実験!茶こしフレンチプレス

もうフレンチプレス(プランジャー)は要らない?

以前、フレンチプレスを買う前に、好みに合うかどうか茶こしで試してみよう!というお話をしましたね。かれこれ5年前になります。
その「茶こし抽出法」については、こちらからご覧下さい。

その後、「まったりした濁りコーヒーが飲みたい」と思った時はフレンチプレスを楽しんでいたのですが、つい最近メッシュ部分が壊れてしまいました。そこからコーヒー粉が漏れてしまうため、もう使えません。
かなり古いフレンチプレスで部品交換できずあきらめようかと思ったのですが、以前自分が茶こしを使って抽出したのを思い出しました。

フレンチプレスの容器に通常通りコーヒー粉とお湯を注ぎ、最後に茶こしで濾す。それだけなのですが、十分美味しい! さらに、フレンチプレスのメッシュに付いたコーヒーを洗い流す手間も省け、茶こしに残ったコーヒー粉をそのまま廃棄(または消臭剤等に再利用)できます。

後片付けがとっても楽で美味しいなんて・・・
「もうフレンチプレス要らないのでは?!」と思ってしまいました(メーカーさん、すみません)。

実験!フレンチプレスと茶こし

実際に、新しく買った「フレンチプレス」と、プレス無しの「茶こし抽出」で、味わいを真面目に比較してみました。

その結果、違いはありませんでした。
プレスといっても、ピストンを押したときに絞る訳ではないので、味わいは変わらないのは当然かも知れません。
つまり、メッシュ付きのピストンが無くても、細かいメッシュの茶こしがあれば同じ味わい・まろやかな口当たりを作ることができます。
ただ下記の点について注意した方が良いでしょう。

(1)コーヒー豆の挽き加減が細か過ぎる(パウダー状)だと、茶こしが目詰まりしやすい。
当店でフレンチプレス用(プレス式)で挽く時は、少し粗めに挽くので問題ありません。
でもご自宅で極細挽きにしてから茶こしを使うと、途中から抽出液が落ちにくくなる可能性があります。
その際は、途中で注ぐのを止めて、一回茶こし内のコーヒー粉を取り除いた後に、再度注ぐと大丈夫です。
※「上品でまったりしたコクのあるコーヒー」を目指すなら、粗めの挽き加減で長めに抽出する方がお勧めです。

(2)抽出時の容器は、深いものを使う。
浅い容器だとコーヒーが早く冷めるし、よく蒸れません。
フレンチプレスのような深い容器にコーヒー粉とお湯を入れ、抽出中(待ち時間)はフタをしておく事をお勧めします。

(3)上品な味わいを出したいなら、混ぜない!
これはフレンチプレスでも言えることですが、コーヒー粉にお湯を注ぐときは静かに、そして決して混ぜない!のが原則です。
そのため、コーヒー粉とお湯がしっかり馴染むように、お湯は2回に分けて注ぐことをお勧めします。
1回目は馴染ませるために適量(コーヒー粉全体にお湯が行き渡るように)入れてみてください。コーヒーの鮮度により15秒から1分ほど待ち、残りのお湯は2回目に全て注ぎます。
2回目のお湯を注いだら、自分好みの濃さになるまで待ちましょう(メーカーは全行程4分間を推奨)。

特に当店のコーヒー豆は発送日焙煎でとても新鮮なので、炭酸ガスを沢山含んでおり、お湯と混ざりにくいです。 でもちょっとした工夫で、新鮮で胃への負担が少ない、上品な「まったりコーヒー」を楽しめます。ぜひお試し下さい。


しかし、見た目はやっぱりフレンチプレスがあった方が格好良いのは確かです。
お客様が来たときにはフレンチプレスで、という使い分けでも良いかも知れませんね。

きまめや
生豆屋(きまめや)

茶こし布ドリップ

ネルのコクは?

ペーパードリップで1人分を美味しくいれるのって、意外と難しいです。
なぜかというと、コーヒー粉の層が薄くなってコクの足らないコーヒーになってしまうからです。

その点、ネルドリップだとコクが出やすいので、一人分でも結構美味しくできます。
でも、なぜネルドリップだとコクが出るのでしょう?
次のような理由が考えられます。

(1)ネルが湯をしっかり保って、よく蒸れるから。
(2)ペーパー用のドリッパーよりも径が小さく(小さい場合が多く)、コーヒー粉の層が厚くなるから。


・・・ということは、別にネルじゃなくても上記の理由をクリアすれば
少量でも美味しいコーヒーをいれることができるってことですね。
#「ネル」とは起毛した織物のこと。

茶こし布ドリップ

そこで、試行錯誤して考え出したのが「茶こし布ドリップ」!
必要なものは「茶こし」と「布」だけ。
一人分でも美味しくコーヒーをいれることができて、布は何度も使えます。
ペーパー独特の紙の臭いが付かないのも、嬉しいです。

私が見つけたのは、布は15cm角に切った綿100%のソフトデニム(生成り色)。薄手だけど目が細かく、起毛が無くても程良く蒸れて美味しくできます。おまけに、干すとすぐに乾いて衛生的。

茶こしは、普通の茶こしでOK。径7cmくらいの小さな「味噌こし」を使うと、コクが出やすくギリギリ2人分まで抽出できます。

<注意事項>
(1)布は、必ずたっぷりのお湯で20分ほど煮沸してから使い始めましょう。ちょっと面倒ですが、布に付着している薬品類をしっかり落とし、布の臭みを取ります。
2回目からは、お湯で洗うだけでOK。

(2)茶こし(味噌こし)は小さいので、こぼれないようにゆっくりとお湯を注ぎましょう。ゆっくりと注ぐことで、コクがでてきます。
蒸らしはちゃんと1分間!しっかり待ちましょう。

(3)味わいがあっさりしすぎの時は、もう少し厚手の(目の細かい)布を。
濃すぎる時は薄手の(目の粗い)布を選びましょう。布選びは、味わいの決め手になります。

「茶こし布ドリップ法」については、こちらをご覧下さい。
自宅やオフィスで、一人分だけ美味しくいれたい方におすすめ!
3人分以上だったら、普通の味噌こしで大きめに切った布を敷いて使っても良いですね。

<参考>
有機栽培製ネルのすすめ

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