コーヒーの甘味を見つける

「甘いコーヒー、ありますか?」
・・・と、お客様から聞かれることがあります。
私は「全部甘いです。」と、迷わずお答えしています。
もちろん「砂糖を入れたコーヒー」という意味ではありません。

「コーヒー本来の甘み」のことです。

コーヒーの「甘み」を見つける

「苦い」「酸っぱい」というイメージが強いコーヒーですが、口に含んだ時に味覚を最大限に働かしてみると・・・「甘み」を見つけることができます。
ただ、とてもデリケートな味わいなので、次のような場合は「甘み」を感じることはできません。


(1)不適切な焙煎で、苦みや酸味が強く出過ぎている。
(2)ドリップする時、お湯を注ぎすぎて渋みが出ている。
(3)豆が古く、酸化してしまっている。
(4)抽出した後、時間が経ってしまい雑味が出ている。

上記以外にも、化学物質過敏症の方で農薬を使用したコーヒーを飲むと、しびれを感じたり、様々な症状が出る場合があります。こういう場合も「甘み」を感じている余裕は無いでしょう。

このように、口に含んだ時に不快感を伴うような味わいがあった場合には、残念ながら「甘み」を感じることはできません。

自分に合った「甘み」は?

新鮮な豆を使ってちゃんと抽出し、できたての酸化していないコーヒーを飲めば(2)~(4)については大丈夫ですね。
では、(1)の焙煎加減については、どのくらいが一番甘みを感じることができるのでしょうか?

その人の味覚にもよりますが、中煎り(ハイロースト)~深煎り(フレンチロースト)の間が、甘みを感じやすい焙煎度合いと言われています。

苦みに慣れていない方、または酸味がお好きな方でしたら、中煎りでバランスのとれた味わいに仕上げたものがオススメです。

いつも苦いコーヒーを召し上がっている方でしたら、深め中煎り~深煎りで、ほろ苦さの中に「甘み」を見つけることができるでしょう。

大事なのは、どの焙煎度合いで一番抵抗無くコーヒーを飲むことができるか? だと思います。
新鮮で、焙煎加減が自分に合っているコーヒーは、口に含んだ時にスッと体に溶けていくような感じがします。
そういうコーヒーに出会えば、きっと「甘み」を堪能できるに違いありません。

※コーヒー生豆には、約7%の蔗糖、1%の還元糖(ブドウ糖・果糖等)が含まれ、焙煎によってほろ苦さや甘みに変化します。

きまめや
生豆屋(きまめや)