実験!挽き豆を炒る

挽き豆を炒り直す?

先日「自宅焙煎した時に、焙煎が足らなかったらもう一度炒り直してください。」と掲示板に書いたところ、次のようなご質問をいただきました。

「ミルで挽いた豆を炒り直しても、美味しくなりますか?」

正直、返事に困りました。やったことが無かったからです。
豆を挽くと、数十倍~百倍以上に表面積が増えて、酸化速度も一気に加速するのはご存知の通り。挽いた瞬間から、香りもドンドン飛んでいきます。
できるだけ空気に触れないように密閉し、低温保存する方が良いのは確かなのですが・・・

挽いた状態から再焙煎すると、果たしてどうなるのでしょう?
早速実験してみました。

香りが飛ぶ

フライパンだと、前に調理したものの油や臭いが残っている恐れがあるので、ステンレス製ミルクパンを使いました。
中火で、火から5cmほど離して約1分間炒り、熱が通ってやや色が濃くなってきた頃に、火からおろしました。
挽き豆を炒った結果は、下記の通りです。
————————————–
蒸らし中の膨らみ:膨らみが悪くなる。
香り:香りが飛ぶ。無くなる。
口当たり:まろやかではなくなり、後味が悪くなる。
苦み:苦みが増す

総合的に見ると、やはり炒らない方が美味しいようです。ただ「苦みが増す」ので、酸味の強すぎる挽き豆でどうしようもない時に、やってみても良いかも知れません。
その他の条件は良くないので、決してオススメではありませんが・・・。

<参考>
コーヒーかすを食べてみた

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーメーカー考

コーヒーメーカー(coffee maker)とは?

広い意味では、コーヒーを抽出する器具のことです。つまり手動で抽出する時に使う「ドリッパー
+ペーパーフィルター+サーバ」も広義ではコーヒーメーカーになります。

一般的には、電動でドリップしてくれる(コーヒーを落としてくれる)機械のことを言います。
水と豆をセットして、スイッチ1つで勝手に作ってくれるコーヒーメーカー。手軽にいつもの味わいが楽しめるのは嬉しいですね。

店長おすすめのコーヒーメーカーは?

・・・と、よく聞かれます。
これは、とても難しい質問です。
なぜかというと、おすすめのコーヒーメーカーが特に「無い」からです。

当店ではどこかのメーカーさんを強く押しているとか全然ありませんので正直に申しますが。
手で丁寧に抽出する方が、ずっと美味しいと思います。

<理由1>蒸らすことができない。
コーヒーメーカーで蒸らし機能が付いているものもありますので一概には言えません。
でもコーヒー粉全体にちゃんとお湯を行き渡らせるには、やはり手でしっかり注ぎたいところです。「1分間の蒸らし」が有るか無いかで、全然味わいが違ってきます。


<理由2>湯の温度が調節できない。
沸騰したての湯が落ちてくるものが多いので、雑味が出やすく香りも飛びやすいです。
香り、まろやかさを出すなら、ちょっとだけ冷ましたお湯(約90℃)で落としたいところ。

<理由3>プラスチックが多用されている。
沸騰した湯が通る部分に、意外とプラスチックが使われているのはご存知でしょうか。
せっかくのコーヒーの香りに、プラスチック臭が加わるのはちょっと悲しいですね。

一度お湯だけを通してみて、プラスチック臭が許せる範囲かチェックしてみるのも良いでしょう。(※)
—–
・・・とは言っても。
忙しい時には、やっぱりお世話になりたい気持ちも良く分かります。

手が回らない時にはコーヒーメーカー、とっておきのコーヒータイムには手でじっくり落とす、と使い分けるのも良いですね。

(※)プラスチックは、生産効率や品質向上のために、可逆剤、安定剤等の化学物質が添加されています。プラスチック臭は、これらの物質によるものと考えられます。


<参考>
実験!蒸らしの極意 
実験!古い豆でも蒸らす?
蒸らしで豆を知る
湯の質と温度

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生豆屋(きまめや)

ターキッシュコーヒー(トルコ式コーヒー)の作り方

トルコ式コーヒー

コーヒーの原点(ターキッシュコーヒーの歴史)

ターキッシュコーヒーの歴史は古く、今から450年前にさかのぼります。初めはトルコのイスタンブールで飲まれるようになり、そこから急速に広まっていったそうです。
イブリック(別名ジェズベ)と呼ばれるヒシャク型の小さな鍋と火を使って作り、コーヒー粉も一緒に小さなカップに注ぐのが特徴。そのため少し粉っぽさも残ります。
ネルやペーパーフィルターに慣れている日本人には、全く別の飲み物のように感じるかも知れないですね。

ネル(布)でコーヒー粉をこすようになったのは、ターキッシュコーヒーが飲まれるようになってから、100年以上も後のことだそうです。ですから、ネルドリップやペーパードリップよりもずっと歴史が古いということになります。

クセになる味わい

トロリとした濃厚な味わいとコク。高温抽出なので残念ながら香りはドリップに負けますが、それをカバーするだけの個性的な魅力があります。
まずは、下記の方法でお試し下さい。

< 用意するもの(一人分あたり) >
・極深煎りのコーヒー豆 ・・・・・8g(パウダー状の、極細挽きにしたもの)
・砂糖 ・・・・・・・・・・・・・8g
・水 ・・・・・・・・・・・・・・70cc
・小鍋(ミルクパン)※あればイブリック
・混ぜるもの(箸、木杓子等)
・デミタスカップ(小さいカップ)

< 作り方 >
(1)小鍋に、人数分の深煎りコーヒー粉・砂糖・水を入れる。
(2)弱火にかけて、時々混ぜながら焦げ付かないように煮る。
(3)「ふつふつ泡だってきたら、火から離す」を3回繰り返して火からおろす。
(4)そのまま2分間置いて、コーヒー粉を沈める。
(5)静かにデミタスカップに注いで、出来上がり!

美味しいターキッシュコーヒーを作るためには、新鮮な極深煎り豆(イタリアンロースト)を使うのが重要なポイントです。
しっかり成分が抽出される方法なので、健康のためにも酸化した古い豆は使わないようにしましょう。

詳しい作り方は、ターキッシュコーヒー(トルコ式コーヒー)の作り方からどうぞ。

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ネル再考

布事情

茶こし布ドリップ法で、以前は普通のソフトデニムを使っていました。でもお客様から「コーヒーが有機なんだから、布も有機にして!」とご要望をいただき、考え直すことにしました。

確かにそうですね。ところで普通の布と有機栽培製の布では、どのくらい違うのでしょうか。
有機栽培の綿を扱う会社の方にお話を伺ったところ、綿の収穫から布地になるまで、色々と化学的な処理をされているということでした。
逆に言うと、有機栽培で育てられた綿であっても加工段階で化学的処理をされている場合もよくある、ということです。

そこで、有機栽培で育てられ、かつ化学的処理を施されていない布地のサンプルを何枚かいただき、味を見てみました。

布が使われてきた理由

色々試した結果、「ネル」と「デニム」がほとんど同じ「コクのある、まろやかな味わい」になることが分かりました。保水性があって、よく蒸れるためだと思われます。
#まろやかさがアップしているのは、有機栽培のせいでしょうか。

で。どちらが安価かというと・・・意外にも「ネル」の方でした。
#一般的には、デニムの方が入手しやすいです。

これは、有機栽培だと希少価値が高く、加工料よりも綿の使用量がそのまま価格に反映してくるためです。
「ネル」は少ない綿量でも「起毛」を利用して保水性を維持することができるので、より安価になっている訳です。

昔から、貴重な綿を最小限に使って、保温性を高めるために起毛加工されてきた「ネル」。
保温性だけでなく「保水性」にも着目し、コーヒー分野でも活躍してきた理由が、ようやく理解できました。

<参考>
有機栽培製ネルのすすめ

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生豆屋(きまめや)

実験!チャフを飲む(2)

コーヒー豆中心部の線の所に入り込んでいるチャフ。

チャフ(chaff)を外す

高濃度で抽出すると「強い苦味を伴った漢方薬風の香り」がするチャフ。このチャフが薄まった状態でコーヒーに混ざると、味わいにどのように影響するのでしょうか。
今回は、自称「味にうるさい」友人5名に頼んで、味比べをしてもらいました。
実験に使った豆はコロンビア。酸味・苦みのバランスがある豆を選びました。

まず、豆を大きく砕いて、真ん中のセンターカットに挟まっているチャフを丁寧 に取り除きました。この作業が、と~っても大変。センターカットのチャフって豆に食い込んでいるので、なかなか外れないのです。
「本当にコーヒー好きな人は、これを丁寧に全部取るんだ!」とコスタリカに住む友人が言っていたのを思い出しました。
・・・が。正直、もうウンザリ!と言いたくなるくらい、大変な作業でした。

チャフ入りとチャフ無し、どっちが美味しい?

さて。苦労して「チャフ抜」きにした豆と、「チャフ入り」の豆では、どのように味が違うのでしょうか?
どちらが「チャフ入り」か分からないようにして、美味しい方を選んでもらいました。

その結果、驚いたことに・・・
5人中3人は、「チャフ入り」の方が美味しい!と答えました。
理由は、「味わい深くておいしい」「味に奥行きがある」というものでした。その3人は、絶対に自分は「チャフ抜き」の方を選んだ!と確信していたようです。実は反対だったと知ったときに、ビックリしていました。

残りの2人は、「チャフ無し」の方が美味しいと答えました。
「チャフ無し」の方は、「酸味が強く、個性が出てハッキリした味わい」 とのこと。この2人は、酸味が好きな友人達だったのです。

私も味見しましたが・・・「チャフ入り」の方が好きでした。どうしてそうなるの?と聞かれてもうまく説明できませんが。たぶん、チャフが自然に入っていることで「コーヒー」として完成した味わいに感じているのかもしれない、と思いました。
他の豆や焙煎条件の違う豆で実験すれば、また違った結果が出るかもしれません。

ただ一つ分かったことは、色々なところで「チャフは渋みを伴い、嫌な味わいになる」と説明されていますが、そうでは無い場合もありえるということです。
どうしてもチャフは嫌だ! という方は、挽いたコーヒー粉を揺すりながら、表面にあるチャフを軽く吹き飛ばす方法もあります。
よろしかったら、お試し下さい。

<参考>
実験!チャフを飲む(1)

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生豆屋(きまめや)

実験!チャフを飲む(1)

チャフ(chaff)って何?

英語で「もみ殻、刻みわら、廃物、くだらない物」の意味。これでは、さっぱりわからないですね。
他にも、「クズ、カス、燃え殻」の意味があります。コーヒーの抽出で問題になるチャフは、この「カス、燃え殻」あたりでしょうか。
コーヒー豆(種子)を包んでいる薄皮をシルバースキン(銀皮)と呼びますが、その大部分は精製過程で取り除かれます。
取り除かれないで、残ってしまうのは、コーヒー豆の真ん中にみえる白っぽい線のところ。あの線が、シルバースキンになります。

焙煎して挽くと、シルバースキンが白い粉になり「うわ、チャフだ!」と、いきなり嫌われてしまう訳です。でも、何でそんなに嫌われるのでしょうか。

チャフを飲む・・・ぐっ。

チャフは渋味をはじめとした雑味や、コーヒーの濁りの原因だと言われています。
本当かな?と思った私(店長)は、せっせとチャフを集めて飲んでみました。
まず1gのチャフで120cc抽出(ちゃんと1分間蒸らして)。1gだけ?って思うかもしれませんが、カップ半分くらいの量はあります。水洗式中煎りコーヒー豆で約500g~800g分からとれるチャフ量に相当します。
#チャフは軽いので、たった1gでも多いのです。

飲んだ感想は「ぐ・・苦い!」
「良薬口に苦し」という言葉がピッタリの味わい。スッキリした強い苦味で、液体も濁りが無く綺麗な紅茶色。「渋み」は思ったよりも、ずっと少なかったです。
そして、ドクダミと米ぬかを炒ったものを合わせたような、漢方薬風の香り。この香りだけは、コーヒーとはかけ離れていました。
漢方薬風の香りですから、決して美味しいものでは無いですね。やはりチャフだけで飲むのは無理があったようです。

さて。この「意外と渋みの少ない、強い苦味を伴った漢方薬風の香り」が、コーヒー豆とブレンドされた時に、どのように影響してくるのでしょうか。
さらに実験を続けていきたいと思いますので、お楽しみに!

<参考>
実験!チャフを飲む(2)

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簡単にアイスコーヒーをグッと美味しくする方法

ここでは、ホットコーヒーから簡単に作れる「美味しいアイスコーヒー」の作り方をご紹介します。
「究極のアイスコーヒー」ほどこだわるのは面倒。
「水出しコーヒー」ほど時間をかけたくない。
「朝ホットを飲んで、残りで美味しいアイスコーヒーを作りたい。」
・・・そんな欲張りな方々にオススメです。

作り方はとっても簡単。
「ホットコーヒーを作ってから、氷の中にぶち込む。終わり。」
だけど、この方法で美味しくするには、ちょっとコツが必要です。下記のルールを守って作れば、きっと美味しいアイスができあがります

氷はあらかじめ用意しておく

「コーヒーができたかな。じゃあ冷凍庫から氷を出して・・」なんてやっていたら、とても美味しいアイスコーヒーはできません。
コーヒーの香りを封じ込めるためにも、できるだけ早く冷やせるように大きめの氷をたっぷりサーバ(コーヒーを受ける耐熱容器)に用意しておきましょう。
サーバの代わりに、耐熱グラスにゴロゴロ氷を入れておくのも良いですね。氷めがけて熱々のコーヒーをジュッと注げば、1人分でも美味しいアイスができあがります。

やっぱり深煎り豆で

浅煎りや中煎りの豆でアイスを作ると、喉につまるような酸味が出てしまってとっても悲しいです。やっぱりここは、ちゃんと深煎り豆を選びましょう。
「深煎り豆」の中にも、深煎り~ごく深煎りまでありますので、お好みに合わせて選んで下さい。

例えば・・・
深煎り(フレンチロースト)  → きまめやブレンド深煎りやガテマラ深煎り等、まろやかな苦み・軽い口当たりのアイスが好きな方に。

ごく深煎り(イタリアンロースト)  →ヨーロピアンブレンド等、キリッとした強い苦みとコクのあるアイスが好きな方に。ミルクやクリームをたっぷり入れる方にも。

鮮度がとても大事

いつ焙煎したか、いつ挽いたか分からない豆で「さぁ、美味しいアイスコーヒーを作ってちょうだい!」と言われても・・・。
酸化した豆では、後味スッキリ・胃に優しいアイスはできません。これはホットコーヒーも同じですね。

新鮮な豆を使えば、透明感のある味わいでスッと飲める、体に優しいアイスコーヒーができあがります。

濃いめに抽出する

氷で急冷するため、どうしても薄まってしまいます。それを補うために、濃いめにコーヒーを抽出するのがポイントです。
豆は「細挽き~やや細挽き」にして、コーヒー粉の量も多めにしてみて下さい。また、冷蔵庫に保管する場合は、急冷させた後に残った氷は取り除いてください。氷が溶けると、だんだん薄まってしまうので。

以上、大まかなポイントを書いてみました。 美味しいアイスコーヒーを作りたい時に、是非おためしください!

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正統派ネルの保管方法

ネルドリップ
一般的なネルドリップ

今日は、本格ネルドリップにこだわる喫茶店の店長さんにご協力いただき、正統派のネル保管方法をご紹介したいと思います。

毎日煮て、冷蔵庫へ

「お店(喫茶)では、使用のたびにお湯洗い、水洗いをしています。使用前は、よく絞るだけでなく、タオルなどで挟んでたたき、水分をよく取り除きます。」

「閉店後は、ネルを20分程煮て、冷蔵庫で水につけて保存しています。まめに煮ると、衛生面だけでなく、目詰まりしにくいような気がします。」

なるほど。毎日閉店後に煮沸しているのはポイントですね。
お手入れや保管が大変なので、ネルを使っている喫茶店は意外と少ないです。毎日閉店後に煮沸しているところはさらに少ないのはないでしょうか。

茶こし布ドリップの「布」も、たまに煮沸してあげるとより長持ちするかもしれないですね。

冷凍保存も・・・

「自宅では、よく洗って、絞ったらジッパー付きの袋に入れて冷凍しています。使うときは、水かお湯をかけて解凍してから使っています。今のところ、冷凍庫臭くもならずに快適です。」

これは、冷蔵庫にいれて水を取り替える必要もなく、たまに使う方にも便利ですね!
干すよりも、冷凍庫へ入れた方が都合が良い方にもおすすめです。
#冷凍臭が付かないように、しっかりと密閉しましょう。

自分に合った方法を選ぶ

ネル(布)でドリップすると、ペーパー臭が無く、コクが出て美味しくできあがります。おまけに環境にも優しい!

保管方法も、今までご紹介した「干す」「水に浸す」「冷凍する」と色々な方法があります。
ぜひ自分にピッタリの保管方法を選んで、気軽にお試しいただければと思います。

初めて使う時は、布についたコーヒー粉を洗い落とす時に抵抗を感じるかもしれません。
でも、慣れれば大した手間ではありません。

落としたコーヒー粉は、よく乾燥させると脱臭剤にもなります。良かったらご活用下さい。

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茶こし布ドリップ

ネルのコクは?

ペーパードリップで1人分を美味しくいれるのって、意外と難しいです。
なぜかというと、コーヒー粉の層が薄くなってコクの足らないコーヒーになってしまうからです。

その点、ネルドリップだとコクが出やすいので、一人分でも結構美味しくできます。
でも、なぜネルドリップだとコクが出るのでしょう?
次のような理由が考えられます。

(1)ネルが湯をしっかり保って、よく蒸れるから。
(2)ペーパー用のドリッパーよりも径が小さく(小さい場合が多く)、コーヒー粉の層が厚くなるから。


・・・ということは、別にネルじゃなくても上記の理由をクリアすれば
少量でも美味しいコーヒーをいれることができるってことですね。
#「ネル」とは起毛した織物のこと。

茶こし布ドリップ

そこで、試行錯誤して考え出したのが「茶こし布ドリップ」!
必要なものは「茶こし」と「布」だけ。
一人分でも美味しくコーヒーをいれることができて、布は何度も使えます。
ペーパー独特の紙の臭いが付かないのも、嬉しいです。

私が見つけたのは、布は15cm角に切った綿100%のソフトデニム(生成り色)。薄手だけど目が細かく、起毛が無くても程良く蒸れて美味しくできます。おまけに、干すとすぐに乾いて衛生的。

茶こしは、普通の茶こしでOK。径7cmくらいの小さな「味噌こし」を使うと、コクが出やすくギリギリ2人分まで抽出できます。

<注意事項>
(1)布は、必ずたっぷりのお湯で20分ほど煮沸してから使い始めましょう。ちょっと面倒ですが、布に付着している薬品類をしっかり落とし、布の臭みを取ります。
2回目からは、お湯で洗うだけでOK。

(2)茶こし(味噌こし)は小さいので、こぼれないようにゆっくりとお湯を注ぎましょう。ゆっくりと注ぐことで、コクがでてきます。
蒸らしはちゃんと1分間!しっかり待ちましょう。

(3)味わいがあっさりしすぎの時は、もう少し厚手の(目の細かい)布を。
濃すぎる時は薄手の(目の粗い)布を選びましょう。布選びは、味わいの決め手になります。

「茶こし布ドリップ法」については、こちらをご覧下さい。
自宅やオフィスで、一人分だけ美味しくいれたい方におすすめ!
3人分以上だったら、普通の味噌こしで大きめに切った布を敷いて使っても良いですね。

<参考>
有機栽培製ネルのすすめ

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ネルドリップとは?

ネルって何?

ドリップコーヒーだったら、ネルドリップが一番おいしいと良く聞きますし、私もそう思います。ところで、ネルってなんでしょう?

「ネル」とは「フランネル」の略で、平織りまたは綾織りにして両面(または片面)に起毛した柔らかな織物のことです。
コーヒードリップ用には綿のネルで、片面起毛がよく使われていますね。

ネルドリップは、紙(ペーパー)ドリップに比べて紙の臭いが無く、ゴミも出ないので理想的な抽出方法と言えるでしょう。

噂の検証・起毛面の表と裏で味が違う?

ネルの起毛といえば。
起毛面を内側にするのと、外側にするのでは味わいが違う!という噂があったので、味にうるさい5人の方に実験してもらいました。
その結果、別に味も変わらなかったし、抽出速度も同じでした。

ただ内側にすると、コーヒー粉が目詰まりしやすいので外側の方が良いかもしれないですね。
メーカー側の説明書には内側にしてくださいと書いてあるものがあるそうです。
これはつまり、早く目詰まりして交換して欲しいからでしょうか・・・??

ネルのお手入れ

ネルドリップといえば、保管の面倒臭さが欠点としてあげられますね。
冷蔵庫に、ネル部分を水に漬けた状態で保存。さらに毎日水を取り替えましょう! とよく言われます。

喫茶店で一日何度も使う場合や、毎日ネルドリップをする人だったら良いかもしれません。
でも、いつもはペーパーで、たまにしかネル使わない場合は、冷蔵庫の肥やしになりやすいので要注意。

「もう1ヶ月もネルを漬けている水を取り替えていない」とか、「半年も保存容器のフタを開けていないから、一体どうなっているのか見るのが怖
いよ」とか。そんな話もよく聞きます。

なぜ水に漬けるかというと、「ネルにしみ込んだコーヒーの脂肪分が空気に触れて酸化し、嫌な臭いを発して味に悪影響を及ぼす」からだそうです。

なるほど。
でも最近「水に漬けっぱなしー」に疑問を持ち、干して使うようにしています。だって、冷蔵庫の中って他の食品の臭いだらけだし、ずっと水に漬けたままなんて・・・・逆に不潔じゃないですか?

お湯でよく洗ってコーヒーを落としてからから、できれば天日干しをしてみて下さい。
毎日水を取り替える必要も無し。
脂肪分の臭いも、お湯で良く洗えば大丈夫。
よく乾いたネルでも、使う前にお湯を通せば美味しく抽出できます。
毎日使わない方や、私みたいに面倒くさがり屋さんには、この方法がピッタリかも知れませんね。

きまめや
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