日本人だけ?カフェイン耐性

前回は「都市伝説・珈琲と脱水症状」についてお話ししましたね。
今回は「日本人はなぜカフェインに強いのか?」カフェイン耐性のお話です。
[E:cafe] 明らかに違うカフェイン耐性
以前ニュージーランドでカフェをオープンしたお話をしましたが、その中で一つ気付いたことがありました。
「ニュージーランド人は、カフェインにすごく弱い!」ということです。
たとえば、多くのカフェが午後3時には閉まってしまいます。
なぜなら、3時過ぎにコーヒーを飲むと夜眠れなくなってしまう・・・という考えが主流だからです。
※AucklandのPonsonbyにある生豆屋の姉妹店も、3時に閉まります。お客様がパタッと減ってしまうので。
私は一日に3杯以上コーヒーを飲むし、寝る直前に飲んでも全く問題無いので良く分からないのですが。
本当に、就寝時間の6時間以上も前に「コーヒー断ち」をする必要があるのでしょうか?
ニュージーランド人の友人達曰く、「夕方から飲まないのは当たり前!」だそうです。
そこで、どういう人種がカフェインに弱いのか調べてみました。
 
[E:cafe] お茶の文化=カフェインに強い説
どうも日本人だけではなく、東アジアの人達はカフェイン耐性がある人が多いようです。
東アジアというと、日本、韓国、中国、北朝鮮、台湾、モンゴルあたりでしょうか。
これは、昔からカフェインを含む「お茶」を飲む文化があったためでは?と言われています。
一方、17世紀(江戸時代初期ごろ)にコーヒーが普及するまで全くカフェインを摂取しなかった国では、カフェイン耐性が弱い人が多いようです。
紅茶についても、ヨーロッパでを飲まれるようになったのは17世紀後半から、イギリスでアフタヌーンティーの習慣が始まったのが19世紀中頃ということで、アジアのお茶文化に比べるとずっと短い歴史と言えます。
ということで。
お茶をよく飲んだご先祖様のおかげでカフェイン耐性のある人種になった、という感じでしょうか。
もちろん、日本人でもカフェインに敏感な人もいます。
よく自分の体と相談して、ピッタリな飲み物が見つかると良いですね。
——
カフェイン耐性のある私にとって、コーヒーは決して眠気覚ましにはなりません。
でも、気分転換にはとても良いですね。ストレスが多いときに飲むと、頭の中がリセットされて落ち着きます。
誰かに入れてもらうコーヒーも良いですが、自分でコーヒーを作って美味しく入れられると達成感があり幸せな気持ちに。
挽いた時の素晴らしい香りも、様々な癒やし効果があるそうで・・・ぜひお試し下さい^^
参考サイトについては、こちらのページ一番下からご覧下さい。

きまめや
生豆屋(きまめや)

自分好みのコーヒーに出会うためのヒント・ドリップ式の挽き加減

自分好みのコーヒーに出会うためのヒント。挽き加減。
自分好みのコーヒーに出会うためのヒント・・・挽き加減。

皆さんは、「自分好みのコーヒー」がどんなコーヒーかご存知ですか?
お客様から「おすすめコーヒー豆」を聞かれたとき、私はいつも「きまめやブレンド」「きまめやブレンド深煎り」をとりあえずおすすめしています。
なんと言っても店長(私)一押しのオリジナルブレンドですからね!

でも、そこからさらにお口に合ったコーヒー豆や作り方が見つかるかも知れません。たとえば、もうちょっと苦い方が良いとか、もうちょっとあっさりした方が良いとか・・・
今日は、自分にピッタリなコーヒーを見つけるためのヒント「挽き加減※」についてお話ししたいと思います。

※挽き加減:コーヒー豆をどのくらい細かく粉々にするかの加減

挽き加減による味わいの違い(ドリップ式の場合)

粗挽きと細挽きで、どのように味わいの違いが出るかご存知でしょうか。
一般的なドリップ式(ペーパーフィルター、金属フィルター、ネル等)の場合だと

粗挽き:あっさりした味わい。豆を多めに使うと、まろやかでコクのあるリッチな味わい。
細挽き:濃く、酸味・苦味が強い味わい。豆を多めに使うと、さらに濃い味わい。

中挽きだと、ちょうど中間の味わいになります。
そのため当店では、ドリップ式の場合まずは無難に中挽きをおすすめしています。

もちろん、その時の気分に合わせて挽き加減や豆の量を調節できたら楽しいですね。例えば・・・

・とっておきのコーヒータイムだから、コーヒー豆を多めに使って粗めに挽く(リッチな味わい)
・脂っこい食事の後だから、粗めに挽く(あっさりした味わい)
・ミルクたっぷりでもコーヒーの味わいを楽しみたいから、細めに挽く(濃い味わい)
・成人病予防でしっかりコーヒー成分を抽出したいから、細めに挽く(濃い味わい)等々。

お手元にミル(グラインダー)があると、コーヒーの味わいの幅もぐっと広がりますね!

ただ、コーヒー豆は挽いた瞬間に香りの半分が飛んでしまうと言われています。
粉々になることで一気に豆の表面積が増え、酸化も速くなり、味わいの劣化・体への負担も心配です。
そのため、できるだけ「抽出直前にミルで挽く」ことをおすすめしています。

もしお店で挽いてもらうなら、すぐ密閉容器に移し替えて冷蔵庫に保管しましょう。
低温保存することで、酸化を遅らせることができます。
※コーヒー豆は消臭効果(臭いを吸収する効果)が強いため、冷蔵庫の食品臭が移らないように必ず密閉して下さい。

ごく細挽きは注意!

さらに濃いコーヒーをドリップ式で作ろうとして、パウダー状の極細挽きにすると・・・
フィルターが目詰まりして、抽出が止まってしまうことがありますのでご注意下さい。特に、豆の量が多いと詰まりやすいです。

もし濃いコーヒーをドリップ式で作りたいなら、
(1)細挽き(パウダー状ではない)にして、
(2)お湯を注ぐ速度を落とす、のがおすすめです。

しっかり蒸らしたあと、時間をかけて少量ずつお湯を注いでみて下さい。細口ポットがあると、ゆっくり注ぎやすいですね。
まったりした味わいの濃いコーヒーをお楽しみいただけると思います。

もちろん、目詰まりしたコーヒーの方が美味しい!と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
人の好みは十人十色なので、試してみるのも良いかと思います。
もし時間がかかりすぎて冷めてしまったら、沸騰しない程度に温め直せば大丈夫です。

濃いコーヒーならエスプレッソマシンやプランジャーで作る方が手っ取り早いですが、「ドリップ式ならではの濃いコーヒー」もなかなか良いものです。

以上、自分好みのコーヒーに出会うためのヒントになることを書いてみました。
他にも沢山ヒントがありますので、またご紹介して行ければと思います。

きまめや
生豆屋(きまめや)

都市伝説?コーヒーと脱水症状

[E:cafe] コーヒーを飲んで脱水症状、は都市伝説? 6年くらい前のことでしょうか。とても暑い日でした。 スタッフの一人から「コーヒー飲んでも脱水症状になるって知ってますか?」と聞かれました。 私はアイスコーヒーを水代わりに飲んでいたので、「その論理だと私はとっくに脱水症状を起こしてますね^^」と答えたのを覚えています。 なぜコーヒーで脱水症状が起きるという都市伝説?が生まれてしまったのでしょうか。 それはコーヒーに、カフェインが含まれているからだそうです。 カフェインの利尿作用で、飲む量よりも排出される量が多くなってしまうから・・・?? もしカフェインに敏感な小さいお子さんや、諸事情によりカフェインをとらない方、特別な体質の方なら、確かに利尿作用が心配です。 しかし、日常的にコーヒーを楽しむ方でしたら、カフェインの耐性ができているので問題無いでしょう。 特に、この記事を読んでいる方の殆どは、コーヒー好きなはず・・・ ドリップコーヒーの99%は水と考えると「脱水症状が怖いから、コーヒーは我慢する!」必要は無いかと思われます。 ただコーヒーに限らず、水だけ飲んでも体内に吸収されにくいので、塩を一緒に飲むと良いと言われていますね。 以前紹介しました「塩コーヒー(塩入コーヒー)」という方法もありますが、皆さんに好まれる味わいかどうか分かりません。 ということで、もし脱水症状が心配でしたら「コーヒーを飲む前にちょっとだけ塩をなめる」のがおすすめです。もちろん、コーヒー の前に塩分を含んだ食事をとっていたら、その必要もありませんが。   [E:cafe] コーヒー濃度に注意 コーヒーを日常的に愛飲している人には問題無いと書きましたが、濃度には注意して下さい。 たとえば普段アメリカンしか飲まないのに、今日は脱水症状が心配だから・・・高濃度のエスプレッソで!という無謀なことをしてはいけません。 同じコーヒーでもカフェイン量は全く違いますから、別の飲み物と考えた方が無難です。 普段から、自分がどの程度のコーヒー濃度だと心地よいのか、トイレに行く回数が増えないのか、を知っておくのが良いと思います。 もし水代わりに、いつもより多くコーヒーを飲みたいなら、2倍程度に薄めるのもおすすめです。 ドリップコーヒーを美味しく薄めるには、抽出した後にお湯(アイスコーヒーなら水)を足すのがポイント。 詳しくは、「薄いコーヒーに合う豆」をご覧下さい。 ちなみに私は、コーヒーで言うと・・・ やっぱりエスプレッソが苦手です。味見はしますけど、高濃度すぎて体が受け付けないようです。お湯やミルクを足せば全然問題無いのですが。 あと、ごく浅煎りのコーヒー豆(当店では販売していません)もダメです。カフェインだけでなく他の刺激的な成分が強すぎるのですね。脱水症状以前に、胃が痛くなります。 逆に深めの焙煎豆は、苦味があるけど成分は優しく、アイスコーヒーにもよく合うのでお勧めです。 その他、お茶会でいただく濃茶も苦手です。抹茶の量が多いためカフェインもエスプレッソ以上に強く、飲むのが辛いです。 あとカフェインとはあまり関係ないですが、甘いソフトドリンクもダメですね。飲んだ瞬間だけ満たされるのですが、すぐに喉が渇いてしまいます。だから私にとっては「いくら飲んでも喉が渇く、不思議な飲み物」です。恐らく、甘すぎるので体が一所懸命薄めようとしているのでしょうね。 以上、私の経験もあわせてお話ししました。 近年コーヒーのカフェインが成人病予防に効果的、という研究結果が増えています。 そのなかで「コーヒーで脱水症状」という誤解が広がるのは残念なことだと思い、今回レポートしました。 コーヒー好きな皆さんの参考になれば幸いです^^ 暑さはまだしばらく続きそうです。 どうかくれぐれもご自愛下さい。 参考サイトは、秘蔵コーヒー豆知識のページ一番下からご覧下さい。
きまめや
生豆屋(きまめや)

手術後のホルモン療法とコーヒー(乳がんと珈琲 その3)

前回は「乳がんの種類とミルクなどの影響」についてお話ししましたね。 今回は、術後に摂取することが多いホルモン剤とコーヒーについての研究結果についてお話ししたいと思います。 [E:cafe] 手術後のホルモン療法とコーヒー ホルモン療法は、乳がん全体の60~70%程度を占める「ホルモン受容体陽性タイプ」に有効といわれています。 手術後にタモキシフェン等のホルモン剤を摂取することで再発を予防する効果が、また進行・再発乳がんでは進行を抑える効果が期待できます。 さて、このホルモン剤(タモキシフェン)を飲んでいる場合、コーヒーはどのように影響を及ぼすのでしょうか? 比較的副作用の少ない薬ではありますが、できるだけ薬の効果を損なわないように日々気をつけたいですね。 以前は、コーヒーの利尿作用で薬の吸収が阻害されると言われていました。しかし最近の研究では、むしろ乳がんの再発防止に効果的との研究結果が出ていますので、ご紹介したいと思います。   [E:cafe] ホルモン剤と1日2杯のコーヒーで効果 スウェーデンのLund大学で、乳がん患者1,090人を対象に実施した調査によると、毎日コーヒーを2杯飲むことで、タモキシフェンがさらに効果的に作用する可能性が高いことが分かりました。同研究はまた、コーヒーに含まれるカフェインとコーヒー酸が乳がんの増殖を遅らせる可能性も明らかにしています。 タモキシフェンを服用し、毎日少なくとも2~5杯のコーヒーを飲む女性は、コーヒーを1杯以下飲む(または全く飲まない)女性に比べて、乳がん再発のリスクが約半分であったということです。 この研究結果を受けて、「無理に沢山のコーヒーを飲むことについては要注意」という指摘も多く見られました。カフェインの摂りすぎによる体調不良についても考慮する必要があると。 確かに、私みたいにカフェイン耐性がついている人には問題無いですが、慣れていない方は気をつけた方が良いかも知れません。 ただ、もしコーヒーがもともと大好きだけど乳がんの薬を服用しているから心配・・・という方には、安心して飲んでいただければと思います。 その他の注意点として、肥満もリスクの一つと言われていますね。 乳がんに限らず生活習慣病予防には、食べ過ぎず、バランスのとれた食生活、歩いたり泳いだりなど適度な有酸素運動がとても効果的と聞いています。 私も健康のため毎日運動をしていますが、食べ過ぎず・・・は、なかなか実行できません。ご飯が美味しくて、ついつい^^; 以上、乳がんとコーヒーについて3回に分けてお話ししました。 また何か新しい情報が入りましたら秘蔵!コーヒー豆知識でお知らせしたいと思います。
きまめや
生豆屋(きまめや)

乳がんの種類とミルクなどの影響について(乳がんと珈琲 その2)

前回は「乳がんとコーヒーの関連性」についてお話ししましたね。 今回は、乳がんの種類とミルクなどの影響についてお話ししたいと思います。 [E:cafe] 乳がんの種類と牛乳・豆乳の影響 乳ガンは大きくわけて5種類、そのうち全体の60~70%程度を占めるのは「ホルモン受容体陽性タイプ」です。 これは女性ホルモンであるエストロゲンをエサとして増殖するガンで、ホルモンの働きを抑える薬を服用することでコントロールするのが主流になっています。 前回「コーヒーは乳がん予防の可能性大だけど、一緒に牛乳(または豆乳)を沢山摂取するのは黄信号」とお話ししました。これは牛乳(または豆乳)が女性ホルモンに影響を及ぼすかも可能性を否定できないからです。 ・牛乳にはごく微量の女性ホルモン(エストロゲン)が含まれる ・豆乳には大豆イソフラボンが多く含まれ、女性ホルモンに似た働きをする・・・ことが分かっています。 牛乳については「女性ホルモンはごく微量で、体に影響を及ぼすとは考えられない」という研究結果が多数を占める一方、「大いに影響がある」という結果もありました。 また乳製品をより摂取するアメリカ人の方が、乳がんにかかる人の割合が高いこと。あまり乳製品を摂らない中国では乳がんにかかる人の割合が少ないことを考えると、間接的に影響があるのかも?と少し心配にもなりました。 あと豆乳は、以前お話しした通り「大豆イソフラボン」の女性ホルモンに似た強力な作用があります。 女性らしさを保つために積極的に大豆製品やサプリメントを摂る人も多いですが、女性ホルモンの影響を受けやすい乳ガンのことを考えると悩ましいところです。 もちろん「適量飲む分には大丈夫では?」というご意見も理解できます。 牛乳や豆乳をコーヒーに合わせると、まろやかになって大変美味しいですからね。 ただ、せっかく乳がん予防効果が期待できるコーヒーを飲むのに、それを打ち消す可能性のものを一緒に摂取するのはどうかなと思ってしまうのでした。私は石橋を叩いて渡る性格なので、仕方無いですね。   [E:cafe] 代替ミルクの提案 「ホルモン受容体陽性タイプ」乳がん経験者(または心配な方)でどうしてもブラックコーヒーが嫌でしたら、牛乳や豆乳の量を減らしてみてはいかがでしょうか。新鮮でまろやかな味わいのコーヒー(できればオーガニックのもの)でしたら、そんなに沢山ミルクを入れなくても十分楽しめると思います。 その他、アーモンドミルクやライスミルクで代用してみるのも一つの方法かと思います。 アーモンドミルクは、他のミルクと比べて糖質が少なく食物繊維が多いのが特徴。牛乳と似た食感で、コーヒーにもよく合います。アーモンドの香りがお好きでしたら、試してみてはいかがでしょうか。 また、ライスミルクは日本ではあまり聞きませんが、私がよく滞在するオークランドではスーパーで普通に買うことができます。玄米の香ばしさと甘みが特徴。糖質は牛乳より少なく、食物繊維はアーモンドミルクと同じくらい豊富です。食感は牛乳よりも軽い感じですが、コーヒーにも意外とよく合います。 自家製アーモンドミルクとライスミルクの作り方をネット上で見つけましたので、興味のある方は秘蔵!コーヒー豆知識のページの一番下からご覧下さい。
きまめや
生豆屋(きまめや)

乳がんとコーヒーの関連性について(乳がんと珈琲 その1)

前回は「はじめてのバリスタトレーニング」についてお話ししましたね。 今回は、乳がんとコーヒーの関連性についてお話ししたいと思います。 [E:cafe] コーヒー飲むと乳がんのリスクが上がるの? 先日、学生時代からの友人とカフェで話す機会がありました。 彼女はつい最近乳がんの治療が完了し、現在は仕事復帰を目指しているそうです。 日本人女性の11人に一人(アメリカでは8人に一人)が乳がんになると言われていて、決して珍しい病気ではありません。 一口に乳がんと言っても色々な種類があり、それによって治療法も異なるそうです。 話が脱線しましたが、彼女から「コーヒー飲むと乳がんのリスクが上がるの?」という質問を受けましたので、その答えを皆さんにもご紹介したいと思います。   [E:cafe] 調査結果より 1985年に3,000人以上の女性を対象に行われたアメリカの調査では、コーヒーと乳がんの関連性は無いとされました。 2011年にスウェーデンで行われたさらに大規模な調査では、閉経後の女性にとってはむしろコーヒーを摂取した方が乳がんのリスクを減らす可能性をがあると言っています。 2013年に行われた大規模なメタ分析(複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること)では、研究数37、患者59,000人以上を対象に分析し、コーヒーと乳がんの関連は無かったこと、そしてやはり閉経後の女性にはリスクを減らす可能性があることを発表しています。 そして2015年にヨーロッパで行われた調査でも、コーヒーは閉経後の女性の乳がんリスクを減らす可能性があるとし、さらにカフェインが入っているものが効果的で、デカフェ(カフェインレス)ではその効果はみられなかったということです。   [E:cafe] 店長の考察 コーヒーと乳がんについて沢山研究されていますが、全体的に悪影響は無く、むしろ閉経後の女性にとっては乳がんリスクを減らす効果があるという結論が多いです。 特に、カフェインに効果があるようで、乳がんリスクを考えるとデカフェよりも普通のコーヒーを飲む方がお勧めです。 ただ大規模調査なので、患者さん達がどのような方法でコーヒーを飲んでいたかが触れられていません。 つまりドリップコーヒーなのか、エスプレッソ&牛乳たっぷりコーヒーなのか。海外の研究なので缶コーヒーは殆ど無いとは思いますが、コーヒーの種類が気になります。 私はコーヒー自体は乳がんのリスクを減らすと考えていますが、ミルクや豆乳たっぷり、砂糖たっぷりのコーヒーを1日に何杯も飲むことに関しては黄信号だと思っています。 これについては賛否両論あるかと思いますが、疑わしいものは避けたいので・・・ とりあえず友人には「コーヒー主体になるように、ミルク少なめ、砂糖はできるだけ入れないで」とアドバイスしました。 彼女は砂糖不要なので、いつも飲んでいる豆乳ラテをブラックにしてみるそうです。 次回「乳がんとコーヒー その2」では、乳がんの種類とミルクなどの影響についてお話ししたいと思います。 ※引用元については、秘蔵!コーヒー豆知識のページ一番下からご覧下さい。
きまめや
生豆屋(きまめや)

乳がんとコーヒー その2「乳がんの種類とミルクなどの影響について」

前回は「乳がんとコーヒーの関連性」についてお話ししましたね。 今回は、乳がんの種類とミルクなどの影響についてお話ししたいと思います。 乳がんの種類と牛乳・豆乳の影響 乳ガンは大きくわけて5種類、そのうち全体の60~70%程度を占めるのは「ホルモン受容体陽性タイプ」です。 これは女性ホルモンであるエストロゲンをエサとして増殖するガンで、ホルモンの働きを抑える薬を服用することでコントロールするのが主流になっています。 前回「コーヒーは乳がん予防の可能性大だけど、一緒に牛乳(または豆乳)を沢山摂取するのは黄信号」とお話ししました。これは牛乳(または豆乳)が女性ホルモンに影響を及ぼすかも可能性を否定できないからです。 ・牛乳にはごく微量の女性ホルモン(エストロゲン)が含まれる ・豆乳には大豆イソフラボンが多く含まれ、女性ホルモンに似た働きをする・・・ことが分かっています。 牛乳については「女性ホルモンはごく微量で、体に影響を及ぼすとは考えられない」という研究結果が多数を占める一方、「大いに影響がある」という結果もありました。 また乳製品をより摂取するアメリカ人の方が、乳がんにかかる人の割合が高いこと。あまり乳製品を摂らない中国では乳がんにかかる人の割合が少ないことを考えると、間接的に影響があるのかも?と少し心配にもなりました。 あと豆乳は、以前お話しした通り「大豆イソフラボン」の女性ホルモンに似た強力な作用があります。 女性らしさを保つために積極的に大豆製品やサプリメントを摂る人も多いですが、女性ホルモンの影響を受けやすい乳ガンのことを考えると悩ましいところです。 もちろん「適量飲む分には大丈夫では?」というご意見も理解できます。 牛乳や豆乳をコーヒーに合わせると、まろやかになって大変美味しいですからね。 ただ、せっかく乳がん予防効果が期待できるコーヒーを飲むのに、それを打ち消す可能性のものを一緒に摂取するのはどうかなと思ってしまうのでした。石橋を叩いて渡る性格なので、仕方無いですね。   代替ミルクの提案 「ホルモン受容体陽性タイプ」乳がん経験者(または心配な方)でどうしてもブラックコーヒーが嫌でしたら、牛乳や豆乳の量を減らしてみてはいかがでしょうか。新鮮でまろやかな味わいのコーヒー(できればオーガニックのもの)でしたら、そんなに沢山ミルクを入れなくても十分楽しめると思います。 その他、アーモンドミルクやライスミルクで代用してみるのも一つの方法かと思います。 アーモンドミルクは、他のミルクと比べて糖質が少なく食物繊維が多いのが特徴。牛乳と似た食感で、コーヒーにもよく合います。アーモンドの香りがお好きでしたら、試してみてはいかがでしょうか。 また、ライスミルクは日本ではあまり聞きませんが、私がよく滞在するオークランドではスーパーで普通に買うことができます。玄米の香ばしさと甘みが特徴。糖質は牛乳より少なく、食物繊維はアーモンドミルクと同じくらい豊富です。食感は牛乳よりも軽い感じですが、コーヒーにも意外とよく合います。 自家製アーモンドミルクとライスミルクの作り方をネット上で見つけましたので、興味のある方は下記リンクからご覧下さい。 「正しいアーモンドミルクの作り方」 cookpad 「香ばし玄米ライスミルク 自家製」 cookpad
きまめや
生豆屋(きまめや)

乳がんとコーヒー その1「乳がんとコーヒーの関連性について」

メールマガジン「コーヒーの本当の話303号」より転載致します。 ———– 前回は「はじめてのバリスタトレーニング」についてお話ししましたね。 今回は、乳がんとコーヒーの関連性についてお話ししたいと思います。 コーヒー飲むと乳がんのリスクが上がるの? 先日、学生時代からの友人とカフェで話す機会がありました。 彼女はつい最近乳がんの治療が完了し、現在は仕事復帰を目指しているそうです。 日本人女性の11人に一人(アメリカでは8人に一人)が乳がんになると言われていて、決して珍しい病気ではありません。 一口に乳がんと言っても色々な種類があり、それによって治療法も異なるそうです。 話が脱線しましたが、彼女から「コーヒー飲むと乳がんのリスクが上がるの?」という質問を受けましたので、その答えを皆さんにもご紹介したいと思います。   調査結果より 1985年に3,000人以上の女性を対象に行われたアメリカの調査では、コーヒーと乳がんの関連性は無いとされました。 2011年にスウェーデンで行われたさらに大規模な調査では、閉経後の女性にとってはむしろコーヒーを摂取した方が乳がんのリスクを減らす可能性をがあると言っています。 2013年に行われた大規模なメタ分析(複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること)では、研究数37、患者59,000人以上を対象に分析し、コーヒーと乳がんの関連は無かったこと、そしてやはり閉経後の女性にはリスクを減らす可能性があることを発表しています。 そして2015年にヨーロッパで行われた調査でも、コーヒーは閉経後の女性の乳がんリスクを減らす可能性があるとし、さらにカフェインが入っているものが効果的で、デカフェ(カフェインレス)ではその効果はみられなかったということです。   店長の考察 コーヒーと乳がんについて沢山研究されていますが、全体的に悪影響は無く、むしろ閉経後の女性にとっては乳がんリスクを減らす効果があるという結論が多いです。 特に、カフェインに効果があるようで、乳がんリスクを考えるとデカフェよりも普通のコーヒーを飲む方がお勧めです。 ただ大規模調査なので、患者さん達がどのような方法でコーヒーを飲んでいたかが触れられていません。 つまりドリップコーヒーなのか、エスプレッソ&牛乳たっぷりコーヒーなのか。海外の研究なので缶コーヒーは殆ど無いとは思いますが、コーヒーの種類が気になります。 私はコーヒー自体は乳がんのリスクを減らすと考えていますが、ミルクや豆乳たっぷり、砂糖たっぷりのコーヒーを1日に何杯も飲むことに関しては黄信号だと思っています。 これについては賛否両論あるかと思いますが、疑わしいものは避けたいので・・・ とりあえず友人には「コーヒー主体になるように、ミルク少なめ、砂糖はできるだけ入れないで」とアドバイスしました。 彼女は砂糖不要なので、いつも飲んでいる豆乳ラテをブラックにしてみるそうです。 次回「乳がんとコーヒー その2」では、乳がんの種類とコーヒーのミルクについてお話ししたいと思います。 引用元: Caffeine & Breast Cancer: Does It Increase the Risk? ソイラテ 調整・無調整と大豆イソフラボンについて
きまめや
生豆屋(きまめや)

緑茶コーヒー(緑茶とコーヒーの出会い)

カテキンの効果

コーヒーには様々な成人病を予防する効果があることについて、今までに何度かお話ししました。
具体的には、糖尿病や心臓血管病や神経変性疾患、ガン等の成人病(生活習慣病)予防についてです。

ところで、緑茶に含まれるカテキン(ポリフェノールの一種)にも素晴らしい効果があるのはご存知でしょうか。
たとえば抗酸化作用(老化防止や生活習慣病の予防など)、殺菌作用、抗アレルギー効果、虫歯予防効果等々。 薬代わりとは言えませんが、コーヒー同様、様々な予防効果を期待できる成分を含んでいます。

私は、コーヒーだけでなく緑茶もよく飲みますが、ある日ふと思いました。
なぜ「コーヒー」+「ココア」の組み合わせはあるのに、
「コーヒー」+「緑茶」が無いのでしょう?

ココアも緑茶と同じく、ポリフェノールを含んでいて苦味主体の味わいだから・・・
同じように一緒に混ぜて飲んだら良いのでは?
名前は、カフェ・グリーンとかどうでしょう?!

緑茶コーヒーの感想と作り方

早速、下記3種類の方法で緑茶コーヒーを作ってみました。
飲んだ感想は・・・コーヒーの味わいにさらに「苦味」が加わり、かすかに緑茶の風味が・・・なかなか楽しい味わいで、クセになるかも知れません。

あと、コーヒーの味わいの方が強いので、コーヒー主体になりやすいと思います。恐らく、緑茶を少量入れるだけでは気づかない人が多いのではないでしょうか。

「コーヒーの苦味だけじゃパンチが足らない!」
「コーヒーにカテキン効果を追加したい!」という方は、試してみる価値アリです。

(1)粉末茶を使う方法:
粉末茶(緑茶を粉末にしたもの)を少量のお湯で溶き、抽出したコーヒーに入れて混ぜます。粉末茶を多めに入れれば、緑茶の香りと苦味を感じますし、一番カテキンを効果的にとることができます。

(2)緑茶をペーパードリップで一緒に抽出する方法:
ペーパードリップをする時に、コーヒー粉の上に緑茶を適量加えて、いつも通りドリップ抽出します。緑茶とお湯が接する時間が短いので、ほんのりと緑茶の風味を感じます。

(3)緑茶をフレンチプレス(プランジャー)で抽出する方法:
フレンチプレスにコーヒー粉を入れるとき、一緒に緑茶も入れます。(2)よりは緑茶とお湯が接する時間が長いため、より濃い緑茶の風味を味わえます。

コーヒーの健康効果と一緒に、緑茶の良いところもプラスするのは、少し欲張りすぎかも知れませんね。
緑茶を入れるとカフェインも多くなりますので、刺激が気になる方はくれぐれもご注意下さい。

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーの健康効果(海外の研究から)

成人病リスクを減らす効果

Harvard Medical Schoolの科学者Dr. Frank Huが、1976年から20年間、約21万人の人々を対象にコーヒーが人体に与える影響について研究しました。
その結果、心臓血管病や神経変性疾患(筋萎縮性側索硬化症 ALS、パーキンソン症候群、アルツハイマー病など)だけでなく、自殺行為のリスクを減らす効果があることを発見しました。

「コーヒーはとても複雑な飲み物。何百何千もの生理活性化合物を含んでおり、それぞれの化合物や化学物質がどう影響しているかを見つけるのは、ほぼ不可能でしょう。
コーヒーの健康効果は、いくつかの化合物からだけ引き出されるのではなく、沢山の化合物やミネラル、抗酸化物質の”相乗効果”によるものと思われます。
そしてコーヒーと言えばカフェインですが、デカフェ(カフェインレス、カフェイン抜き)コーヒーでも血液疾患や糖尿病についてはカフェインを含むレギュラーコーヒーと同じ効果が見られました。」

一方で、Hu教授はコーヒーと健康に関する研究の難しさも指摘しています。
「コーヒーを常飲する人のうち、沢山の人がタバコを吸っています。そして、タバコを吸わない人だけのグループではさらに明白に健康効果が見られました。
つまり喫煙は、コーヒーの潜在的な健康効果を消してしまうので、コーヒーと喫煙は分けて考察する必要があります」

さらにHu教授の新しい研究では、上記疾患の他、肝臓ガンを含む肝疾患や鬱病のリスク減少、血糖の新陳代謝を助けインシュリンの感受性を改善し、炎症も抑える働きもしてくれることが分かっています。

Hu教授は、全員に同じようにコーヒーの効果が現れる訳では無いとし、自分の健康状態に合わせて適度にコーヒーを飲むことを勧めています。

日本の研究結果と類似

上記の記事を読んだとき、日本で行われた研究結果と類似していると思いました。
コーヒーと様々な病気予防については、沢山お知らせしましたね。詳しくは秘蔵!コーヒー豆知識の「コーヒーと健康・・・病気の予防やダイエット効果など」にまとめて掲載されておりますので、興味のある方は是非ご覧下さい。

なおALSと鬱病・自殺予防については、私も知りませんでした。
また何か研究結果を見つけたら、お知らせしたいと思います。

<参考>
BUSINESS INSIDER VIDEO(Nov. 25, 2015)
A Harvard scientist who’s studied coffee for 20 years explains why the drink is amazing

きまめや
生豆屋(きまめや)