なぜ香りが分からない?
ご来店のお客様に、よく「本当に良い香りですね。一日中この香りの中で仕事できるなんて、うらやましいです。」と言われます。
でも実は、私達はあまりコーヒーの香りを分かっていないのでした。
朝10時に店を開けますが、その頃にはバンバン焙煎している最中で店の中はコーヒーの香りだらけ。それなのに、なぜ私達は香りを感じないのでしょう?
それは、嗅覚疲労のためです。
嗅覚疲労(嗅覚順応)
嗅覚は他の感覚に比べると、一番疲労しやすいと言われています。
疲労というのは、ある一種類の臭いを嗅ぎ続けると、数分以内にその臭いに対する感度が落ちることを意味します。つまりコーヒー豆を焙煎すると、店中がコーヒーの香りで満たされて、香りを感じにくくなるという訳です。
また、体調を崩したり、疲れたりしても嗅覚が鈍くなります。満腹の時も、空腹時に比べると格段に嗅覚が鈍くなるのことは、経験的にご存知ですね。
これらを考慮すると、コーヒーの香りを十分堪能するための条件は、次のようになります。
(1)朝(疲れていない時)
(2)空腹時
(3)コーヒーの香りが満たされていない空間
偶然にも条件が整ってました
私は仕事がある日は、朝ご飯を食べません。
さらに仕事(焙煎等)を始める前には、必ずスタッフ達とコーヒーを飲む日課になっています。
つまり(1)~(3)を満たすとっても良い条件で、毎朝コーヒーを飲んでいたことになります。確かに、仕事の前のコーヒーは、味わいをじっくり堪能できて美味しいですね。
朝ご飯を食べる方でも、「朝のコーヒーが、美味しい!」という方は多いのではないでしょうか?
「コーヒーは絶対に食後!」派の方も、たまにはコーヒーを主体にして食前に香りを楽しむのも良いですね。