最適なコーヒー豆の保存容器

最適な保存容器
最適な保存容器の例

前回は、「「コーヒー豆の鮮度による味の違い」についてでしたね。焙煎当日から3日後までについて、味わいの変化を詳しくお話ししました。

今回は、それ以降の味わいを左右する保存方法、特に保存容器についてお話ししたいと思います。

密閉保存が大事!

3日目以降の味わいについては、正直お客様がどのような状態で保存されるかによりだいぶ異なります。
密閉度の低い容器で高温の場所に置いたら、香り・味わいは一気に落ちてしまいます。
特に「香り」をできるだけ残したいなら「密閉容器」は必須ですね。

以前あるお客様から、「生豆屋のコーヒー豆を冷蔵保存しておくと、冷蔵庫を開ける度にコーヒーの香りがして嬉しい」と言われてびっくりしました。
思わず「それは密閉されていない証拠です!すぐに密閉度の高い容器に移し替えて下さい!」とお願いしたことがあります。
コーヒーの香りは有限ですから・・・冷蔵庫内でばらまいたら、勿体ないです。

また冷蔵・冷凍庫内の食品臭は意外と強く、それをコーヒー豆がしっかり吸収してしまうので要注意です。
コーヒー豆は多孔質構造で、下手な消臭剤よりも消臭効果が高いのです。コーヒー豆を挽いたら食品臭が・・・・では悲しいですね。

私が愛用しているのは、ガラス密閉ビンです。
ガラスなので遮光性はなく、直射日光が当たらないよう注意が必要です。
でもフタ部分にゴムパッキンが付いているので密閉度が高く、コーヒー豆の様子もビンを開けずに確認できるので気に入っています。

「深煎りでこの気温だと、やっぱり3日目でこのくらい油が出るな。」
「焙煎浅いと油は殆ど出ないな」
「今日は結露が多いな。早く冷蔵庫に戻そう(冷蔵保存の場合)」
などと、日々観察するのが大好きです。
・・・コーヒー豆を観察するのは、私くらいでしょうか。

他にも色々と密閉容器はあるかと思いますので、どれでもお好きなものをお使い下さい。

また「面倒だから購入時の袋のまま保管する」という方も多いかと思います。
袋のままだと少し劣化が早まるかと思いますので、ちょっとだけ工夫してみてはいかがでしょうか。
例えば、

・ガス抜き用の穴が空いていたら、テープでその穴をふさいで保管する。
・もう一枚袋(できるだけ密閉度の高いもの)で包んで、二重にして保管する。
この2つだけでも、長期的にみるとだいぶ変わってくると思います。

真空パックや缶詰は不可能な理由

そんなに「密閉!」というなら、発送時も真空パックや缶詰にすれば良いのでは?と思われるかも知れません。
でも弊社は焼きたての豆を発送するため、真空パックや缶詰にすることができないのです。
新鮮な豆は「炭酸ガス」を放出しつづけるので、もし真空パック・缶詰にすると風船のように袋・缶がふくらんでしまうからです。

その膨らんだ袋が宅配時に何かの拍子に圧迫され、破裂するという問題が数回起こりました。
そこでバルブシートを貼り、わざわざ袋に空気穴を付けてから出荷している次第です。

では、真空パックや缶詰で売られているコーヒー豆は、なぜ膨らんでいないのでしょうか?
それは、炭酸ガスが完全に抜けるまで保管してから袋詰め・缶詰めするからです。
梱包前に焙煎豆なら3日から1週間程度置いて、完全にガス抜きをします。

・・・私が一番美味しいと思う時期に「密閉するために放置してガス抜き」?!
そのガスの中にも沢山香りが含まれているのに・・・勿体ないです!!(2回目)

ガスが抜けきるまでにお客様にお届けできて、ご自宅で密閉保存し、味わいの変化を楽しんでいただければ私達も嬉しいです。

きまめや
生豆屋(きまめや)