安全な燻蒸?(燻蒸その5)

姿を変えて残留する臭化メチル

燻蒸(くんじょう)で使われる臭化メチルは、食品に臭素として残留し、その残留 レベルは相当高いものであると言われています。 

またコーヒー豆の場合ですと、焙煎によって分解し、臭化水素などの 有毒で腐食性の物質を生じることがわかりました。 
調べれば調べるほどいろいろと出てきますが、これがオーガニック認証コーヒーをお勧めする理由の1つでもあります。
 

安全に燻蒸(くんじょう)する方法は?

こうなってくると「安全な燻蒸(くんじょう)方法は?」と聞きたくなりますね。 
オゾン層を破壊する物質としても指定されている、臭化メチル。 
これに頼らずに、燻蒸(くんじょう)する方法として「二酸化炭素燻蒸(くんじょう)」 の研究が現在すすめられています。 

我が国では、体にも環境にも優しい「二酸化炭素燻蒸(くんじょう)」が、世界に 先駆けて植物検疫処理法として採用されました。 

日本も結構やるなぁ、と思いきや。 
2000年10月現在、まだ一度も、輸入農産物が「二酸化炭素燻蒸(くんじょう)」されたことが無いそうです。 
つまり絵に描いた餅ということですね。 

なぜ、体にも環境にも優しい方法を使わないのでしょうか。 
実は、「燻蒸(くんじょう)」するのに14日間もかかるし、コストも3~5倍で、 おまけに特別な施設でしかできない、などの課題が山積みになっている のでした。 

一日も早く、より短時間・低コストの安全な燻蒸(くんじょう)方法が開発される ことを祈ります。 
輸入農産物に頼る私たちの健康だけでなく、燻蒸(くんじょう)業に携わる方々の 健康、そして環境保護を考えて。 

<参考>
燻蒸その1 コーヒー豆は植物だった
燻蒸その2 臭化メチルとは
燻蒸その3 残留基準は無し
燻蒸その4 臭化メチルに代わるもの
燻蒸その6 産地燻蒸の話
燻蒸ってどんなもの?
有機栽培(オーガニック)豆に害虫が見つかったら?

きまめや
生豆屋(きまめや)