コーヒーの渋味は健康的な味。

渋みの正体

コーヒーの渋み成分は、何でしょう?
コーヒーポリフェノール「クロロゲン酸」が主な渋味の成分になります。そしてその多くは、生豆表面の薄皮(シルバースキン)部分に存在しているそうです。

クロロゲン酸は、生豆の状態で非常に多く含まれており、焙煎が深くなるにつれて減少していきます。
そのため、浅めの焙煎豆(中煎り~深め中煎り)では渋みを感じやすく、深煎りの焙煎豆(やや深煎り~ごく深煎り)では感じにくくなります。
#コーヒー成分による渋味の他に、ミルの性能によっても微粉が出て渋み・苦味が比較的強く感じられる場合もあります。

渋みから生まれる効果

渋味の原因であるクロロゲン酸ですが、実はアンチエイジング効果や様々な成人病予防効果があると言われています。
例えば、2型糖尿病や肝疾患、高血圧や大腸がん予防等々。「この予防効果を期待してコーヒーを飲んでいる!」という方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

最近は、いろいろと処理を施して薄皮を排除し「渋くないコーヒー」を求める傾向もあるようです。せっかく健康的なのに、勿体ないですね。

浅め焙煎のかすかな渋味も、複雑なコーヒーの香味と厚みのある絶妙な味わいを演出してくれます。「コーヒーの渋味は、ちょっと苦手」という方も、健康維持も兼ねて渋味と仲良くなってみてはいかがでしょうか。
深煎りとはまた違った美味しさに気付いていただけると思います。

注)浅め焙煎の場合は、できるだけ抽出する直前に挽きましょう。挽いてから時間が経つと、酸化による酸味が強く出てしまうためです。

きまめや
生豆屋(きまめや)

実験!チャフを飲む(1)

チャフ(chaff)って何?

英語で「もみ殻、刻みわら、廃物、くだらない物」の意味。これでは、さっぱりわからないですね。
他にも、「クズ、カス、燃え殻」の意味があります。コーヒーの抽出で問題になるチャフは、この「カス、燃え殻」あたりでしょうか。
コーヒー豆(種子)を包んでいる薄皮をシルバースキン(銀皮)と呼びますが、その大部分は精製過程で取り除かれます。
取り除かれないで、残ってしまうのは、コーヒー豆の真ん中にみえる白っぽい線のところ。あの線が、シルバースキンになります。

焙煎して挽くと、シルバースキンが白い粉になり「うわ、チャフだ!」と、いきなり嫌われてしまう訳です。でも、何でそんなに嫌われるのでしょうか。

チャフを飲む・・・ぐっ。

チャフは渋味をはじめとした雑味や、コーヒーの濁りの原因だと言われています。
本当かな?と思った私(店長)は、せっせとチャフを集めて飲んでみました。
まず1gのチャフで120cc抽出(ちゃんと1分間蒸らして)。1gだけ?って思うかもしれませんが、カップ半分くらいの量はあります。水洗式中煎りコーヒー豆で約500g~800g分からとれるチャフ量に相当します。
#チャフは軽いので、たった1gでも多いのです。

飲んだ感想は「ぐ・・苦い!」
「良薬口に苦し」という言葉がピッタリの味わい。スッキリした強い苦味で、液体も濁りが無く綺麗な紅茶色。「渋み」は思ったよりも、ずっと少なかったです。
そして、ドクダミと米ぬかを炒ったものを合わせたような、漢方薬風の香り。この香りだけは、コーヒーとはかけ離れていました。
漢方薬風の香りですから、決して美味しいものでは無いですね。やはりチャフだけで飲むのは無理があったようです。

さて。この「意外と渋みの少ない、強い苦味を伴った漢方薬風の香り」が、コーヒー豆とブレンドされた時に、どのように影響してくるのでしょうか。
さらに実験を続けていきたいと思いますので、お楽しみに!

<参考>
実験!チャフを飲む(2)

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