前回は「乳がんの種類とミルクなどの影響」についてお話ししましたね。
今回は、術後に摂取することが多いホルモン剤とコーヒーについての研究結果についてお話ししたいと思います。
[E:cafe] 手術後のホルモン療法とコーヒー
ホルモン療法は、乳がん全体の60~70%程度を占める「ホルモン受容体陽性タイプ」に有効といわれています。
手術後にタモキシフェン等のホルモン剤を摂取することで再発を予防する効果が、また進行・再発乳がんでは進行を抑える効果が期待できます。
さて、このホルモン剤(タモキシフェン)を飲んでいる場合、コーヒーはどのように影響を及ぼすのでしょうか?
比較的副作用の少ない薬ではありますが、できるだけ薬の効果を損なわないように日々気をつけたいですね。
以前は、コーヒーの利尿作用で薬の吸収が阻害されると言われていました。しかし最近の研究では、むしろ乳がんの再発防止に効果的との研究結果が出ていますので、ご紹介したいと思います。
[E:cafe] ホルモン剤と1日2杯のコーヒーで効果
スウェーデンのLund大学で、乳がん患者1,090人を対象に実施した調査によると、毎日コーヒーを2杯飲むことで、タモキシフェンがさらに効果的に作用する可能性が高いことが分かりました。同研究はまた、コーヒーに含まれるカフェインとコーヒー酸が乳がんの増殖を遅らせる可能性も明らかにしています。
タモキシフェンを服用し、毎日少なくとも2~5杯のコーヒーを飲む女性は、コーヒーを1杯以下飲む(または全く飲まない)女性に比べて、乳がん再発のリスクが約半分であったということです。
この研究結果を受けて、「無理に沢山のコーヒーを飲むことについては要注意」という指摘も多く見られました。カフェインの摂りすぎによる体調不良についても考慮する必要があると。
確かに、私みたいにカフェイン耐性がついている人には問題無いですが、慣れていない方は気をつけた方が良いかも知れません。
ただ、もしコーヒーがもともと大好きだけど乳がんの薬を服用しているから心配・・・という方には、安心して飲んでいただければと思います。
その他の注意点として、肥満もリスクの一つと言われていますね。
乳がんに限らず生活習慣病予防には、食べ過ぎず、バランスのとれた食生活、歩いたり泳いだりなど適度な有酸素運動がとても効果的と聞いています。
私も健康のため毎日運動をしていますが、食べ過ぎず・・・は、なかなか実行できません。ご飯が美味しくて、ついつい^^;
以上、乳がんとコーヒーについて3回に分けてお話ししました。
また何か新しい情報が入りましたら秘蔵!コーヒー豆知識でお知らせしたいと思います。