有機栽培(オーガニック)コーヒー豆に害虫が見つかったら?

お国の事情

以前、有機JAS認定を受けた「有機栽培(オーガニック)コーヒー豆」は輸入時の消毒処理(くんじょう)が施されていません、というお話をしました。
消毒(燻蒸・くんじょう):コーヒー豆に害虫が見つかると、豆ごと薬品で消毒処理されること。

「じゃあ、有機栽培コーヒー豆に害虫が見つかっても消毒しないの?」というお問い合わせがありましたので、ちょっとお話させていただきます。

日本に生息しない害虫が見つかった場合に、消毒するかどうかは「有機栽培」とは関係ありません。 日本の食物検疫所が「この害虫が入国すると、国産農作物が危ない!」と判断すれば、どんな豆だろうと消毒されます。
もちろん、その処理自体が人体に有害かどうかも問題外。あくまで虫を入れないための処理です。

つまり、いくら現地の生産者が頑張って「有機栽培」豆を作っても、輸入時に消毒されたり、日本で保管・販売時に消毒されたりすると「有機栽培」では無くなってしまうのです。

4段階の有機JAS認定

そういう訳で、有機JAS法が定められてから本当に「有機栽培」かどうかをしっかりと区別するようになりました。
コーヒー豆輸入では、有機JAS認定が次の4段階で必要になります。

1.生産者が認定    :現地の農園
    ↓
2.輸入業者が認定   :輸入商社など
    ↓
3.小分け業者が認定  :コーヒー豆問屋など
    ↓
4.製造業者が認定   :自家焙煎の小売店
    ↓
   消費者へ

当店ではのJAS認定を受けており、将来的には輸入業者の認定も受ける予定です。
この4段階を全てクリアした豆だけが「有機栽培(オーガニック)コーヒー豆」として日本で販売できます
もし、この過程で「消毒」された場合は、もちろん「有機栽培(オーガニック)」として販売することはできません。

でも「無農薬栽培」としては販売可能です。
ここが「有機栽培」との大きな違いで、何の認定が無くても販売できるのが「無農薬栽培」コーヒー豆です。
※「有機栽培コーヒー」であれば、「有機栽培(無農薬)コーヒー」の表示も可能です。 しかし、「無農薬コーヒー」は「有機栽培コーヒー」を名乗ることができません。

無農薬栽培というと安心な響きですが、もし「無農薬」だけしか書いてなかった場合は「オーガニックとは認められない」ので要注意です。「有機栽培」であれば「オーガニック」と同じ意味になります。

有機栽培=オーガニック(無農薬の認証あり)
無農薬栽培=オーガニックじゃない(無農薬の認証無し)


有機JAS認証団体も「無農薬」表示は認めないと言っていますが、現時点で法的な強制力は無いようです。

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その3 燻蒸による残留基準は無し
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その5 安全な燻蒸?
燻蒸その6 産地燻蒸の話 
意外と知られていない有機栽培の意味(無農薬・減農薬表示はダメ)


きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーの農薬「除草剤」

コーヒーの農薬

以前、コーヒーには沢山農薬が使われるというお話をしましたが、具体的にはどんな農薬が使われているのでしょうか。もちろん、国や地域によって種類や使用量も異なってきます。

農薬の種類を大別すると、収穫前は除草剤・殺菌剤・殺虫剤が使われ、収穫後にも、輸入時に消毒(燻蒸処理)が施される場合があります。消毒(燻蒸処理)は、日本に害虫を持ち込まないための処置で、ポストハーベストの一種とも言えます。

さらに国内の倉庫で保管している間に殺虫剤で燻蒸されたり、店に運ばれた後に「ゴキブリが出ると困るから」と殺虫剤をまかれると、さらに薬剤の洗礼を受けることになります。

いくら有機栽培(オーガニック)の豆でも、店で殺虫剤使ったら何も意味がないですね。
#当店ではもちろん殺虫剤厳禁です。→夏は蚊に刺されっぱなしです。
 

草の拒食症・・・除草剤

収穫前に比較的多く使用されるのは「除草剤」です。
ところで「除草剤」って一体何でしょう?

当店が直輸入している有機栽培ハワイコナの農園では、「除草剤」が使えないために大変苦労しているということでした。
具体的には、次々と生えてくる雑草との闘いで、労働力だけが頼りになるということです。

ここでは、農園主のお話を一部抜粋したいと思います。
——
除草剤を散布すると、それを吸収した草が「自分は十分栄養を取っている」と勘違いして栄養を取らなくなり、結果的に死ぬのだそうです。わかりやすく言えば、「草の拒食症」を作り出す薬だということです。

多くの農園で除草剤を使っていて「有機ではないけど有害でもない」とみなし、これを使っている農園では「ケミカルフリー」と表示するところもあるそうです。

除草剤を使わないと何が大変なのかというと・・・雑草取りがとても大変です。
コナには蔓系の物凄い丈夫な雑草があって、これがドンドン木に絡み付いてしまい、コーヒーの生育に大変な影響がでてしまうのです。
——-

農薬を使っていながら「ケミカルフリー」と表示して問題にならない所は、日本の「無農薬」や「減農薬」表示と良く似ていますね。
除草剤を使わず、雑草を頑張っている農園の皆さんを、ぜひこれからも応援したいと思っています。

きまめや
生豆屋(きまめや)

くんじょう(燻蒸)ってどんなもの?

具体的にどんなもの?

皆さんの身近なもので、「燻蒸(くんじょう)」に非常によく似て いるものは何でしょうか?  
ダニやゴキブリ退治の時に使用する「バルサン」等、煙がモクモク出てくる家庭用殺虫剤が、よく似ています。 

こういった殺虫剤は、部屋を閉め切って薬剤を充満させることによって 
虫を退治します。 
もちろん、「食品や布団、おもちゃ等に薬剤がかからないように」と 
指示されているので、対象はあくまで家具等に隠れたゴキブリ達です。 

一方、コーヒー豆の「燻蒸(くんじょう)」はどうでしょうか? 
燻蒸(くんじょう)用の倉庫の中にコーヒー豆を麻袋ごと入れて、バルサンよりも 
毒性が強い臭化メチルやリン化アルミニウムで殺虫します。 

しかも、 
「薬剤がかからないように・・・」ではなくて 
「薬剤が浸透して豆の中の虫まで殺せるように」 
という前提で行われます。 
つまり対象はコーヒー豆そのものになるわけです。 

コーヒーを飲む人の健康を考えたら、こういうことはやらないで欲しい 
ところですが。 
どうして、燻蒸(くんじょう)する必要があるのでしょうか? 
 

燻蒸(くんじょう)の必要性

燻蒸は国内の農産物を守るのが目的なので、臭化メチル、リン化アル 
ミニウム、青酸ガス(バナナ等に多用)、など強力なものが使われます。 

問題なのは、国内の「植物」を病害虫から守るために行われているので 
あって、決して「人への安全(健康)」のためでは無いという点です。 

もちろん、国内の農作物を守る必要があるので、今の状態で突然 燻蒸を廃止するわけにはいかない、ということもわかります。 
だからといって、このままの状態で安心してコーヒーが飲めるのでしょうか。

もしかしたら私は心配しすぎなのかも知れません。
でも私みたいな心配症の方でも安心して飲める、本当に安全で新鮮なコーヒーを日々生豆屋からお届けできたらと思っています。

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その3 残留基準は無し
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その5 安全な燻蒸?
燻蒸その6 産地燻蒸の話
有機栽培(オーガニック)豆に害虫が見つかったら?

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーの色

カラメルシロップ食べても大丈夫なので・・・
カラメルシロップ食べても大丈夫なので、コーヒーも・・・

コーヒーを飲むと肌が黒くなる?

以前、「黒々とした色合いから、コーヒーが体に良くないという誤解が生まれているのでは?」というお話をしました。
それについて「どうして黒くなるの?」というお問い合わせがありました。

私はコーヒーの色を見ても、美味しそう! としか思わないのですが、中には「あんな黒い飲み物を飲むと、肌が黒くなる!」と真面目に考えている方もいるそうで・・・ビックリしました。
 

コーヒー色の正体

自宅で焙煎する方はよくご存じかと思いますが、焙煎する前の生豆は、白っぽい緑色をしています。もちろん、豆の種類や採れた時期・場所によって多少色合いは変わってきます。

その生豆が、焙煎することによって茶色になり、深く焙煎するほど黒っぽい色合いになってくる訳です。

化学的には、生豆成分中のショ糖が焙煎によってカラメル化するために茶色になってくる訳ですが、厳密には複雑な構造になっていて、まだ未解明の部分があるということです。

「未解明」とか書くと、「やっぱり怖い」となりそうですが、よく口にするカラメルシロップも未解明な部分があるくらい複雑な構造だそうです。
 

「プリンのカラメル」を食べても、肌の色は黒くなりませんね?
それと一緒で、コーヒーを飲んでも何も問題はありませんのでご安心ください。

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒークリームの話

クリームを入れるのは通じゃない?

どうでしょう?
私はブラック派ではありますが、「深煎りコーヒー」に少量クリームを入れるのも好きです。脂肪分40%前後の「純生クリーム」をちょっとだけ落とすと、強い苦
みとクリームのまろやかさが調和して、とても美味しいです。

もちろん、仕事中は味見をする必要がありますので、エスプレッソだろ
うと何だろうとクリーム無し(砂糖も無し)でいただきますが。
 

純生クリームvsコーヒークリーム(フレッシュ)

コーヒーに入れるクリームについては、いろいろな意見があります。
脂肪分が高い方が良いとか、低い方が良いとか。
私だったら、美味しさと健康のために「純生クリーム」か「牛乳」のどちらかを選びます。その理由は、おびただしい食品添加物を一緒に飲みたくないからです。

コーヒー用クリーム(コーヒーフレッシュ)と呼ばれる物で、余計な添加物が入っていないものがあるのでしょうか。ぜひ、袋の裏側を見て原材料をチェックしてみてください。
また、ポーションタイプのコーヒー用クリーム(主要製品12種類)から環境ホルモンの疑いのある物質「スチレンモノマー」の溶出も確認されています。便利さを追求すると、どこかにしわ寄せが来てしまうようですね。

一方「純生クリーム」は品質保持期限が1週間程度なので、すぐに使えなくなってしまいます。でも味は格別です。添加物が入っている低脂肪のクリームを使うなら、本物のクリームを少量使う方がずっと「あんしん+おいしい」と思います。

ただ長持ちしないので、外出先のカフェで純生クリームを出してもらうのは難
しいかも知れません。「本当に安心でおいしいコーヒーを!」と思うなら、やっぱりご自宅で自分好みのコーヒーを入れるのが一番ですね。

純生クリームは、スーパーなどで200ccパックで販売されていることが多いです。良かったらお試し下さい。

<参考>
コーヒークリーム(フレッシュ)の実態

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インスタントコーヒーで胸焼け?

インスタントコーヒーを飲みたく無い理由

インスタントコーヒー愛好者の皆さまには大変申し訳無いのですが・・・
私はインスタントコーヒーを飲むと胸焼けしてしまいます。
正直言って一口も飲みたくないし、無理矢理飲まされるとしたら、かな
りの苦痛を伴います。

「先入観があるからでは?」と思われるかもしれませんが、私の胃は黙ってインスタントを出されても、即座に反応してしまいます。
こういうことをお客様に話すと「私も一緒!」という方が意外と多いのに驚きます。

インスタントを飲んでも大丈夫な方は、来客におすすめする時はちょっとだけ気をつけましょう。中には私のように、インスタントコーヒーを飲むならお水の方がずっと助かるという方もいますので。
 

インスタントコーヒー製造方法

 まず、巨大なパーコレーター(抽出器具)で、濃いコーヒー液を作ります。豆は気候条件に左右されないけど味が落ちる安価な「ロブスタ種」が多用される傾向があります。

 遠心分離器にかけて、さらに濃縮したもの(濃縮コーヒー液)を、熱風と共に霧状に吹き出して乾燥させたのが、スプレードライコーヒー。

濃縮コーヒー液をマイナス40℃前後で凍結し、粉砕してから減圧下で乾燥させるのがフリーズドライコーヒー。スプレードライよりもコスト高ですが、味は良いそうです。

1の段階でもし冷めないうちにコーヒーが飲めたら、胸焼けはしないか
もしれないですね。味の方はわかりませんが。
 

繊細なコーヒー

コーヒーはとても繊細で劣化が早いです。
抽出後に刻一刻と味わいが変化していくため、入れてから30秒、少なくとも1分以内には口をつけて欲しいです。

冷めた時に味わいが劣化しやすいため、コーヒーカップはティーカップよりも飲み口の径が小さいものが多いですね。紅茶は冷めてもそれほど劣化しないため、飲み口が広めですが。

また抽出後の鮮度だけでなく、焙煎してからどのくらい経ったかの鮮度についても大事なポイントになります。つまり、
焙煎してから、何日、何週間経過しているか。
挽いてから何分、何時間、何日経っているか。
抽出してから何秒、何分秒経っているか。
それらの要素がすべて、味、香り、胃(体)にはっきり影響してきます。
 

コーヒーという言葉は、コーヒー豆を原料にしていれば何でも使えます。
でも、本当に美味しくて体に優しいもは、限られた条件下にあるものだけだと思います。
すごく手間がかかりますが・・・自分で作るコーヒーは、美味しくてやめられません。

<参考>
驚異!インスタントコーヒー再利用

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ブラジルの農薬中毒事件

さび病対策

多くのコーヒー豆生産国で、コーヒー農家が一番恐れている のは「さび病」と「虫害」です。その対策として多額のコストをかけて農薬散布をしていると言われています。
「さび病」は「さび病菌」によるもので、一度かかると瞬く間に繁殖し、葉の色があせてて光合成できなくなるため枯れてしまいます。この病気のおかげで、セイロン産コーヒーが全滅、紅茶の栽培に切り替わったという経緯もあるくらいです。

ブラジルの農薬中毒事件

この「さび病」に絶大な効果を発揮する農薬の一つが「BAYSISTON」です。この農薬が、1999年ブラジルで中毒事件を引き起こしました。
30人のコーヒー農園労働者が中毒症状を起こし、うち12人が死亡。大きな社会問題へと発展しました。
「BAYSISTON」は、ブラジルで現在も使用されている農薬で、コーヒーの木の根本付近に施します。そこから吸収された農薬が、木全体に行き渡って「さび病」を予防するということです。
農薬を開発した会社は「コーヒー豆には問題なし」と判断していますが。まだ新しい農薬で、残留データが少ないため何とも言えません。

またコーヒー農園の労働者は文盲率が高く、農薬の危険性に対する知識が少ないのが現状です。 暑くて湿度が高い気候のため、農薬散布時に必要な装備を怠り、かなり危険な状態で仕事をしています。
このような状況下で起こった過去の事故が、装備を怠ったから仕方ないよ!と終止符を打ってもよいのでしょうか。
彼らの苦痛は、いずれ私たちにも巡ってくるような気がしてなりません。

<参考>
ブラジルで人気の農園

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フレーバーコーヒー大解剖

フレーバーコーヒーとは

コーヒー豆に、添加物を使って風味と香り(フレーバー)をつけたもの 
です。多くの企業では、合成されたエッセンスを使用しますが、一部の 
企業では天然のものを使用しているようです。 バニラやチョコ、ナッツなど、いろいろなフレーバーがあります。 

使用される添加物

私の手元にあるフレーバーエッセンスを見てみると、後ろの方に 
「天然香料」(香りづけとして )
「安息香酸」(合成保存料として) 
「ソルビン酸カリウム」(合成保存料として )

と書いてありました。 
とりあえず、このエッセンスは合成香料を使っていないようですね。 
ここで気をつけなくてはいけないのは、天然だから安心だとか、合成だから心配という問題ではないということです。 

たとえば合成保存料の「ソルビン酸カリウム」は、亜硝酸ナトリウム (ハム・ソーセージなどの発色剤)と反応して発ガン物質に変わるとか、「安息香酸」は染色体異常ありとか言われていますね。 

では「天然香料」だったらいいか?というと、そういう訳でも ないようです。一体天然の何からどうやって抽出しているの?という 疑問も出てきます。 
よく天然着色料が虫や植物から抽出されている、とは聞きますね。 

結局、無理に(人工的に)高濃度で抽出したものには、何かしらの問題 が生じ、体に負担をかける可能性があると思われます。

だからできるだけ自然のままのものを香料として使用してみるのはいかがでしょうか。例えばバニラフレーバーだったら、コーヒー粉にバニラビーンズの種を 
しごき出したものを混ぜてみるのはいかがでしょう?
シナモン風味なら、フワフワミルクをのせたコーヒーにシナモンパウダーをかけるのも良いですね。もちろん、シナモンスティックをブラックコーヒーに入れても、面白いかも知れません。体にも優しそうな感じです。 

そうはいっても。やっぱり私は、コーヒーは本来持っている香りを楽しむのが一番だと思います。「人工的にフレーバーをつけるなんて、もったいない!」
というのが正直な気持ちです。あと、あの強烈な香り(臭い)はちょっと苦手です。 フレーバーコーヒー大好きな方、どうもすみません。

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産地燻蒸(くんじょう)の話(燻蒸その6)

「産地燻蒸(くんじょう)」が主流

コーヒー豆が輸入される時に日本に居ない有害な虫が見つかると、バルサンのような殺虫剤で丸ごと消毒(燻蒸)されることは以前お話ししましたね。 
豆の中に入っている虫を殺すため、かなり強い薬剤を使います。 

実は、最近ではこの消毒を産地で安くやってしまう傾向が強くなっていると いうことです。虫が居ようが居まいが、日本で燻蒸(くんじょう)されるよりは 安いそうです。 

そういう訳で、日本でのコーヒー豆燻蒸(くんじょう)件数はかなり少なくなってい ます。「産地燻蒸(くんじょう)」の事実を知らないと「輸入時の燻蒸(くんじょう)件数が 減っていて、よかった!」という誤解をする恐れもありますね。 

コーヒー豆以外に、輸入フルーツも・・・

 この「産地燻蒸(くんじょう)」は、実はコーヒー豆だけではありません。 
バナナやグレープフルーツが、日本で「青酸ガス燻蒸(くんじょう)」されることは以前 お話しましたね。
一方「産地燻蒸(くんじょう)」で良く知られるのは輸入イチゴ。 コーヒー豆と同様、猛毒「臭化メチル」による燻蒸(くんじょう)が行われています。 
旬じゃない時期にケーキにのっている、あのイチゴのことです。 
心配なら、お店の人に聞いてみるのもいいかもしれないですね。こだわってい るケーキ屋さんだと、国産しか使わないところもあります。 

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その3 残留基準は無し
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その5 安全な燻蒸?
燻蒸ってどんなもの?
有機栽培(オーガニック)豆に害虫が見つかったら?

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生豆屋(きまめや)

安全な燻蒸?(燻蒸その5)

姿を変えて残留する臭化メチル

燻蒸(くんじょう)で使われる臭化メチルは、食品に臭素として残留し、その残留 レベルは相当高いものであると言われています。 

またコーヒー豆の場合ですと、焙煎によって分解し、臭化水素などの 有毒で腐食性の物質を生じることがわかりました。 
調べれば調べるほどいろいろと出てきますが、これがオーガニック認証コーヒーをお勧めする理由の1つでもあります。
 

安全に燻蒸(くんじょう)する方法は?

こうなってくると「安全な燻蒸(くんじょう)方法は?」と聞きたくなりますね。 
オゾン層を破壊する物質としても指定されている、臭化メチル。 
これに頼らずに、燻蒸(くんじょう)する方法として「二酸化炭素燻蒸(くんじょう)」 の研究が現在すすめられています。 

我が国では、体にも環境にも優しい「二酸化炭素燻蒸(くんじょう)」が、世界に 先駆けて植物検疫処理法として採用されました。 

日本も結構やるなぁ、と思いきや。 
2000年10月現在、まだ一度も、輸入農産物が「二酸化炭素燻蒸(くんじょう)」されたことが無いそうです。 
つまり絵に描いた餅ということですね。 

なぜ、体にも環境にも優しい方法を使わないのでしょうか。 
実は、「燻蒸(くんじょう)」するのに14日間もかかるし、コストも3~5倍で、 おまけに特別な施設でしかできない、などの課題が山積みになっている のでした。 

一日も早く、より短時間・低コストの安全な燻蒸(くんじょう)方法が開発される ことを祈ります。 
輸入農産物に頼る私たちの健康だけでなく、燻蒸(くんじょう)業に携わる方々の 健康、そして環境保護を考えて。 

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その3 残留基準は無し
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その6 産地燻蒸の話
燻蒸ってどんなもの?
有機栽培(オーガニック)豆に害虫が見つかったら?

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