「豆を挽いた時の香りが一番好き！」という方は、かなり多いかと思い
ます。私もあのクラッとくる香りが大好きです。
この香りが好きで、ゴリゴリ時間をかけて手で挽くのが至福の一時だ！
というお客様も結構いらっしゃいました。
＃私は面倒くさがりやなので、手動はパスですが。

さて。この「挽いたときの香り」は、実は非常に短命なんです。
仮に挽いてすぐに抽出しても、お湯を注いだ段階で違う香りに変化して
しまいます。「花の命は短くて〜」というところでしょうか。

挽き豆で購入される方は、挽いた時の香りを満喫するのは難しいですね。
でも、袋を開けた時の香りが、これに一番近いかと思います。
 
 

●抽出中〜出来上がり

では、抽出によってどのように変化するのでしょうか。
焙煎度合いによって、微妙に異なるので面白いです。
＃ここではペーパードリップの場合でお話します。

＜浅めの焙煎豆の場合＞
抽出中は良い香りがしない場合が多いです。どこか生臭いような感じで
「おいおい、大丈夫か？」と言いたくなります。

でも、出来上がると不思議。かすかな酸味と独特の香りに仕上っていま
す。あの生臭さは何処へ消えたのだろう？
当店の豆だと、ガテマラやコロンビアあたりの焙煎豆がそれにあたりま
す。
 

＜深めの焙煎豆の場合＞
挽いている時の香りとは全く違いますが、抽出中も香ばしさが持続しま
す。豆によっては抽出中でも個性的な香りを楽しめたりします。

アイスコーヒーにもぴったりの「深煎り」だと、抽出中は香ばしすぎて
焦げ臭いような感じもします。
でも、出来上がると不思議。深い苦みと程良い香ばしさが楽しめます。
あの焦げ臭さは何処へいったのだろう？

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以上、抽出時の香りの変化についてお話しました。
＃焙煎したての新鮮な豆について考察しましたので、残念ながら古い豆
にはあてはまりません。古い豆は、抽出時に油が古くなった時の臭いが
します。