心筋梗塞&脳梗塞予防にコーヒー

血栓を作りにくくするコーヒー

心臓に血液を送る血管に血のかたまりが詰まると心筋梗塞に、脳の血管に詰まると脳梗塞になる恐れがあります。
どちらも組織に十分な酸素が行き渡らなくなって起きる病気ですが、コーヒーを飲むことで何か効果を期待できるのでしょうか?

2010年8月、東海大学医学部の後藤信哉教授の研究グループが、マウスを用いた実験でコーヒーを飲むことで血のかたまりが血管に詰まり(血栓)にくくなることを示しました。
その効果はあきらかで、心筋梗塞の再発を防止するアスピリンという薬よりも、コーヒーの効き目の方が断然強かったそうです。

以前は、コーヒーは心筋梗塞に悪い影響を与えると言われていましたが、これはコーヒーと一緒にタバコを吸う人が多かったためで、タバコと分けて研究した結果は「コーヒーを飲んでいる人のほうが心筋梗塞になりにくい」と結論付けています。
なお後藤教授の研究結果では、血栓予防に有効なコーヒー成分を特定するに至っていません。

有効成分はニコチン酸?

他の研究で、コーヒーに含まれる唯一のビタミン「ビタミンB3」が作用しているのでは?というものがありました。
これはナイアシンとも呼ばれ、コーヒーに含まれているのはその中の「ニコチン酸」という物質です。
※ニコチンという名前が入っていますが、タバコのニコチンとは無関係です。

2004年12月、カリフォルニア大学医学部のMeyers CDらの研究により、このニコチン酸を多めに摂ることで、血液がサラサラになり、血管の弾力が増すと結論付けています。
もちろん、この成分だけが影響しているとは言い切れませんが、もしニコチン酸を積極的に摂りたいならどんなコーヒーを選べば良いでしょう?

ニコチン酸をたっぷり摂るなら深煎り

ニコチン酸は、深煎りコーヒー豆の方が多く含まれます。具体的には、中煎り程度から増え始め、ごく深煎りが一番多くなります。
そのため当店のコーヒーですと「きまめやブレンド深煎り」のように「○○深煎り」と書いてあるものや、メキシコ・シエラモレーナ(深煎り)、ヨーロピアンブレンド(ごく深煎り)もおすすめです。

これからアイスコーヒーが美味しい季節になりますが、アイスには深煎り豆が一番合いますね。
病気予防も兼ねて、糖分タップリのソフトドリンクの代わりに、美味しいアイスコーヒーはいかがでしょう?
焙煎したての深煎りコーヒーを使ったアイスコーヒーは、透明感のある味わいで市販のアイスコーヒーとは比べものにならない味わいです。
ぜひお試し下さい。

【注】持病がある方は、必ず担当の医師に相談しましょう。現在服用している薬との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

【参考】
美味しいアイスコーヒーの作り方
長寿ブレンドの作り方
長寿ブレンド秘話
手焙煎で健康コーヒー(病気予防に)

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒー豆 スプーン1杯何グラム?

深煎りの方が豆が大きくなる

お客様から、「中煎りと深煎りの豆を注文したけど、深煎りの方は沢山入っていたみたい。これはサービス?」とお問い合わせがありました。
当店では、すべてのお客様が同じ条件で購入できることを目指していますので、一部のお客様に増量サービス・・・ということは行っていません。
それでは、なぜ同じ重さなのに深煎りは沢山入っていると感じたのでしょう?

スプーン一杯何グラム?

それは、浅煎りよりも深煎りにした方が、体積が増えるためです。
コーヒー豆は深く炒ると、水分が蒸発したり成分が気化して軽くなる一方、体積は増えていくのでした。
軽くなって体積が増えるといえば・・・ポップコーンを思い出していただければ分かりやすいかと思います。

ふつう珈琲豆屋では「焙煎後」の重さをはかって販売するので、同じ重さだと深煎りの方が袋の中身(豆の容積)が増える訳です。
具体的には、中煎りは生豆の1.3~1.4倍、深煎りなら1.5~1.7倍程度に体積が増えるそうです。

カリタ製のドリッパーについている計量スプーンだと、すり切り1杯で中煎りなら10g~11gくらい。深煎りなら、9~10gくらいになります。
1杯あたりだと誤差範囲ですが、500g袋になるとだいぶ違って見えます。もちろん、粒の大きさによって、どのくらい粒ぞろいかによっても、多少違いはあるかと思いますが。

ちなみに珈琲一杯(120cc)で使用する豆は、器具メーカーによって推奨する量が違います。
でも、「このメーカーだから、この量で」と厳密に計量する必要はありません。自分好みの味わいが見つかれば、それが一番ではないでしょうか。
※メーカー別一杯あたりのコーヒー豆量
———————————
カリタ 10g(3つ穴)
メリタ 8g(1つ穴)
ハリオ 12g(円錐形、1つ穴)
———————————
最後に、生豆と中煎り、深煎りをそれぞれ10gをはかったとき、カリタ製計量スプーンだとどのくらいの量になるか、写真でご紹介したいと思います。
写真上から、生豆、中煎り豆、深煎り豆 各10gずつです。

生豆10g
中煎り10g
深煎り10g

きまめや
生豆屋(きまめや)

薄いコーヒーに合う豆

本来のアメリカンじゃダメ

薄いコーヒーの代名詞でもある「アメリカンコーヒー」は、浅めの焙煎豆 をたっぷりのお湯でいれたコーヒーのことですが・・・。
コーヒーを薄めて飲むなら、むしろ深めの焙煎豆を使った方がずっと美味しく出来上がります。だから、お客様から「薄いコーヒーが好きだけど、どの豆が良い?」と聞かれれば、「やや深めの焙煎」または「深煎り」をおすすめします。

そして、たっぷりのお湯で抽出するのではなく、定量で抽出してからお湯で割るのが美味しい薄いコーヒーの条件になります。
※詳細は、「お湯割り一つ!」をご覧下さい。

もし浅めの焙煎豆を薄めると・・・

日本はアメリカと違って、酸味の出やすい軟水が主流です。この軟水をたっぷり使って、酸味の強い「浅めの焙煎豆」を抽出するとどうなるでしょう?
本場アメリカで飲むよりもずっと酸味が強く出る上に、お湯をたっぷり入れるため浅煎り豆の「えぐみ」や「渋み」が出てきます。せっかく良質な豆を使っても、美味しくない「薄いコーヒー」になったら残念ですね。
そういう訳で、日本で浅めの焙煎豆を美味しく飲むなら、やはり粗めに挽いて普通~濃いめに抽出するのがおすすめです。
そして、日本の軟水で「薄いコーヒー」を入れるなら、迷わず「やや深め~深煎り豆」を選ぶようにしましょう。

きまめや
生豆屋(きまめや)