コーヒーと糖尿病 その2

1日10杯で8割減?!

「コーヒーを1日数杯飲む人は、糖尿病のリスクが3割近く下がる」という調査結果を、フィンランドの研究機関が発表しました。(※)
35~64歳の約1万4600人を調査した結果、1日3~4杯のコーヒーを飲んだ場合、飲まない人に比べ女性で29%、男性で27%糖尿病にかかる率が減少。
1日10杯以上飲んだ場合、女性で79%、男性で55%の減少となったそうです。

しかし。いくら効果的と言っても「1日10杯以上」はなかなか難しいですね。どうやって10杯以上飲む人を集めたんだろう? と疑問に思った所・・・
フィンランドの「コーヒー豆の1人当たり年間消費量」は世界一で、何と約11kg! 
1日9杯飲むのが平均だというから驚きです。なるほど。だからコーヒーに対する意識も高く、調査報告も多い訳ですね。

アメリカなどでも最近、同じような研究報告がされていますが、どうしてコーヒーが効果的なのかは未だに判明していないそうです。

※フィンランド国立公衆保健研究所が、2004年3月10日発行の米医師会誌(JAMA)に発表しました。

無理しないように注意

ここで知っておいていただきたいのは、どの研究機関も「あくまで適量を飲むこと」をすすめている、ということです。
「そうか!効果的なのか!」と言いながら、無理してガブガブ飲まないよう、お気を付け下さい。

私が思うに「あー、コーヒーが飲みたい!」と思った時に、新鮮で体に優しいコーヒーを飲むのが一番ではないでしょうか。
飲みたいときに美味しいコーヒーを飲むと、体にスッと入っていきますし、胃ももたれません。
しみじみ美味しくて、幸せな気持ちになれます。
当店のお客様でも「コーヒータイムがストレス解消!」という方がとても多いです。

あと、お砂糖&ミルクをたっぷり入れて1日何杯も飲むと逆効果の恐れもありますので、ご注意下さい。
また「コーヒーなら何でもいいかな」と「糖分タップリ缶コーヒー」を何本も飲んだりしないように、くれぐれもお気を付け下さい。

<参考>
コーヒーと糖尿病1(色々な研究結果)
コーヒーと糖尿病3(予防と発症後の違い)
悪魔の飲み物「缶コーヒー」

きまめや
生豆屋(きまめや)

美味しい水とは?

美味しい水のイメージ

美味しい水の謎

コーヒーの98%以上を占める水。この水が美味しければ、コーヒーも美味しくなることは容易に想像がつきますね。
では美味しい水って、具体的にどんな水でしょう?
そう思って色々調べたところ、どんどん混乱してしまいました。どうも最新の結果は「よくわからない」ようです。

以前、水分子の塊(クラスター)が小さくなるとまろやかになる、という論文が発表されて、「クラスターが小さい=美味しい」と解釈されていましたが、どうも違うようです。
※水のクラスターという考え方自体、まだ証明されていないようです。

他にも色々な意見がありますが、「これだ!」と言える「美味しい理由」は特に見あたりません。コーヒーの香りの成分が未だに判明しないのと同じで、科学で分析できるものには限界があるのでしょうか。

理由は分からないけど・・・

どうして美味しいのか良く分からないけど、確かに「美味しい水」というものはあります。日本各地にある名水もその一つ。
もし水道水を使うなら、浄水器や濾過器を使うとか、備長炭や多孔質の石を入れるのも効果的です。これらの小道具は、水道水のカルキ臭等を除いてくれたり、まろやかにしてくれたりします。
当然ですが、水がまろやかだとコーヒーもまろやかに仕上がります。とっておきのコーヒータイムには、やはり水にもこだわりたいですね。

< 参考 >
湯の質と温度
コーヒーに適した水「軟水・硬水」
水の実験「軟水・硬水・水道水」

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生豆屋(きまめや)

挽き加減で七変化

さて問題です。

ここに、焙煎したコーヒー豆があります。
この豆でドリップして、次のような味わいを出したい時・・・
あなたならどのように挽きますか?

(1)濃い味にしたい。
(2)1~2人分抽出でも、しっかりコクを出したい。
(3)あっさりした味にしたい。
(4)リッチでゴージャスな味にしたい。

答え

中挽きを標準の味とすると・・・・

(1)濃い味   :細挽き~やや細挽き
(2)1~2人分でコクを出す: 細挽き~やや細挽き
(3)あっさり味 :粗め中挽き~粗挽き
(4)リッチでゴージャス味:粗め中挽き+豆多め

解説

(1)「今日は、刺激的な濃いコーヒーが飲みたい」と思ったら、
迷わず細挽きにしましょう。細かく挽けば、コーヒー成分がしっかり抽出され、濃い味わいに。
飲んだ後の余韻もたっぷり楽しめるコーヒーになります。

(2)1~2人分だけをしっかり抽出してコクを出したい時にも、細挽きがおすすめです。豆量が少ないと、湯が通る「コーヒー粉の層」が薄くなり、味わいも薄くなりがち。その分を挽き加減で補うのも1つの方法です。

(3)「今日は、どうも胃の調子が良くないな。あっさり味のコーヒーにしようか。」と思ったら、迷わず粗挽きにしましょう。
粗挽きにするとコーヒー成分が出過ぎないので、「軽い味わい」に仕上がります。
「香りはしっかり、でもあっさり」は、粗挽きならではの味わ
いですね。

(4)「突然の来客だ! どうしよう。とりあえず、ゴージャスでリッチ(?)な味わいのコーヒーで、おもてなしを・・・」そんな時は、粗めに挽いて、豆を多めに使いましょう。

豆を多めに使うことで、「香り・コク・まろやかさ」といった美味しい部分だけ前面に出てきます。(※1)
また、粗めに挽くことで、濃くなりすぎません。

浅めの焙煎~深煎りまで、リッチでゴージャス味に合います。特に酸味のあるコーヒーは、味わいの違いがハッキリ出て面白いです。

同じ豆でも、挽き加減で全然違った味わいになります。
自分の好みにピッタリ合った挽き加減が、見つかると良いですね。

<参考>
(※1)参考「実験! 前半と後半」

上記は、焙煎したての新鮮な豆を使った場合に限ります。
焙煎日不明の古い豆では、残念ながらゴージャスでリッチな味わいになりませんので、ご注意下さい。

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生豆屋(きまめや)

コーヒーの残留農薬「ジクロルボス」再び

とうとうコロンビア産からも・・・

厚生労働省は10月17日、コロンビア産コーヒー豆の輸入時検査で、残留基準を超える有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が2回にわたって検出されたと発表しました。

1回目は9月1日で、残留農薬の基準値(0.2ppm)の約5倍の0.96ppm、2回目は10月14日で、0.57ppmがそれぞれ横浜検疫所で検出されました。これにより、厚生労働省から「検査命令」が出て、今後輸入されるコロンビア産豆は全量を検査するよう義務付けられます。
#コロンビア産豆は、昨年1年間に約86000トンが輸入され、全輸入量の約21%を占めています。

なお、先月発覚したブラジル産豆の残留農薬問題については、はすでに同様の措置がとられています。

原因不明のまま

とうとうコロンビア産豆も、2回目の検出で全量検査になりましたね。ブラジル産豆の残留農薬で大騒ぎだったので「コロンビアはもう違う農薬を使うだろうなぁ」予想していましたが。まさか再びジクロルボスで問題になるとは、思いませんでした。

やはり農薬に対する「ずさんな管理体制」が、根底にあるのでしょうか。以前ブラジル産豆から検出されたジクロルボスについても、原因は特定できないまま。「有機栽培(オーガニック)豆」では無いので、原因追求は足踏み状態。

他の有機リン系農薬に比べて蒸気圧が高く「残留しにくい農薬なのに、しっかり残留していた」という事実だけが宙ぶらりん。なかなか難しい問題です。

※ジクロルボス:発ガン性及び変異原性が確認されており、イギリスでは販売などが一時制限されています。また、白血病や非ホジキンリンパ腫・前立腺ガンとの関連が報告されています。
#当店で扱っている有機栽培コーヒー豆は、燻蒸処理も農薬も使用していない豆だけを扱い、店舗保管時も殺虫剤を一切使用しておりませんので、ご安心下さい。

<参考>
燻蒸(くんじょう)ってどんなもの?
コーヒーの残留農薬「ジクロルボス」ってどんなもの?

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実験!挽き豆を炒る

挽き豆を炒り直す?

先日「自宅焙煎した時に、焙煎が足らなかったらもう一度炒り直してください。」と掲示板に書いたところ、次のようなご質問をいただきました。

「ミルで挽いた豆を炒り直しても、美味しくなりますか?」

正直、返事に困りました。やったことが無かったからです。
豆を挽くと、数十倍~百倍以上に表面積が増えて、酸化速度も一気に加速するのはご存知の通り。挽いた瞬間から、香りもドンドン飛んでいきます。
できるだけ空気に触れないように密閉し、低温保存する方が良いのは確かなのですが・・・

挽いた状態から再焙煎すると、果たしてどうなるのでしょう?
早速実験してみました。

香りが飛ぶ

フライパンだと、前に調理したものの油や臭いが残っている恐れがあるので、ステンレス製ミルクパンを使いました。
中火で、火から5cmほど離して約1分間炒り、熱が通ってやや色が濃くなってきた頃に、火からおろしました。
挽き豆を炒った結果は、下記の通りです。
————————————–
蒸らし中の膨らみ:膨らみが悪くなる。
香り:香りが飛ぶ。無くなる。
口当たり:まろやかではなくなり、後味が悪くなる。
苦み:苦みが増す

総合的に見ると、やはり炒らない方が美味しいようです。ただ「苦みが増す」ので、酸味の強すぎる挽き豆でどうしようもない時に、やってみても良いかも知れません。
その他の条件は良くないので、決してオススメではありませんが・・・。

<参考>
コーヒーかすを食べてみた

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生豆屋(きまめや)

コーヒーメーカー考

コーヒーメーカー(coffee maker)とは?

広い意味では、コーヒーを抽出する器具のことです。つまり手動で抽出する時に使う「ドリッパー
+ペーパーフィルター+サーバ」も広義ではコーヒーメーカーになります。

一般的には、電動でドリップしてくれる(コーヒーを落としてくれる)機械のことを言います。
水と豆をセットして、スイッチ1つで勝手に作ってくれるコーヒーメーカー。手軽にいつもの味わいが楽しめるのは嬉しいですね。

店長おすすめのコーヒーメーカーは?

・・・と、よく聞かれます。
これは、とても難しい質問です。
なぜかというと、おすすめのコーヒーメーカーが特に「無い」からです。

当店ではどこかのメーカーさんを強く押しているとか全然ありませんので正直に申しますが。
手で丁寧に抽出する方が、ずっと美味しいと思います。

<理由1>蒸らすことができない。
コーヒーメーカーで蒸らし機能が付いているものもありますので一概には言えません。
でもコーヒー粉全体にちゃんとお湯を行き渡らせるには、やはり手でしっかり注ぎたいところです。「1分間の蒸らし」が有るか無いかで、全然味わいが違ってきます。


<理由2>湯の温度が調節できない。
沸騰したての湯が落ちてくるものが多いので、雑味が出やすく香りも飛びやすいです。
香り、まろやかさを出すなら、ちょっとだけ冷ましたお湯(約90℃)で落としたいところ。

<理由3>プラスチックが多用されている。
沸騰した湯が通る部分に、意外とプラスチックが使われているのはご存知でしょうか。
せっかくのコーヒーの香りに、プラスチック臭が加わるのはちょっと悲しいですね。

一度お湯だけを通してみて、プラスチック臭が許せる範囲かチェックしてみるのも良いでしょう。(※)
—–
・・・とは言っても。
忙しい時には、やっぱりお世話になりたい気持ちも良く分かります。

手が回らない時にはコーヒーメーカー、とっておきのコーヒータイムには手でじっくり落とす、と使い分けるのも良いですね。

(※)プラスチックは、生産効率や品質向上のために、可逆剤、安定剤等の化学物質が添加されています。プラスチック臭は、これらの物質によるものと考えられます。


<参考>
実験!蒸らしの極意 
実験!古い豆でも蒸らす?
蒸らしで豆を知る
湯の質と温度

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ターキッシュコーヒー(トルコ式コーヒー)の作り方

トルコ式コーヒー

コーヒーの原点(ターキッシュコーヒーの歴史)

ターキッシュコーヒーの歴史は古く、今から450年前にさかのぼります。初めはトルコのイスタンブールで飲まれるようになり、そこから急速に広まっていったそうです。
イブリック(別名ジェズベ)と呼ばれるヒシャク型の小さな鍋と火を使って作り、コーヒー粉も一緒に小さなカップに注ぐのが特徴。そのため少し粉っぽさも残ります。
ネルやペーパーフィルターに慣れている日本人には、全く別の飲み物のように感じるかも知れないですね。

ネル(布)でコーヒー粉をこすようになったのは、ターキッシュコーヒーが飲まれるようになってから、100年以上も後のことだそうです。ですから、ネルドリップやペーパードリップよりもずっと歴史が古いということになります。

クセになる味わい

トロリとした濃厚な味わいとコク。高温抽出なので残念ながら香りはドリップに負けますが、それをカバーするだけの個性的な魅力があります。
まずは、下記の方法でお試し下さい。

< 用意するもの(一人分あたり) >
・極深煎りのコーヒー豆 ・・・・・8g(パウダー状の、極細挽きにしたもの)
・砂糖 ・・・・・・・・・・・・・8g
・水 ・・・・・・・・・・・・・・70cc
・小鍋(ミルクパン)※あればイブリック
・混ぜるもの(箸、木杓子等)
・デミタスカップ(小さいカップ)

< 作り方 >
(1)小鍋に、人数分の深煎りコーヒー粉・砂糖・水を入れる。
(2)弱火にかけて、時々混ぜながら焦げ付かないように煮る。
(3)「ふつふつ泡だってきたら、火から離す」を3回繰り返して火からおろす。
(4)そのまま2分間置いて、コーヒー粉を沈める。
(5)静かにデミタスカップに注いで、出来上がり!

美味しいターキッシュコーヒーを作るためには、新鮮な極深煎り豆(イタリアンロースト)を使うのが重要なポイントです。
しっかり成分が抽出される方法なので、健康のためにも酸化した古い豆は使わないようにしましょう。

詳しい作り方は、ターキッシュコーヒー(トルコ式コーヒー)の作り方からどうぞ。

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コーヒーの残留農薬「ジクロルボス」ってどんなもの?

先日(2003/9/5)新聞やニュースで取り上げられた、コーヒーの残留農薬「ジクロルボス」についてお話したいと思います。

ブラジル産とコロンビア産のコーヒー豆から

厚生労働省は9月4日、ブラジル産コーヒー豆の輸入時検査で、残留基準を超える有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が2回にわたって検出されたと発表しました。

1回目は2003年6月で、残留農薬の基準値を超える0.29ppmが検出、そして今回(9月)は0.44ppmが検出されました。2回基準値を超えると、厚生労働省から「検査命令」が出て、今後輸入されるブラジル産豆は全量を検査するよう義務付けられます。

また、ほぼ同じ時期にコロンビア産コーヒー豆からも0.96ppmというかなり
高い値が検出されました。

まだ1回しか検出されていないので問題になっていませんが、このまま2
回目の検出があった場合は、ブラジル産豆と同様の措置がとられることに
なるそうです。

残留農薬「ジクロルボス」とは?

発ガン性及び変異原性が確認されており、イギリスでは販売などが一時制限されています。 また、白血病や非ホジキンリンパ腫・前立腺ガンとの関連が報告されています。

吐き気・おう吐・胃けいれん、下痢等の急性毒性が強く、「劇物」に指定。くり返し、または長期にわたって被ばくした場合は、頭痛、記憶と集中力の障害、眠気や不眠症、倦怠感等の症状が現れます。 

他の有機リン系農薬に比べて蒸気圧が高く、燻蒸(くんじょう)剤や燻煙(くんえん)剤に使われたり、様々な農薬と混合して製剤化されています。

#ゴキブリやノミ用殺虫剤、家庭菜園用殺虫剤に使われているものもあります。室内で使用する場合は、気づかないうちに被ばくすることもあるので、くれぐれもご注意下さい。

問題点

(1)世界には500種類以上の農薬があると言われているのに、1種類だけの調査で終わるのは「焼け石に水」。同様の効果がある農薬は、いくらでも存在する。さらに残留しやすくて強い農薬も存在する。それらについては、どのように対応するか?

(2)残留農薬が基準値0.2ppm「未満」であれば、上記のジクロルボスが残留していても問題無く輸入されており、今後も日本に入ってくるということ。

店長の考察

この農薬は、燻蒸(くんじょう)時によく使用されるほか、残留性が少ないので、収穫直前まで使用しても大丈夫な農薬だとか・・・
#「大丈夫」というのは、人体に影響無いという意味ではなく、数値として出ない、という意味です。

残留しにくい農薬ですから、収穫前に使ったものがずっと残っていた、とは考えにくいですね。船上のコンテナに入っている間中、「ジクロルボス」で燻蒸(くんじょう)し続けたためか? それとも現地で燻蒸された結果か?

いずれにしても、氷山の一角が現れた・・・という所でしょうか。

#当店で扱っている有機栽培コーヒー豆は、燻蒸処理も農薬も使用していない豆だけを扱い、店舗保管時も殺虫剤を一切使用しておりませんので、ご安心下さい。

<参考>
燻蒸(くんじょう)ってどんなもの?
産地燻蒸の話
有機栽培(オーガニック)コーヒー豆に害虫が見つかったら?
ブラジルの農薬中毒事件
ブラジルで人気のコーヒー農園

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コーヒーと糖尿病 その1

糖尿病に効果あり?

オランダの研究では、1日に7杯以上コーヒーを飲む人は2杯以下の人に比べて、2型糖尿病(※)を発症する率(7年間調査)が約半分だったそうです。
※2型糖尿病:遺伝的な要素に過食や運動不足、ストレスなどの、体に負担となる生活習慣が加わり発病するタイプの糖尿病。

これは、コーヒーに含まれるクロロゲン酸やマグネシウムなどの成分が、糖尿病の発病を防ぐためだと推定しています。(Lancet2002.11.9号より)。

また、日本の研究でも、東京大病院と朝日生命糖尿病研究所の調査から、コーヒーの成分によって糖尿病の予防や治療につながる可能性があるとしています。
#紅茶や緑茶、ウーロン茶では、血糖値への効果はみられなかったそうです。
(毎日新聞2003.3.10夕刊より)

予防できる可能性大

一方、フィンランドの研究では、20年近く追跡調査した結果、コーヒーを飲む量と2型糖尿病の発症率とには何の関係もみられなかったそうです。

コーヒーの効果は人種によって違うものなのか、調査方法の違いなのか。はっきりとした結果は出ていません。
そして、一体何の成分が効いているのかについても、まだまだ研究の余地があります。

とりあえず「コーヒーを飲んでも悪影響は無い→むしろ予防になる」ということだけは確かのようですね。
#もちろん、砂糖やクリームをたっぷり入れれば、悪影響を及ぼしかねません。くれぐれもご注意下さい。

平成14年に厚生労働省が発表した調査結果によると、「20歳以上の6人に1人は、糖尿病か予備軍」。
そして日本人の糖尿病は、ほとんどが2型糖尿病だそうです。
その予防としてコーヒーを飲むのも一法ですが、普段の食生活に気をつけたり、適度な運動をすることが最も大事とのことです。

ちなみに、健康な人が「糖尿病の人向けの食事」をすると、どうなるかご存じでしょうか?
もっと健康になるそうです。
この機会に、欧米型の食生活を見直すのも良いですね。

<参考1>1型糖尿病とは
インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されて発病するタイプの糖尿病。
日本人に多い2型糖尿病と異なり、生活習慣と関係なく発病する。体外からインスリンを補わないと生命を維持できない場合が多く、小児・若年期に発病することが多い。
#1日1回~数回インスリンの注射を打つ必要があるそうです。自分で注射を打っている人を見かけても、ビックリしないで下さいね。

<参考2>
コーヒーと糖尿病2(予防と使用上の注意)
コーヒーと糖尿病3(予防と発症後の違い)

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ネル再考

布事情

茶こし布ドリップ法で、以前は普通のソフトデニムを使っていました。でもお客様から「コーヒーが有機なんだから、布も有機にして!」とご要望をいただき、考え直すことにしました。

確かにそうですね。ところで普通の布と有機栽培製の布では、どのくらい違うのでしょうか。
有機栽培の綿を扱う会社の方にお話を伺ったところ、綿の収穫から布地になるまで、色々と化学的な処理をされているということでした。
逆に言うと、有機栽培で育てられた綿であっても加工段階で化学的処理をされている場合もよくある、ということです。

そこで、有機栽培で育てられ、かつ化学的処理を施されていない布地のサンプルを何枚かいただき、味を見てみました。

布が使われてきた理由

色々試した結果、「ネル」と「デニム」がほとんど同じ「コクのある、まろやかな味わい」になることが分かりました。保水性があって、よく蒸れるためだと思われます。
#まろやかさがアップしているのは、有機栽培のせいでしょうか。

で。どちらが安価かというと・・・意外にも「ネル」の方でした。
#一般的には、デニムの方が入手しやすいです。

これは、有機栽培だと希少価値が高く、加工料よりも綿の使用量がそのまま価格に反映してくるためです。
「ネル」は少ない綿量でも「起毛」を利用して保水性を維持することができるので、より安価になっている訳です。

昔から、貴重な綿を最小限に使って、保温性を高めるために起毛加工されてきた「ネル」。
保温性だけでなく「保水性」にも着目し、コーヒー分野でも活躍してきた理由が、ようやく理解できました。

<参考>
有機栽培製ネルのすすめ

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