いつも味が違う理由は?(ドリップコーヒーの盲点)

カップに直接抽出してOKなのは、一人分の時だけ。2人分以上作る時は?

いつも味が違うのはなぜ?

先日友人から「同じ豆で、同じ様にコーヒーをいれているのに、日によって味が全然違うのはなぜ?」という相談を受けました。

それはちょっとおかしいですね。
確かに焙煎後何日経ったかで微妙に味わいは変化していきますが、昨日と今日で全然違うということは無いはず・・・。
そう思いながら、とりあえずご近所だったので実演してもらいました。そして、抽出する前からその恐るべき(?)原因は明らかになったのでした!

高度な技が原因

原因は、ペーパードリップでカップに直接抽出していたことにありました。
彼女はいつも2人分コーヒーをいれるのですが・・・。
1つ目のカップが一杯になったら、2つ目のカップにドリッパーをサッと移動、引き続き抽出・・・という高度な技を使っていたのでした。

このような技を使うと、1つ目と2つ目では全く違った味わいになります。本当に同じ豆?!と言いたくなるくらい違うので、サッと移動するタイミングが微妙にずれれば、文字通りいつも違う味わいを楽しむ(?)ことができる訳です。
では、コーヒー専用のサーバー(受ける容器)が無いとちゃんと抽出できないかというと、そういう訳ではありません。
別に専用サーバ-が無くても、急須でも何でも代用できます。要は、人数分のコーヒーを温めた容器で受けて、コーヒー液が均一になるようにするのが大事ということです。適量の湯で抽出が終わったら、温めた各々のカップに注ぐようにしましょう。
※カップやサーバをよく温めておきましょう。冷たいままだと、コーヒーが冷めてしまいます。

本当にコーヒー豆の持つ独特の風味や味わいを堪能したかったら、やはり「均一」に「適量」抽出することが大切です。

<参考>
実験!前半と後半

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒー豆量と層の厚み

コーヒー層の厚み

ドリップコーヒー1杯あたり、コーヒー豆約10g(豆用計量スプーンで約1杯)が一般的です(メーカーにより多少違います)。
でも、もし1杯分だけを抽出する場合、10gだと少ないかも知れません。どうして少ないのでしょう?

ペーパードリップもネルドリップも、コーヒー豆の「層」に湯を通して抽出する方法です。そのため豆の量が少ないと、「層」も薄くなってしまいます。
つまり、ドリッパーやネルの底面部分の大きさや角度は決まっているため、豆の量で「層」の厚みが決まってしまうということです。
だから、1杯分のコーヒーを作るのに10gしか使わないと「層」の厚みが少なくコクが足らない薄いコーヒーになりやすいのです。

では、約3杯分を作る時はどうでしょうか。カリタ式なら30g、ハリオ式なら36gの豆量を推奨しているので、「層」としては申し分ありません。しっかりと抽出できますし、コクも出てくると思います。
つまり、一人分あたりの豆量は同じでも、作る分量によってコーヒーの濃さやコクが全然違ってくるということです。

たくさん作るとコクがある美味しいコーヒーに

それでは、一人分でコクを出すなら何グラムくらいが適当でしょう。これは好みによりますので何とも言えませんが、15~20g程度が無難かと思います。
でも実際、私が自分のためだけに作るとすれば、1杯あたりの豆量は増やさずに2杯分抽出してしまいます。おかわり用に1杯多く作る、ということです。
なぜなら、コーヒーの層ができていれば、余計にコーヒー豆を使わなくても美味しく作ることができるからです。

ちなみに、私がコーヒーをいれるのに一番好きな量は、3~4杯分です。そのため、だれかを道連れにしてコーヒーを飲むことがほとんどです。
職場にも常時3~4人のスタッフがいるので、一人分だけをいれることはまずありません。これくらいの量だと、あまり神経を使わなくても美味しくできるので良いですね。

逆に15~20gで一人分をおいしくいれるには、ちょっと技術が必要です。細口ポットを使って慎重にゆっくりとお湯を注ぐ必要がありますので・・・

きまめや
生豆屋(きまめや)