ギリシャコーヒー(3)焙煎加減と濃度

ギリシャコーヒー(Boiled Greek coffee)の焙煎加減

長寿の秘訣として注目されているギリシャコーヒーでは、ライトロースト(ごく浅煎り)豆を使うという意見とイタリアンロースト(ごく深煎り)豆を使うという意見がありました。

さて、そこで質問です。
高齢者の皆さま、特に90歳を超える方々が、何十年も安定した焙煎加減のコーヒーを飲んでいたと思いますか?

何十年も前から焙煎技術が優れていたとは・・・失礼ですが考えにくいです。そうなると、コーヒーの焙煎には焼ムラがあって当たり前だったのではないでしょうか。
つまり、そんなに厳密にライトロースト!イタリアンロースト!などと分かれてはいなかったのでは?と勝手に想像しました。

そう考えると、その研究結果にも納得がいきます。
なぜかというと、血液サラサラ&血管に弾力を持たせる作用が期待できるのは、焙煎が深い「ごく深煎り」の方。
これは焙煎が深いほど、効果的な「ニコチン酸(タバコと無関係)」が増えるからです。
※詳しくは、心筋梗塞&脳梗塞予防にコーヒーをご覧下さい。

また、抗酸化作用(老化防止)が期待できるのは「ライトロースト」の方。
これは焙煎が浅い方が、コーヒーポリフェノール「クロロゲン酸」が多く含まれるからです。

結論として、もしコーヒー豆自体に効果があるとすれば・・・あまり上手に焙煎しないで「深煎りと浅煎りが混ざった豆」でギリシャコーヒーを作るのが一番効果的なのかな?と思いました。

深煎りと浅煎りのブレンド・・・ということは、当店の「長寿ブレンド」がピッタリですね!良かったらお試し下さい。

コーヒーの濃度に注意!

さて、濃い味のギリシャコーヒーを紹介した後で恐縮ですが、コーヒーの濃度には十分お気を付け下さい。

お茶の文化を持つ日本やアジアの国々では、ご先祖様は濃いエスプレッソやギリシャコーヒーのような飲み物にはあまり慣れていなかったと思われます。
だから、日本の皆さんも「濃いコーヒーが合うかどうか?」様子を見た方が良いでしょう。

これは私がイタリアでエスプレッソを飲み歩いた時にも感じたことですが、濃いコーヒーを飲む時は必ず一緒に水を飲まないと、血糖値が急に変動したり、胃の調子が悪くなったりしました。カプチーノやカフェラテはミルクで薄まるので全然問題無かったのですが。

他にも「濃いコーヒーはちょっと苦手」というお客様のご意見もよくいただくので、「体に良いはず!」と決して無理して飲まないようにお気を付け下さい。
苦手と感じたら、水と一緒に楽しむ・・・くらいがちょうど良いと思います。ギリシャでも、水と一緒に供されると聞きましたので。

いつかギリシャのイカリア島(Ikaria)に行って、どんな豆が使われているのか?どんな抽出なのか?自分の目で確かめてみたいです。
もし現地で飲んだことがある方がいらっしゃったら、ぜひ教えて下さい。

※ギリシャコーヒーの作り方
以前紹介したターキッシュコーヒーと同じと考えて大丈夫です。
詳しい作り方はターキッシュコーヒーの作り方からご覧いただけます。専用の抽出鍋が無くても小鍋でできますので、よろしかったらお試し下さい。

※すでに持病がある方、お薬を飲んでいる方は、必ず担当の医師にコーヒーを飲んでも大丈夫か相談しましょう。現在服用している薬との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

<参考>
ギリシャコーヒー(1)長寿の秘訣?
ギリシャコーヒー(2)浅煎り?深煎り?

きまめや
生豆屋(きまめや)

ギリシャコーヒー(2)浅煎り?深煎り?

ギリシャコーヒー(Boiled Greek coffee)の焙煎加減は?

いろいろな意見がありますが、どうも「ライトロースト」が主流なようです。
ライトローストというのは、最も浅い焙煎加減で日本語で表現すると「ごく浅煎り」といった所でしょうか。
具体的には、1回目の爆ぜ(はぜ)が始まった数秒後に焙煎を終える感じです。「爆ぜる前に終了する」という意見もありますが、私は爆ぜた後の方が焙煎が安定して良いと思います。

なおライトローストの豆は、日本のコーヒー豆店で購入するのは難しいです。
弊社でも販売しておりません。なぜなら、はっきり言って「あまり美味しくない」からです。

香りもコクも少ない上に、酸味が強く、さらに青臭くて刺激もあり、胃の弱い人だと胃が痛くなってしまいます(私は痛くなります)。
特に日本の水は「軟水」なので、ライトローストでコーヒーを作ったら青臭くて酸っぱくて・・・あまり美味しくないコーヒーが出来てしまうでしょう。
※軟水だと酸味が出やすく、硬水だと苦味が出やすいです。

もちろん人の味覚は十人十色ですから「ライトローストが一番美味しい!」という方もいらっしゃいます。あのワイルドな味わいがたまらない!・・・と。
弊社にもライトローストがお好きなお客様がいらっしゃいますが、ご自宅で焙煎されることをお勧めしています。
その理由は・・・

(1)焙煎がかなり浅いため、手焙煎(ぎんなん炒り焙煎)でもすぐに焼き上げることができるから。

(2)鮮度が落ちると嫌な酸味が出るため、自宅焙煎してできるだけ新鮮なままコーヒー豆を使っていただきたいから・・・です。

私はライトローストが苦手ですが、もし興味がある方がいらっしゃったら是非お試し下さい。味わいはきついですが、コーヒーポリフェノール・クロロゲン酸は、焙煎が浅い方が多く含まれているのは確かですので。
※自宅焙煎については、店長の手焙煎実演からご覧下さい。

ギリシャで飲むと美味しいかも

そんな青臭くて酸っぱいコーヒーも、ギリシャで飲んだら美味しいのかも知れません。なぜなら、ギリシャの水は「硬水」だからです。

「硬水」だと、抽出直後ならそれほど酸味は感じられません。抽出してまだコーヒーが熱々の状態でしたら、まろやかな口当たりも楽しめます。でも少しでも冷めると、きつい味わいに変化するので要注意です。
軟水で入れた時ほどではありませんが、やはり酸味が強く青臭くなります。
ただし砂糖をタップリ入れれば、あまり気にならないかも知れません。
それが健康的かどうかは、よく分かりませんが・・・

味わいは深煎りがおすすめ

さて。主流でない焙煎加減では「イタリアンロースト」という意見もありました。こちらは日本語で言うと「ごく深煎り」なので、前述のライトローストと全く逆の焙煎加減ですね。
個人的には、焙煎が深め~ごく深煎りの方が美味しいギリシャコーヒーができると思いますが、どうでしょう?

今回のギリシャコーヒーと長寿に関する研究では、高齢者の皆さんを対象に調査したのですが、残念ながらその焙煎加減までは詳しく調べていません。
さらに詳細な調査が今後行われることに、期待したいと思います。

※次回は、ギリシャコーヒーに関する店長の考察とコーヒー濃度についてお話ししたいと思います。

※ギリシャコーヒーの作り方
以前紹介したターキッシュコーヒーと同じと考えて大丈夫です。
詳しい作り方はターキッシュコーヒーの作り方からご覧いただけます。専用の抽出鍋が無くても小鍋でできますので、よろしかったらお試し下さい。

※すでに持病がある方、お薬を飲んでいる方は、必ず担当の医師にコーヒーを飲んでも大丈夫か相談しましょう。
現在服用している薬との相性もありますので、くれぐれもご注意下さい。

<参考>
ギリシャコーヒー(1)長寿の秘訣?
ギリシャコーヒー(3)焙煎加減と濃度

きまめや
生豆屋(きまめや)