実験!古い豆でも蒸らすの?

無反応でも待つべき?

「プックリ膨らんで、ピキッと固まって、1分待つ!」が蒸らしの基本です。
※軽めの味わいなら30秒前後でもOK。

でも古い豆だと、お湯を注いでも膨らまず「シーン」としていて寂しいですね。
「こんなに無反応で、果たして1分間も待つ価値があるのだろうか?」
「1分間って、短いようで結構長いし。面倒くさいから、注いじゃえ!」・・・となる場合も、あるのではないでしょうか。そこで、古い豆を使って「蒸らし」の実験をしてみました。

実験結果

1ヶ月前に焙煎、ポリ袋(密閉度が低い)に入れて常温で保存した豆を挽いて、実験しました。豆は当店の「メキシコ・シエラモレーナ」です。
結果は・・・やっぱり違いました!
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時間  味の特徴
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 0秒 やや刺激的な、苦みと喉ごし。
60秒 やわらかな苦み、まろやかな口当たり。
120秒 苦み酸味が強く、バランスが崩れた感じ。
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保存状態が悪かったため、酸化が進んでいて、喉ごし・甘み・香りはイマイチでした。
でも、ちゃんと1分蒸らせば「まろやかさ」は健在でした!これだったら「待つ価値あり」だと思います。

朝の1分は貴重ですが、砂時計を使うなり工夫すれば無駄な時間には なりません。豆が古くなってしまった時にも、あきらめず是非おためしください。
※美味しさと健康のためには、できるだけ新鮮な豆を使いましょう!

<参考>
実験!蒸らしの極意

きまめや
生豆屋(きまめや)

蒸らしで豆を知る

コーヒー豆の鮮度を知る

この豆は古いか? 新しいか?
鮮度を知る一つの目安に「蒸らし」があります。豆が新鮮なほど、蒸らしている時に「おまんじゅう」のようによく膨らむからです。
また、豆の焙煎度合いによっても膨らみ方が違ってきます。浅煎りよりも、深煎りにした方がよく膨らみます。

以前お話した通り、蒸らしは「プックリ膨らんで、1分間待つ!」が基本です。時間は「湯を注いだ後~蒸らし終了まで」を1分間としてください。膨らみ終わった所から1分だと、新鮮な豆なら1分20秒くらい経過してしまうので、要注意です。
※新鮮な豆ほど、膨らみ終わるまでに時間がかかります。

膨らまない原因

なんだか膨らまないなぁ・・・の原因として、次のような理由があげられます。
(1)挽き豆で購入している。
すでに挽いた状態で店頭販売している豆だと、この膨らみを体験することはかなり難しいです。
※購入時に「新鮮な豆」を挽いてもらえば、しばらくは大丈夫です。

(2)豆が古い。
古い豆だと、仮に購入時に挽いてもらっても全然膨らみません。心配な時は、お店の人に焙煎日を聞いてみましょう。

(3)湯の温度が低い。
お湯の温度が低いと、よく膨らみません。逆に、沸騰しているお湯を入れると、蒸らしている時にポコポコ泡が出てきて、香りが飛んでしまいます。
沸騰した湯をちょっと冷ました90℃くらいがベストです。
※やかんで沸騰させた湯を細口ポットに移したら、ちょうど良い加減になります。

「今日の豆はこんな感じかぁ。」なんて観察しながら抽出すると、コーヒーをいれるのが楽しくなります。
毎日プクッと蒸らすためには・・・・焙煎したての新鮮な豆を購入すること、もしくは自宅で焙煎して新鮮な豆を使うこと、そして、ミル(豆挽き)を入手することも大事ですね。

追記(2020年4月18日):
エスプレッソマシン専用の極細挽き(パウダー状)にすると、挽きたての豆でも膨らまない可能性があります。超微粒子になって、ガスが一気に抜けてしまうためです。

<参考>
実験!蒸らしの極意

きまめや
生豆屋(きまめや)

実験!蒸らしの極意

蒸らしとは?

コーヒー粉の表面を湯で湿らせて、しばらく置く状態のことです。主に、ペーパードリップやネルドリップで抽出し始める時に行います。
でも、早くコーヒーを飲みたいのに何でわざわざ蒸らすのでしょう?

1)全体を均一に湿らせることで、偏った湯の通り道を作らず、均一に抽出できるようになるため。
しっかり均一に蒸らすことができれば、抽出時に真ん中にだけお湯を注いでも、ちゃんと全体から抽出されます。

2)コーヒー粉が湿ることで膨張し、湯に触れる面積が増え、さらに湯が浸透しやすくなって成分がしっかりと抽出されるため。
抽出時間が短いと、軽くてコクの足らない薄っぺらな味わいに。逆に長すぎると、苦み・酸味が出過ぎてキツイ味わいになります。

最適な蒸らし時間

では、どのくらい蒸らすと一番美味しいのでしょうか?早速、焙煎後1日経過した豆で実験してみました。

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時間  味の特徴
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 0秒 軽くてコク・香りが少ない。
30秒 コクと香りが出てくるが、やや軽め。
60秒 コクと香りが出ていて、まろやかさと甘みあり。
90秒 コクと香りが出ていて、苦み酸味がハッキリ。
120秒 香りが少なく、味わいのバランスが崩れキツイ感じ。
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私は「1分前後」が一番味わいとして完成度が高いように感じました。酸味・苦みのバランスも良く、それぞれの味が突出していません。甘みも一番強く感じられました。 そして、まろやかな口当たりで、喉ごしも雑味が残りません。
※上記時間は「湯を注いだ直後~蒸らし終了まで」を1分間としています。膨らみ終わった所から1分だと、新鮮な豆なら1分20秒くらい経過してしまうので、要注意です。
※新鮮な豆ほど、お湯を注いでから膨らみ終わるまでに時間がかかります。

ただ、あまり美味しくない豆で1分蒸らして「なんだ、美味しくないなぁ!」と怒らないでください。あくまでも、美味しい豆を「より」美味しくする手段であり、マズイ豆が美味しく変身!・・・という訳ではありません。
美味しい豆を入手した時、コーヒータイムを満喫したい時に是非やってみていただきたいと思います。

<参考>
実験!古い豆でも蒸らす?
蒸らしで豆を知る

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生豆屋(きまめや)

実験!前半と後半

前半と後半の違い

以前「いつも味が違う理由は?」で、抽出の前半と後半では全然味わいが違うというお話をしましたね。
それでは、ドリップしはじめ(前半)と、終わり頃(後半)では、ドリップされたコーヒー液の味わいはどのように違うのでしょうか?
当店のコロンビア(中挽き30g・抽出量360cc分)を、180ccずつに分けて実験してみました。

ドリップ前半(180cc):
苦み・酸味がしっかり出ていて、濃い味わい。
なめらかな口当たりでまったりとしたコク。
コロンビア特有の香りあり。

ドリップ後半(180cc):
味が薄く、酸味・苦みのメリハリが少ない。
かなり軽い感じ。
やや弱めの、コーヒーの香りあり。

ドリップの特性

この実験で、前半と後半の違いがハッキリしました。ドリップ前半で豆本来の香りやコク・味わいが濃く抽出、ドリップ後半で適度に薄められる・・・という流れになります。
このドリップの特性を利用すれば、コクのある濃い味わいが好きな方は、豆の量を増やすことで理想の味わいに近づくことができそうですね。

でも、濃いコーヒーは、胃が弱い方にはお勧めしません。なぜなら実験で抽出した前半(180cc)を全部飲んだとき、結構きつかったからです。
「豆量を増やした濃さ」というのは、「深煎り豆を適量抽出した濃さ」とは全然違いますね。
それは「コーヒー」ではなく、「コーヒーエキス」という言葉がピッタリかも知れません。
濃い味わいが好きな方、エスプレッソが好きな方は、ぜひお試しください。

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いつも味が違う理由は?(ドリップコーヒーの盲点)

カップに直接抽出してOKなのは、一人分の時だけ。2人分以上作る時は?

いつも味が違うのはなぜ?

先日友人から「同じ豆で、同じ様にコーヒーをいれているのに、日によって味が全然違うのはなぜ?」という相談を受けました。

それはちょっとおかしいですね。
確かに焙煎後何日経ったかで微妙に味わいは変化していきますが、昨日と今日で全然違うということは無いはず・・・。
そう思いながら、とりあえずご近所だったので実演してもらいました。そして、抽出する前からその恐るべき(?)原因は明らかになったのでした!

高度な技が原因

原因は、ペーパードリップでカップに直接抽出していたことにありました。
彼女はいつも2人分コーヒーをいれるのですが・・・。
1つ目のカップが一杯になったら、2つ目のカップにドリッパーをサッと移動、引き続き抽出・・・という高度な技を使っていたのでした。

このような技を使うと、1つ目と2つ目では全く違った味わいになります。本当に同じ豆?!と言いたくなるくらい違うので、サッと移動するタイミングが微妙にずれれば、文字通りいつも違う味わいを楽しむ(?)ことができる訳です。
では、コーヒー専用のサーバー(受ける容器)が無いとちゃんと抽出できないかというと、そういう訳ではありません。
別に専用サーバ-が無くても、急須でも何でも代用できます。要は、人数分のコーヒーを温めた容器で受けて、コーヒー液が均一になるようにするのが大事ということです。適量の湯で抽出が終わったら、温めた各々のカップに注ぐようにしましょう。
※カップやサーバをよく温めておきましょう。冷たいままだと、コーヒーが冷めてしまいます。

本当にコーヒー豆の持つ独特の風味や味わいを堪能したかったら、やはり「均一」に「適量」抽出することが大切です。

<参考>
実験!前半と後半

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ブラジルで人気の有機栽培コーヒー農園

人気の秘密は?

ブラジルでは「有機栽培コーヒーの農園で働くこと」が大人気だと聞きました。どうして大人気なのでしょう?
理由は簡単。農薬を使わないからです。
農薬と聞いて、家庭菜園の農薬を思いつきますか?
いいえ、とてもそんなものではありません。かなり毒性の強いものを使うので、労働者達は重装備をしなくてはなりません。密閉度の高い防護服を着て、猛暑の中で農薬を散布するのです。

さて。ここで気になるのが「文盲率の低い国で、取り扱い説明書通りに防護服を身につける農夫が一体何%いるか?」ということです。農薬中毒で入院する農園労働者が沢山いることから、正しい使用方法で散布されていないことが容易に想像できます。

その倍率は?

では、この大人気の農園で働くことができるのは、何パーセントの労働者なのでしょうか。有機栽培の農園は、200,000軒といわれるブラジルのコーヒー農園のうち、200軒程度。つまり、たったの0.1%です。すごい倍率ですね。 これでは、大人気になる訳です。

化学肥料や農薬を一切使わない「有機栽培コーヒー農園」がもっと増えれば、働く人も安心だし、環境にも優しいし、私達の健康を脅かされる心配も無いし、おまけに美味しいコーヒーが飲めて・・・一石四鳥ですね。
全ての農園を有機栽培にするのは難しいのは分かりますが、せめて防護服をちゃんと着るように、農園の人々やその地域の人々が強い農薬で中毒にならないように、農薬メーカーには本当に気をつけて指導していただきたいと思います。

<参考>
ブラジルの農薬中毒事件

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コーヒー酒の楽しみ方

コーヒー酒&ミルク

< 材料 >
コーヒー酒…40ml
牛乳…100ml

< 作り方 >
(1)氷を入れたグラスにコーヒー酒を入れます。
(2)上から静かに牛乳を注いで出来上がり!

コーヒー牛乳のお酒版です。お酒が苦手な方でもコクコク飲めてしまうので、結構怖いかも知れません。でも、美味しかったです!
コーヒー酒にバニラビーンズをちょっと入れておいて、ミルクで割ると「カルーアミルク」のような味わいに。

※カルーアミルクとは?
イギリスのカルーア社のコーヒーリキュールと、ミルクと混ぜて作るカクテルのこと。

他にもいろいろ・・・

コーヒー酒を水割りやお湯割りにして、食後酒として楽しむのも良いそうです。
また、焼き菓子の生地に風味づけとして少量加えたり、ゼリーやクリームに加えたりしても。
1年を通じて簡単にできる「コーヒー酒」。よろしかったらお試しください。

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ストロングコーヒーって本当にストロング?

ストロングの定義

先日、お客様から「ストロングコーヒーが好きなんですけど、どんな豆が良い?」とご相談を受けました。

「ストロング(strong)って・・・どういう意味でしょうか?」と思わ
ず聞き返してしまいました。別に、英語が分からなかった訳ではないのです。
 
実は「ストロングコーヒー」の定義には、「一般的なもの」と「”世界
のコーヒー業界”共通のもの」があります。
普通、「ストロングコーヒー」を、「強い」→「苦い・濃いコーヒー」の意味で使いますね。
でもコーヒー業界(取り引きされる過程)では、「ブラジル産のコーヒー」を意味します。つまり、「ストロング」は味わいを意味するのではなく、ブラジルを中心とした産地の違いを区別する言葉になる訳です。
 

ストロング以外は?

それでは、ブラジル以外の国でとれた豆は何と呼ばれているのでしょう?
ガテマラ、コロンビア等、ブラジル以外は全部「マイルドコーヒー」です。

だからガテマラをごく深煎りにして、苦いコーヒーを作っても、やっぱり「マイルドコーヒー」です。

「マイルドコーヒー」を「まろやか・軽いコーヒー」の意味で使っている私達には、ちょっとなじみにくいですね。 

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コーヒー香料の必要性

コーヒー飲料やコーヒーゼリー等コーヒー加工食品のほとんどに、コーヒーの「香料」が入っていると考えて良いかと思います。でも、コーヒー本来の香りがあるのに、どうして香料が必要なのでしょう?
 

香料の必要性

ご自分で豆を挽いて抽出される方ならご存じかと思いますが、コーヒー本来の香りはとても繊細です。挽いた瞬間に半分の香りは飛ぶと言われ、挽いた後は時間の経過とともに香りがどんどん消えていきます。
まず、こんなにデリケートな香りが、加工食品として長持ちするはずがありませんね。

さらにコーヒー加工食品は流通経路が長い上に、長期間店に陳列されることになります。つまり、腐らないように殺菌が必要になります。殺菌は加熱殺菌が普通ですが、その加熱によってさらにコーヒーの香りが飛び、独特の臭いがついてしまうそうです。これを「香料」で補う必要があるわけです。

ここで「香料」を添加しないで販売することも可能ですが、味が悪くなるので売れません。売れないものをメーカー側が作る訳ないですね。
 

なぜ一括表示?

コーヒー本来の香りは、数百種類の化学物質から構成されていて、未だに解明されていない成分もあると言われています。

この複雑な香りを真似して「香料」を作るとなると、ただ一種類の成分で作ることはできません。数十ないし百数十種の合成香料を選んで調合するそうです。

そうなってくると、使用した香料すべてを表記するのは殆ど不可能になります。それで一括表示をして「香料」だけで良いですよ、ということになっているのです。

でも一括表示をしていると、許可されていない香料が使われていても全然消費者には分からないですね。香料から配合内容を調べることは無理ですし、問い合わせてみても企業秘密の壁でよく分からないのが現状です。

コーヒー本来の香り。
その命は短く、はかなく。そして決して真似の出来ないものだから、私達は魅了されるのかもしれません。

<参考>
コーヒークリームの話
コーヒークリーム(フレッシュ)の実態
カフェオレの話(コーヒー牛乳の着色)

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コーヒー酒の作り方

材料と作り方

コーヒーとお酒? 別々に飲んだ方が美味しいのでは?
・・・と考えたのは私だけでしょうか。
でも、このコーヒー酒。焙煎したての豆で作ると、香り高くてとっても美味しいそうです。コーヒーとお酒が好きな方、試してみてはいかがでしょう?

< 材料 >
(1)焙煎したてのコーヒー豆 100g(焙煎豆のまま)
(2)ホワイトリカー  1.8リットル
(3)好みで氷砂糖100g~200g

< 作り方>
清潔な容器にコーヒー豆とホワイトリカーを入れます。3日~3週間ほどで飲み頃になります。

注意事項

(1)コーヒー豆について
焙煎後3日以内程度の、深煎りでないコーヒー豆が良いそうです。深煎りを使うと、アルコールはしっかりとコーヒーを抽出するため、苦すぎてしまうとか。 あと、深煎り豆の表面に出てくる油分も気になるかもしれないですね。

(2)ホワイトリカー(35度 甲類焼酎)について
廃糖蜜から作った粗留アルコールを輸入・精製したもの。薬局で売られている消毒用エチルアルコールと同じですが、消毒用よりもアルコール度が低い(35度)です。
・・・え?! 消毒用アルコールと同じ?ちょっとビックリしました。ウチの梅酒も消毒用アルコールと仲間だったのか、と思うと複雑な心境です。
ちなみに、ウオッカやブランデーを使ってもOKです。

(3)氷砂糖について
入れなくてもOKです。あとで甘さを調節しながら入れるのも良いですね。

(4)作り方について
豆を漬けておく時間が3日~3週間と書きましたが、漬けたままにしておくのも良いそうです。ただ、長く漬けるほど味が濃くなってきて、雑味も出てくるという情報もあります。
その辺は、味見をしながら適当に調節していただければと思います。

よかったら、コーヒー酒の楽しみ方もご覧下さい。

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