高級豆の正体?(スクリーン分け)

スクリーン分けとは

コーヒー豆の大きさによって、等級分けをすることです。
国によって等級の基準も異なりますが、大きくて粒ぞろいの豆と、小さくてもピーベリー(丸豆)なら高値で売れる傾向があります。
つまり粒ぞろいにすれば、より高級豆で売れる!ということですね。

ブラジルの農園の方が言っていましたが、特に日本人は大きくて粒ぞろいの豆が大好きだそうです。
「粒ぞろいなら美味しいって訳じゃないんだけどなー」とのこと。
何となく。スーパーに並んでいる大きさのキッチリ揃った野菜を見ていると、分かるような気がします。

でも、いくら高値で売れるからといって、すべての農園がスクリーン分けができる訳ではありません。スクリーン分けするには、それなりの設備が必要ですし、収穫量も多くなければ無理です。

例えば、以前お話したピーベリー。
収穫量の3~5%程度しか含まれないため、小さな農園や収穫量の少ない農園は、ピーベリーだけを分けることはできません。
ちゃんと等級分けして商品化するには、大きな農園やメーカー、組合等に買い取ってもらう必要があります。

ちょっと聞いたビックリする話

これはハワイ島コナで聞いた話です。
某大手コーヒー豆メーカーでは、農園からだけではなく一般の人からもコナのコーヒーの実を1パウンドいくらかで買い取っているそうです。
だから、道端で熟しているコーヒーの実を摘んで売りに行けば、良い小遣い稼ぎになるとか。
確かに、コナ産地付近に行けば道端にもコーヒーの木がありますが・・・。
全然管理されていないコーヒーの実でも、キレイに粒ぞろいにされて販売すれば高く売れる・・ということでしょうか。

オーガニック・コーヒー豆の場合

大量生産ができない無農薬有機栽培(オーガニック)コーヒー豆は、ピーベリーが混ざった銘柄がほとんどです。つまり、見た目が粒ぞろいのものが少ないということですね。

だから美味しくないか? というと、そんなことは全くありません。
確かにピーベリーと平豆では、火の通り方が違います。
でもそれは、味わいの幅ができるという意味であり、どちらかが不味くなるということではありません。
上手に焙煎すれば、むしろ幅のある奥深い味わいをお楽しみいただけます。

「そんなはずはない!」という方は、同じ農園産の不揃い豆と粒ぞろい豆を、同じ条件で焙煎してみて下さい。そして、目隠ししてから飲み比べて下さい。
実験すれば、甲乙付けがたい味わいであること、むしろ不揃いの方が美味しいと答えてしまう可能性も大いにあることが、分かっていただけると思います。

きまめや
生豆屋(きまめや)