●コーヒーに適した土地 国道から脇道に入り、ジャングルのような密林を抜けて いくと、コーヒーの木々が見えてきました。 立派な葉、たわわになったコーヒーの実を見て、コナは 本当に「コーヒーの生育に適した土地」なんだなぁ、とつ くづく思いました。 もし日本でコーヒーの木を育てようとすると、「霜が絶対 に降りないように!」とか、「直射日光に当てすぎないよ うに!」等、注意すべき点がいくつかあります。 だから、沖縄や小笠原諸島のような温暖な気候でない と、屋外で育てるのは難しいのです。 その点、コナは適度な日射、雨、気温、そして昼夜の気温差等、色々な面で「コクのある美味し いコーヒーができる条件」が整っているように思えました。 ●赤い実と緑の実 さて。いよいよ収穫です。 こちらの農園では手で丁寧に摘みますが、これは赤く熟 した豆だけを選ぶためです。 コーヒーの実は、熟した赤い実と未熟の緑の実が混在す るので、機械で一気に収穫するには無理があります。 1つ1つ手摘みすると大変手間がかかりますが、完熟豆 だけ収穫すれば美味しいコーヒーになるし、まだ若い未 熟な豆を無駄にしなくて済みます。 私も、コーヒースティックと呼ばれる棒を使って枝を手元に引き寄せ、赤い実を選んで摘んでみました。 よく熟していて、とっても美味しそう! 思わずパクっと食べてみると・・・ ほんのり甘く、クセの無い味わい。でもほとんど果皮と種子 (コーヒー豆)だけで、「果肉」はとても薄かったです。 甘い皮が種子にへばりついている、という感じで、「フルー ツを食べた」という気はしません。 昔は、農家の子供達がおやつ代わりに実を摘んで食べた とか。確かにほんのり甘いので、ちょっと口に含めば空腹 を紛らわすことができそうです。 |