以前、病弱だけど豊かな風味を持つ「アラビカ種」について、お話ししましたね。 今日は、もう一つ日本で流通している珈琲豆の品種、「ロブスタ種」についてのお話です。
「アラビカ種」が病弱で神経質なのに対し、「ロブスタ種」は病害虫に強いです。低地でも栽培可能で、おまけに「アラビカ種」よりずっと安価。
さらに可溶性固形分が多いので、インスタントコーヒーや缶コーヒー、リキッドタイプのアイスコーヒー、水出しコーヒーバッグにもよく使用されます。
「可溶性固形分が多い」ということは、豆が少量でもよく出る(抽出される)ことを意味します。
とりあえず濃い味を出したいなら、ロブスタ配合が一番の早道のようですね。
コーヒー豆店によっては「ブレンド」に2〜3割ほど配合して販売しているところもあります。
でも、なぜブレンドだけに使われるのでしょう?
それは「ロブスタ種」をストレートで飲むと、特有の「泥臭さ」が出てしまい、イマイチの味わいになってしまうからです。
深めの焙煎にすると多少香ばしさは出るのですが、ビリビリと刺激的な苦みが強烈で、キツイ感じに仕上がります。
でも2割程度の配合におさえれば、それほど欠点が目立ちません。
むしろ他の配合豆(アラビカ種)の引き立て役になりますので、低価格におさえるための「増量剤」として最適、という訳です。
また、カフェイン量は「アラビカ種」の2倍と、多く含まれています。そのため、強い刺激が欲しい!?という方には「ロブスタ種」もおすすめです。
イタリアでは、エスプレッソ用の豆に「ロブスタ種」を1割程度配合している店が多いと聞きました。
なぜかというと、厚みのある「クレマ」を作るのに適しているからだそうです。
#「クレマ」とは、エスプレッソの表面に浮かぶ泡状の膜のこと。新鮮な挽きたてコーヒー豆と高性能エスプレッソマシンを使い、適正な抽出を行うと、きめの細かい「クレマ」を楽しむことができます。
一体、どの程度「クレマ」が厚くなるのでしょう? アラビカ種100%でも「クレマ」はできるのですが・・・。
機会があれば、愛用のエスプレッソマシン「ラ・パヴォーニ」で実験してみたいと思います。
※日本で流通している、無農薬・有機栽培の「ロブスタ種」はありません。そのため、当店では取り扱っておりませんので予めご了承下さい。