平成20年5月9日付けで、エチオピア産コーヒー豆検査命令の実施が発表されました。
これは、基準値を超える有機塩素系殺虫剤γ−BHC(リンデン)、クロルデン、ヘプタクロルが、エチオピア産コーヒー生豆から検出されたため、だそうです。
→厚生労働省:輸入食品に対する検査命令の実施について(報道発表資料)
以前、ブラジル産コーヒー豆の残留農薬・ジクロルボスが発覚した時は、ニュースで大変な騒ぎになりましたね。
今回は何故か静かで・・・知らない人の方が多いのでは?と思い、とりあえずお知らせしました。
なお、イエメン産コーヒー豆についても残留農薬が検出された事例があり、モニタリング検査強化が実施されているということです。
※エチオピア産、イエメン産コーヒー豆: モカ(+α)の名で呼ばれているコーヒー豆
上記報道発表資料で、ちょっと不思議に思ったのは下記の部分。
注7) 日本人の一日当たりのコーヒーの摂取量は、コーヒー豆(生豆)に換算すると2.6gです。
毎日レギュラーコーヒーを1杯飲めば、生豆換算で13gくらい消費してしまいます。日本人の一日当たりの消費量2.6gだとすると・・・0.2杯(5分の1杯)分ですね。
でもカップ1/5杯だけを毎日飲む人は、たぶんとても少ないでしょう。
この中途半端な2.6gという数字は、子供も大人も全部混ぜて平均した、ということでしょうか?そうだとすると、あまり意味の無い数字だなぁ、と思いました。
とりあえず、「体重60kgの人が当該違反のコーヒー豆を毎日飲んでも、健康に及ぼす影響はありません。」とのことです。
一昔前(私がコーヒー豆屋を始めた頃)は、「モカ系は有機栽培じゃなくても、農薬使ってないから大丈夫!」というのが定説でした。しかし今は、そう言えなくなってしまったようですね・・・残念なことです。
<参考>
γ−BHC(リンデン):
毒性の強いβ-BHCの残留性が問題となり、現在は多くの国で殺虫剤としての使用が禁止されている。農薬として使用した場合、動物が食物から摂取して、脂肪、肝臓、腎臓などに蓄積する危険がある。
(日本では1971年に失効)
クロルデン・ヘプタクロル:
かつて殺虫剤、シロアリ防蟻剤として用いられていたが、現在は製造・輸入が禁止されている。非常に高い残留性を持っており、環境ホルモンとしての疑いがもたれている。
(日本では1968年に失効)