前回は「都市伝説・珈琲と脱水症状」についてお話ししましたね。
今回は「日本人はなぜカフェインに強いのか?」カフェイン耐性のお話です。
[E:cafe] 明らかに違うカフェイン耐性
以前ニュージーランドでカフェをオープンしたお話をしましたが、その中で一つ気付いたことがありました。
「ニュージーランド人は、カフェインにすごく弱い!」ということです。
たとえば、多くのカフェが午後3時には閉まってしまいます。
なぜなら、3時過ぎにコーヒーを飲むと夜眠れなくなってしまう・・・という考えが主流だからです。
※AucklandのPonsonbyにある生豆屋の姉妹店も、3時に閉まります。お客様がパタッと減ってしまうので。
私は一日に3杯以上コーヒーを飲むし、寝る直前に飲んでも全く問題無いので良く分からないのですが。
本当に、就寝時間の6時間以上も前に「コーヒー断ち」をする必要があるのでしょうか?
ニュージーランド人の友人達曰く、「夕方から飲まないのは当たり前!」だそうです。
そこで、どういう人種がカフェインに弱いのか調べてみました。
[E:cafe] お茶の文化=カフェインに強い説
どうも日本人だけではなく、東アジアの人達はカフェイン耐性がある人が多いようです。
東アジアというと、日本、韓国、中国、北朝鮮、台湾、モンゴルあたりでしょうか。
これは、昔からカフェインを含む「お茶」を飲む文化があったためでは?と言われています。
一方、17世紀(江戸時代初期ごろ)にコーヒーが普及するまで全くカフェインを摂取しなかった国では、カフェイン耐性が弱い人が多いようです。
紅茶についても、ヨーロッパでを飲まれるようになったのは17世紀後半から、イギリスでアフタヌーンティーの習慣が始まったのが19世紀中頃ということで、アジアのお茶文化に比べるとずっと短い歴史と言えます。
ということで。
お茶をよく飲んだご先祖様のおかげでカフェイン耐性のある人種になった、という感じでしょうか。
もちろん、日本人でもカフェインに敏感な人もいます。
よく自分の体と相談して、ピッタリな飲み物が見つかると良いですね。
——
カフェイン耐性のある私にとって、コーヒーは決して眠気覚ましにはなりません。
でも、気分転換にはとても良いですね。ストレスが多いときに飲むと、頭の中がリセットされて落ち着きます。
誰かに入れてもらうコーヒーも良いですが、自分でコーヒーを作って美味しく入れられると達成感があり幸せな気持ちに。
挽いた時の素晴らしい香りも、様々な癒やし効果があるそうで・・・ぜひお試し下さい^^
参考サイトについては、こちらのページ一番下からご覧下さい。
自分好みのコーヒーに出会うためのヒント・ドリップ式の挽き加減
皆さんは、「自分好みのコーヒー」がどんなコーヒーかご存知ですか?
お客様から「おすすめコーヒー豆」を聞かれたとき、私はいつも「きまめやブレンド」「きまめやブレンド深煎り」をとりあえずおすすめしています。
なんと言っても店長(私)一押しのオリジナルブレンドですからね!
でも、そこからさらにお口に合ったコーヒー豆や作り方が見つかるかも知れません。たとえば、もうちょっと苦い方が良いとか、もうちょっとあっさりした方が良いとか・・・
今日は、自分にピッタリなコーヒーを見つけるためのヒント「挽き加減※」についてお話ししたいと思います。
※挽き加減:コーヒー豆をどのくらい細かく粉々にするかの加減
挽き加減による味わいの違い(ドリップ式の場合)
粗挽きと細挽きで、どのように味わいの違いが出るかご存知でしょうか。
一般的なドリップ式(ペーパーフィルター、金属フィルター、ネル等)の場合だと
粗挽き:あっさりした味わい。豆を多めに使うと、まろやかでコクのあるリッチな味わい。
細挽き:濃く、酸味・苦味が強い味わい。豆を多めに使うと、さらに濃い味わい。
中挽きだと、ちょうど中間の味わいになります。
そのため当店では、ドリップ式の場合まずは無難に中挽きをおすすめしています。
もちろん、その時の気分に合わせて挽き加減や豆の量を調節できたら楽しいですね。例えば・・・
・とっておきのコーヒータイムだから、コーヒー豆を多めに使って粗めに挽く(リッチな味わい)
・脂っこい食事の後だから、粗めに挽く(あっさりした味わい)
・ミルクたっぷりでもコーヒーの味わいを楽しみたいから、細めに挽く(濃い味わい)
・成人病予防でしっかりコーヒー成分を抽出したいから、細めに挽く(濃い味わい)等々。
お手元にミル(グラインダー)があると、コーヒーの味わいの幅もぐっと広がりますね!
ただ、コーヒー豆は挽いた瞬間に香りの半分が飛んでしまうと言われています。
粉々になることで一気に豆の表面積が増え、酸化も速くなり、味わいの劣化・体への負担も心配です。
そのため、できるだけ「抽出直前にミルで挽く」ことをおすすめしています。
もしお店で挽いてもらうなら、すぐ密閉容器に移し替えて冷蔵庫に保管しましょう。
低温保存することで、酸化を遅らせることができます。
※コーヒー豆は消臭効果(臭いを吸収する効果)が強いため、冷蔵庫の食品臭が移らないように必ず密閉して下さい。
ごく細挽きは注意!
さらに濃いコーヒーをドリップ式で作ろうとして、パウダー状の極細挽きにすると・・・
フィルターが目詰まりして、抽出が止まってしまうことがありますのでご注意下さい。特に、豆の量が多いと詰まりやすいです。
もし濃いコーヒーをドリップ式で作りたいなら、
(1)細挽き(パウダー状ではない)にして、
(2)お湯を注ぐ速度を落とす、のがおすすめです。
しっかり蒸らしたあと、時間をかけて少量ずつお湯を注いでみて下さい。細口ポットがあると、ゆっくり注ぎやすいですね。
まったりした味わいの濃いコーヒーをお楽しみいただけると思います。
もちろん、目詰まりしたコーヒーの方が美味しい!と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
人の好みは十人十色なので、試してみるのも良いかと思います。
もし時間がかかりすぎて冷めてしまったら、沸騰しない程度に温め直せば大丈夫です。
濃いコーヒーならエスプレッソマシンやプランジャーで作る方が手っ取り早いですが、「ドリップ式ならではの濃いコーヒー」もなかなか良いものです。
以上、自分好みのコーヒーに出会うためのヒントになることを書いてみました。
他にも沢山ヒントがありますので、またご紹介して行ければと思います。
都市伝説?コーヒーと脱水症状
手術後のホルモン療法とコーヒー(乳がんと珈琲 その3)
乳がんの種類とミルクなどの影響について(乳がんと珈琲 その2)
乳がんとコーヒーの関連性について(乳がんと珈琲 その1)
乳がんとコーヒー その2「乳がんの種類とミルクなどの影響について」
乳がんとコーヒー その1「乳がんとコーヒーの関連性について」
緑茶コーヒー(緑茶とコーヒーの出会い)
カテキンの効果
コーヒーには様々な成人病を予防する効果があることについて、今までに何度かお話ししました。
具体的には、糖尿病や心臓血管病や神経変性疾患、ガン等の成人病(生活習慣病)予防についてです。
ところで、緑茶に含まれるカテキン(ポリフェノールの一種)にも素晴らしい効果があるのはご存知でしょうか。
たとえば抗酸化作用(老化防止や生活習慣病の予防など)、殺菌作用、抗アレルギー効果、虫歯予防効果等々。 薬代わりとは言えませんが、コーヒー同様、様々な予防効果を期待できる成分を含んでいます。
私は、コーヒーだけでなく緑茶もよく飲みますが、ある日ふと思いました。
なぜ「コーヒー」+「ココア」の組み合わせはあるのに、
「コーヒー」+「緑茶」が無いのでしょう?
ココアも緑茶と同じく、ポリフェノールを含んでいて苦味主体の味わいだから・・・
同じように一緒に混ぜて飲んだら良いのでは?
名前は、カフェ・グリーンとかどうでしょう?!
緑茶コーヒーの感想と作り方
早速、下記3種類の方法で緑茶コーヒーを作ってみました。
飲んだ感想は・・・コーヒーの味わいにさらに「苦味」が加わり、かすかに緑茶の風味が・・・なかなか楽しい味わいで、クセになるかも知れません。
あと、コーヒーの味わいの方が強いので、コーヒー主体になりやすいと思います。恐らく、緑茶を少量入れるだけでは気づかない人が多いのではないでしょうか。
「コーヒーの苦味だけじゃパンチが足らない!」
「コーヒーにカテキン効果を追加したい!」という方は、試してみる価値アリです。
(1)粉末茶を使う方法:
粉末茶(緑茶を粉末にしたもの)を少量のお湯で溶き、抽出したコーヒーに入れて混ぜます。粉末茶を多めに入れれば、緑茶の香りと苦味を感じますし、一番カテキンを効果的にとることができます。
(2)緑茶をペーパードリップで一緒に抽出する方法:
ペーパードリップをする時に、コーヒー粉の上に緑茶を適量加えて、いつも通りドリップ抽出します。緑茶とお湯が接する時間が短いので、ほんのりと緑茶の風味を感じます。
(3)緑茶をフレンチプレス(プランジャー)で抽出する方法:
フレンチプレスにコーヒー粉を入れるとき、一緒に緑茶も入れます。(2)よりは緑茶とお湯が接する時間が長いため、より濃い緑茶の風味を味わえます。
コーヒーの健康効果と一緒に、緑茶の良いところもプラスするのは、少し欲張りすぎかも知れませんね。
緑茶を入れるとカフェインも多くなりますので、刺激が気になる方はくれぐれもご注意下さい。
コーヒーの健康効果(海外の研究から)
成人病リスクを減らす効果
Harvard Medical Schoolの科学者Dr. Frank Huが、1976年から20年間、約21万人の人々を対象にコーヒーが人体に与える影響について研究しました。
その結果、心臓血管病や神経変性疾患(筋萎縮性側索硬化症 ALS、パーキンソン症候群、アルツハイマー病など)だけでなく、自殺行為のリスクを減らす効果があることを発見しました。
「コーヒーはとても複雑な飲み物。何百何千もの生理活性化合物を含んでおり、それぞれの化合物や化学物質がどう影響しているかを見つけるのは、ほぼ不可能でしょう。
コーヒーの健康効果は、いくつかの化合物からだけ引き出されるのではなく、沢山の化合物やミネラル、抗酸化物質の”相乗効果”によるものと思われます。
そしてコーヒーと言えばカフェインですが、デカフェ(カフェインレス、カフェイン抜き)コーヒーでも血液疾患や糖尿病についてはカフェインを含むレギュラーコーヒーと同じ効果が見られました。」
一方で、Hu教授はコーヒーと健康に関する研究の難しさも指摘しています。
「コーヒーを常飲する人のうち、沢山の人がタバコを吸っています。そして、タバコを吸わない人だけのグループではさらに明白に健康効果が見られました。
つまり喫煙は、コーヒーの潜在的な健康効果を消してしまうので、コーヒーと喫煙は分けて考察する必要があります」
さらにHu教授の新しい研究では、上記疾患の他、肝臓ガンを含む肝疾患や鬱病のリスク減少、血糖の新陳代謝を助けインシュリンの感受性を改善し、炎症も抑える働きもしてくれることが分かっています。
Hu教授は、全員に同じようにコーヒーの効果が現れる訳では無いとし、自分の健康状態に合わせて適度にコーヒーを飲むことを勧めています。
日本の研究結果と類似
上記の記事を読んだとき、日本で行われた研究結果と類似していると思いました。
コーヒーと様々な病気予防については、沢山お知らせしましたね。詳しくは秘蔵!コーヒー豆知識の「コーヒーと健康・・・病気の予防やダイエット効果など」にまとめて掲載されておりますので、興味のある方は是非ご覧下さい。
なおALSと鬱病・自殺予防については、私も知りませんでした。
また何か研究結果を見つけたら、お知らせしたいと思います。
<参考>
BUSINESS INSIDER VIDEO(Nov. 25, 2015)
A Harvard scientist who’s studied coffee for 20 years explains why the drink is amazing