コーヒーのダイエット効果(血糖値を抑える)

前回は、「長寿ブレンド秘話」のご紹介でしたね。
長寿ブレンドを作るきっかけになった、私の父のお話でした。今回は「コーヒーのダイエット効果」についてのお話です。

甘いものにコーヒーが合う理由?

甘いお菓子食べるとき、一緒に美味しいコーヒーを飲みたくなりませんか?
ケーキやクッキーのような洋菓子だけでなく、素朴な和菓子との相性も抜群のコーヒー。
なぜこんなに合うのでしょう。

以前「アルコールを飲んだ後にコーヒー飲みたくなるのには理由がある。」
「肝臓病予防になるので、体が欲しているのでは。」というお話をしましたね。
それと同じように、甘い物による悪影響を緩和するような何かがあるような気がしていました。

そして、ようやくヒントが一つ見つかりました!
コーヒーに含まれるクロロゲン酸が、血糖値の上昇を抑える働きがあるそうです。
つまりダイエット効果の可能性も期待できる訳ですね
(※)。

これはもしかして「糖尿病予防にコーヒーが効果的」という事実を裏付ける結果でしょうか。
いずれにしても、嬉しいお話です。

でも「飲むタイミング」がとても大事とのこと。
一体いつ飲めば良いのでしょうか?

(※)血糖値が急上昇すると、それを正常値に戻すためにすい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
そのインスリンが血糖値を下げる過程で、血中の糖分を脂肪に変え体に蓄えられます。
もし血糖値の上昇が緩やかであれば、通常、インスリンは過剰に分泌されることはありません。

食事中に飲むと効果的

ご飯やお菓子を「食べながら」、コーヒーを飲むのが良いそうです。
食後のコーヒーが大好きな方も多いかと思いますが、ダイエットを意識するなら食事中に飲んでみてはいかがでしょう?
「食べ過ぎた時の罪悪感を少しだけでも減らしたい」・・・そんな時は、ぜひお試しください。

ちなみに、クロロゲン酸は浅めの焙煎豆に多く含まれています。
そのためダイエットや糖尿病予防に重点を置くなら、浅めの焙煎豆がお勧めです。

でも動脈硬化・心血管疾患を予防、冠動脈疾患、脳出血、脳梗塞などの成人病が心配なら、深めの焙煎豆がお勧めです。

浅煎りも深煎りも、それぞれ良いところがあって悩みますね。
「もう面倒だからまとめて飲みたい!」という方には、当店の「長寿ブレンド」が一番お勧めです。
焙煎したて&欠点豆を丁寧に取り除いた「オーガニックコーヒー豆」の素晴らしさを、ぜひお試し下さい。

ということで・・・
「何だか一緒にコーヒーを飲みたい気分」には、ちゃんと理由があるのですね。

なお血糖値を抑えるために飲むのでしたら、砂糖はできるだけ加えないようにしましょう。コーヒー効果で血糖値を抑えても、それ以上に砂糖で血糖値を上げれば逆効果になりますので・・・

<参考>
悪魔の飲み物 缶コーヒー

きまめや
生豆屋(きまめや)

長寿ブレンド秘話

突然介護が必要になった父

11年前の夏のある日のこと。
定年退職した父が、私の仕事を手伝うためにいつも通り店にやってきました。
そして私の顔を見るなり、「指がうまく動かない」と言い出しました。
よく見ると、ワイシャツのボタンが外れて、エプロンのヒモも結べないでいました。

何かおかしいと感じた私は、すぐに母に連絡して病院に連れて行くように頼みました。
母はすぐに地元のクリニックへ連れて行きましたが、そのまま大きな病院へ行くように言われました。
でも救急車で搬送されなかったので、結局3時間以上待たされ・・・・
医師に診てもらえた時には、父はぐったりとして立ち上がることもできなかったそうです。

脳梗塞でした。
高次脳機能障害があったため、その日から父は一人で生活できなくなってしまいました。
その前日までは、とても元気だったのに・・・

後悔の日々

指がうまく動かなくなった時点で、救急車を呼ぶべきでした。
脳梗塞という病気についてよく知らず、その初期症状についても知識がありませんでした。
私にもっと知識があれば、後遺症がなかったかも知れません。

また救急車で運ばれた患者の方が優先されるので、どんなに近所でも救急車を呼ぶべきでした。
脳梗塞は一刻を争う病気ですから、歩けるから大丈夫・・・などという理由で
家族が病院に連れて行ってはいけなかったのです。

また、暑い中あまり水分補給ができていなかったのかも知れません。
もっと水分補給をするように伝えていれば・・・。

深煎りコーヒーを飲んでもらえれば良かった

もう一つの後悔が、毎日飲んでいたコーヒーです。
いつも浅めの焙煎のコーヒーを飲んでいた父。
あの時、深煎りのコーヒー豆をもっと勧めていたら、脳梗塞になる時期を遅らせることが出来たかも知れない・・・
そう思うと、悔やまれます。

深煎りのコーヒー豆には「ナイアシン(ビタミンB3)」が沢山含まれています。
深い焙煎により生成される「ナイアシン」は血液循環の促進、脂質異常症を改善して動脈硬化・
心血管疾患を予防、冠動脈疾患、脳出血、脳梗塞の発生率を下げることがわかっています。

一方、浅煎りのコーヒー豆には「クロロゲン酸(ポリフェノール)」が沢山含まれています。
「クロロゲン酸」は2型糖尿病の予防やアンチエイジング効果があり、こちらも大切な成分です。

父の場合は脳梗塞でしたから、浅めの焙煎コーヒーばかりを飲むのではなく、
深煎りコーヒーの方を積極的に飲むべきでした。

その後の闘病生活についても、ああすれば良かった、こうすれば良かったと、今でも母とよく話します。
でも最期まで母が愛情一杯の看病をしてくれたので、父は幸せだったのかな・・・とも思います。

長寿ブレンドを作った理由

自分自身や大切な人が、将来どんな病気にかかるか予測することは難しいですね。
もちろん遺伝的なものもありますが、成人病だったら加齢とともに誰でもかかる可能性がある訳です。

そこで「とにかくコレさえ飲んでおけば一安心!」と思えるスペシャルブレンドを作ろうと決心しました。
それが「長寿ブレンド」です。

脳血管疾患・心血管疾患予防に効果がある「深煎り豆」
2型糖尿病予防やアンチエイジングに効果がある「浅煎り豆」

その2種類を、コーヒー成分が最も効果的に摂取できるよう独自に配合。
特有の豊かな香りと深い苦みをお楽しみいただけるよう、時間をかけてじっくり焙煎し丁寧にブレンドしました。

もちろん発がん性物質が含まれる農薬を使わない、有機無農薬(オーガニック)認定コーヒー豆100%です。
コーヒー自体にも様々なガン予防効果がありますので、これでだいたいの成人病の発病を遅らせることができる・・・
そう信じています。

長寿ブレンドは、配合するのに合計6回焙煎する必要があり、大変手間がかかります。
でも、どうしても沢山の方に飲んでいただきたくて、できるだけ今週のおすすめ(特価)になるように設定しています。

父にも、この長寿ブレンドを飲んで欲しかったです。
「少しでも健康な時間が、長く続きますように・・・」
そんな気持ちで、日々長寿ブレンドをお届けしています。

【参考】
長寿ブレンドの作り方
手焙煎で健康コーヒー(病気予防に)

【参考記事】
コーヒー摂取による生活習慣病予防効果のメカニズム -アディポサイトカインを介した影響(愛知職域コホート)

アディポネクチンと糖尿病・心血管病の分子メカニズム(第128回日本医学会シンポジウム)

Niacin therapy in atherosclerosis(英文、Curr Opin Lipidol. 2004 Dec;15(6):659-65.)

血栓をつくりにくい?コーヒーの不思議な力。(社団法人全日本コーヒー協会)

Nicotinic acid in the management of dyslipidaemia associated with diabetes and metabolic syndrome: a position paper developed by a European Consensus Panel(英文、Current Medical Research and Opinion,?2005, Vol. 21, No. 5 : Pages 665-682)

脂質異常症の最新情報 ニコチン酸とHDL(ドクターサロン57巻7月号-6. 2013)

コーヒーのポリフェノール(秘蔵!コーヒー豆知識)

きまめや
生豆屋(きまめや)

成人病予防なら濁りコーヒーが一番?

成人病予防のためのコーヒーの条件

コーヒーを飲みたい理由は、いろいろありますね。美味しいから、香り豊かだから、だけではありません。気分転換のため、目を覚ますため、食後のひとときを楽しむため、口臭を消すため等々。
そして、日本では成人病予防のために飲んでいる方も多いのでは無いでしょうか。

なぜ日本では・・・と書いたかというと、一つは成人病予防効果に関する研究が積極的に行われ発表されていること。
そして歴史ある「お茶文化」を持つのため、ブラック(砂糖を入れない)で飲む人が多いことがあげられます。 やはり成人病予防ですから・・・イタリア人がエスプレッソを飲む時のようにドバドバ砂糖を入れてしまうと効果が半減してしまう恐れがあるのはご理解いただけるかと思います。

さらに「ブラックで美味しく飲める環境」が他国に比べて整っていることも重要なポイントです。
新鮮な焼きたてコーヒー豆店がご近所に無くても、通信販売で簡単に購入することができます。
当店の場合でしたら、離島以外なら「焙煎日の翌々日」までにはお届けできるシステムになっており、これは宅配網が充実しているおかげと言えるでしょう。
また自宅で焙煎する方も年々増えており、十数年前に比べると鮮度に対する意識が格段に向上してきました。
これだけの環境・意識があれば「日本は世界一美味しい・体に良いコーヒーが飲める国」と言っても過言では無いでしょう。

なおブラックで美味しく飲むためには、「鮮度や品質」が大事なのは言うまでもありません。なぜなら、それらを満たしていないとブラックで飲んでも胃が痛くなるだけだからです。
もちろん「胃が頑丈だから鮮度や品質なんか気にしない!」という人や「胃が痛くなって食欲減退→ダイエットできる!」のが目的な人なら問題無いですね。

「濁りコーヒー」は、成人病予防の味方?

さて。成人病予防効果について様々な研究が行われていますが、皆さまご存知でしょうか。主な研究結果については秘蔵!コーヒー豆知識「コーヒーと健康・・・病気の予防やダイエット効果を検証」でも紹介しておりますので、よろしかったらご覧下さい。

ところで成人病予防には、コーヒー豆のどの成分が貢献しているのでしょう?
実際にはハッキリと分かっていないのですが、恐らくコーヒーポリフェノール「クロロゲン酸」がその一つだろうと言われています。
そして、その「クロロゲン酸」が「浅め~中煎り豆(深煎りではない豆)」に多く入っていること、コーヒー豆を挽いたときの微粉に沢山含まれていることも、以前お話しした通りです。

そこで、微粉ごと一緒に飲んでしまう「濁りコーヒー」は、実は一番効果的なのでは?と気付きました。
ペーパーフィルターで濾さないと透明感も無いし、深煎りじゃないと渋みも感じやすくなるけど、その渋みがまさに「クロロゲン酸」の正体!だったら、丸ごと一緒に飲んでしまっても良いでは?

もちろん味の好みは十人十色なので、無理して慣れない「濁りコーヒー」を飲む必要はありません。ペーパーフィルターで濾しても渋みを感じることはできます。
コーヒーは、やはり「美味しい!」と感じることが一番大切ですから・・・。
せっかくストレス解消できる機会なのに、嫌いな抽出方法でストレスためたら勿体ないですね。

【注意】医師からコーヒーを控えるように言われている場合は、その指示に必ず従って下さい。処方されている薬の成分との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

【参考】
心筋梗塞&脳梗塞予防にコーヒー
深煎りコーヒーに含まれる成人病予防成分について
長寿ブレンド秘話

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒー成分クロロゲン酸と水の硬度

硬度によってクロロゲン酸量が変わる?

以前、水の硬度によってコーヒーの味わいがどうかわるかについて、実験・レポートしましたね。
実験結果から、硬度が高い(硬水)ほど苦味が強く、低い(軟水)ほど酸味やまろやかさが出る・・・ということでした。

今日は、「コーヒー成分のクロロゲン酸は、硬度によって抽出されやすくなるのか?」について考察したいと思います。
クロロゲン酸といえば・・・近年成人病予防に効果アリという研究結果が多く出ている、気になる成分ですね。

味わいの好みでコーヒーを選ぶ方だけでなく、病気予防のために・・・
という方もいらっしゃるかと思いますので、参考までにご報告させていただきます。

酸味とクロロゲン酸の関係

日本調理科学会誌で発表された論文(※)によると、クロロゲン酸量は硬水で抽出するよりも、軟水で抽出した方が多くなると報告されています。
さらに、酸味が強いとクロロゲン酸量も多くなる傾向があるということでした。

つまり同じコーヒー豆で抽出した場合では、軟水で抽出した方がクロロゲン酸が多く抽出されるということになります。
軟水は酸味が出やすいので、酸味と連動するクロロゲン酸が多くなるのは納得できますね。

それでは、硬水だとクロロゲン酸を摂取できないか?というと・・・
コロンビア産豆の実験でクロロゲン酸量が、硬水39mg/100mlに対して軟水41ml/100mlと、わずか2mgの違いとなっています。
他の豆の実験でも10mg/100mlも違わないので、あまり神経質になる必要は無いと思います。
強い苦味が好きならやっぱり硬水がおすすめですし、少し多めにコーヒーを飲めば同じ量を摂取できると考えられます。

ちなみに、日本の水道水は殆ど軟水なので、そのままご利用いただければクロロゲン酸が抽出されやすいということになります。
あと、コーヒー豆は焙煎が深くなるほどクロロゲン酸が減っていきますので、もし積極的に摂取したい場合は深煎りを避けた方が良いでしょう。

(※)日本調理科学会誌Vol.41 No.4 257~261(2008)
「コーヒーの味に及ぼす抽出条件およびクロロゲン酸量の影響」

<参考>
コーヒーのダイエット効果(血糖値を抑える)
心筋梗塞&脳梗塞予防にコーヒー

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーの渋味は健康的な味。

渋みの正体

コーヒーの渋み成分は、何でしょう?
コーヒーポリフェノール「クロロゲン酸」が主な渋味の成分になります。そしてその多くは、生豆表面の薄皮(シルバースキン)部分に存在しているそうです。

クロロゲン酸は、生豆の状態で非常に多く含まれており、焙煎が深くなるにつれて減少していきます。
そのため、浅めの焙煎豆(中煎り~深め中煎り)では渋みを感じやすく、深煎りの焙煎豆(やや深煎り~ごく深煎り)では感じにくくなります。
#コーヒー成分による渋味の他に、ミルの性能によっても微粉が出て渋み・苦味が比較的強く感じられる場合もあります。

渋みから生まれる効果

渋味の原因であるクロロゲン酸ですが、実はアンチエイジング効果や様々な成人病予防効果があると言われています。
例えば、2型糖尿病や肝疾患、高血圧や大腸がん予防等々。「この予防効果を期待してコーヒーを飲んでいる!」という方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

最近は、いろいろと処理を施して薄皮を排除し「渋くないコーヒー」を求める傾向もあるようです。せっかく健康的なのに、勿体ないですね。

浅め焙煎のかすかな渋味も、複雑なコーヒーの香味と厚みのある絶妙な味わいを演出してくれます。「コーヒーの渋味は、ちょっと苦手」という方も、健康維持も兼ねて渋味と仲良くなってみてはいかがでしょうか。
深煎りとはまた違った美味しさに気付いていただけると思います。

注)浅め焙煎の場合は、できるだけ抽出する直前に挽きましょう。挽いてから時間が経つと、酸化による酸味が強く出てしまうためです。

きまめや
生豆屋(きまめや)