コーヒー飲料やコーヒーゼリー等コーヒー加工食品のほとんどに、コーヒーの「香料」が入っていると考えて良いかと思います。でも、コーヒー本来の香りがあるのに、どうして香料が必要なのでしょう?
香料の必要性
ご自分で豆を挽いて抽出される方ならご存じかと思いますが、コーヒー本来の香りはとても繊細です。挽いた瞬間に半分の香りは飛ぶと言われ、挽いた後は時間の経過とともに香りがどんどん消えていきます。
まず、こんなにデリケートな香りが、加工食品として長持ちするはずがありませんね。
さらにコーヒー加工食品は流通経路が長い上に、長期間店に陳列されることになります。つまり、腐らないように殺菌が必要になります。殺菌は加熱殺菌が普通ですが、その加熱によってさらにコーヒーの香りが飛び、独特の臭いがついてしまうそうです。これを「香料」で補う必要があるわけです。
ここで「香料」を添加しないで販売することも可能ですが、味が悪くなるので売れません。売れないものをメーカー側が作る訳ないですね。
なぜ一括表示?
コーヒー本来の香りは、数百種類の化学物質から構成されていて、未だに解明されていない成分もあると言われています。
この複雑な香りを真似して「香料」を作るとなると、ただ一種類の成分で作ることはできません。数十ないし百数十種の合成香料を選んで調合するそうです。
そうなってくると、使用した香料すべてを表記するのは殆ど不可能になります。それで一括表示をして「香料」だけで良いですよ、ということになっているのです。
でも一括表示をしていると、許可されていない香料が使われていても全然消費者には分からないですね。香料から配合内容を調べることは無理ですし、問い合わせてみても企業秘密の壁でよく分からないのが現状です。
コーヒー本来の香り。
その命は短く、はかなく。そして決して真似の出来ないものだから、私達は魅了されるのかもしれません。