悪魔の飲み物 缶コーヒー

なぜ悪魔の飲みもの?

「悪魔の飲み物・缶コーヒー」。
このすごい呼び名は、牧田 善二著「医者が教える食事術 最強の教科書」から来ているそうです。なぜ悪魔の飲みものかというと・・・

(1)缶コーヒーには糖質(糖類)が多く含まれている。それを飲むと、
(2)あっという間に胃を通過し小腸で吸収され「血糖値の急上昇」が起こる
(3)ドーパミン等が分泌されて、一時的に「元気」な状態になる(ハイな気分・快感)
(4)血糖値を下げるため、膵臓が大量のインスリンを分泌する
(5)血糖値が急激に低下し「イライラ、眠気、吐き気、ふるえ、動悸、めまい等」が起こる(不快感)
(6)不快感を消すために、また缶コーヒーを飲む。以降、繰り返し。

このように、血糖値が乱高下することを「血糖値スパイク」と言います。
そして、(3)の快感を味わうために何度も繰り返す状態を、「糖質中毒(砂糖中毒)」と呼びます。
この中毒性は意外に高く、抜け出すのは結構大変です。
自称「コーヒー中毒」の人の中には、もしかするとこの「糖質中毒」の人が紛れ込んでいるかも知れません。

仮に血糖値を高い状態に保ち(ハイな気分を楽しみ)続けると、生活習慣病への近道となってしまいます。
具体的には、肥満、老化、皮膚のトラブル、2型糖尿病、がん、脳梗塞、心筋梗塞のほか、脳へのダメージ(認知症)など

これは缶コーヒーに限ったことではありません。
その他の清涼飲料水(一般的にジュースと呼ばれるもの)にも沢山糖質(炭水化物)が入っていますね。
それを水代わりに飲んでいる方は、糖質中毒患者になっている可能性があります。

もちろん「私の楽しみを取らないで!」というお気持ちも、大変よく分かります。嗜好品ですからね。
どうしても缶コーヒー(糖質たっぷりのコーヒー)が飲みたいなら、食物繊維たっぷりの食事と一緒にいかがでしょう?
一緒に吸収されれば、急激な血糖値の上昇は抑えられるはずです。

ちなみに、ごはんやパン、麺類にも糖質が多く含まれていますが、食物繊維も含んでいるため血糖値の上がり方は緩やかになります。
玄米や雑穀米、全粒粉のパンなど、「白くない糖質」を摂ると、さらに緩やかに。
健康のために「白い糖質」を卒業するのも、とても良いことだと思います。

カフェインと糖質の最凶コンビ

話は脱線しますが。
以前ローマへ行ったとき、イタリア人が結構な頻度でエスプレッソ(砂糖たっぷり)を飲むのをみて「みんな糖質中毒では?!」と思ったことがあります。
高濃度カフェイン(エスプレッソ)と砂糖(糖質)の組み合わせは、血糖値を上げるのに最強(最凶)の組み合わせだと聞いていたからです。

確かエナジードリンク(栄養ドリンク)も高濃度カフェインと大量の糖質の組み合わせでしたね。血糖値がぐんぐん上がって、力がみなぎる訳です(その後、急降下してフラフラになりますが)。
そういう意味では、糖質たっぷり缶コーヒーも「カフェイン+糖質」の最凶コンビと言えるかも知れません。

どんなに「コーヒーは成人予防に効果的!」と言っても・・・
「糖質たっぷりのコーヒー飲料」は、もはやコーヒー成分の恩恵にあずかることはないでしょう。特に成人病適齢期の方は、くれぐれもお気を付け下さい。

天使の飲み物になることも

悪魔の飲み物と呼ばれても。
猛暑で熱中症になりかけている時には、自動販売機の冷たい缶コーヒーが「天使の飲み物」になるかも知れません。とりあえず、脱水症状を回避することができるからです。

ということで、一刻を争う事態なら迷わず水分補給をしましょう。命には代えられませんからね。特に暑い時期は、熱中症・脱水症状にはお気を付け下さい。

<参考>
缶コーヒーの原価は?

きまめや
生豆屋(きまめや)

缶コーヒーの原価は?

先日、缶コーヒーの製造に携わっていた方から、色々とお話を伺う機会がありました。ということで、今日は缶コーヒーのお話をしたいと思います。

缶代が一番高い

皆さんは、缶コーヒーの値段をご存じですか?
販売価格ではなくて、コーヒー(中身)が占める値段のことです。
1本の缶コーヒーは、だいたい下記の値段で作られるそうです。

コーヒー代(中身)15円
缶代 20円
缶加工代  5円
———————–
計 40円

高級感のある缶コーヒーでも、中身は16円程度だそうです。やっぱり、缶代が一番高いのですね。容器代に一番お金がかかるのは、缶コーヒーに限ったことではありませんが。

1缶40円のものが、最終的には120円程度で販売されているそうです。
確かに流通や、自動販売機で年中冷やしたり温めたりするのにもお金がかかるし、小売店も利益が必要なので、仕方がないことかも知れません。

品名で中身を知る

では1本あたりの缶コーヒーに、何グラムの豆が使われているのでしょうか?缶コーヒーに書いてある「品名(種類別名称)」から、推測してみましょう。
—————————————————————-
品名      100g中のコーヒー使用量(生豆換算)
—————————————————————-
コーヒー       5g以上
コーヒー飲料     2.5g以上 5g未満
コーヒー入り清涼飲料 1g以上 2.5g未満
—————————————————————-
一番多く使用されている「コーヒー」でも、5g以上です。
生豆換算で5gということは、焙煎豆にすると約4gですね。
1本200gとすると、焙煎豆で8g以上使われているのが「コーヒー」と
呼ばれていることになります。

一方「コーヒー飲料」と「コーヒー入り清涼飲料」は、コーヒーと呼ぶには、あまりにも使用量が少ない気がします。
ちなみに、乳固形成分が3%以上の場合は「乳飲料」として分類されるそうです。

<参考>
悪魔の飲み物 缶コーヒー

きまめや
生豆屋(きまめや)

コーヒーと糖尿病 その2

1日10杯で8割減?!

「コーヒーを1日数杯飲む人は、糖尿病のリスクが3割近く下がる」という調査結果を、フィンランドの研究機関が発表しました。(※)
35~64歳の約1万4600人を調査した結果、1日3~4杯のコーヒーを飲んだ場合、飲まない人に比べ女性で29%、男性で27%糖尿病にかかる率が減少。
1日10杯以上飲んだ場合、女性で79%、男性で55%の減少となったそうです。

しかし。いくら効果的と言っても「1日10杯以上」はなかなか難しいですね。どうやって10杯以上飲む人を集めたんだろう? と疑問に思った所・・・
フィンランドの「コーヒー豆の1人当たり年間消費量」は世界一で、何と約11kg! 
1日9杯飲むのが平均だというから驚きです。なるほど。だからコーヒーに対する意識も高く、調査報告も多い訳ですね。

アメリカなどでも最近、同じような研究報告がされていますが、どうしてコーヒーが効果的なのかは未だに判明していないそうです。

※フィンランド国立公衆保健研究所が、2004年3月10日発行の米医師会誌(JAMA)に発表しました。

無理しないように注意

ここで知っておいていただきたいのは、どの研究機関も「あくまで適量を飲むこと」をすすめている、ということです。
「そうか!効果的なのか!」と言いながら、無理してガブガブ飲まないよう、お気を付け下さい。

私が思うに「あー、コーヒーが飲みたい!」と思った時に、新鮮で体に優しいコーヒーを飲むのが一番ではないでしょうか。
飲みたいときに美味しいコーヒーを飲むと、体にスッと入っていきますし、胃ももたれません。
しみじみ美味しくて、幸せな気持ちになれます。
当店のお客様でも「コーヒータイムがストレス解消!」という方がとても多いです。

あと、お砂糖&ミルクをたっぷり入れて1日何杯も飲むと逆効果の恐れもありますので、ご注意下さい。
また「コーヒーなら何でもいいかな」と「糖分タップリ缶コーヒー」を何本も飲んだりしないように、くれぐれもお気を付け下さい。

<参考>
コーヒーと糖尿病1(色々な研究結果)
コーヒーと糖尿病3(予防と発症後の違い)
悪魔の飲み物「缶コーヒー」

きまめや
生豆屋(きまめや)