前回は「オークランドで自家焙煎コーヒー豆のカフェをオープンして分かったこと」についてお話ししましたね。
今回は、コーヒーと脱水症状についてお話ししたいと思います。
6年くらい前のことでしょうか。とても暑い日でした。
スタッフの一人から「コーヒー飲んでも脱水症状になるって知ってますか?」と聞かれました。
私はアイスコーヒーを水代わりに飲んでいたので、「その論理だと私はとっくに脱水症状を起こしてますね^^」と答えたのを覚えています。
なぜコーヒーで脱水症状が起きるという都市伝説?が生まれてしまったのでしょうか。
それはコーヒーに、カフェインが含まれているからだそうです。
カフェインの利尿作用で、飲む量よりも排出される量が多くなってしまうから・・・え??
もしカフェインに敏感な小さいお子さんや、諸事情によりカフェインをとらない方、特別な体質の方なら、確かに利尿作用が心配です。
しかし、日常的にコーヒーを楽しむ方でしたら、カフェインの耐性ができているので問題無いでしょう。
特に、この記事を読んでいる方の殆どは、コーヒー好きなはず・・・
ドリップコーヒーの99%は水と考えると「脱水症状が怖いから、コーヒーは我慢する!」必要は無いかと思われます。
ただコーヒーに限らず、水だけ飲んでも体内に吸収されにくいので、塩を一緒に飲むと良いと言われていますね。
以前紹介しました「塩コーヒー(塩入コーヒー)」という方法もありますが、皆さんに好まれる味わいかどうか分かりません。
ということで、もし脱水症状が心配でしたら「コーヒーを飲む前にちょっとだけ塩をなめる」のがおすすめです。もちろん、コーヒー の前に塩分を含んだ食事をとっていたら、その必要もありませんが。
コーヒーを日常的に愛飲している人には問題無いと書きましたが、濃度には注意して下さい。
たとえば普段アメリカンしか飲まないのに、今日は脱水症状が心配だから・・・高濃度のエスプレッソで!という無謀なことをしてはいけません。
同じコーヒーでもカフェイン量は全く違いますから、別の飲み物と考えた方が無難です。
普段から、自分がどの程度のコーヒー濃度だと心地よいのか、トイレに行く回数が増えないのか、を知っておくのが良いと思います。
もし水代わりに、いつもより多くコーヒーを飲みたいなら、2倍程度に薄めるのもおすすめです。
ドリップコーヒーを美味しく薄めるには、抽出した後にお湯(アイスコーヒーなら水)を足すのがポイント。
詳しくは、「薄いコーヒーに合う豆」をご覧下さい。
ちなみに私は、コーヒーで言うと・・・
やっぱりエスプレッソが苦手です。味見はしますけど、高濃度すぎて体が受け付けないようです。お湯やミルクを足せば全然問題無いのですが。
あと、ごく浅煎りのコーヒー豆(当店では販売していません)もダメです。カフェインだけでなく他の刺激的な成分が強すぎるのですね。脱水症状以前に、胃が痛くなります。
逆に深めの焙煎豆は、苦味があるけど成分は優しく、アイスコーヒーにもよく合うのでお勧めです。
その他、お茶会でいただく濃茶も苦手です。抹茶の量が多いためカフェインもエスプレッソ以上に強く、飲むのが辛いです。
あとカフェインとはあまり関係ないですが、甘いソフトドリンクもダメですね。飲んだ瞬間だけ満たされるのですが、すぐに喉が渇いてしまいます。だから私にとっては「いくら飲んでも喉が渇く、不思議な飲み物」です。恐らく、甘すぎるので体が一所懸命薄めようとしているのでしょうね。
以上、私の経験もあわせてお話ししました。
近年コーヒーのカフェインが成人病予防に効果的、という研究結果が増えています。
そのなかで「コーヒーで脱水症状」という誤解が広がるのは残念なことだと思い、今回レポートしました。
コーヒー好きな皆さんの参考になれば幸いです^^
暑さはまだしばらく続きそうです。
どうかくれぐれもご自愛下さい。
参考サイト:No Evidence of Dehydration with Moderate Daily Coffee Intake