「コーヒー等に含まれるカフェインが、パーキンソン病の発症を抑える可能性がある」という研究発表がありました。以下、新聞記事をそのまま抜粋します。
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コーヒーなどに含まれるカフェインに、神経細胞の死を抑え、細胞を保護する作用のあることが、鳥取大の中曽一裕助手(脳神経内科)らの研究で分かった。コーヒーを多く飲む人ほどパーキンソン病の発症率が低いとの疫学調査もあり、そのメカニズムの一端を示すものといえそうだ。
パーキンソン病は、脳の黒質と呼ばれる部分の神経細胞が減り、神経伝達物質ドーパミンが不足して運動障害を起こす病気。治療は薬剤でドーパミンを補う「補充療法」が中心となる。
中曽助手らは、培養したヒトの神経細胞を使い、パーキンソン病のモデルとなる毒性物質などで細胞死を誘発。濃度を変えてカフェインを加え、変化を観察した。
その結果、カフェインの濃度に応じて細胞死が抑制された。さらに、細胞生存にかかわるシグナル伝達経路を妨げると、カフェイン効果が減ることも確認。この経路を通じて細胞保護効果を発揮していることを突き止めた。
中曽助手は「適量のカフェイン含有飲料は、パーキンソン病発症を抑制する可能性がある。このシグナル伝達経路を活性化させる他の食品や薬剤も、発症抑制効果を持つかもしれない」と話している。
(2006年10月2日 産経新聞より)
パーキンソン病とコーヒーの関係は、以前から色々と調査されてきました。
米国医師会雑誌(2000年5月24/31日号)でも、ハワイの日系男性約8000人を対象とした30年間の追跡調査が報告されています。
その調査結果は、「コーヒーを飲む杯数が多いほど、発症しにくい」というものでした。
コーヒーを1日あたり7杯以上飲む人と比べ、全然飲まない人では5倍以上もリスクが高かったということです。
緑茶・紅茶等コーヒー以外の飲料からとるカフェインだけで見ても、カフェインの摂取量が少ないほどリスクが高くなったそうです。
カフェインの効果はあるようですね。
1日7杯以上・・・というとビックリしてしまいますが。アメリカのコーヒーはとっても薄い場合が多いので、日本の濃さのコーヒーで換算すると3〜4杯くらいでしょうか。
もちろん、緑茶や紅茶にもカフェインが含まれているので、コーヒーやお茶を飲む習慣のある人は、自然とパーキンソン病を予防しているかも知れないですね。
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パーキンソン病は1000人に1人の割合で発病しているといわれており、日本では現在12万人患者がいると推定されています。
65歳以上だと、100人に1人の割合で発病するというデータもあります。
ところで皆さんは、パーキンソン病についてご存知ですか?
私は、今回の記事を取り上げるにあたり、少しですが勉強させていただきました。
そして色々と調べていくうちに、患者さん達の中には日常生活を送る上で、大変な苦労をされているケースがあることを知りました。
この難病について理解を深めることで、パーキンソン病の方々が安心して暮らせる環境になりますように・・・。
そんな気持ちを込めて、最後に下記サイトを紹介したいと思います。
< 参考 >
「Apple−明るく生きるパーキンソン病患者のホームページ」