「甘いコーヒー、あります?」 ・・・と、ご来店のお客様から聞かれることがあります。 私は、「全部甘いです。」と、迷わずお答えしています。 もちろん「砂糖を入れたコーヒー」という意味ではありません。 「コーヒー本来の甘み」のことです。 ●コーヒーの「甘み」を見つける 「苦い」「酸っぱい」というイメージが強いコーヒーですが、口に含ん だ時に味覚を最大限に働かしてみると・・・「甘み」を見つけることが できます。 ただ、とてもデリケートな味わいなので、次のような場合は「甘み」を 感じることはできません。 (1)不適切な焙煎で、苦みや酸味が強く出過ぎている。 (2)ドリップする時、お湯を注ぎすぎて渋みが出ている。 (3)豆が古く、酸化してしまっている。 (4)抽出した後、時間が経ってしまい雑味が出ている。 上記以外にも、化学物質過敏症の方で農薬を使用したコーヒーを飲むと、 しびれを感じたり、様々な症状が出る場合があります。 こういう場合も「甘み」を感じている余裕は無いでしょう。 このように、口に含んだ時に不快感を伴うような味わいがあった場合に は、残念ながら「甘み」を感じることはできません。 ●自分に合った「甘み」は? 新鮮な豆を使ってちゃんと抽出し、できたての酸化していないコーヒー を飲めば(2)〜(4)については大丈夫ですね。 では、(1)の焙煎加減については、どのくらいが一番甘みを感じるこ とができるのでしょうか? その人の味覚にもよりますが、中煎り(ハイロースト)〜深煎り(フレ ンチロースト)の間が、甘みを感じやすい焙煎度合いと言えます。 苦みに慣れていない方、または酸味がお好きな方でしたら、中煎りでバ ランスのとれた味わいに仕上げたものがオススメです。 いつも苦いコーヒーを召し上がっている方でしたら、深め中煎り〜深煎 りで、ほろ苦さの中に「甘み」を見つけることができるでしょう。 大事なのは、どの焙煎度合いで一番抵抗無くコーヒーを飲むことができ るか? だと思います。 新鮮で、焙煎加減が自分に合っているコーヒーは、口に含んだ時にスッ と体に溶けていくような感じがします。 そういうコーヒーに出会えば、きっと「甘み」を堪能できるに違いあり ません。 ※コーヒー生豆には、約7%の蔗糖、1%の還元糖(ブドウ糖・果糖等) が含まれ、焙煎によってほろ苦さや甘みに変化します。
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