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スペシャルティコーヒーとは?(定義と現状)

Sマークどうするの?!

先日、コーヒー関連書籍の取材を受けた時のこと。
出版社の方から「スペシャルティコーヒーを販売していれば、店名の横にSマークを付けますよ(一種類でも可)」と言われました。

スペシャルティコーヒー?
最近よく聞く単語だなぁ・・・あ。そういえば当店が入荷している豆にも確かあったような。

当店には有機栽培コーヒー豆のサンプルが沢山やってきますが、その中には「スペシャルティコーヒーだ!」とうたったものも含まれています。
でも私は、スペシャルティかどうかは全く気にせずに、様々な焙煎加減を試してスタッフ達と相談しながら入荷していたので・・・改めて聞かれると不思議な感じがしました。

しかし。とりあえず「S」マークが付くかどうかを確認する必要があったので、まずは「スペシャルティコーヒーの定義」から調べてみることにしました。

スペシャルティコーヒーとは

有機JAS認証と違って、はっきりした定義はないようですね。基準は各国のスペシャルティ協会によって異なるようですが、簡単に言うと・・・
生産段階から品質管理がしっかりしていて、飲んだときにとても美味しいと認められた高品質コーヒー・・・といったところでしょうか(簡単に言い過ぎて、どうもすみません)。

様々なカッピング方法や評価方法があり、それぞれ独自の方法で検証し決められるようです。
そのため、高品質で美味しいコーヒーが飲みたい!時には、ひとつの目安になるかと思います。少なくとも「生産段階からしっかり管理されていて美味しい!」と、どこかの機関が認定(お墨付き)した訳ですから。
※例えば、輸入会社が独自に基準を定め、カッピング・検証して「これはスペシャルティだ!」と認めれば、スペシャルティコーヒーとして販売できるようです。

ただ、今回聞き取り調査をしながら感じたことは・・・
本当に「飲んだときの美味しさ」を追求するなら「鮮度は?」「焙煎加減は?」という所がとても気になりました。
例えば、どんなに生豆が素晴らしくたって、焙煎後常温で1ヶ月経っていたら・・・スペシャルティとは到底思えません。
これは、「コーヒーの鮮度」がどれだけ味わいに影響するかを知っている方だったら、すぐにお分かりいただけると思います。

また、カッピングする際の焙煎加減も気になりました。例えば当店のガテマラと、フェアトレード・ガテマラ。どちらもガテマラ産ですが、最適な焙煎加減は全然違います。
もしフェアトレード・ガテマラを、ガテマラと同じ中煎りにしたら、青臭くて飲めたものではありません。でも深煎りにすれば他の豆には無い豊かな香りとコクを引き出すことができます。
つまり比較するときには、どのような焙煎加減か?もかなり重要になってくるのではないかと思いました。

有機栽培コーヒー豆はスペシャルティ?

農園での生産管理〜販売まで事細かく定められている「有機JAS認証コーヒー豆」は、スペシャルティコーヒーでは?という人もいます。
確かに、キッチリ管理された高品質な有機JAS豆なら、十分スペシャルティコーヒーの資格アリな気がしました(もちろん最適な焙煎加減と鮮度、欠点豆の除去があってのお話)。

それをスペシャルティコーヒーに携わっている方に伺ったところ「いや有機栽培コーヒーでも、美味しくないとダメでは?」とのことでした。
ということは。美味しくて高品質な有機栽培コーヒーなら・・・スペシャルティコーヒー?

結局、「美味しい」の定義自体がすごく難しいのかなと思いました。
人の好みは十人十色。いくら良質な酸味が大事な基準といっても「酸味があるコーヒーなんて飲めない!」という方も結構いらっしゃいます。
中には「ロブ臭のきついロブスタが一番好き!」という方もいらっしゃるくらいなので・・・。

生豆屋の方針

ちなみに、当店で「スペシャルティコーヒー」と判明した豆は、私もとっても美味しいと思います。でも「ダントツ美味しい!」という訳では無いですし、現時点で「大人気!」ということもありません。
もちろん「スペシャルティ」と書けば大人気になるかも知れませんが・・・それもちょっと違う気がします。

どの豆も、みんな違って、みんな美味しい。
厳選して輸入したり、スタッフ達と一緒に決めた可愛い豆達は、私たちにとっては全部スペシャルティコーヒーといっても過言ではありません。
だから、お客様一人一人のお好みに合わせて先入観無しで選んでいただければ、一番嬉しいです。

最後に、Sマークですが・・・
果たして付くのでしょうか?
一応スペシャルティコーヒーと呼ばれる豆もありましたが、当店では差別化するつもりは全然ありません。そういう状況でSマークが付くかどうかは、出版社の方の判断次第になるかと思います。
本の完成が、楽しみです♪
また、スペシャルティコーヒーについて新しい情報や修正等ありましたら、随時お知らせしたいと思います。

※スペシャ「ル」ティコーヒーと、スペシャ「リ」ティコーヒー。
日本では「ル」の呼び方が主流のようです(米語風「ル」と、英語風「リ」 の違い)。
※後日談:当店にSマーク、付いていました。他店も、殆ど付いてました。まるでスペシャルティコーヒーが沢山あるみたいで、興味深かったです。

※参考リンク:
有機ロブスタは高級品?

日本スペシャルティコーヒー協会
アメリカスペシャルティコーヒー協会(英文)
ヨーロッパスペシャリティコーヒー協会(英文)


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