疑問に思った所・・・
フィンランドの「コーヒー豆の1人当たり年間消費量」は世界一で、何と約11kg! 
1日9杯飲むのが平均だというから驚きです。なるほど。だからコーヒーに対する意識も高く、調査報告も多い訳ですね。

アメリカなどでも最近、同じような研究報告がされていますが、どうしてコーヒーが効果的なのかは未だに判明していないそうです。

※フィンランド国立公衆保健研究所が、2004年3月10日発行の米医師会誌(JAMA)に発表しました。

無理しないように注意

ここで知っておいていただきたいのは、どの研究機関も「あくまで適量を飲むこと」をすすめている、ということです。
「そうか!効果的なのか!」と言いながら、無理してガブガブ飲まないよう、お気を付け下さい。

私が思うに「あー、コーヒーが飲みたい!」と思った時に、新鮮で体に優しいコーヒーを飲むのが一番ではないでしょうか。
飲みたいときに美味しいコーヒーを飲むと、体にスッと入っていきますし、胃ももたれません。
しみじみ美味しくて、幸せな気持ちになれます。
当店のお客様でも「コーヒータイムがストレス解消!」という方がとても多いです。

あと、お砂糖&ミルクをたっぷり入れて1日何杯も飲むと逆効果の恐れもありますので、ご注意下さい。
また「コーヒーなら何でもいいかな」と「糖分タップリ缶コーヒー」を何本も飲んだりしないように、くれぐれもお気を付け下さい。

<参考>
コーヒーと糖尿病1(色々な研究結果)
コーヒーと糖尿病3(予防と発症後の違い)
悪魔の飲み物「缶コーヒー」

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーと糖尿病 その1

糖尿病に効果あり?

オランダの研究では、1日に7杯以上コーヒーを飲む人は2杯以下の人に比べて、2型糖尿病(※)を発症する率(7年間調査)が約半分だったそうです。
※2型糖尿病:遺伝的な要素に過食や運動不足、ストレスなどの、体に負担となる生活習慣が加わり発病するタイプの糖尿病。

これは、コーヒーに含まれるクロロゲン酸やマグネシウムなどの成分が、糖尿病の発病を防ぐためだと推定しています。(Lancet2002.11.9号より)。

また、日本の研究でも、東京大病院と朝日生命糖尿病研究所の調査から、コーヒーの成分によって糖尿病の予防や治療につながる可能性があるとしています。
#紅茶や緑茶、ウーロン茶では、血糖値への効果はみられなかったそうです。
(毎日新聞2003.3.10夕刊より)

予防できる可能性大

一方、フィンランドの研究では、20年近く追跡調査した結果、コーヒーを飲む量と2型糖尿病の発症率とには何の関係もみられなかったそうです。

コーヒーの効果は人種によって違うものなのか、調査方法の違いなのか。はっきりとした結果は出ていません。
そして、一体何の成分が効いているのかについても、まだまだ研究の余地があります。

とりあえず「コーヒーを飲んでも悪影響は無い→むしろ予防になる」ということだけは確かのようですね。
#もちろん、砂糖やクリームをたっぷり入れれば、悪影響を及ぼしかねません。くれぐれもご注意下さい。

平成14年に厚生労働省が発表した調査結果によると、「20歳以上の6人に1人は、糖尿病か予備軍」。
そして日本人の糖尿病は、ほとんどが2型糖尿病だそうです。
その予防としてコーヒーを飲むのも一法ですが、普段の食生活に気をつけたり、適度な運動をすることが最も大事とのことです。

ちなみに、健康な人が「糖尿病の人向けの食事」をすると、どうなるかご存じでしょうか?
もっと健康になるそうです。
この機会に、欧米型の食生活を見直すのも良いですね。

<参考1>1型糖尿病とは
インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されて発病するタイプの糖尿病。
日本人に多い2型糖尿病と異なり、生活習慣と関係なく発病する。体外からインスリンを補わないと生命を維持できない場合が多く、小児・若年期に発病することが多い。
#1日1回~数回インスリンの注射を打つ必要があるそうです。自分で注射を打っている人を見かけても、ビックリしないで下さいね。

<参考2>
コーヒーと糖尿病2(予防と使用上の注意)
コーヒーと糖尿病3(予防と発症後の違い)

きまめや
生豆屋(きまめや)