コーヒークリームの話

クリームを入れるのは通じゃない?

どうでしょう?
私はブラック派ではありますが、「深煎りコーヒー」に少量クリームを入れるのも好きです。脂肪分40%前後の「純生クリーム」をちょっとだけ落とすと、強い苦
みとクリームのまろやかさが調和して、とても美味しいです。

もちろん、仕事中は味見をする必要がありますので、エスプレッソだろ
うと何だろうとクリーム無し(砂糖も無し)でいただきますが。
 

純生クリームvsコーヒークリーム(フレッシュ)

コーヒーに入れるクリームについては、いろいろな意見があります。
脂肪分が高い方が良いとか、低い方が良いとか。
私だったら、美味しさと健康のために「純生クリーム」か「牛乳」のどちらかを選びます。その理由は、おびただしい食品添加物を一緒に飲みたくないからです。

コーヒー用クリーム(コーヒーフレッシュ)と呼ばれる物で、余計な添加物が入っていないものがあるのでしょうか。ぜひ、袋の裏側を見て原材料をチェックしてみてください。
また、ポーションタイプのコーヒー用クリーム(主要製品12種類)から環境ホルモンの疑いのある物質「スチレンモノマー」の溶出も確認されています。便利さを追求すると、どこかにしわ寄せが来てしまうようですね。

一方「純生クリーム」は品質保持期限が1週間程度なので、すぐに使えなくなってしまいます。でも味は格別です。添加物が入っている低脂肪のクリームを使うなら、本物のクリームを少量使う方がずっと「あんしん+おいしい」と思います。

ただ長持ちしないので、外出先のカフェで純生クリームを出してもらうのは難
しいかも知れません。「本当に安心でおいしいコーヒーを!」と思うなら、やっぱりご自宅で自分好みのコーヒーを入れるのが一番ですね。

純生クリームは、スーパーなどで200ccパックで販売されていることが多いです。良かったらお試し下さい。

<参考>
コーヒークリーム(フレッシュ)の実態

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒー焙煎豆の飲み頃

飲み頃はいつ?

コーヒー豆の飲み頃は一体いつなのでしょうか。
「焙煎したてが最高!」という方もいれば、
「やっぱり焙煎の翌日だね」という方も。中には、
「1週間経たないと、本当の味わいは出ない」
「2週間目が一番おいしい!」という方もいらっしゃいます。
さすがに「2週間以上過ぎるとおいしい!」という話は聞いたことがありませんが。

店長おすすめの飲み頃

焙煎後2時間経過すると酸化が始まるという噂を聞いたことがあります 。しかし私は「焙煎した翌日、または翌々日」くらいの豆が、一番好きです。
何とも言えない芳醇な香りがして、クラクラっときますね。
そして思わず「はぁ」とため息。何年もコーヒー豆を焼いていても、毎日感動できるコーヒーって本当にすごいなぁ、、と思います。

焙煎したての豆ってどう?

では、焙煎したての豆はダメかというと・・・。
強い香りはありませんが、とても透明感のある味わいが楽しめます。
あまり横文字を使うのは好きではないですが、あえて使うと「ピュアな味わい」ってところでしょうか。焼きたてでしか味わえないこの感覚も、結構クセになります。
このクセは、自宅焙煎にのめり込んでいる方によく見られる症状です。
さてさて。ここで注意しなくてはいけないのは、下記の例外です。

挽き豆は例外!

残念ながら、挽き豆の場合は例外です。なぜなら、コーヒー豆は挽いた瞬間に香りの5割は飛ぶと言われているからです。これはコーヒー豆の表面積が一気に増えるためで、酸化も同時に早まってしまいます。
そのため、挽いたらできるだけ早く召し上がっていただく方が「おいしいコーヒー」になります。

もしミル(豆を挽く道具)をまだ持っていないなら、この機会にぜひご検討下さい。量販店で売っている安価な電動ミルでも、挽いてある豆でコーヒーを入れるよりはずっと香りを楽しむことができるはずです。

ぜひ焼きたて・挽きたての豊かな香りを、皆さんに知っていただきたいです。

きまめや
生豆屋(きまめや)

インスタントコーヒーで胸焼け?

インスタントコーヒーを飲みたく無い理由

インスタントコーヒー愛好者の皆さまには大変申し訳無いのですが・・・
私はインスタントコーヒーを飲むと胸焼けしてしまいます。
正直言って一口も飲みたくないし、無理矢理飲まされるとしたら、かな
りの苦痛を伴います。

「先入観があるからでは?」と思われるかもしれませんが、私の胃は黙ってインスタントを出されても、即座に反応してしまいます。
こういうことをお客様に話すと「私も一緒!」という方が意外と多いのに驚きます。

インスタントを飲んでも大丈夫な方は、来客におすすめする時はちょっとだけ気をつけましょう。中には私のように、インスタントコーヒーを飲むならお水の方がずっと助かるという方もいますので。
 

インスタントコーヒー製造方法

 まず、巨大なパーコレーター(抽出器具)で、濃いコーヒー液を作ります。豆は気候条件に左右されないけど味が落ちる安価な「ロブスタ種」が多用される傾向があります。

 遠心分離器にかけて、さらに濃縮したもの(濃縮コーヒー液)を、熱風と共に霧状に吹き出して乾燥させたのが、スプレードライコーヒー。

濃縮コーヒー液をマイナス40℃前後で凍結し、粉砕してから減圧下で乾燥させるのがフリーズドライコーヒー。スプレードライよりもコスト高ですが、味は良いそうです。

1の段階でもし冷めないうちにコーヒーが飲めたら、胸焼けはしないか
もしれないですね。味の方はわかりませんが。
 

繊細なコーヒー

コーヒーはとても繊細で劣化が早いです。
抽出後に刻一刻と味わいが変化していくため、入れてから30秒、少なくとも1分以内には口をつけて欲しいです。

冷めた時に味わいが劣化しやすいため、コーヒーカップはティーカップよりも飲み口の径が小さいものが多いですね。紅茶は冷めてもそれほど劣化しないため、飲み口が広めですが。

また抽出後の鮮度だけでなく、焙煎してからどのくらい経ったかの鮮度についても大事なポイントになります。つまり、
焙煎してから、何日、何週間経過しているか。
挽いてから何分、何時間、何日経っているか。
抽出してから何秒、何分秒経っているか。
それらの要素がすべて、味、香り、胃(体)にはっきり影響してきます。
 

コーヒーという言葉は、コーヒー豆を原料にしていれば何でも使えます。
でも、本当に美味しくて体に優しいもは、限られた条件下にあるものだけだと思います。
すごく手間がかかりますが・・・自分で作るコーヒーは、美味しくてやめられません。

<参考>
驚異!インスタントコーヒー再利用

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ブラジルの農薬中毒事件

さび病対策

多くのコーヒー豆生産国で、コーヒー農家が一番恐れている のは「さび病」と「虫害」です。その対策として多額のコストをかけて農薬散布をしていると言われています。
「さび病」は「さび病菌」によるもので、一度かかると瞬く間に繁殖し、葉の色があせてて光合成できなくなるため枯れてしまいます。この病気のおかげで、セイロン産コーヒーが全滅、紅茶の栽培に切り替わったという経緯もあるくらいです。

ブラジルの農薬中毒事件

この「さび病」に絶大な効果を発揮する農薬の一つが「BAYSISTON」です。この農薬が、1999年ブラジルで中毒事件を引き起こしました。
30人のコーヒー農園労働者が中毒症状を起こし、うち12人が死亡。大きな社会問題へと発展しました。
「BAYSISTON」は、ブラジルで現在も使用されている農薬で、コーヒーの木の根本付近に施します。そこから吸収された農薬が、木全体に行き渡って「さび病」を予防するということです。
農薬を開発した会社は「コーヒー豆には問題なし」と判断していますが。まだ新しい農薬で、残留データが少ないため何とも言えません。

またコーヒー農園の労働者は文盲率が高く、農薬の危険性に対する知識が少ないのが現状です。 暑くて湿度が高い気候のため、農薬散布時に必要な装備を怠り、かなり危険な状態で仕事をしています。
このような状況下で起こった過去の事故が、装備を怠ったから仕方ないよ!と終止符を打ってもよいのでしょうか。
彼らの苦痛は、いずれ私たちにも巡ってくるような気がしてなりません。

<参考>
ブラジルで人気の農園

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フレーバーコーヒー大解剖

フレーバーコーヒーとは

コーヒー豆に、添加物を使って風味と香り(フレーバー)をつけたもの 
です。多くの企業では、合成されたエッセンスを使用しますが、一部の 
企業では天然のものを使用しているようです。 バニラやチョコ、ナッツなど、いろいろなフレーバーがあります。 

使用される添加物

私の手元にあるフレーバーエッセンスを見てみると、後ろの方に 
「天然香料」(香りづけとして )
「安息香酸」(合成保存料として) 
「ソルビン酸カリウム」(合成保存料として )

と書いてありました。 
とりあえず、このエッセンスは合成香料を使っていないようですね。 
ここで気をつけなくてはいけないのは、天然だから安心だとか、合成だから心配という問題ではないということです。 

たとえば合成保存料の「ソルビン酸カリウム」は、亜硝酸ナトリウム (ハム・ソーセージなどの発色剤)と反応して発ガン物質に変わるとか、「安息香酸」は染色体異常ありとか言われていますね。 

では「天然香料」だったらいいか?というと、そういう訳でも ないようです。一体天然の何からどうやって抽出しているの?という 疑問も出てきます。 
よく天然着色料が虫や植物から抽出されている、とは聞きますね。 

結局、無理に(人工的に)高濃度で抽出したものには、何かしらの問題 が生じ、体に負担をかける可能性があると思われます。

だからできるだけ自然のままのものを香料として使用してみるのはいかがでしょうか。例えばバニラフレーバーだったら、コーヒー粉にバニラビーンズの種を 
しごき出したものを混ぜてみるのはいかがでしょう?
シナモン風味なら、フワフワミルクをのせたコーヒーにシナモンパウダーをかけるのも良いですね。もちろん、シナモンスティックをブラックコーヒーに入れても、面白いかも知れません。体にも優しそうな感じです。 

そうはいっても。やっぱり私は、コーヒーは本来持っている香りを楽しむのが一番だと思います。「人工的にフレーバーをつけるなんて、もったいない!」
というのが正直な気持ちです。あと、あの強烈な香り(臭い)はちょっと苦手です。 フレーバーコーヒー大好きな方、どうもすみません。

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産地燻蒸(くんじょう)の話(燻蒸その6)

「産地燻蒸(くんじょう)」が主流

コーヒー豆が輸入される時に日本に居ない有害な虫が見つかると、バルサンのような殺虫剤で丸ごと消毒(燻蒸)されることは以前お話ししましたね。 
豆の中に入っている虫を殺すため、かなり強い薬剤を使います。 

実は、最近ではこの消毒を産地で安くやってしまう傾向が強くなっていると いうことです。虫が居ようが居まいが、日本で燻蒸(くんじょう)されるよりは 安いそうです。 

そういう訳で、日本でのコーヒー豆燻蒸(くんじょう)件数はかなり少なくなってい ます。「産地燻蒸(くんじょう)」の事実を知らないと「輸入時の燻蒸(くんじょう)件数が 減っていて、よかった!」という誤解をする恐れもありますね。 

コーヒー豆以外に、輸入フルーツも・・・

 この「産地燻蒸(くんじょう)」は、実はコーヒー豆だけではありません。 
バナナやグレープフルーツが、日本で「青酸ガス燻蒸(くんじょう)」されることは以前 お話しましたね。
一方「産地燻蒸(くんじょう)」で良く知られるのは輸入イチゴ。 コーヒー豆と同様、猛毒「臭化メチル」による燻蒸(くんじょう)が行われています。 
旬じゃない時期にケーキにのっている、あのイチゴのことです。 
心配なら、お店の人に聞いてみるのもいいかもしれないですね。こだわってい るケーキ屋さんだと、国産しか使わないところもあります。 

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その3 残留基準は無し
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その5 安全な燻蒸?
燻蒸ってどんなもの?
有機栽培(オーガニック)豆に害虫が見つかったら?

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コーヒー豆量と層の厚み

コーヒー層の厚み

ドリップコーヒー1杯あたり、コーヒー豆約10g(豆用計量スプーンで約1杯)が一般的です(メーカーにより多少違います)。
でも、もし1杯分だけを抽出する場合、10gだと少ないかも知れません。どうして少ないのでしょう?

ペーパードリップもネルドリップも、コーヒー豆の「層」に湯を通して抽出する方法です。そのため豆の量が少ないと、「層」も薄くなってしまいます。
つまり、ドリッパーやネルの底面部分の大きさや角度は決まっているため、豆の量で「層」の厚みが決まってしまうということです。
だから、1杯分のコーヒーを作るのに10gしか使わないと「層」の厚みが少なくコクが足らない薄いコーヒーになりやすいのです。

では、約3杯分を作る時はどうでしょうか。カリタ式なら30g、ハリオ式なら36gの豆量を推奨しているので、「層」としては申し分ありません。しっかりと抽出できますし、コクも出てくると思います。
つまり、一人分あたりの豆量は同じでも、作る分量によってコーヒーの濃さやコクが全然違ってくるということです。

たくさん作るとコクがある美味しいコーヒーに

それでは、一人分でコクを出すなら何グラムくらいが適当でしょう。これは好みによりますので何とも言えませんが、15~20g程度が無難かと思います。
でも実際、私が自分のためだけに作るとすれば、1杯あたりの豆量は増やさずに2杯分抽出してしまいます。おかわり用に1杯多く作る、ということです。
なぜなら、コーヒーの層ができていれば、余計にコーヒー豆を使わなくても美味しく作ることができるからです。

ちなみに、私がコーヒーをいれるのに一番好きな量は、3~4杯分です。そのため、だれかを道連れにしてコーヒーを飲むことがほとんどです。
職場にも常時3~4人のスタッフがいるので、一人分だけをいれることはまずありません。これくらいの量だと、あまり神経を使わなくても美味しくできるので良いですね。

逆に15~20gで一人分をおいしくいれるには、ちょっと技術が必要です。細口ポットを使って慎重にゆっくりとお湯を注ぐ必要がありますので・・・

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コーヒー豆量と湯量の関係

湯量の量が大切

「コーヒーを入れるたびに味が変わるのはどうして?」と聞かれることがあります。
原因はいろいろとありますが、その一つは豆の量と湯量の関係です。
例えば、私がコーヒーを入れる時は、必ずコーヒー豆の粉量に合った湯量を正確に注ぎます。多めに湯を注ぐと豆が持つ「渋み」など余計な味が出てきてしまうため、注ぎすぎはよくありません。もしドリッパーに湯を入れすぎてしまったら、適量に抽出した時点ですぐにコーヒーサーバーから外しましょう。
※ドリッパーは底に穴のあいた抽出器具、コーヒーサーバーはコーヒーを受けるガラス製容器のこと。

もしあなたがコーヒーサーバーでなくカップに直接コーヒーを抽出している場合、余程注意をしないと入れる度に誤差が生じてしまいます。
一度、1杯分当たりのお湯(小さめコーヒーカップなら120ccくらい)を注いでみて、印を付けたり、カップの模様で一杯分のラインを覚えたりしてから注いでみると良いですね。

薄いコーヒーが好きなら・・・

よく「普通にいれると濃すぎて飲めない」「薄いコーヒーが好き」という方がいっしゃいます。
そういう場合はちゃんと適量の豆を使って適量の湯で抽出してから、さらにお湯で薄めることをおすすめしています。
「豆がもったいないから多めのお湯で抽出する!」という考えでコーヒーをいれると、渋みや喉につまるような変な酸味が出てくる原因となり、「おいしい薄いコーヒー」は出来上がりません。

だから、おいしいコーヒーを飲もうと思ったら、たとえ電話が鳴っても、最後まで抽出を見届けてから受話器のところに走って行く! ぐらいの覚悟でいれることを、おすすめします。

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生豆屋(きまめや)

湯の「質」と「温度」

そのお湯大丈夫ですか?

コーヒー豆にこだわることは、もちろん大事です。美味しいコーヒー豆を使えば、相当下手な入れ方(失礼)をしても、そこそこ美味しいコーヒーが出来上がるからです。

でも、注ぐ「お湯」も実は大事です。一杯のコーヒーの殆どはお湯ですからね。
例えば、湯沸かし器で煮詰まったお湯を持ってきて「おいしいコーヒーいれてくれる?コーヒー豆屋でしょ?」って言われても困ります。豆の美味しさでカバーして「比較的おいしいコーヒー」ならいれることができますが。

マイルドで酸味のあるコーヒーをいれるならば軟水だ、苦いコーヒーを入れるならば硬水だ、どこそこの山でとれた水が最高だ・・・などとよく聞きます。しかし、一番大事なのは「湯冷ましでおいしく飲めるか」ということではないでしょうか。
「どこ産の水がおいしい!」と感じるかは、コーヒーの好みと同じで十人十色。とにかく、いつも使っている水を一度沸騰させ、ぬるま湯にしてから飲んでみましょう。
ぬるいと一番クセが出るから、味の善し悪しがすぐにわかります。それで美味しければ、とりあえずコーヒー抽出用の水として合格!ということになります。

ちなみに私がコーヒーを試飲する時は、水道水を濾過器に通した「純水に近い水」を使います。ほとんど純水なので無味無臭、ミネラルもありません。
そのかわり様々な有害物質も除去されていて、コーヒー豆だけの味をストレートに堪能できるので、私には好都合な水なのです。

湯の温度も大事・・・だけど面倒なら沸騰直後で。

ペーパードリップやネルドリップで抽出するときは、水から一度沸騰させて、ちょっと冷ましたくらいの湯加減(90℃前後)がおいしくいれられます。
なぜかというと、沸騰した湯でいれると、香りが飛びやすくなり、本来喜ばしく ない味(渋みやイヤな酸味)が出やすくなるからです。繊細な香りのコーヒーであればあるほど、この湯の温度が大事になってきます。
ただし、ちょっと冷ました湯加減でいれる場合は、ドリッパーやサーバー、 カップをあらかじめしっかりと温めておきましょう。そうでないと、恐怖の「ぬるいコーヒー」を飲む羽目になります。

「そんなこと面倒でやってられないよ!」と言う方は、沸騰したてのお湯で妥協しましょう。多少香りは飛びますが、温かいコーヒーを飲むことができる方が幸せが大きいのではないでしょうか。特に冬場は、すぐに冷めてしまいますからね。

あと、朝忙しい時に便利なコーヒーメーカーも、沸騰した湯で高温抽出する場合 が多いです。コーヒーメーカーはスイッチ一つで保温までしてくれる優れモノ。でも、同じ豆でもコーヒーメーカーでいれると、また違った味わいになるように思います。
「いつものコーヒー」と「ここぞ!というときのコーヒー」を分けるのも良いか もしれませんね。

きまめや
生豆屋(きまめや)

安全な燻蒸?(燻蒸その5)

姿を変えて残留する臭化メチル

燻蒸(くんじょう)で使われる臭化メチルは、食品に臭素として残留し、その残留 レベルは相当高いものであると言われています。 

またコーヒー豆の場合ですと、焙煎によって分解し、臭化水素などの 有毒で腐食性の物質を生じることがわかりました。 
調べれば調べるほどいろいろと出てきますが、これがオーガニック認証コーヒーをお勧めする理由の1つでもあります。
 

安全に燻蒸(くんじょう)する方法は?

こうなってくると「安全な燻蒸(くんじょう)方法は?」と聞きたくなりますね。 
オゾン層を破壊する物質としても指定されている、臭化メチル。 
これに頼らずに、燻蒸(くんじょう)する方法として「二酸化炭素燻蒸(くんじょう)」 の研究が現在すすめられています。 

我が国では、体にも環境にも優しい「二酸化炭素燻蒸(くんじょう)」が、世界に 先駆けて植物検疫処理法として採用されました。 

日本も結構やるなぁ、と思いきや。 
2000年10月現在、まだ一度も、輸入農産物が「二酸化炭素燻蒸(くんじょう)」されたことが無いそうです。 
つまり絵に描いた餅ということですね。 

なぜ、体にも環境にも優しい方法を使わないのでしょうか。 
実は、「燻蒸(くんじょう)」するのに14日間もかかるし、コストも3~5倍で、 おまけに特別な施設でしかできない、などの課題が山積みになっている のでした。 

一日も早く、より短時間・低コストの安全な燻蒸(くんじょう)方法が開発される ことを祈ります。 
輸入農産物に頼る私たちの健康だけでなく、燻蒸(くんじょう)業に携わる方々の 健康、そして環境保護を考えて。 

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その3 残留基準は無し
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その6 産地燻蒸の話
燻蒸ってどんなもの?
有機栽培(オーガニック)豆に害虫が見つかったら?

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生豆屋(きまめや)