一昔前のはなし
一昔前は、ハウスブレンドといえばその店の看板ブレンドで、「店側が沢山売りたいブレンド」の代名詞でした。
沢山売りたい・・・というのは、仕入れの都合だったり、焙煎の都合だったり、安い豆(ロブスタ種)を混ぜて利幅が大きくしたり等々。
お客様側も、看板ブレンドの方が回転が速くて新鮮な豆が手に入りやすい、おすすめブレンドだから安心できる、お得に買える、等の利点がありました。
もちろん、当時から看板ブレンドの名にふさわしい「とっておきブレンド」として頑張っているお店もありましたが、主流では無かったと記憶しています。
でも今はどうでしょう?むしろ「看板ブレンドこそ最高のものを!」という傾向があるのではないでしょうか。
個性を前面に出して頑張っているお店が、生き残っていける時代になったのかも知れませんね。
もちろん、当店のブレンド達も店長お勧めの「最高のもの」になっています。
ストレートとブレンド、どっちが良い?
とはいっても、ストレート豆は相変わらず根強い人気があります。特に自宅で焙煎される方は、ストレートで味わいの違いを楽しむ方が多いようです。
一方、焙煎済みの豆を買う方からは「ストレートよりもブレンドの方が安心して飲める」というご意見をよく伺います。理由は「味わいのバランスがとれているから」「複雑な香味を楽しめるから」「そのお店の一押しだから」「選ぶのが面倒だから」等々。
確かに、お気に入りのお店で美味しいハウスブレンドが見つかれば、それが一番安心ですね。
美味しいハウスブレンドを作ろう!
でも、もしピッタリの味わいが見つからなかったら・・・
自分のお家ブレンド(ハウスブレンド)を作ってみてはいかがでしょう?
「興味はあるけど、ブレンドの方法がよく分からない」という方のために、下記の通り簡単なガイドを書いておきますね。よかったらお試し下さい。
【1】遠回りしても「自分好みのオリジナルブレンド」を作りたい場合
(1)お気に入りのお店で、片っ端からストレート豆を試してみる。
(2)好きな順番から2~4種類ほど選んで、色々な配合を試してみる。
最初に配合する時は、一番好きだった豆の配合を一番多くしてみるのがポイントです。
あと少し異なった焙煎加減のものを選ぶと「もうちょっと苦みが欲しい」「もうちょっと酸味が欲しい」という時に、配合を変えるだけで調整ができて楽しいです。また、その日の気分や抽出方法で少しずつブレンドの配合を工夫しても面白いですね。
これは「大好きな豆だけでブレンドしたら、ぜったい美味しいブレンドができる!」法則(勝手に命名)によるブレンド方法です。
【2】簡単に「自分好みのブレンド」を作りたい場合
(1)ブレンドにこだわったお店で一押しのハウスブレンドを買ってみる。
(2)足らない味わいや香りを、他の豆で補う。例えば、苦みが少し足らないなら深煎り豆を1~2割増やしてみる等。
焙煎加減の違うブレンド2種を好みの配合でさらにブレンドしてみても、新しい発見があると思います。
この方法は「お店のこだわりブレンドだったら、よっぽどのことが無い限り失敗は無いだろう」・・・という前提でアレンジするお手軽ブレンドです。
もちろん「こだわりブレンド」を作る店によってこだわる部分が違うので、事前に確認する必要がありますね。
例えば当店の場合なら、無農薬・有機栽培だけを使ったり、ストレート豆の状態で最適な焙煎加減で仕上げてからブレンドしたり、発送日焙煎で鮮度にこだわったり・・・等々、こだわりのポイントがいくつかあります。
他のお店でも、配合豆や焙煎日、おすすめのポイントを聞いてみると、色々教えてくれるのではないでしょうか。
生豆屋のハウスブレンド事情
当店のハウスブレンド「きまめやブレンド」も、もちろん「こだわったブレンド」の一つです。
美味しいオーガニック豆(有機無農薬豆)だけを使用し、それぞれ適正に焙煎した後にブレンド(4種類)、さらに発送日焙煎を徹底しています。
もう販売する側からすると「本当に面倒臭い!」ブレンドになっています。そのため、大量にご注文いただくとスタッフ達の負担が大きくなるので、あまり今週のおすすめ(特価)になりません。
きまめやブレンドを気に入って下さっているお客様には大変申し訳ございませんが・・・。
その他、きまめやブレンド深煎り、ほろまろ&さわやかブレンド、ヨーロピアンブレンド、長寿ブレンドが当店のオリジナルブレンドになります。どれも個性的で、こだわりの逸品ですので、この機会に是非お試し下さい。