ターキッシュコーヒー(トルコ式コーヒー)の作り方

トルコ式コーヒー

コーヒーの原点(ターキッシュコーヒーの歴史)

ターキッシュコーヒーの歴史は古く、今から450年前にさかのぼります。初めはトルコのイスタンブールで飲まれるようになり、そこから急速に広まっていったそうです。
イブリック(別名ジェズベ)と呼ばれるヒシャク型の小さな鍋と火を使って作り、コーヒー粉も一緒に小さなカップに注ぐのが特徴。そのため少し粉っぽさも残ります。
ネルやペーパーフィルターに慣れている日本人には、全く別の飲み物のように感じるかも知れないですね。

ネル(布)でコーヒー粉をこすようになったのは、ターキッシュコーヒーが飲まれるようになってから、100年以上も後のことだそうです。ですから、ネルドリップやペーパードリップよりもずっと歴史が古いということになります。

クセになる味わい

トロリとした濃厚な味わいとコク。高温抽出なので残念ながら香りはドリップに負けますが、それをカバーするだけの個性的な魅力があります。
まずは、下記の方法でお試し下さい。

< 用意するもの(一人分あたり) >
・極深煎りのコーヒー豆 ・・・・・8g(パウダー状の、極細挽きにしたもの)
・砂糖 ・・・・・・・・・・・・・8g
・水 ・・・・・・・・・・・・・・70cc
・小鍋(ミルクパン)※あればイブリック
・混ぜるもの(箸、木杓子等)
・デミタスカップ(小さいカップ)

< 作り方 >
(1)小鍋に、人数分の深煎りコーヒー粉・砂糖・水を入れる。
(2)弱火にかけて、時々混ぜながら焦げ付かないように煮る。
(3)「ふつふつ泡だってきたら、火から離す」を3回繰り返して火からおろす。
(4)そのまま2分間置いて、コーヒー粉を沈める。
(5)静かにデミタスカップに注いで、出来上がり!

美味しいターキッシュコーヒーを作るためには、新鮮な極深煎り豆(イタリアンロースト)を使うのが重要なポイントです。
しっかり成分が抽出される方法なので、健康のためにも酸化した古い豆は使わないようにしましょう。

詳しい作り方は、ターキッシュコーヒー(トルコ式コーヒー)の作り方からどうぞ。

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーの残留農薬「ジクロルボス」ってどんなもの?

先日(2003/9/5)新聞やニュースで取り上げられた、コーヒーの残留農薬「ジクロルボス」についてお話したいと思います。

ブラジル産とコロンビア産のコーヒー豆から

厚生労働省は9月4日、ブラジル産コーヒー豆の輸入時検査で、残留基準を超える有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が2回にわたって検出されたと発表しました。

1回目は2003年6月で、残留農薬の基準値を超える0.29ppmが検出、そして今回(9月)は0.44ppmが検出されました。2回基準値を超えると、厚生労働省から「検査命令」が出て、今後輸入されるブラジル産豆は全量を検査するよう義務付けられます。

また、ほぼ同じ時期にコロンビア産コーヒー豆からも0.96ppmというかなり
高い値が検出されました。

まだ1回しか検出されていないので問題になっていませんが、このまま2
回目の検出があった場合は、ブラジル産豆と同様の措置がとられることに
なるそうです。

残留農薬「ジクロルボス」とは?

発ガン性及び変異原性が確認されており、イギリスでは販売などが一時制限されています。 また、白血病や非ホジキンリンパ腫・前立腺ガンとの関連が報告されています。

吐き気・おう吐・胃けいれん、下痢等の急性毒性が強く、「劇物」に指定。くり返し、または長期にわたって被ばくした場合は、頭痛、記憶と集中力の障害、眠気や不眠症、倦怠感等の症状が現れます。 

他の有機リン系農薬に比べて蒸気圧が高く、燻蒸(くんじょう)剤や燻煙(くんえん)剤に使われたり、様々な農薬と混合して製剤化されています。

#ゴキブリやノミ用殺虫剤、家庭菜園用殺虫剤に使われているものもあります。室内で使用する場合は、気づかないうちに被ばくすることもあるので、くれぐれもご注意下さい。

問題点

(1)世界には500種類以上の農薬があると言われているのに、1種類だけの調査で終わるのは「焼け石に水」。同様の効果がある農薬は、いくらでも存在する。さらに残留しやすくて強い農薬も存在する。それらについては、どのように対応するか?

(2)残留農薬が基準値0.2ppm「未満」であれば、上記のジクロルボスが残留していても問題無く輸入されており、今後も日本に入ってくるということ。

店長の考察

この農薬は、燻蒸(くんじょう)時によく使用されるほか、残留性が少ないので、収穫直前まで使用しても大丈夫な農薬だとか・・・
#「大丈夫」というのは、人体に影響無いという意味ではなく、数値として出ない、という意味です。

残留しにくい農薬ですから、収穫前に使ったものがずっと残っていた、とは考えにくいですね。船上のコンテナに入っている間中、「ジクロルボス」で燻蒸(くんじょう)し続けたためか? それとも現地で燻蒸された結果か?

いずれにしても、氷山の一角が現れた・・・という所でしょうか。

#当店で扱っている有機栽培コーヒー豆は、燻蒸処理も農薬も使用していない豆だけを扱い、店舗保管時も殺虫剤を一切使用しておりませんので、ご安心下さい。

<参考>
燻蒸(くんじょう)ってどんなもの?
産地燻蒸の話
有機栽培(オーガニック)コーヒー豆に害虫が見つかったら?
ブラジルの農薬中毒事件
ブラジルで人気のコーヒー農園

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーと糖尿病 その1

糖尿病に効果あり?

オランダの研究では、1日に7杯以上コーヒーを飲む人は2杯以下の人に比べて、2型糖尿病(※)を発症する率(7年間調査)が約半分だったそうです。
※2型糖尿病:遺伝的な要素に過食や運動不足、ストレスなどの、体に負担となる生活習慣が加わり発病するタイプの糖尿病。

これは、コーヒーに含まれるクロロゲン酸やマグネシウムなどの成分が、糖尿病の発病を防ぐためだと推定しています。(Lancet2002.11.9号より)。

また、日本の研究でも、東京大病院と朝日生命糖尿病研究所の調査から、コーヒーの成分によって糖尿病の予防や治療につながる可能性があるとしています。
#紅茶や緑茶、ウーロン茶では、血糖値への効果はみられなかったそうです。
(毎日新聞2003.3.10夕刊より)

予防できる可能性大

一方、フィンランドの研究では、20年近く追跡調査した結果、コーヒーを飲む量と2型糖尿病の発症率とには何の関係もみられなかったそうです。

コーヒーの効果は人種によって違うものなのか、調査方法の違いなのか。はっきりとした結果は出ていません。
そして、一体何の成分が効いているのかについても、まだまだ研究の余地があります。

とりあえず「コーヒーを飲んでも悪影響は無い→むしろ予防になる」ということだけは確かのようですね。
#もちろん、砂糖やクリームをたっぷり入れれば、悪影響を及ぼしかねません。くれぐれもご注意下さい。

平成14年に厚生労働省が発表した調査結果によると、「20歳以上の6人に1人は、糖尿病か予備軍」。
そして日本人の糖尿病は、ほとんどが2型糖尿病だそうです。
その予防としてコーヒーを飲むのも一法ですが、普段の食生活に気をつけたり、適度な運動をすることが最も大事とのことです。

ちなみに、健康な人が「糖尿病の人向けの食事」をすると、どうなるかご存じでしょうか?
もっと健康になるそうです。
この機会に、欧米型の食生活を見直すのも良いですね。

<参考1>1型糖尿病とは
インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されて発病するタイプの糖尿病。
日本人に多い2型糖尿病と異なり、生活習慣と関係なく発病する。体外からインスリンを補わないと生命を維持できない場合が多く、小児・若年期に発病することが多い。
#1日1回~数回インスリンの注射を打つ必要があるそうです。自分で注射を打っている人を見かけても、ビックリしないで下さいね。

<参考2>
コーヒーと糖尿病2(予防と使用上の注意)
コーヒーと糖尿病3(予防と発症後の違い)

きまめや
生豆屋(きまめや)

ネル再考

布事情

茶こし布ドリップ法で、以前は普通のソフトデニムを使っていました。でもお客様から「コーヒーが有機なんだから、布も有機にして!」とご要望をいただき、考え直すことにしました。

確かにそうですね。ところで普通の布と有機栽培製の布では、どのくらい違うのでしょうか。
有機栽培の綿を扱う会社の方にお話を伺ったところ、綿の収穫から布地になるまで、色々と化学的な処理をされているということでした。
逆に言うと、有機栽培で育てられた綿であっても加工段階で化学的処理をされている場合もよくある、ということです。

そこで、有機栽培で育てられ、かつ化学的処理を施されていない布地のサンプルを何枚かいただき、味を見てみました。

布が使われてきた理由

色々試した結果、「ネル」と「デニム」がほとんど同じ「コクのある、まろやかな味わい」になることが分かりました。保水性があって、よく蒸れるためだと思われます。
#まろやかさがアップしているのは、有機栽培のせいでしょうか。

で。どちらが安価かというと・・・意外にも「ネル」の方でした。
#一般的には、デニムの方が入手しやすいです。

これは、有機栽培だと希少価値が高く、加工料よりも綿の使用量がそのまま価格に反映してくるためです。
「ネル」は少ない綿量でも「起毛」を利用して保水性を維持することができるので、より安価になっている訳です。

昔から、貴重な綿を最小限に使って、保温性を高めるために起毛加工されてきた「ネル」。
保温性だけでなく「保水性」にも着目し、コーヒー分野でも活躍してきた理由が、ようやく理解できました。

<参考>
有機栽培製ネルのすすめ

きまめや
生豆屋(きまめや)

実験!チャフを飲む(2)

コーヒー豆中心部の線の所に入り込んでいるチャフ。

チャフ(chaff)を外す

高濃度で抽出すると「強い苦味を伴った漢方薬風の香り」がするチャフ。このチャフが薄まった状態でコーヒーに混ざると、味わいにどのように影響するのでしょうか。
今回は、自称「味にうるさい」友人5名に頼んで、味比べをしてもらいました。
実験に使った豆はコロンビア。酸味・苦みのバランスがある豆を選びました。

まず、豆を大きく砕いて、真ん中のセンターカットに挟まっているチャフを丁寧 に取り除きました。この作業が、と~っても大変。センターカットのチャフって豆に食い込んでいるので、なかなか外れないのです。
「本当にコーヒー好きな人は、これを丁寧に全部取るんだ!」とコスタリカに住む友人が言っていたのを思い出しました。
・・・が。正直、もうウンザリ!と言いたくなるくらい、大変な作業でした。

チャフ入りとチャフ無し、どっちが美味しい?

さて。苦労して「チャフ抜」きにした豆と、「チャフ入り」の豆では、どのように味が違うのでしょうか?
どちらが「チャフ入り」か分からないようにして、美味しい方を選んでもらいました。

その結果、驚いたことに・・・
5人中3人は、「チャフ入り」の方が美味しい!と答えました。
理由は、「味わい深くておいしい」「味に奥行きがある」というものでした。その3人は、絶対に自分は「チャフ抜き」の方を選んだ!と確信していたようです。実は反対だったと知ったときに、ビックリしていました。

残りの2人は、「チャフ無し」の方が美味しいと答えました。
「チャフ無し」の方は、「酸味が強く、個性が出てハッキリした味わい」 とのこと。この2人は、酸味が好きな友人達だったのです。

私も味見しましたが・・・「チャフ入り」の方が好きでした。どうしてそうなるの?と聞かれてもうまく説明できませんが。たぶん、チャフが自然に入っていることで「コーヒー」として完成した味わいに感じているのかもしれない、と思いました。
他の豆や焙煎条件の違う豆で実験すれば、また違った結果が出るかもしれません。

ただ一つ分かったことは、色々なところで「チャフは渋みを伴い、嫌な味わいになる」と説明されていますが、そうでは無い場合もありえるということです。
どうしてもチャフは嫌だ! という方は、挽いたコーヒー粉を揺すりながら、表面にあるチャフを軽く吹き飛ばす方法もあります。
よろしかったら、お試し下さい。

<参考>
実験!チャフを飲む(1)

きまめや
生豆屋(きまめや)

実験!チャフを飲む(1)

チャフ(chaff)って何?

英語で「もみ殻、刻みわら、廃物、くだらない物」の意味。これでは、さっぱりわからないですね。
他にも、「クズ、カス、燃え殻」の意味があります。コーヒーの抽出で問題になるチャフは、この「カス、燃え殻」あたりでしょうか。
コーヒー豆(種子)を包んでいる薄皮をシルバースキン(銀皮)と呼びますが、その大部分は精製過程で取り除かれます。
取り除かれないで、残ってしまうのは、コーヒー豆の真ん中にみえる白っぽい線のところ。あの線が、シルバースキンになります。

焙煎して挽くと、シルバースキンが白い粉になり「うわ、チャフだ!」と、いきなり嫌われてしまう訳です。でも、何でそんなに嫌われるのでしょうか。

チャフを飲む・・・ぐっ。

チャフは渋味をはじめとした雑味や、コーヒーの濁りの原因だと言われています。
本当かな?と思った私(店長)は、せっせとチャフを集めて飲んでみました。
まず1gのチャフで120cc抽出(ちゃんと1分間蒸らして)。1gだけ?って思うかもしれませんが、カップ半分くらいの量はあります。水洗式中煎りコーヒー豆で約500g~800g分からとれるチャフ量に相当します。
#チャフは軽いので、たった1gでも多いのです。

飲んだ感想は「ぐ・・苦い!」
「良薬口に苦し」という言葉がピッタリの味わい。スッキリした強い苦味で、液体も濁りが無く綺麗な紅茶色。「渋み」は思ったよりも、ずっと少なかったです。
そして、ドクダミと米ぬかを炒ったものを合わせたような、漢方薬風の香り。この香りだけは、コーヒーとはかけ離れていました。
漢方薬風の香りですから、決して美味しいものでは無いですね。やはりチャフだけで飲むのは無理があったようです。

さて。この「意外と渋みの少ない、強い苦味を伴った漢方薬風の香り」が、コーヒー豆とブレンドされた時に、どのように影響してくるのでしょうか。
さらに実験を続けていきたいと思いますので、お楽しみに!

<参考>
実験!チャフを飲む(2)

きまめや
生豆屋(きまめや)

簡単にアイスコーヒーをグッと美味しくする方法

ここでは、ホットコーヒーから簡単に作れる「美味しいアイスコーヒー」の作り方をご紹介します。
「究極のアイスコーヒー」ほどこだわるのは面倒。
「水出しコーヒー」ほど時間をかけたくない。
「朝ホットを飲んで、残りで美味しいアイスコーヒーを作りたい。」
・・・そんな欲張りな方々にオススメです。

作り方はとっても簡単。
「ホットコーヒーを作ってから、氷の中にぶち込む。終わり。」
だけど、この方法で美味しくするには、ちょっとコツが必要です。下記のルールを守って作れば、きっと美味しいアイスができあがります

氷はあらかじめ用意しておく

「コーヒーができたかな。じゃあ冷凍庫から氷を出して・・」なんてやっていたら、とても美味しいアイスコーヒーはできません。
コーヒーの香りを封じ込めるためにも、できるだけ早く冷やせるように大きめの氷をたっぷりサーバ(コーヒーを受ける耐熱容器)に用意しておきましょう。
サーバの代わりに、耐熱グラスにゴロゴロ氷を入れておくのも良いですね。氷めがけて熱々のコーヒーをジュッと注げば、1人分でも美味しいアイスができあがります。

やっぱり深煎り豆で

浅煎りや中煎りの豆でアイスを作ると、喉につまるような酸味が出てしまってとっても悲しいです。やっぱりここは、ちゃんと深煎り豆を選びましょう。
「深煎り豆」の中にも、深煎り~ごく深煎りまでありますので、お好みに合わせて選んで下さい。

例えば・・・
深煎り(フレンチロースト)  → きまめやブレンド深煎りやガテマラ深煎り等、まろやかな苦み・軽い口当たりのアイスが好きな方に。

ごく深煎り(イタリアンロースト)  →ヨーロピアンブレンド等、キリッとした強い苦みとコクのあるアイスが好きな方に。ミルクやクリームをたっぷり入れる方にも。

鮮度がとても大事

いつ焙煎したか、いつ挽いたか分からない豆で「さぁ、美味しいアイスコーヒーを作ってちょうだい!」と言われても・・・。
酸化した豆では、後味スッキリ・胃に優しいアイスはできません。これはホットコーヒーも同じですね。

新鮮な豆を使えば、透明感のある味わいでスッと飲める、体に優しいアイスコーヒーができあがります。

濃いめに抽出する

氷で急冷するため、どうしても薄まってしまいます。それを補うために、濃いめにコーヒーを抽出するのがポイントです。
豆は「細挽き~やや細挽き」にして、コーヒー粉の量も多めにしてみて下さい。また、冷蔵庫に保管する場合は、急冷させた後に残った氷は取り除いてください。氷が溶けると、だんだん薄まってしまうので。

以上、大まかなポイントを書いてみました。 美味しいアイスコーヒーを作りたい時に、是非おためしください!

きまめや
生豆屋(きまめや)

正統派ネルの保管方法

ネルドリップ
一般的なネルドリップ

今日は、本格ネルドリップにこだわる喫茶店の店長さんにご協力いただき、正統派のネル保管方法をご紹介したいと思います。

毎日煮て、冷蔵庫へ

「お店(喫茶)では、使用のたびにお湯洗い、水洗いをしています。使用前は、よく絞るだけでなく、タオルなどで挟んでたたき、水分をよく取り除きます。」

「閉店後は、ネルを20分程煮て、冷蔵庫で水につけて保存しています。まめに煮ると、衛生面だけでなく、目詰まりしにくいような気がします。」

なるほど。毎日閉店後に煮沸しているのはポイントですね。
お手入れや保管が大変なので、ネルを使っている喫茶店は意外と少ないです。毎日閉店後に煮沸しているところはさらに少ないのはないでしょうか。

茶こし布ドリップの「布」も、たまに煮沸してあげるとより長持ちするかもしれないですね。

冷凍保存も・・・

「自宅では、よく洗って、絞ったらジッパー付きの袋に入れて冷凍しています。使うときは、水かお湯をかけて解凍してから使っています。今のところ、冷凍庫臭くもならずに快適です。」

これは、冷蔵庫にいれて水を取り替える必要もなく、たまに使う方にも便利ですね!
干すよりも、冷凍庫へ入れた方が都合が良い方にもおすすめです。
#冷凍臭が付かないように、しっかりと密閉しましょう。

自分に合った方法を選ぶ

ネル(布)でドリップすると、ペーパー臭が無く、コクが出て美味しくできあがります。おまけに環境にも優しい!

保管方法も、今までご紹介した「干す」「水に浸す」「冷凍する」と色々な方法があります。
ぜひ自分にピッタリの保管方法を選んで、気軽にお試しいただければと思います。

初めて使う時は、布についたコーヒー粉を洗い落とす時に抵抗を感じるかもしれません。
でも、慣れれば大した手間ではありません。

落としたコーヒー粉は、よく乾燥させると脱臭剤にもなります。良かったらご活用下さい。

きまめや
生豆屋(きまめや)

茶こし布ドリップ

ネルのコクは?

ペーパードリップで1人分を美味しくいれるのって、意外と難しいです。
なぜかというと、コーヒー粉の層が薄くなってコクの足らないコーヒーになってしまうからです。

その点、ネルドリップだとコクが出やすいので、一人分でも結構美味しくできます。
でも、なぜネルドリップだとコクが出るのでしょう?
次のような理由が考えられます。

(1)ネルが湯をしっかり保って、よく蒸れるから。
(2)ペーパー用のドリッパーよりも径が小さく(小さい場合が多く)、コーヒー粉の層が厚くなるから。


・・・ということは、別にネルじゃなくても上記の理由をクリアすれば
少量でも美味しいコーヒーをいれることができるってことですね。
#「ネル」とは起毛した織物のこと。

茶こし布ドリップ

そこで、試行錯誤して考え出したのが「茶こし布ドリップ」!
必要なものは「茶こし」と「布」だけ。
一人分でも美味しくコーヒーをいれることができて、布は何度も使えます。
ペーパー独特の紙の臭いが付かないのも、嬉しいです。

私が見つけたのは、布は15cm角に切った綿100%のソフトデニム(生成り色)。薄手だけど目が細かく、起毛が無くても程良く蒸れて美味しくできます。おまけに、干すとすぐに乾いて衛生的。

茶こしは、普通の茶こしでOK。径7cmくらいの小さな「味噌こし」を使うと、コクが出やすくギリギリ2人分まで抽出できます。

<注意事項>
(1)布は、必ずたっぷりのお湯で20分ほど煮沸してから使い始めましょう。ちょっと面倒ですが、布に付着している薬品類をしっかり落とし、布の臭みを取ります。
2回目からは、お湯で洗うだけでOK。

(2)茶こし(味噌こし)は小さいので、こぼれないようにゆっくりとお湯を注ぎましょう。ゆっくりと注ぐことで、コクがでてきます。
蒸らしはちゃんと1分間!しっかり待ちましょう。

(3)味わいがあっさりしすぎの時は、もう少し厚手の(目の細かい)布を。
濃すぎる時は薄手の(目の粗い)布を選びましょう。布選びは、味わいの決め手になります。

「茶こし布ドリップ法」については、こちらをご覧下さい。
自宅やオフィスで、一人分だけ美味しくいれたい方におすすめ!
3人分以上だったら、普通の味噌こしで大きめに切った布を敷いて使っても良いですね。

<参考>
有機栽培製ネルのすすめ

きまめや
生豆屋(きまめや)

ネルドリップとは?

ネルって何?

ドリップコーヒーだったら、ネルドリップが一番おいしいと良く聞きますし、私もそう思います。ところで、ネルってなんでしょう?

「ネル」とは「フランネル」の略で、平織りまたは綾織りにして両面(または片面)に起毛した柔らかな織物のことです。
コーヒードリップ用には綿のネルで、片面起毛がよく使われていますね。

ネルドリップは、紙(ペーパー)ドリップに比べて紙の臭いが無く、ゴミも出ないので理想的な抽出方法と言えるでしょう。

噂の検証・起毛面の表と裏で味が違う?

ネルの起毛といえば。
起毛面を内側にするのと、外側にするのでは味わいが違う!という噂があったので、味にうるさい5人の方に実験してもらいました。
その結果、別に味も変わらなかったし、抽出速度も同じでした。

ただ内側にすると、コーヒー粉が目詰まりしやすいので外側の方が良いかもしれないですね。
メーカー側の説明書には内側にしてくださいと書いてあるものがあるそうです。
これはつまり、早く目詰まりして交換して欲しいからでしょうか・・・??

ネルのお手入れ

ネルドリップといえば、保管の面倒臭さが欠点としてあげられますね。
冷蔵庫に、ネル部分を水に漬けた状態で保存。さらに毎日水を取り替えましょう! とよく言われます。

喫茶店で一日何度も使う場合や、毎日ネルドリップをする人だったら良いかもしれません。
でも、いつもはペーパーで、たまにしかネル使わない場合は、冷蔵庫の肥やしになりやすいので要注意。

「もう1ヶ月もネルを漬けている水を取り替えていない」とか、「半年も保存容器のフタを開けていないから、一体どうなっているのか見るのが怖
いよ」とか。そんな話もよく聞きます。

なぜ水に漬けるかというと、「ネルにしみ込んだコーヒーの脂肪分が空気に触れて酸化し、嫌な臭いを発して味に悪影響を及ぼす」からだそうです。

なるほど。
でも最近「水に漬けっぱなしー」に疑問を持ち、干して使うようにしています。だって、冷蔵庫の中って他の食品の臭いだらけだし、ずっと水に漬けたままなんて・・・・逆に不潔じゃないですか?

お湯でよく洗ってコーヒーを落としてからから、できれば天日干しをしてみて下さい。
毎日水を取り替える必要も無し。
脂肪分の臭いも、お湯で良く洗えば大丈夫。
よく乾いたネルでも、使う前にお湯を通せば美味しく抽出できます。
毎日使わない方や、私みたいに面倒くさがり屋さんには、この方法がピッタリかも知れませんね。

きまめや
生豆屋(きまめや)