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 ネル再考 

●布事情

以前は普通のソフトデニムでしたが、お客様から「コーヒーが有機なんだ
から、布も有機にして!」とご要望をいただきました。

確かにそうですね。でも、普通の布と有機栽培製の布では、どのくらい違う
のでしょうか。
有機栽培の綿を扱う会社の方のお話ですと、綿の収穫から布地になるまで、
色々と化学的な処理をされているということでした。
逆に言うと、有機栽培で育てられた綿であっても加工段階で化学的処理を
されている場合もよくある、ということです。

そこで、有機栽培で育てられ、かつ化学的処理を施されていない布地のサ
ンプルを何枚かいただき、味を見てみました。

●布が使われてきた理由

色々試した結果、「ネル」と「デニム」がほとんど同じ「コクのある、ま
ろやかな味わい」になることが分かりました。保水性があって、よく蒸れ
るためだと思われます。
#まろやかさがアップしているのは、有機栽培のせいでしょうか。


で。どちらが安価かというと・・・意外にも「ネル」の方でした。
#一般的には、デニムの方が入手しやすいです。

これは、有機栽培だと希少価値が高く、加工料よりも綿の使用量がそのま
ま価格に反映してくるためです。
「ネル」は少ない綿量でも「起毛」を利用して保水性を維持することがで
きるので、より安価になっている訳です。


昔から、貴重な綿を最小限に使って、保温性を高めるために起毛加工され
てきた「ネル」。
保温性だけでなく「保水性」にも着目し、コーヒー分野でも活躍してきた
理由が、ようやく理解できました。

「茶こし布ドリップ法」については、こちらをご覧下さい。


 


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